JPS6223622Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はハードトツプ型自動車のサイドガラス
シール装置に関するものである。

車体両側の後部に形成したロツクピラーとドア
の開閉端縁とを衝合せしめるとともに、該ロツク
ピラーの上方でドアガラスの後端縁とクオータガ
ラスの前端縁部とを衝合せしめる形式のハードト
ツプ型自動車において、クオータガラスの前端縁
にはドアガラスの後端縁と接触してシールするク
オータフロントウエザストリツプが装着され、ロ
ツクピラーの上端部外側には該ロツクピラーの上
端部と上記クオータガラスの前端縁部間をシール
するロツクピラーウエザストリツプが装着されて
いる。

クオータガラスの前端縁に装着する上記クオー
タフロントウエザストリツプは一般に、ドアガラ
スと接触するリツプ部を形成し、このリツプ部に
ドアガラス後端縁が押し付けられるように構成さ
れている。一方、ロツクピラーウエザストリツプ
には縦方向のスリツトが設けられ、クオータガラ
スの昇降時にクオータフロントウエザストリツプ
を装着した前端縁部が上記スリツトに出入りする
ように構成されている。

ところで、従来のロツクピラーウエザストリツ
プのスリツトは出入り時にクオータガラスの前端
縁部が引掛かるのを防止するために、クオータガ
ラス前端縁部の幅よりも広く形成されており、間
隙から塵埃、水、騒音がクオータパネル内に侵入
する。更に加えて、クオータガラス前端縁のクオ
ータフロントウエザストリツプの外側面にはリツ
プに沿う溝が形成されるためにこの溝を伝つて雨
水や洗車水が流下し、上記ロツクピラーウエザス
トリツプを経てクオータパネル内に侵入する。

本考案はハードトツプ型自動車のサイドガラス
シール部における上記問題を解決することを目的
とするものである。

即ち本考案は、ロツクピラーの上端部外側に装
着した上記ロツクピラーウエザストリツプと、ク
オータガラスの前端縁に装着した上記クオータフ
ロントウエザストリツプとより成るサイドガラス
シール装置において、ロツクピラーウエザストリ
ツプに設けたスリツトの車両室外側部分をクオー
タフロントウエザストリツプに摺接して容易に撓
み得る薄肉のリツプ部により構成し、クオータフ
ロントウエザストリツプの外側面の溝には上記リ
ツプ部と対応する位置に水の流下を阻止する堰部
を形成せしめたもので、上記リツプ部と堰部とに
より塵埃、水、騒音の侵入防止効果を向上せしめ
るものである。また本考案では上記リツプ部は基
部面から前方へかつ車両室内側に向けて斜め方向
へ湾曲状に張出す形状としてあり、これによりク
オータフロントウエザストリツプとの摺動の円滑
およびシール性の向上をはかつている。

以下、図面により本考案の実施例について説明
する。

第１図に示す如く、ロツクピラー１０の上端外
側部には該部を覆うようにゴムまたは合成樹脂よ
り成るロツクピラーウエザストリツプ１が装着さ
れている。上記ロツクピラー１０の後方部に形成
されたクオータパネル１７内には、クオータガラ
ス１１が昇降可能に収納され、該ガラス１１の前
端縁には、係止部材１２を介してクオータフロン
トウエザストリツプ１３が装着されている。

上記ロツクピラーウエザストリツプ１の中央に
は縦方向に、クオータガラス１１が昇降するとき
にその前端のクオータフロントウエザストリツプ
１３の部分が出入りするスリツト２が設けられて
いる。該スリツト２は、上記クオータフロントウ
エザストリツプ１３の幅よりも狭く形成してあ
り、該スリツト２の車両室外側部分はリツプ部３
により構成されている。該リツプ部３はその周辺
基部５より前方斜め車両室内側に向けて張出しク
オータフロントウエザストリツプ１３と接する面
が凸状湾曲面をなしており、他の部分よりも薄肉
であつて、クオータフロントウエザストリツプ１
３の出入りに伴ないこれと摺接して容易に撓み得
る。該リツプ部３とスリツト２を介して対向する
室内側部分４の背面側には、上記クオータフロン
トウエザストリツプ１３を案内する球面状の案内
面７が形成されている。そして、このように構成
されたロツクピラーウエザストリツプ１はその周
辺基部５に設けた取付穴６において固着具６０に
よりロツクピラー１０の上端外側面に固着されて
いる。

