JPH0459330B2 - - Google Patents

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JPH0459330B2
JPH0459330B2 JP60087420A JP8742085A JPH0459330B2 JP H0459330 B2 JPH0459330 B2 JP H0459330B2 JP 60087420 A JP60087420 A JP 60087420A JP 8742085 A JP8742085 A JP 8742085A JP H0459330 B2 JPH0459330 B2 JP H0459330B2
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JP
Japan
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resin
epoxy resin
aqueous
dispersion
acrylic resin
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JP60087420A
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JPS61246263A (ja
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Seiji Okugami
Yasunori Yamashita
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Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication of JPH0459330B2 publication Critical patent/JPH0459330B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は水性樹脂分散体の製造方法に関し、更
に詳しくは金属を対象とした焼付用の被覆用組成
物として、特に管内面用塗料として優れた皮膜を
形成することのできる水性樹脂分散体の製造方法
に関する。 (従来の技術) 従来より、缶用塗料や防食塗料は省資源、省エ
ネルギー、あるいは環境公害等の面から水系へ移
行が望まれている。水系においても溶剤型の場合
と同様、主としてエポキシ樹脂系のものが検討さ
れ、エポキシ樹脂の水中に分散させる方法として
種々の方法が提案されている。 例えば、界面活性剤を使用して、エポキシ樹脂
の水中に分散させる方法としては、アニオン系界
面活性剤を用いる方法と、ノニオン系界面活性剤
を用いる方法の2法が知られている。しかしなが
ら、前者においては、乳化過程および貯蔵中にオ
キシラン環が開環してしまい、反応性が低下して
形成塗膜の性能が劣つたり、また、時には貯蔵中
に増粘、ゲル化の問題を起し易く、一方、後者に
おいては、分散性および貯蔵安定性の点から系中
にかなり多量の界面活性剤を含んでいるためこの
界面活性剤が形成された塗膜の化学的および機械
的性質に悪影響を及ぼす傾向がある。 この解決方法として、エポキシ樹脂をアクリル
系樹脂で変性して、乳化力のあるセグメントを分
子中に導入した自己乳化型エポキシ樹脂が種々提
案されて来ている。 例えば、特開昭53−1228号公報には、エポキシ
樹脂の存在下にてベンゾイルパーオキサイドなど
のフリーラジカル発生剤を用いてカルボン酸モノ
マーを含むモノマー混合物を重合することにより
得られるグラフト化されたエポキシ樹脂が塩基を
含む水性媒体中に安定に分散され得ることが示さ
れている。特開昭53−14963号公報およ特開昭55
−9433号公報にはアクリル系樹脂と比較的高分子
量の芳香族系エポキシ樹脂と反応させたカルボキ
シル基過剰の部分反応物がアンモニアもしくはア
ミンの存在で水性媒体中に安定に分散し得ること
が示されている。特開昭55−3481号公報、および
特開昭55−3482号公報には、カルボキシル基官能
性ポリマーをアミンエステル化触媒の存在下でエ
ポキシ樹脂とエステル化したエポキシ樹脂のオキ
シラン基を実質上有しない化合物を塩基によつて
