JP3627115B2 - 指圧器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は身体各部の筋肉の硬結、緊張、コリをほぐす目的などに使用される指圧器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、人体に指圧を施そうとする場合、次のような手段による方法が一般に行われている。
(イ)人体の背中や腰などの特定の部位のツボの位置に合わせて複数の突起を設けた器具を用い、この器具の上に患部を乗せてその上に寝るか、患部へ器具を押し当てる。
(ロ)器具を用いずに自身の手指で指圧を行なう。
(ハ)日用品の内、ヘヤピンの丸い先端部分やボールペンのキャップを利用し、これらによってツボを刺激する。
(ニ)長いアームの先端に突起を設けた器具を用い、この器具の基端部を保持して先端を患部へ押し付ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の手段には、それぞれ次のような欠点があった。
(イ)の手段では、突起が特定の配置となっているため、該当する特定箇所以外のツボに使用することが困難であり、汎用性に欠ける。
(ロ)の手段では、自身の手指が届く身体の前面などの範囲以外に施すことが不可能であるため、他人の手を借りることが必要とされる。
(ハ)の手段では、上記(ロ)と同様の欠点があるばかりか、尖った先端部を有しているため、誤って用いると危険である。
(ニ)の手段では、根本を保持して先端に力を加えるため、先端の突起に十分な力を加えることができない。したがって、高齢者など、力が弱い者が使用することが困難である。
【0004】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、他人の手を借りることなく、自身の手で全身のツボを容易に指圧することができ、家庭において安心して使用することができる指圧器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的の達成のため、請求項1は、板状の本体の少なくとも一方の面に、上部が円錐状をなす複数の突起を一列に配置してなり、前記突起は、中央に一対と、両端にそれぞれ一個設けられ、一端に設けられた突起は、他の突起より小径の円錐状をなすことを特徴とする。このように構成することにより、本体の両端をそれぞれ手で保持して背中など身体の背面を指圧することができる。また本体を床上に置いてその上に仰臥することにより、背中や腰などを指圧することができる。この場合、端部に設けられた突起は、治療終了後、身体を浮かせてその下から指圧器を引き出そうとする場合の指掛けとして利用することができる。すなわち、端部の突起に指を掛けることによって容易に身体の下部から横へ引き出すことができる。さらに、本体の一端を手で持って、通常手の届かない部位を指圧することができる。さらにまた、突起が円錐状をしているから、先端を点接触させるのみならず、傾斜した周面を線接触させることによっても同様の指圧効果を得ることができ、したがって、先端がツボを外れた場合にも治療効果を得ることができる。
【0006】
また、前記突起の内、少なくとも一方の端部に設けられたものは、他の突起より小径の円錐状をなすことを特徴とする。他方の端部を手で保持して前記突起により身体の特定箇所を容易に指圧することができ、この場合、突起が小径であるから、前記特定箇所により強い指圧を作用させることができる。また、前記本体の全長を30cmとしたことを特徴とする。30cmとすることにより、取扱易く、しかも保管に場所をとることがない。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1および図2における符号1は本体である。この本体1は板状の木材からなり、例えば、長さが30cm、幅が6cm、厚さが1cm程度に設定されている。長さは、取扱性、および保管性を考慮してかかる寸法に設定される。幅は、後述する突起2を支持し得るように、突起2の直径より大きくすることが必要とされる。
【0008】
前記本体1の上面には、3個の突起2と、1個の突起3とが設けられている。突起2は、基端部が円柱状、これよりも上部が円錐状をなしており、例えば、木材を加工することにより図示の形状に形成されている。また突起2は、本体1の中央部に対称に一対配置されるとともに、本体1の一端に1個配置されている。また突起3は、上記突起2より小径の円柱状部および円錐状部から構成され、前記本体1の他端に配置されている。
【0009】
上記構成の指圧器は、下記のようにして使用される。
頭部に指圧を施す場合、図3に示すように、本体1の一端を一方の手で、他端を他方の手で保持して中央の一対の突起2を用いる。この場合、本体1の寸法がほぼ30cmに設定されているので、手によって十分に力を加えることができる。この場合、本体1を水平に保持すれば中央の一対の突起2を同時に頭部へ押し当てることができ、また、本体1を傾けて保持すれば、中央の一対の突起2の一方のみを頭部へ押し当てることができる。前記各突起の内、中央の一対の突起2は、主として背骨の両側の対称的なツボを刺激する場合に好適に使用される。また端部の突起2もしくは3は、特定箇所のツボを集中的に刺激した場合に好適に用いられ、求められる指圧力が大きい場合には小径の突起3が、小さい場合には大径の突起2が使用される。なお本願の指圧器は、このように両手で保持して中央の突起2によりツボを押さえるようにして使用されるから、このような使用により与えられる曲げ力に耐えられるように材料、あるいは寸法が設定されることが必要なのはもちろんであるが、少なくとも、本実施形態における寸法の木材により本体1を構成すれば、必要な強度を得ることができる。
