JPH04830Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、頭部から足部に至るまで全身をマ
ツサージし得る全身マツサージ器に関する。

〔従来の技術と解決すべき課題〕

従来より種々のマツサージ器が考案され、多種
類提供されている。これらマツサージ器の多くは
人体の肩や背中のみをマツサージするためのもの
であつたり、あるいは足のみをマツサージするた
めのものである等、マツサージすることができる
部位が限られていた。また、マツサージすること
ができる部位が広汎であつても、マツサージの効
果が少ないか、高い効果を得るためには必要以上
に力を加えることを要するなど、マツサージ器の
取り扱いが困難であつたり、力加減が難しいなど
の問題があつた。更に、脱毛を防止する観点から
頭皮を軽くマツサージして刺激を与えることが望
まれるが、頭皮を適度にマツサージし得るマツサ
ージ器は今までなかつた。

本考案者は誰もが手軽に使用し得て、マツサー
ジの効果があると同時に安価なマツサージ器を提
供するため、繰り返して試作と実験を重ねた結
果、本考案に至つたのである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る全身マツサージ器の要旨とすると
ころは、板状の支持体に該長手方向に長孔を設け
るとともに該長孔部の長手方向の一端側又は両端
側に把持部を設け、且つ前記長孔に前記支持体の
長手方向と直角をなす軸を中心に回転する回転体
を１又は複数個一次元に設け、更に、前記支持体
の長手方向の両端部又は一端部に孔を設け、該孔
にロープを取付けたことにある。

更に、かかる全身マツサージ器において、前記
複数の回転体を人体のツボ間隔をもつて配置した
ことにある。

〔作用〕

かかる本考案の全身マツサージ器によれば、支
持体の把持部を持つて長孔に取付けられた回転体
を転がすように動かして、肩、首筋、背中、腕、
足及び足の裏など全身をマツサージすることがで
きる。特に、支持体が板状の剛体であるため、把
持部を持つて回転体を被マツサージ部に押圧する
力を容易に調節することができ、しかもその被マ
ツサージ部を正確に選定することができ、痛みを
与えることなく頭皮などもマツサージすることが
できる。

また、支持体の一端又は両端に取付けられたロ
ープを持つて支持体と直角をなす方向に分力が生
ずるように適度の力を加えながら交互に引つ張る
ことにより、一種のやじろべえの原理によつて回
転体を自立させることができる。したがつて、背
中や足の裏などマツサージし難い部位も容易に一
人でマツサージできる。しかも、ロープを強く引
つ張りマツサージの効果を高めることができる。
更に、複数の回転体を人体のツボ間隔をもつて配
置することにより、その回転体を眼窩や首筋など
のツボにあてがつて押圧したり、あるいは支持体
の把持部をツボにあてて押圧して、指圧器として
用いることができる。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。

第１図ａ，ｂに示す全身マツサージ器におい
て、符号１０は樫の木などにて作られた板状の支
持体であり、その支持体１０のほぼ中央部には長
手方向に長孔１２が削設され、その長孔１２部の
両側は把持部１４とされている。また、把持部１
４すなわち支持体１０の長手方向両端部には孔１
６が削設されていて、その孔１６にはロープ１８
が挿通され固定されている。

長孔１２には支持体１０の長手方向と直角をな
す方向に設けられた軸２０を中心にして回転する
円板２２が回転可能に一次元に設けられている。
なお、円板２２と円板２２との間は毛髪などを巻
き込まないように僅かな間隙が開けられ、また支
持体１０や円板２２の角部は怪我などの防止のた
め丸みが付けられている。

このような構成に係る全身マツサージ器の具体
的一例を示すと、標準的サイズとして支持体１０
の全長は約40乃至50cm、円板２２の直径は約４乃
至６cmに形成されるのが好ましいが、使用者の体
格に合わせて寸法が定められるのが最も望まし
い。

本実施例に係る全身マツサージ器において、支
持体１０の両端に設けられた把持部１４の一方を
持つて、あるいは必要に応じて両方を持つて、円
板２２をマツサージすべき部位にあてがい円板２
２を前後に転がすようにしてマツサージが為され
る。特に、人体の頭部の皮膚をマツサージして、
皮膚に刺激を与えることにより脱毛を防止しよう
とする場合、頭部の皮膚は頭蓋骨と円板２２とに
挟まれることとなるため、円板２２の押圧力の調
節は微妙に為されることが必要である。しかし、
支持体１０が剛体で構成されているため、力を加
える加減の調節は容易であり、しかも円板２２は
一次元に配置されているため、マツサージしよう
とする部位の選定、位置決めも容易であり、心地
よい刺激を頭皮に与えることができる。