水中に自己乳化した自己乳化性エポキシエステル
コポリマーが開示されている。特開昭57−105418
号公報および特開昭58−198513号公報には、芳香
族系エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を部分反
応させてなる一分子中にエポキシ基とアクリロイ
ル基とを有する低分子化合物とアクリル酸もしく
はメタアクリル酸を含むモノマー混合物を重合
し、塩基性化合物で中和して得られる水性の分散
体組成物が開示されている。 上記技術により得られる自己乳化型エポキシ樹
脂は塗料中に界面活性剤を含まないのでそれ自体
強固な形成塗膜が得られる。これらの塗料はより
早い硬化速度が必要とされる場合には、通常、硬
化性の良い水溶性アミノ樹脂が配合される。例え
ば、適切な量の水溶性アミノ樹脂は形成塗膜の諸
物性を低下させることなく硬化速度を向上させ、
時には架橋密度が高められることにより、好まし
い塗膜硬度を得ることができるが、特に缶内面用
の塗料として用いた場合、加熱殺菌処理によつて
缶内容物中にアミノ樹脂に起因する低分子化合物
が溶出し衛生面における問題点を有していた。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、水溶性アミノ樹脂を併用するこ
とに伴う衛生上の問題点を克服し、さらに、塗膜
の密着性を向上させるために鋭意検討を重ねた結
果、本発明に到達したものである。すなわち、本
発明は、12〜70重量%の一塩基性カルボン酸モノ
マー単位を必須成分として含むアクリル系樹脂(A)
と、一分子中に平均1.1個ないし2.0個のエポキシ
基を有する芳香族系エポキシ樹脂(B)とのカルボキ
シル基過剰の部分結合物(D)をPHが4〜11となる量
のアンモニアもしくはアミンの存在下に水性媒体
中に分散せしめた分散体に、下記一般式で表され
る化合物を主成分とするフエノール樹脂(C)を全樹
脂に対して2ないし40重量%混合し、均一かつ安
定な分散状態とせしめることを特徴とする水性樹
脂分散体の製造方法である。 (式中、R1は水素原子または炭素数1ないし12
のアルキル基、R2、R3は水素原子またはメチロ
ール基(ただし、R2とR3が同時に水素原子とな
ることはない。)nは1ないし3の整数を表す。) 〔発明の構成〕 (問題点を解決するための手段) 本発明におけるアクリル系樹脂(A)は、アクリル
酸、メタアクリル酸などの一塩基性カルボン酸モ
ノマーとその他の共重合性モノマーからなるモノ
マー混合物を有機溶剤中でアゾビスイソブチロニ
トリル、ベンゾイルパーオキサイドなどの通常の
ラジカル重合開始剤を用いて80℃ないし150℃の
温度で共重合せしめることにより得ることができ
る。上記共重合性モノマーとしては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロ
ピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソア
ミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アク
リル酸デシル、アクリル酸ドデシルなどのアクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メ
タクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−オク
チル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸デシル、メタクリル酸ドデシルなどのメタ
クリル酸エステル類、スチレン、ビニルトルエ
ン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、
クロルスチレンなどのスチレン系モノマー、アク
リル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシ
プロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタ
クリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基