一方、クオータガラス１１の前端縁に装着した
ゴムまたは合成樹脂より成るクオータフロントウ
エザストリツプ１３の先端縁には、外側方向に湾
曲したリツプ１４が一体に形成され、ロツクピラ
ー１０の前方において開閉するドアのドアガラス
（図示せず）の後端縁が上記リツプ１４の外側よ
り圧接してシールするようになされている。上記
クオータフロントウエザストリツプ１３の外側に
は、リツプ１４と取付基端部との間に溝１５が形
成され、該溝１５には、クオータガラス１１が上
昇して閉塞されたときに、上記ロツクピラーウエ
ザストリツプ１のリツプ部３と対向する部分に堰
部１６が形成され、その上面は上記リツプ部３の
上面と同一またはそれよりもやや上方に位置して
いる。

以上のように構成した本考案実施例のシール装
置において、クオータガラス１１の昇降時には、
特に第３図に示す如くロツクピラーウエザストリ
ツプ１の背面に案内面７が形成されるとともに、
スリツト２の一方の側が薄肉で撓み易く、かつ斜
め前方へ張出したリツプ部３により構成されてい
るため、スリツト２を狭く形成してもクオータフ
ロントウエザストリツプ１３はロツクピラーウエ
ザストリツプ１内からリツプ部３を変形せしめつ
つ容易に突出することができ、またリツプ部３の
湾曲形状により引掛りなく容易に入ることができ
る。かつ上記リツプ部３は、クオータフロントウ
エザストリツプ１３のリツプ１４と良好に密着
し、またクオータガラス１１の上昇位置において
は堰部１６の側縁とも良好に密着する。従つて、
クオータフロントウエザストリツプ１３の溝１５
に沿つて流れる雨水、洗車水等は、第２図に示す
如く堰部１６において阻止され、該部からロツク
ピラーウエザストリツプ１のリツプ部３の上面を
流れ、車室外に排除されるのである。またその他
の方向から来る水、塵埃や、騒音もクオータフロ
ントウエザストリツプ１３がロツクピラーウエザ
ストリツプ１のスリツト２の対向両端部間で挾圧
されて良好に密着しているため、車室内への侵入
が効果的に防止されるのである。

上記の如く、従来のこの種シール装置において
は、ロツクピラーウエザストリツプのスリツト
を、その中を出入りするクオータフロントウエザ
ストリツプよりも幅広く形成されていたために両
者間に隙間が存在し、またクオータフロントウエ
ザストリツプの溝がロツクピラーウエザストリツ
プ内へ貫通していたために塵埃、水、騒音が車室
内に侵入する障害を生じていたが、本考案はロツ
クピラーウエザストリツプには上記リツプ部を、
クオータフロントウエザストリツプには上記堰部
を設けたことにより、ハードトツプ型自動車にお
ける上記問題に解決を与えたものである。更にロ
ツクピラーウエザストリツプのスリツトを形成す
るリツプ部に、クオータフロントウエザストリツ
プの出入時に変形しやすい方向性および形状を付
与したことにより、クオータガラスの組付けに若
干のバラツキがあつても上記リツプ部の変形によ
り吸収され、常に良好なシール性が保持される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案シール装置実施例の要部斜視
図、第２図は第１図におけるＡ部の拡大斜視図、
第３図は第１図の−線に沿う矢視断面図、第
４図はロツクピラーウエザストリツプの正面図で
ある。 １……ロツクピラーウエザストリツプ、２……
該ウエザストリツプのスリツト、３……該ウエザ
ストリツプのリツプ部、１０……ロツクピラー、
１１……クオータガラス、１３……クオータフロ
ントウエザストリツプ、１５……該ウエザストリ
ツプの溝、１６……該溝に設けた堰部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアの開閉端縁部と衝合するロツクピラーの上
   端部外側に装着したロツクピラーウエザストリツ
   プと、クオータガラスの前端縁に装着してドアガ
   ラスの後端縁と衝合するようになしたクオータフ
   ロントウエザストリツプとより成り、上記ロツク
   ピラーウエザストリツプに設けたクオータガラス
   出入用のスリツトの車両室外側部分は基部面から
   前方かつ車両室内側方向へ湾曲状に張出しクオー
   タガラスと摺接して容易に撓み得る薄肉のリツプ
   部を形成するとともに、スリツトを介して上記リ
   ツプ部と対向する室内側部分にはクオータガラス
   を案内する曲面状の案内面を形成し、上記クオー
   タフロントウエザストリツプの車両室外側の側面
   には、クオータガラス閉塞時における上記ロツク
   ピラーウエザストリツプのリツプ部と対応する位
   置に、クオータフロントウエザストリツプの側面
   に沿つて流れる水の流下を阻止すべき堰部を設け
   たことを特徴とするハードトツプ型自動車のサイ
   ドガラスシール装置。