JPH046967Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は雨水の排水に改善を加えた自動車にお
けるバツクドアの構造に関するものである。

（従来技術及びその問題点） バツクドアのガラスハツチを水平面以上に回動
させたとき、ガラスハツチ上に溜まつた雨水が車
室内に流入するのを防止するために種々の工夫が
凝らされている。

実公昭58−8753号公報に開示されるものは、第
４図に示すように、ガラスハツチａの周辺にレイ
ンガイド用凸条ｂを設け、且つこのレインガイド
用凸条ｂで集められた雨水がヒンジ部材ｃに設け
た導水路を通つて、車体のルーフ後端部ｄとウエ
ザストリツプｅとの間に形成されるドリツプチヤ
ンネルｆ上に落下するように構成されている。

しかしこの従来例では、ヒンジ部材ｃに設けた
導水路とドリツプチヤンネルｆとの間に距離があ
り、風向きによつては雨水が車室内に入るという
問題がある。

（考案の目的） 本考案は上記に鑑み、ガラスハツチを水平面以
上に回動させたときに、ガラスハツチ上の雨水を
車体のルーフ後端部に導いて、雨水が車室内に入
ることを確実に防止することができるバツクドア
の構造を提供することを目的とする。

（考案の構成） 本考案は上記目的を達成するため、ガラスハツ
チの上辺部と車体のルーフ後端部とを連結するヒ
ンジ部材によつて、ガラスハツチを上下回動可能
に車体に枢支したバツクドアにおいて、ガラスハ
ツチの上辺にレインガイド用凸条を配設すると共
に、このレインガイド用凸条に、導水経路が連続
するように軟弾性材料で形成された導水樋を接続
し、この導水樋をルーフ後端部に向けて突出さ
せ、かつこの導水樋を前記ヒンジ部材の内方に配
設し、ガラスハツチを水平面以上に回動させたと
きに前記導水樋の先端がルーフ後端部に接触し、
ガラスハツチ上に溜まつた雨水がレインガイド用
凸条に伝わつて前記導水樋に集められ、次いで導
水樋から前記ルーフ後端部に伝えられるように構
成したことを特徴とする自動車におけるバツクド
アの構造を提供するものである。

（実施例） 第１図乃至第３図に示す実施例において、Ａは
ガラスハツチ１の上辺部と車体２のルーフ後端部
３とを連結する左右一対のヒンジ部材４，４によ
つて、ガラスハツチ１を上下回動可能に車体２に
枢着してなるバツクドアを示している。

ガラスハツチ１の周辺には、ゴム、軟質合成樹
脂などの軟弾性材料で形成されたレインガイド用
凸条５を接着などによつて取付けている。このレ
インガイド用凸条５の凸部５ａの高さは、ガラス
ハツチ１を第１図に実線で示すように、水平面以
上に回動させたときにおいて、その上に溜まつた
雨水が溢れ出ない程度に定められる。

前記レインガイド用凸条５には、左右一対の導
水樋６，６が一体形成され、これら導水樋６，６
は前記ルーフ後端部３に向け突出するように形成
されている。この導水樋６の入口部７は第２図に
示すように、レインガイド用凸条５で集められた
雨水が導水樋６に流入し易いように開口してい
る。又前記導水樋６は第１図に実線で示すよう
に、ガラスハツチ１を水平面以上に回動させたと
き、その先端８が前記ルーフ後端部３に接触する
ように、その突出量が定められている。前記導水
樋６，６は前記ヒンジ部材４の内方で、ヒンジ部
材４の下方に隠れる位置に形成し、外観をよくし
ている。

又、第１図において９はバツクドア開口、１０
はその周辺に配設されたウエザストリツプで、そ
の外周面には前記ルーフ後端部３を伝わる雨水を
地面に導く導水用凹溝１１が形成してある。更に
１２はヒンジ部材４の固定側部分、１３はヒンジ
部材４の回動側部分、１４は固定側部分１２に回
動側部分１３を枢支する枢軸である。

かくして第１図に実線で示すように、ガラスハ
ツチ１を水平面以上に回動させたとき、ガラスハ
ツチ１上に溜まつた雨水は、レインガイド用凸条
５を伝わつて前記導水樋６に集められ、次いで導
水樋６から前記ルーフ後端部３に伝えられた後、
前記ウエザストリツプ１０の導水用凹溝１１に案
内されて地面に導かれるので、前記雨水がバツク
ドア開口９を通つて車室内に入ることを確実に防
止することができる。

又第１図に仮想線で示す閉ドア状態から第１図
に実線で示す開ドア状態にガラスハツチ１を回動
させる途中で、前記導水樋６の先端８は前記ルー
フ後端部３に当接して、回動抵抗を受けるが、前
記導水樋６は軟弾性材料で形成されているため容
易に変形して、ガラスハツチ１の回動は円滑に行
われる。又第１図に実線で示す状態になつたとき
前記導水樋６は復元してその先端８は圧接状態に
前記ルーフ後端部３に接触する。

本考案は上記実施例に示す外、種々の態様に構
成することができる。例えば前記レインガイド用
凸条５はガラスハツチ１の上辺にのみ設けてもよ
く、その材質も軟弾性材料に限定されない。又前
記導水樋６はレインガイド用凸条５と別体形成し
て、これに連続するように形成してもよいが、そ
の材質は軟弾性材料である必要がある。

（考案の効果） 本考案は上記構成を有し、ガラスハツチを水平
面以上に回動させたとき、その上に溜まつた雨水
を、レインガイド用凸条及び導水樋によつて車体
のルーフ後端部に導くことができるので、前記雨
水の車室内への流入を確実に防止することができ
る。

又前記導水樋は軟弾性材料で形成されているの
で、ガラスハツチの開閉に支障とはならない。さ
らに、導水樋がヒンジ部材の内方に収まつて外部
からは見えないので、見栄をよくすることができ
る。例えば、導水樋からボデーに雨水が伝えられ
た場合に、雨水に軟弾性材料の成分が溶けるなど
して着色した流れ跡がボデーに残つてしまう場合
でも、これがヒンジ部材の下となり隠すことがで
きるので、車体の外観を損ねることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の要部の縦断側面図、
第２図は要部の斜視図、第３図は全体を示す斜視
図、第４図は従来例の縦断側面図である。 １……ガラスハツチ、２……車体、３……ルー
フ後端部、４……ヒンジ部材、５……レインガイ
ド用凸条、６……導水樋、８……先端、Ａ……バ
ツクドア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガラスハツチの上辺部と車体のルーフ後端部と
   を連結するヒンジ部材によつて、ガラスハツチを
   上下回動可能に車体に枢着したバツクドアにおい
   て、ガラスハツチの上辺にレインガイド用凸条を
   配設すると共に、このレインガイド用凸条に、導
   水経路が連続するように軟弾性材料で形成された
   導水樋を接続し、この導水樋をルーフ後端部に向
   けて突出させ、かつこの導水樋を前記ヒンジ部材
   の内方に配設し、ガラスハツチを水平面以上に回
   動させたときに前記導水樋の先端がルーフ後端部
   に接触し、ガラスハツチ上に溜まつた雨水がレイ
   ンガイド用凸条に伝わつて前記導水樋に集めら
   れ、次いで導水樋から前記ルーフ後端部に伝えら
   れるように構成したことを特徴とする自動車にお
   けるバツクドアの構造。