JPH11349894A - 水性塗料組成物 - Google Patents

水性塗料組成物

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JPH11349894A
JPH11349894A JP14851098A JP14851098A JPH11349894A JP H11349894 A JPH11349894 A JP H11349894A JP 14851098 A JP14851098 A JP 14851098A JP 14851098 A JP14851098 A JP 14851098A JP H11349894 A JPH11349894 A JP H11349894A
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JP
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resin
epoxy resin
weight
acrylic resin
organic solvent
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JP14851098A
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Masahiro Murata
正博 村田
Keiichi Shimizu
慶一 清水
Hideki Matsuda
英樹 松田
Yasuo Kikura
康男 亀倉
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 泡の多量発生や皮張り、ワキの発生、ビルド
アップなどを解決でき、かつ洗浄性が良好な水性塗料、
特に缶被覆用に適した塗料を得る。 【解決手段】 ビスフェノール型エポキシ樹脂とカルボ
キシル基含有アクリル樹脂とからなるアクリル樹脂変性
エポキシ樹脂(A)が、中和され、水性媒体中に分散さ
れた水性塗料組成物であって、該アクリル樹脂変性エポ
キシ樹脂(A)100重量部に対して、融点が90〜1
40℃、平均粒子径0.1〜20μmのポリエチレンと
流動パラフィンとを主成分とする消泡剤(B)を固形分
量で、0.1〜5.0重量部含有し、塗料組成物中にお
ける有機溶剤含有量が5〜35重量%であり、有機溶剤
の60重量%以上が水混和性有機溶剤であり、10重量
%以上が水酸基を2個以上有する炭素原子数2〜10の
有機溶剤である水性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル樹脂変性
エポキシ樹脂系の水性塗料組成物に関し、特に缶の塗装
に適し、ロールによるコイルコート塗装作業性の優れた
水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
缶用塗料としては、加工性、耐食性及び塗装作業性など
の点から、塩ビゾル、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂
などの樹脂系の有機溶剤塗料が多く使用されていたが、
有機溶剤の揮散による地球環境、安全衛生上の問題があ
り、缶用塗料の水性化が進められてきている。
【0003】缶用の水性塗料としては、エポキシ−アク
リル樹脂エマルションに、必要に応じてフェノール樹
脂、アミノ樹脂などの硬化剤を適宜、組合せ、さらに塗
装性などをよくするために各種有機溶剤や添加剤を配合
した塗料が提案されている。
【0004】例えば、特開平2−255773号公報に
は、有機溶剤として、特定の水混和性有機溶剤と25℃
における水の溶解度が2重量%以下の疎水性有機溶剤を
含有するエポキシ−アクリル樹脂エマルション水性塗料
が、塗装下地に対する濡れ性とロール塗装時の塗料のフ
ロー性、造膜性などを解決できることが記載されてい
る。
【0005】また、特開平2−107679号公報に
は、有機溶剤として、エチレングリコール、ジエチレン
グリコールなどの多価アルコールを含有するエポキシ−
アクリル樹脂エマルション水性塗料が、皮張り性、洗浄
性に優れることが開示されている。
【0006】さらに、特開平8−302274号公報に
は、有機溶剤として、3段階の沸点範囲の各範囲から1
種以上づつ選ばれた有機溶剤を組合せた有機溶剤混合物
を含有するエポキシ−アクリル樹脂エマルション水性塗
料が、塗装作業時の塗面不良の問題や塗膜焼付け時のワ
キの問題を低減でき、かつ良好な塗膜性能を有する塗膜
が得られることが開示されている。
【0007】しかしながら、上記いずれの水性塗料にお
いても、ロール塗装時のコーターパン中での泡の発生の
問題があり、また発生した泡によって塗料表面の皮張り
促進の問題があり、さらに塗料中に巻き込まれた微細な
泡によって、その塗料を塗装した塗装板の焼付け塗膜に
ワキ、ピンホールが発生するという問題があった。
【0008】また、特開平8−92500号公報には、
水性塗料にジラウリルチオジプロピオネートなどのジチ
オカルボン酸エステルを含有させることによって、消泡
性に優れた水性塗料が得られることが開示されている。
しかしながら、この水性塗料は、消泡性がよく泡による
塗膜欠陥の発生が少なくなるものの、コーターパンやロ
ールコーター上に皮張りが発生しやすく洗浄作業が困難
であるという問題を有する。
【0009】また、本出願人は、先に特開平6−228
496号公報において、有機溶剤として、特定の水混和
性有機溶剤、ヘキシルアルコールなどの水と非混和性の