含有モノマー、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルア
ミドなどのN−置換(メタ)アクリル系モノマ
ー、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシ
ジルなどのエポキシ基含有モノマー、並びにアク
リロニトリルなどの1種又は2種以上から選択す
ることができる。 一塩基カルボン酸モノマーの使用量は全モノマ
ー量に対して12ないし70重量%であつて、12重量
%より少ない使用量では水性媒体中における樹脂
の分散安定性、塗装した塗膜の金属に対する密着
性や耐溶剤性および缶内面用に使用した場合には
フレーバー適性などがいずれも悪くなるので好ま
しくなく、逆に、70重量%より多い使用量ではア
クリル系樹脂(A)を重合させる際反応系の粘度が極
端に高くなるので、製造が困難となるばかりでな
く、塗装した塗膜の耐水性および缶内面用に使用
した場合には耐ボイル性などが悪くなる。 アクリル系樹脂(A)は重量平均分子量で3000ない
し80000の範囲のものが好ましく、重量平均分子
量が3000より小さいと塗膜の架橋密度が増大する
結果、加工性に支障をきたし、また、40000、特
に80000より大きくなると芳香族エポキシ樹脂(B)
との反応時ゲル化を生じやすくなる傾向がある。 本発明における芳香族系エポキシ樹脂(B)はビス
フエノールAとエピハロヒドリンとをアルカリ触
媒の存在下に縮合させて得られるもので、1分子
中に平均1.1個ないし2.0個のエポキシ基を有し、
数平均分子量が300以上、好ましくは900以上のも
のが使用される。市販品としては、シエル化学株
式会社のエピコート828、エピコート1001、エピ
コート1004、エピコート1007、エピコート1009な
どがある。また、芳香族系エポキシ樹脂として上
記ビスフエノールA型エポキシ樹脂のエポキシ基
に脱水ヒマシ油、大豆油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸な
どの植物油脂肪酸もしくはビスフエノールAなど
の変性剤を反応せしめた変性エポキシ樹脂を使用
することもできる。 本発明におけるアクリル系樹脂−芳香族系エポ
キシ樹脂部分結合物(D)は、一塩基性カルボン酸モ
ノマーを12〜70重量%含む共重合性モノマー混合
物を共重合せしめてなるアクリル系樹脂(A)と一分
子中に平均1.1個ないし2.0個のエポキシ基を有す
る芳香族系エポキシ樹脂(B)とを部分反応せしめる
ことにより製造することができる。すなわち、エ
チレングリコールモノブチルエーテルのような親
水性有機溶剤中で、後述するようなアンモニアあ
るいはアミンの存在下にてアクリル系樹脂(A)と芳
香族系エポキシ樹脂(B)とを60℃ないし170℃で10
分間ないし20時間程度かきまぜるとよい。 また、比較的高沸点の溶剤、たとえば、ヘキシ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソ
ルブアセテート、エチルセロソルブアセテート中
で120℃以上で反応せしめるとアンモニアあるい
はアミンなどのエステル化触媒を共存させなくて
もアクリル系樹脂(A)と芳香族系エポキシ樹脂(B)と
の部分反応物を得ることができる。 反応の制御はオキシラン%の測定、粘度上昇の
測定あるいはゲルバーミエシヨンクロマトグラフ
イ(GPC)による分子量分布のチヤートによつ
てチエツクすることができる。 オキシラン基の減少率は原料である芳香族系エ
ポキシ樹脂のオキシラン含有量に対して5ないし
95%、より好ましくは30ないし70%である。オキ
シラン基の減少率が5%より小さいとアクリル系
樹脂−芳香族系エポキシ樹脂部分反応物が水性媒
体中に十分に自己乳化できず保存中に分離する傾
向があり、また95%より大きいと塗膜の加工性が
悪くなる傾向がある。特にオキシラン基が30ない
し70%の範囲において得られた水性樹脂は塗装適
性の点において優れている。 本発明におけるアクリル系樹脂−芳香族系エポ
キシ樹脂部分結合物(D)は、また芳香族エポキシ樹
脂(B)の存在下に一塩基性カルボン酸モノマーをを
12〜70重量%含む共重合性モノマー混合物をベン