また、背中を自らマツサージするのは一般に困
難であるが、本実施例に係る全身マツサージ器に
おいては、支持体１０に設けられた孔１６，１６
にロープ１８，１８を挿通して固定し、全身マツ
サージ器の円板２２を背中にあてがつて、それら
のロープ１８，１８を交互に引つ張ることにより
背中をマツサージすることができる。ここで第１
図ｂに示すように、ロープ１８を支持体１０の片
面から突出させるように孔１６に取付けることに
より、一種のやじろべえの原理により円板２２を
背中にあてることができる。なお、ロープ１８を
用いない場合であつても、たとえば腰部などのマ
ツサージは容易に為し得る。

更に、足裏の土踏まずをマツサージする場合、
支持体１０の孔１６の一方にのみロープ１８を挿
通して固定し、他方の把持部１４を持つてロープ
１８を引つ張りながら円板２２を回転させると、
効果的にマツサージすることができる。

また、丸みが付けられた把持部１４の先端や円
板２２を身体のツボなどの一部に強く押圧して、
指圧をすることができる。特に、複数の円板２２
を平均的な人体のツボ間隔に設定することによ
り、仰臥した人体の首筋や背中を適度に押圧する
ことができる。

以上、本考案の一実施例を詳細に説明したが、
本考案に係る全身マツサージ器はその他の形態で
も実施することができる。

たとえば第２図に示すように、回転体として球
２４を用いても良く、また第３図に示すような回
転体２６を用いても良い。その他、回転体の形状
は太鼓形など、軸２０を中心に滑らかに回転し得
る形状であれば良い。

また、上述の円板２２、球２４、回転体２６な
どの回転体の表面は平滑に形成されていたが、第
４図に示すように、回転体２８の表面にイボ状の
突起３０を形成しても良く、あるいは第５図に示
すように、回転体３２の周方向と直角をなす方向
に溝３４を形成しても良い。このような突起３０
や溝３４を形成することにより、皮膚に与える刺
激を高め、マツサージの効果を高めることができ
る。

更に、第６図に示すように、支持体３６の把持
部３８を指圧に適した形状にすることも可能であ
る。

その他、一々図示するのは省略するが、回転体
が取付けられる長孔は支持体の中央部に形成され
る必要はなく、長手方向に偏心した位置に形成さ
れても良い。また、把持部は長孔の両側に設けら
れる必要はなく、片側のみでも良い。

更に、支持体の長孔部における支持体の幅を把
持部の幅よりも広く形成しても良く、また、回転
体を長手方向に複数列配置するのも可能である。
また、ロープ取付け用の孔は支持体の一箇所にの
み設けても良い。

更に、回転体は３個配設する必要はなく、１個
のみでも良ければ、２個以上の複数でも良い。ま
た、支持体や回転体などは木製の他、樹脂にて製
造されても良く、回転体の外周部に樹脂製のリン
グを取付けることも可能である等、本考案はその
趣旨を逸脱しない範囲内で、種々なる変形、改
良、修正を加えた形態で実施することが可能であ
る。

〔考案の効果〕

かかる本考案は剛体である板状の支持体に回転
可能に取付けられた回転体を転がすようにして身
体をマツサージし得るようにしているため、マツ
サージの効果が高く、またマツサージすべき部位
の選定を確実に為し得て、更にマツサージに要す
る力加減が思い通りに為し得る。したがつて、頭
皮のマツサージなど、微妙な力加減が必要な部位
に対しても、効果的なマツサージを為し得る。し
かも、支持体に取付けられたロープを持つて交互
に引つ張りながら力を加えることにより、第三者
に手伝つて貰うことなく、頭部から足部に至るま
で全身を自らマツサージすることができるなど、
本考案は優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本考案に係る全身マツサージ器
の一実施例を示す図であり、同図ａは平面図、同
図ｂは正面図である。第２図及び第３図はそれぞ
れ、本考案に係る全身マツサージ器の他の実施例
を示す平面図である。第４図及び第５図はそれぞ
れ、本考案に係る全身マツサージ器に用いる回転
体の他の実施例を示す要部拡大正面図である。ま
た第６図は本考案に係る全身マツサージ器の把持
部の他の実施例を示す要部拡大平面図である。 １０，３６……支持体、１２……長孔、１４，
３８……把持部、１６……孔、１８……ロープ、
２０……軸、｛２２……円板、２４……球、２６，
２８，３２……回転体｝（回転体）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板状の支持体に該長手方向に長孔を設けるとと
   もに該長孔部の長手方向の一端側又は両端側に把
   持部を設け、且つ前記長孔に前記支持体の長手方
   向と直角をなす軸を中心に回転する回転体を１又
   は複数個一次元に設け、更に前記支持体の長手方
   向の両端部又は一端部に孔を設け、該孔にロープ
   を取付けたことを特徴とする全身マツサージ器。