有機溶剤およびその他の有機溶剤の混合溶剤を含有する
エポキシ−アクリル樹脂エマルション水性塗料が、ロー
ルによるコイルコート塗装に適し、造膜性、耐ワキ性及
び塗料安定性に優れていることを開示した。しかしなが
ら、この水性塗料は、コーターパン中での消泡にかなり
効果があり、かつ焼付け時間30秒間程度以上の焼付け
条件での耐ワキ性に効果があるものの、皮張り防止や洗
浄性に対して殆ど効果がなく、高温で20秒間以下程度
の短時間で焼き付ける際にワキがかえって発生しやすく
なったり、また、ロール塗装時にロールエッジ部によっ
て塗装された部分が他の箇所に比べて膜厚が厚くなる、
いわゆるビルドアップが発生しやすくなるといった問題
があった。
【0010】そこで、本発明者らは、エポキシ−アクリ
ル樹脂エマルション樹脂系の水性塗料において、塗装、
焼付け、洗浄する際に、コーターパン中での泡の発生や
皮張り、ワキの発生、ビルドアップなどを解決し、かつ
洗浄性を向上することを目的に鋭意研究を行った結果、
水酸基を2個以上有する炭素原子数2〜10の有機溶剤
を含有する特定の有機溶剤組成とし、さらに特定の消泡
剤を配合することにより上記目的を達成できることを見
出し本発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ビス
フェノール型エポキシ樹脂とカルボキシル基含有アクリ
ル樹脂とからなるアクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)
が、中和され、水性媒体中に分散された水性塗料組成物
であって、該アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)10
0重量部に対して、融点が90〜140℃である平均粒
子径0.1〜20μmのポリエチレンと流動パラフィン
とを主成分とする消泡剤(B)を固形分量で、0.1〜
5.0重量部含有し、しかも該水性塗料組成物中におけ
る有機溶剤含有量が5〜35重量%であり、該有機溶剤
中、60重量%以上が水混和性有機溶剤であり、かつ全
有機溶剤中、10重量%以上が水酸基を2個以上有する
炭素原子数2〜10の有機溶剤であることを特徴とする
水性塗料組成物を提供するものである。
【0012】また本発明は、上記水性塗料組成物を、金
属板上にロール塗装し、焼付け硬化させることを特徴と
する塗膜形成方法を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の塗料組成物につい
て、さらに詳細に説明する。
【0014】まず、本発明の水性塗料組成物の各成分に
ついて説明する。
【0015】アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)本発
明組成物のアクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)は、ビ
スフェノール型エポキシ樹脂とカルボキシル基含有アク
リル樹脂とからなる自己乳化型のカルボキシル基含有ア
クリル樹脂変性エポキシ樹脂であって、例えば、下記の
(I)又は(II)の方法によって得られるものを挙げ
ることができる。
【0016】(I)ビスフェノール型エポキシ樹脂
(a)[以下、「エポキシ樹脂(a)」と略称すること
がある]とカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)[以
下、「アクリル樹脂(b)」と略称することがある]と
をエステル付加反応させてなる樹脂、(II)ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂(a)にカルボキシル基含有重合
性不飽和モノマーを含有する重合性不飽和モノマー成分
をグラフト重合させてなる樹脂。
【0017】上記(I)においては、エポキシ樹脂
(a)とアクリル樹脂(b)とを、例えば有機溶剤溶液
中、エステル化触媒の存在下にて加熱することにより容
易にエステル付加反応させることができる。
【0018】上記(II)においては、例えば有機溶剤
中において、ベンゾイルパーオキサイド等のラジカル発
生剤の存在下にて、エポキシ樹脂(a)に重合性不飽和
モノマー成分をグラフト重合させることができる。
【0019】上記(I)、(II)において使用される
ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)としては、例えば
エピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じ
てアルカリ触媒などの触媒の存在下に高分子量まで縮合
させてなる樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノール
とを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下
に、縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とし、この低分
子量エポキシ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させ
ることにより得られた樹脂、及び得られたこれらの樹脂
又は上記低分子量エポキシ樹脂に、二塩基酸を反応させ
てなるエポキシエステル樹脂のいずれであってもよい。
【0020】上記ビスフェノールとしては、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフ
ェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン[ビスフェノールB]、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロ
キシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパ
ン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキ
シビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス
(4−ヒドロキシフェニル)、4,4´−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタ
ンなどを挙げることができ、なかでもビスフェノール
A、ビスフェノールFが好適に使用される。上記ビスフ
ェノール類は、1種で又は2種以上の混合物として使用
することができる。
【0021】前記エポキシエステル樹脂の製造に用いら
れる二塩基酸としては、下記式 HOOC−(CH2 n −COOH (式中、nは1〜12の整数である。)で示される化合
物が好適に用いられ、具体的には、コハク酸、アジピン
酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、ヘキサヒドロフタル酸等を例示できる。
【0022】ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)の市
販品としては、例えば、油化シェルエポキシ(株)製
の、エピコート1007(エポキシ当量約1,700、
数平均分子量約2,900)、エピコート1009(エ
ポキシ当量約3,500、数平均分子量約3,75
0)、エピコート1010(エポキシ当量約4,50
0、数平均分子量約5,500);旭チバ社製の、アラ
ルダイトAER6099(エポキシ当量約3,500、
数平均分子量約3,800);及び三井化学(株)製
の、エポミックR−309(エポキシ当量約3,50
0、数平均分子量約3,800)などを挙げることがで
きる。
【0023】ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)とし
ては、なかでも数平均分子量が2,000〜35,00
0、好ましくは4,000〜30,000であり、エポ
キシ当量が1,000〜12,000好ましくは3,0
00〜10,000の範囲のビスフェノール型エポキシ
樹脂であることが、得られる塗膜の加工性、耐食性など
の点から好適である。
【0024】前記(I)においては、エステル付加反応
の際に、エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基にアクリル
樹脂(b)中のカルボキシル基がエステル付加反応する
ので、エポキシ樹脂(a)中にエポキシ基が必要であ
り、エポキシ樹脂1分子当りエポキシ基は平均0.5〜
2個、好ましくは0.5〜1.6個の範囲内であるのが
よい。一方、前記(II)においては、グラフト反応が
エポキシ樹脂主鎖の水素引き抜きによって起こりグラフ
ト重合反応が進行するので、エポキシ樹脂(a)中にエ
ポキシ基は実質上存在しなくてもよい。
【0025】上記(1)において使用されるカルボキシ
ル基含有アクリル樹脂(b)は、カルボキシル基含有重
合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーと
を単量体成分とする共重合体樹脂である。
【0026】上記カルボキシル基含有重合性不飽和モノ
マーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの1種
又は2種以上の混合物を挙げることができ、なかでもメ
タクリル酸が好適に使用される。
【0027】カルボキシル基含有アクリル樹脂(b)の
単量体成分である、その他の重合性不飽和モノマーは、
上記カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーと共重合
可能なモノマーであればよく、求められる性能に応じて
適宜選択して使用することができるものであり、例え
ば、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、
t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどの芳香族系ビ
ニルモノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、ア
クリル酸n−,i−又はt−ブチル、アクリル酸ヘキシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オ
クチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸
イソプロピル、メタクリル酸n−,i−又はt−ブチ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、
メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル等
のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアル
キルエステル又はシクロアルキルエステル;2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒド
ロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブ
チルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル
酸のC2 〜C8 ヒドロキシアルキルエステル;N−メチ
ロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルア
ミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メチロ
ールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリル
アミドなどのN−置換アクリルアミド系又はN−置換メ
タクリルアミド系モノマーなどの1種又は2種以上の混
合物を挙げることができる。上記その他の重合性不飽和
モノマーとしては、特にスチレン及びアクリル酸エチル
の混合物が好ましい。
【0028】カルボキシル基含有アクリル樹脂(b)
は、モノマーの構成比率、種類は特に制限されるもので
はないが、通常、カルボキシル基含有重合性不飽和モノ
マーが15〜60重量%、特に20〜50重量%である
ことが好ましく、その他の重合性不飽和モノマーが85
〜40重量%、特に80〜50重量%であることが好ま
しい。
【0029】カルボキシル基含有アクリル樹脂(b)の
調製は、例えば、上記した単量体組成を重合開始剤の存
在下、有機溶剤中で溶液重合することにより容易に行う
ことができる。アクリル樹脂(b)は、樹脂酸価が10
0〜400、数平均分子量が5,000〜100,00
0の範囲内であるのがよい。
【0030】前記(I)でのエステル付加反応におい
て、上記エポキシ樹脂(b)とカルボキシル基含有アク
リル樹脂(b)との配合割合は、エポキシ基の当量に対
してカルボキシル基の当量が過剰となる条件下で、塗装
作業性や塗膜性能に応じて適宜選択すればよいが、エポ
キシ樹脂(a)とアクリル樹脂(b)との固形分重量比
で前者:後者が、通常、6:4〜9:1、さらには7:
3〜9:1の範囲内であることが好ましい。
【0031】上記エステル付加反応は、従来公知の方法
で行うことができ、例えば、エポキシ樹脂(a)とアク
リル樹脂(b)との均一な有機溶剤溶液中にエステル化
触媒を配合せしめ、実質的にエポキシ基の全てが消費さ
れるまで、通常、60〜130℃の反応温度にて約1〜
6時間反応させることによって行うことができる。上記
エステル化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、
ジメチルエタノールアミンなどの第3級アミン類やトリ
フェニルフォスフィンなどの第4級塩化合物などを挙げ
ることができ、なかでも第3級アミン類が好適である。
【0032】エポキシ樹脂(a)とアクリル樹脂(b)
との反応系における固形分濃度は、反応系が反応に支障
のない粘度範囲内である限り特に限定されるものではな
い。また、エステル付加反応させる際にエステル化触媒
を使用する場合には、その使用量はエポキシ樹脂(b)
中のエポキシ基1当量に対して通常、0.1〜3当量の
範囲で使用するのがよい。
【0033】アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)が前
記(II)による樹脂である場合、エポキシ樹脂(a)
にグラフト重合させるカルボキシル基含有重合性不飽和
モノマーを含有する重合性不飽和モノマー成分は、前記
(I)におけるカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)
の製造に用いられる単量体成分であるカルボキシル基含
有重合性不飽和モノマー及びその他の重合性不飽和モノ
マーを挙げることができる。
【0034】前記(II)の反応において、エポキシ樹
脂(a)とカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを
含有する重合性不飽和モノマー成分との使用割合は、特
に制限されるものではないが、通常、前者:後者の比
が、95〜70重量%:5〜30重量%の範囲内とする
のがよい。この場合、カルボキシル基含有重合性不飽和
モノマーは、全重合性不飽和モノマー中、20〜80重
量%となる配合とするのがよい。グラフト重合反応にお
けるラジカル発生剤の使用量は、カルボキシル基含有重
合性不飽和モノマーを含有する重合性不飽和モノマー成
分に対して通常、3〜15重量%の範囲内が適当であ
る。
【0035】上記(II)におけるグラフト重合反応
は、従来公知の方法で行うことができ、例えば、80〜
150℃に加熱されたエポキシ樹脂(a)の有機溶剤溶
液中に、ラジカル発生剤と重合性不飽和モノマー成分と
の均一な混合溶液を徐々に添加し、同温度に1〜10時
間程度保持することによって行うことができる。上記ラ
ジカル発生剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニ
トリル、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベ
ンゾイルオクタノエート、t−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエートなどを挙げることができる。
【0036】上記(I)でのエステル付加反応や上記
(II)でのグラフト重合反応の際に使用される有機溶
剤としては、エポキシ樹脂(a)とアクリル樹脂(b)
又はカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含有す
る重合性不飽和モノマー成分とを溶解し、且つこれらの
反応生成物であるアクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)
を中和、水性化する場合にエマルジョンの形成に支障を
来さない有機溶剤である限り、従来公知のものを使用す
ることができる。
【0037】上記(I)又は(II)によって得られる
アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)は、カルボキシル
基を有し、樹脂酸価が10〜160、さらには20〜1
00の範囲内であることが水分散性、塗膜性能などの観
点から好ましい。
【0038】アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)は、
塩基性化合物で樹脂中のカルボキシル基の少なくとも一
部を中和することによって本発明組成物における水性媒
体中に分散可能となる。上記カルボキシル基の中和に用
いられる塩基性化合物としては、アミン類やアンモニア
が好適に使用される。上記アミン類の代表例としては、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ンなどのアルキルアミン類;ジメチルエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノールな
どのアルカノールアミン類;モルホリンなどの環状アミ
ン類などを挙げることができる。アクリル樹脂変性エポ
キシ樹脂(A)の中和程度は、特に限定されるものでは
ないが、樹脂(A)中のカルボキシル基に対して通常
0.1〜2.0当量中和の範囲であることが好ましい。
【0039】アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)を水
性媒体中に中和、分散するには、常法によればよく、例
えば中和剤である塩基性化合物を含有する水性媒体中に
撹拌下にアクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)を徐々に
添加する方法、アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)を
塩基性化合物によって中和した後、撹拌下にて、この中
和物に水性媒体を添加するか又はこの中和物を水性媒体
中に添加する方法などを挙げることができる。
【0040】消泡剤(B) 本発明組成物における(B)成分である消泡剤は、本発
明水性塗料組成物の消泡に効果的であって、塗装作業性
や塗膜の耐ワキ性を改良できるものであり、消泡剤
(B)は、融点が90〜140℃である平均粒子径0.
1〜20μm、好ましくは0.1〜15μmのポリエチ
レンと流動パラフィンとを主成分とするものである。ポ
リエチレンと流動パラフィンとの配合割合は特に限定さ
れるものではないが、通常、ポリエチレン/流動パラフ
ィンの重量比で、1/99〜50/50、好ましくは2
/98〜30/70の範囲内である。
【0041】消泡剤(B)は、通常、上記ポリエチレン
と流動パラフィンとが、界面活性剤、好ましくは非イオ
ン界面活性剤の存在下で、有機溶剤中、例えば炭化水素
溶剤中に安定に分散されたものである。
【0042】本発明の水性塗料組成物は、中和されたア
クリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)及び上記消泡剤
(B)が水性媒体中に安定に分散されたものである。本
発明の水性塗料組成物においては、該組成物中における
有機溶剤含有率が5〜35重量%、好ましくは10〜3
0重量%であり、該有機溶剤中、60重量%以上が水混
和性有機溶剤であり、かつ全有機溶剤中、10重量%以
上、好ましくは12〜50重量%が水酸基を2個以上有
する炭素原子数2〜10の有機溶剤である。また、水と
有機溶剤との合計である水性媒体100重量部中におけ
る有機溶剤の含有量は、7〜50重量部の範囲内である
ことが好適である。
【0043】上記有機溶剤として用いられる水酸基を2
個以上有する炭素原子数2〜10の有機溶剤としては、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリ
コール、ヘキシレングリコールなどを挙げることができ
る。この水酸基を2個以上有する有機溶剤が、全有機溶
剤中に10重量%以上存在することによって、塗装時な
どにおいて、容器などに付着して自然乾燥した塗膜の溶
剤への再溶解性(再分散性)が良好となり、コーターパ
ンなどに付着した塗料の洗浄性が良好となる。さらに、
従来、通常の溶剤組成では消泡剤による消泡機能を劣化
させることが起こっていたが、上記特定の溶剤組成で
は、前記消泡剤(B)による消泡機能を劣化させないと
いう特徴を有する。
【0044】上記有機溶剤中の水混和性有機溶剤は、2
5℃において水と任意の割合で溶解する有機溶剤であ
り、水混和性有機溶剤の具体例としては、上記水酸基を
2個以上有する炭素原子数2〜10の有機溶剤として例
示したもの;イソプロパノール、3−メチル−3−メト
キシブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、アセ
トンなどを挙げることができる。水混和性有機溶剤が全
有機溶剤中に60重量%以上存在することによって塗装
後の焼付け乾燥過程において水の急激な蒸発を抑えるこ
とができ、塗膜の耐ワキ性や塗面の平滑性が良好とな
る。