ゾイルパーオキサイドのような有機過酸化物を比
較的多量使用して重合せしめることにより得るこ
とができる。この場合、アクリル系樹脂がグラフ
トされた芳香族エポキシ樹脂が得られる。 本発明におけるアクリル系樹脂−芳香族エポキ
シ樹脂部分結合物(D)は、また、芳香族系エポキシ
樹脂(B)と一塩基性カルボン酸モノマーを塩基の存
在下に反応させたエポキシ基と二重結合とを共に
有する化合物と一塩基性カルボン酸モノマーをを
12〜70重量%含む共重合性モノマー混合物をラジ
カル重合開始剤を使用して重合せしめることによ
り得ることができる。 上記アクリル系樹脂(A)と上記芳香族系エポキシ
樹脂(B)との固形分比は、1対1ないし1対6の範
囲から選ばれる。 アクリル系樹脂−芳香族エポキシ樹脂部分結合
物(D)による水性の分散体の調整は、前記複合樹脂
組成物に最終組成物のPHが4ないし11となる量の
アンモニアもしくはアミンを加え水性媒体中に分
散せしめればよいが、前の工程で高沸点溶剤を使
用した場合には、予め減圧下にてこれらの溶剤を
除去しておくことが好ましい。 上記アミンとしては例えば、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ブチルアミン等のアルキ
ルアミン類、2−ジメチルアミノエタノール、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、アミ
ノメチルプロパノール等のアルコールアミン類、
モルホリン等が使用される。またエチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン等多価アミンも使用で
きる。 本発明におい水性媒体とは少なくとも10重量%
以上が水である水単独もしくは親水性有機溶剤と
の混合物を意味し、親水性有機溶剤としてはメタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、
tert−ブタノール、イソブタノール等のアルキル
アルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、
メチルカルビトール、エチルカルビトール等のエ
ーテルアルコール類、メチルセロソルブアセテー
ト、エチルセロソルブアセテート等のエーテルエ
ステル類、その他ジオキサン、ジメチルホルムア
ミド、ダイアセトンアルコール等が使用される。 本発明における水性樹脂分散体は上述したアク
リル系樹脂−芳香族エポキシ樹脂部分結合物(D)に
よる水性の分散体に、さらに、フエノール樹脂(C)
を配合することによつて得られる。 この際、フエノール樹脂(C)は、部分結合物(D)の
水性分散体を撹拌しながら添加する。この操作に
より、フエノール樹脂(C)は、部分結合物(D)の分散
微粒子内に入り込み、部分結合物(D)との会合状態
となつて安定な樹脂の分散体が得られるものと考
えられる。 本発明におけるフエノール樹脂(C)は、フエノー
ル類とホルムアルデヒドを触媒の存在下で付加縮
合させたもので、フエノール性水酸基あるいはア
ルコール性水酸基を低分子量アルコールで変性し
たものでもよい。上記触媒としてはアンモニア、
エチルアミン、ブチルアミン、ジエタノールアミ
ン等のような有機アミン、水酸化ナトリウム、水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム等の塩基性化合物、および塩酸、リン酸、
硫酸、酢酸、蓚酸等の酸性化合物がある。フエノ
ール類としてはp−クレゾール、o−クレゾー
ル、p−tertブチルフエノール、p−エチルフエ
ノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレ
ノール等の2官能性フエノール、石炭酸、m−ク
レゾール、m−エチルフエノール、3,5−キシ
レノール、m−メトキシフエノール等の3官能性
フエノール、ビスフエノールA、ビスフエノール
B等の4官能性フエノール等がある。 特に好ましいフエノール樹脂としては、下記式
に示される比較的低分子量縮合物からなる高メチ
ロール化フエノール樹脂がある。 (式中、R1は水素原子または炭素数1ないし12
のアルキル基、R2、R3は水素原子またはメチロ