【0010】
顔面および耳の周囲に指圧を施す場合、図4に示すように、本体1を片手で保持して、中央の突起2、あるいは端部の突起2または3を局部へ押し当てることにより指圧を施すことができる。また、本体1を傾ける角度を変えることにより、各突起2,3のいずれか一つずつを順次局部へ押しつけることができる。なお、本体1を両手で保持して同様の指圧を行うことができるのはもちろんである。
【0011】
胸部あるいは腹部に指圧を施す場合、図5に示すように、本体1を両手で保持して、主として中央の突起2を押し付けることにより指圧を行うことができる。
【0012】
背中および腰に指圧を施す場合、図6に示すように、突起2を上向きとして本体1を床の上に置き、その上に仰臥して所望の部位へ突起2(中央の一対の突起)を押し付けることにより指圧を施すことができる。この場合、膝を立てておき、必要に応じて腰を浮かせることにより、指圧の強さを調整することができる。また、このような背中あるいは腰に対する指圧の終了後、下から指圧器を取り出そうとする場合には、本体1の端部に設けられた突起2または3に指を掛けて引っ張れば、容易に体の下から取り出すことができる。すなわち端部の突起2および3は、本来の指圧のための突起としてでなく、取扱いのための取っ手としての機能をも果たしている。
【0013】
後頭部、あるいは、後頸部に指圧を施す場合、図7に示すように、突起2を上向きとして本体1を枕などの上に置き、その上に仰臥して所望の部位へ突起2
(中央の一対の突起)を押し付けることにより指圧を施すことができる。
【0014】
足の裏に指圧を施す場合、図8に示すように、突起2を上向きとして本体1を床の上に置き、その上に足を載せればよい。
【0015】
なお、上記実施例の本体は、床などに配置した場合の安定性を考慮して板状としたが、棒状であってもよく、棒状とすることにより手で保持して使用する場合の取扱性を向上させることができる。また、本体および突起を構成する材料は、木材の加工品のみならず、木質素材の成型品、あるいは、プラスチックの成型品であってもよいのはもちろんである。なおまた、図示例では本体の一方の面にのみ突起を設けたが、両面に突起を設けるようにしてもよい。また、両面に突起を設けるとともに、一方の面と他方の面とで突起の配置、外径、硬さ、あるいは円錐部の角度などを変えることによりその汎用性を高めることができる。また突起は、本体に接着などによって取付てもよいが、例えば、本体と突起とを凹凸嵌合のような着脱可能な取付構造として、かつ、本体に突起の数より多くの取付孔を設けておけば、必要に応じて突起の位置を変更し、あるいは、異なる形状の突起に交換することができ、同様に、汎用性を高めることができる。
【0016】
【発明の効果】
身体のツボを刺激することにより筋肉の硬結、緊張、こりをほぐすことができる。
骨と骨との連接部あるいは関節部の歪、特に脊椎骨が連接する脊椎の歪などを矯正することができる。
皮膚を通して筋肉等に伝えられる圧力は一種の理学的刺激であるから、この刺激にによって身体に反射作用を呼び起こし、それによって全身的な整調を図ることができる。
寝たきりの老人や低学年の児童でも、手指さえ動かすことができれば手軽に操作することができる。
病人などが指圧を望む場合、介護人が病人の要求に応じて加圧の強弱を調節しながら指圧することができる。
指圧師のような専門技術を持った者でなくても同程度の指圧効果を得ることができる。
身体に接触する突起が一列に並べられているから、一部の突起毎に、あるいは複数の突起を同時に、いずれの場合にも容易に局部へ押しつけることができる。前記突起は、円錐状をしているから、先端のみならず外周の円錐面によっても局部を押すことができ、したがって、先端がツボを外れた場合であっても、前記円錐面によって的確にツボを刺激することができ、したがって、取扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の側面図。
【図2】本発明の一実施形態の平面図。
【図3】頭部への使用の説明図。
【図4】顔面への使用の説明図。
【図5】腹部への使用の説明図。
【図6】腰部への使用の説明図。
【図7】頸部への使用の説明図。
【図8】足裏への使用の説明図。
【符号の説明】
1 本体 2 突起 3 突起
Claims (3)
- 板状の本体の少なくとも一方の面に、上部が円錐状をなす複数の突起を一列に配置してなり、前記突起は、中央に一対と、両端にそれぞれ一個設けられ、一端に設けられた突起は、他の突起より小径の円錐状をなすことを特徴とする指圧器。
- 前記両端を除く位置の複数の突起を他の突起より高くしたことを特徴とする請求項1に記載の指圧器。
- 前記本体の全長を30cmとしたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の指圧器。
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1995
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