ール基、nは1ないし3の整数を表す。) 上記の高メチロール化フエノール樹脂は、アル
カリ触媒の存在下でアルキルフエノールにホルム
アルデヒドを付加縮合させて得られるが、室温な
いし60℃程度の比較的低温でアルキルフエノール
のジメチロール化物を高収率で生成させた後、縮
合を進める方法、あるいは他の公知の合成手段を
取ることができる。このようなフエノール樹脂の
生成反応条件は、前記要件を満足する範囲で自由
に選定することができる。勿論特定のn数のフエ
ノール樹脂(C)が高収率で得られる反応条件下で反
応し、さらに常法により精製し、実質的に単体と
して使用しても何らさしつかえない。またアルキ
ルフエノール類の種類を変えたものあるいはn数
を変えたもの等2種類以上作成し、混合して用い
ることもできる。 フエノール樹脂(C)の量は樹脂の全量に対して2
ないし40重量%であり、2重量%より小さいと塗
膜の硬化速度にたいする寄与が十分でなく、ま
た、40重量%以上になると塗膜の加工性などの物
性が低下する傾向がある。 本発明に係わる水性樹脂分散体は、必要に応じ
て塗工性を改良するための界面活性剤、消泡剤な
どを添加して塗料として用いることができる。 適用される基材としては、未処理鋼板、処理鋼
板、亜鉛鉄板、ブリキ板などの金属板が適してお
り、塗装方法としては、エアスプレー、エアレス
スプレー、静電スプレーなどのスプレー塗装が好
ましいが浸漬塗装、ロールコーター塗装、電着塗
装なども可能である。また焼付条件は、温度150
℃ないし230℃、時間としては2ないし30分の範
囲から選ぶことができる。 本発明の水性樹脂分散体は、用途に応じて、適
当な防錆剤、顔料、充填剤などを配合して防錆プ
ライマー、印刷インキ、防食性塗料などに使用す
ることもできる。 以下、本発明を実施例により説明する。なお、
例中、「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量
%」を示す。 (実施例) 実施例 1 〔フエノール樹脂溶液の調製〕 p−tert−ブチルフエノール136部、37%ホル
ムアルデヒド水溶液162部、25%水酸化ナトリウ
ム水溶液160部をフラスコに仕込み50℃にて3時
間反応させた後塩酸で中和し、水を分離した。水
分離後、p−tert−ブチルフエノール250部、10
%塩酸3.7部および水250部を加え約30分撹拌し、
発熱が終了した時点で、25%水酸化ナトリウム
160部、37%ホルムアルデヒド水溶液120部を加え
50℃、3時間反応させ塩酸で中和し水層を分離さ
せた後、水洗、水分離を3回繰り返し、n−ブタ
ノール/キシレン/=1/1の混合溶剤に溶解
し、60%のフエノール樹脂溶液を得た。得られた
樹脂をGPCにて分析した結果、p−tert−ブチル
フエノールの3量体のジメチロール化物が91%で
あり、その他は1量体のジメチロール化物、2量
体のジメチロール化物、4量体のジメチロール化
物が少量づつ含有されていた。 〔アクリル樹脂溶液の調製〕 スチレン 300.0部 アクリル酸エチル 210.0 メタクリル酸 90.0 エチレングリコールモノブチルエーテル 388.0 過酸化ベンゾイル 12.0 上記組成の混合物の1/4を窒素ガス置換した四
ツ口フラスコに仕込み80〜90℃に加熱し、その温
度に保ちつつ残りの全量を2時間かけて徐々に滴
下し、滴下終了後、更にその温度で2時間かきま
ぜた後冷却し、酸価93(固形分換算)、固形分59.7
%、粘度4100cps(25℃、以下粘度はすべて25℃に
おける測定結果を示す)カルボキシル基含有樹脂
溶液を得た。 〔エポキシ樹脂溶液の調製〕 エピコート1007 500部 エチレングリコールモノブチルエーテル 333.3 窒素ガス置換した四ツ口フラスコに全量仕込み
徐々に加熱して内温を100℃まで上げ、1時間撹
拌完全に溶解した後80℃まで冷却し、固形分60%
のエポキシ樹脂溶液を得た。 〔水性分散体の調製〕 上記アクリル樹脂溶液 50部 上記エポキシ樹脂溶液 100 2−ジメチルアミノエタノール 4.8 イオン交換水 355.2 上記フエノール樹脂溶液 30 四ツ口フラスコに、を仕込み撹拌しながら
を添加して中和を行つた後、80℃まで昇温さ
せ、30分間反応した後冷却した。反応前後の
GPCの測定によりアクリル樹脂とエポキシ樹脂
の結合を確認した。冷却後、撹拌しながらを
徐々に添加して均一な分散体溶液とし、更に撹拌
しながら、徐々にを加えたところ、固形分20
%、粘度405cpsの乳白色の分散体を得た。得られ
た分散体は50℃で3ケ月間保存したが異常は認め
られなかつた。 実施例 2 〔フエノール樹脂溶液の調製〕 p−クレゾール108部、37%ホルムアルデヒド
水溶液162部、25%水酸化ナトリウム水溶液160部
をフラスコに仕込み50℃にて2時間反応させた
後、100℃まで昇温し100℃でさらに1時間反応さ
せ、塩酸で中和後、n−ブタノール/キシレン=
1/1の混合溶剤で抽出し60%のフエノール樹脂
溶液を得た。GPCで分析した結果、50℃、2時
間の時点での反応生成物の90%以上はp−クレゾ
ールのジメチロール化合物であり最終生成物は9
%がp−クレゾールのジメチロール化物、36%が
2量体のジメチロール化物、41%が3量体のジメ
チロール化物、9%が4量体のジメチロール化
物、5%が5量体以上のジメチロール化物であつ
た。 アクリル樹脂溶液、エポキシ樹脂溶液は実施例
1と同様に調製した。また水性分散体の調製は、
フエノール樹脂溶液を上記フエノール樹脂溶液と
した以外は実施例1と同様に行つた。得られた分
散体は、固形分20%、粘度450cpsであつた。得ら
れた分散体を50℃で3ケ月間保存したが異常は認
められなかつた。 実施例 3 〔エポキシ樹脂の調製〕 実施例1と同様に調製した。 〔水性樹脂分散体の調製〕 上記エポキシ樹脂溶液 150部 ブチルセロソルブ 30 メタクリル酸 30 スチレン 18 アクリル酸エチル 2 過酸化ベンゾイル 3.5 2−ジメチルアミノエタノール 4.8部 イオン交換水 560 実施例2のフエノール樹脂溶液 30 、を四ツ口フラスコに仕込み撹拌しながら
液温を115℃に昇温する。次いでからの混合
物を1時間で滴下しさらに2時間115℃にて反応
する。冷却後を添加し撹拌した後を徐々に加
え、樹脂の分散体とした後、撹拌しながらを
徐々に加え安定な水性分散体を得た。得られた分
散体は、固形分20%、粘度403cpsであつた。得ら
れた分散体を50℃で3ケ月間保存したが異常は認
められなかつた。 比較例 1 アクリル樹脂溶液およびエポキシ樹脂溶液は実
施例1と同様に調製した。 〔水性分散体の調製〕 上記アクリル樹脂溶液 50部 上記エポキシ樹脂溶液 100 2−ジメチルアミノエタノール 4.8 イオン交換水 295.2 四ツ口フラスコに、、を仕込み液温を80
℃に上げ、30分間反応させ冷却した。反応前後の
GPC測定で、エポキシ樹脂とアクリル樹脂の反
応を確認した。更に撹拌しながらを徐々に添加
したところ、固形分20%、粘度362cpsの乳白色の
分散体を得た。得られた分散体は50℃3ケ月の保
存で異常は認められなかつた。 比較例 2 アクリル樹脂溶液、エポキシ樹脂溶液は実施例
1と同様に調製した。また水性分散体の調製は、
フエノール樹脂溶液30部の代わりにサイメル325
(三井東圧(株)製水溶性アミノ樹脂、固形分80%)
を22.5部使用した以外は、実施例1と同様に行つ
た。得られた水性分散体は固形分20%、粘度
360cpsであつた。 実施例1〜3、比較例1〜2で得られた水性分
散体をブリキ板上に8〜10μになるように塗布
し、165℃および200℃で各々5分間焼き付け乾燥
して試験パネルを作成した。諸耐性の試験結果を
表に示す。また内容量250mlブリキ2ピース缶
の内面に上記水性分散体をスプレーにて塗布し、
165℃および200℃で各々5分間焼き付け乾燥して
内面塗布缶を作成しその諸耐性を試験した。結果
を表に示す。 表および表よりフエノール樹脂あるいはメ
ラミン樹脂を含む実施例1ないし3および比較例
2は耐レトルト性、耐食性および食塩水保存テス
トにおいて、比較例1より優れた性能を示してい
る。しかしながら、実施例1ないし3は比較例2
と比べて過マンガン酸カリウム消費量が極めて小
さく抽出特性に優れており、また風味保持性に優
れている。 表および表における各種の試験法は下記の
とおりである。 (1) 密着性:塗膜面にナイフを使用して約1.5mm
の巾で縦、横それぞれ11本の切り目をゴバン目
に入れる。24mm巾のセロハン粘着テープを密着
させ、強く剥離した時のゴバン目部の未剥離数
を分子に表わす。 (2) 耐レトルト性:125℃−30分で水中処理後、
塗膜を視覚およびセロハン粘着テープ剥離で判
定する。 (3) 加工性:特殊ハゼ折り型デユポン衝撃試験器
を用い、下部に2つ折りにした試料を置き、接
触面が平な重さ1Kgの鉄の錘りを高さ50cmから
落下させた時に生じる折り曲げ部分の塗膜の亀
裂の長さを測定した。 0〜10mm……○印 10〜20mm……△印 20mm以上……×印で示した。 (4) 耐蝕性:塗膜面にナイフを使用して×印の切
り目を入れた試験片を1%食塩水中で125℃30
分間処理を行い、×印部近傍の腐食の程度を判
定する。 異常のないもの…… ○ わずかに腐食の見られるもの…… △ 著しく腐食の見られるもの…… × (5) 過マンガン酸カリウム消費量:内面塗装缶に
イオン交換水250mlを充填し、巻締を行い、60
℃−30分および100℃−30分の処理を行い、食
品衛生法記載の試験法に準じて測定した。 (6) 食塩水保存テスト:内面塗装缶に1%食塩水
250mlを充填し、巻締を行つた後、ダンボール
箱につめ(30缶入の箱に15缶)振動機にて5時
間振動を与え、缶同士を衝突させた後25℃にて
1ケ月保存した。以上のテスト缶を開缶した原
子吸光法により食塩水中の鉄溶出量を測定し
た。(n:15の平均) (7) 風味保持性:内面塗装缶にイオン交換水250
mlを充填し巻締を行い、100℃−30分の殺菌処
理後、更に50℃−6ケ月間保存して得た缶内容
液について風味試験を行つた。 全く変化なし…… ○ 若干変化あり…… △ 著しく変化あり…… × で表示した。 〔発明の効果〕 本発明において得られる水性樹脂分散体は、実
質的に水性の媒体に溶解もしくは単独では分散し
得ないフエノール樹脂を配合しているにもかかわ
らず分散安定に優れている。 また、本発明において得られる水性樹脂分散体
は硬化性に優れており、かつ、得られた塗膜は、
耐蝕性、密着性、加工性、耐レトルト性等缶用塗
料として、実用的な性能を有している。また、塗
膜中に未反応の低分子量物あを含まないので衛生
性に優れる。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 12〜70重量%の一塩基性カルボン酸モノマー
    単位を必須成分として含むアクリル系樹脂(A)と、
    一分子中に平均1.1個ないし2.0個のエポキシ基を
    有する芳香族系エポキシ樹脂(B)とのカルボキシル
    基過剰の部分結合物(D)をPHが4〜11となる量のア
    ンモニアもしくはアミンの存在下に水性媒体中に
    分散せしめた分散体に、下記一般式で表される化
    合物を主成分とするフエノール樹脂(C)を全樹脂に
    対して2ないし40重量%混合し、均一かつ安定な
    分散状態とせしめることを特徴とする水性樹脂分
    散体の製造方法。 (式中、R1は水素原子または炭素数1ないし12
    のアルキル基、R2、R3は水素原子またはメチロ
    ール基(ただし、R2とR3が同時に水素原子とな
    ることはない。)、nは1ないし3の整数を表す。) 2 アクリル系樹脂−芳香族系エポキシ樹脂部分
    結合物(D)が、アクリル系樹脂(A)と芳香族系エポキ
    シ樹脂(B)とを部分反応せしめてなるカルボキシル
    基過剰のアクリル系樹脂−芳香族系エポキシ樹脂
    部分反応物である特許請求の範囲第1項記載の水
    性樹脂分散体の製造方法。 3 アクリル系樹脂(A)と芳香族系エポキシ樹脂(B)
    との固形分比を2対1ないし1対6とする特許請
    求の範囲第2項記載の水性樹脂分散体の製造方
    法。 4 アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が3000な
    いし80000である特許請求の範囲第2項記載ない
    し第3項記載の水性樹脂分散体の製造方法。 5 芳香族エポキシ樹脂の数平均分子量が900以
    上である特許請求の範囲第1項記載ないし4項記
    載の水性樹脂分散体の製造方法。
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