【0045】また有機溶剤としては、上記以外の水と混
合し難い有機溶剤もアクリル樹脂変性エポキシ樹脂
(A)の水性媒体中での安定性に支障を来さない範囲で
使用可能であり、この有機溶剤としては、例えばトルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸
ブチル、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノ
ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルアルコール、シ
クロヘキサノン等を挙げることができる。
【0046】本発明の水性塗料組成物は、中和剤によっ
て中和されたアクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)、消
泡剤(B)、水性媒体、中和剤を必須成分とするもので
あり、さらに必要に応じて、塗膜性能、塗膜の加工時や
輸送時の塗膜の傷付き防止、美粧性の向上、塗装性及び
臭気の改善などの目的で、硬化剤、潤滑性付与剤、改質
樹脂、硬化触媒、着色顔料、体質顔料;凝集防止剤、レ
ベリング剤、香料などを適宜含有するものであってもよ
い。
【0047】必要に応じて配合される上記硬化剤は、ア
クリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)と架橋反応して塗膜
を硬化させることができるものであり、例えば、フェノ
ール樹脂、アミノ樹脂などを挙げることができる。
【0048】上記フェノール樹脂としては、フェノール
類とホルムアルデヒド類とを反応触媒の存在下で加熱し
て縮合反応させて、メチロール基を導入してなるレゾー
ル型フェノール樹脂を挙げることができる。導入したメ
チロール基はアルキルエーテル化されていてもよい。
【0049】フェノール樹脂の製造に用いられるフェノ
ール類としては、o−クレゾール、p−クレゾール、p
−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、
2,3−キシレノール、2,5−キシレノールなどの2
官能性フェノール;フェノール、m−クレゾール、m−
エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキ
シフェノール等の3官能性フェノール;ビスフェノール
A、ビスフェノールF等の4官能性フェノール等が挙げ
られ、これらは1種で、又は2種以上混合して使用する
ことができる。フェノール樹脂の製造に用いられるホル
ムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホル
ムアルデヒド又はトリオキサンなどが挙げられ、1種
で、又は2種以上混合して使用することができる。
【0050】本発明組成物中に硬化剤として必要に応じ
て配合されるアミノ樹脂としては、例えば、メチルエー
テル化やブチルエーテル化などのアルキルエーテル化メ
ラミン樹脂、アルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂
等が挙げられ、それぞれ単独または併用して用いること
ができる。
【0051】フェノール樹脂やアミノ樹脂などの硬化剤
の配合量は、アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)10
0重量部に対して、10重量部以下の範囲にあることが
好適である。
【0052】本発明組成物中に必要に応じて配合される
潤滑性付与剤は、得られる塗膜の潤滑性を向上させる目
的で配合されるものであり、例えば、ポリオール化合物
と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸エステルワック
ス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス、ポリエチ
レンなどのポリオレフィンワックス、ラノリン系ワック
ス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス
及びカルナウバろうなどを挙げることができる。潤滑性
付与剤は、1種で又は2種以上を混合して使用すること
ができる。潤滑性付与剤は、通常、アクリル変性エポキ
シ樹脂(A)100重量部に対して、10重量部以下、
好ましくは0.3〜5重量部の範囲で使用される。
【0053】本発明組成物中に必要に応じて配合される
改質樹脂は、塗膜の可撓性改良、密着性向上などの塗膜
の改質の目的で配合されるものであり、例えば、エチレ
ン−重合性不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン−重
合性カルボン不飽和酸共重合体アイオノマーなどを挙げ
ることができる。改質樹脂の配合量は、アクリル変性エ
ポキシ樹脂100重量部に対して30重量部以下の量で
ある。
【0054】本発明の水性塗料組成物は、種々の基材に
適用することができ、例えばアルミニウム板、鋼板、ブ
リキ板等の無処理の又は表面処理した金属板、及びこれ
らの金属板にエポキシ系、ビニル系などのプライマーを
塗装した金属板など、ならびにこれらの金属板を缶など
に加工したものなどを挙げることができる。
【0055】本発明の水性塗料組成物を基材に塗装する
方法としては、公知の各種の方法、例えばロールコータ
塗装、スプレー塗装、浸漬塗装や電着塗装等が適用でき
る。なかでもロールコータ塗装が好ましい。塗膜厚は用
途によって適宜選定すればよいが、通常3〜20μm程
度が好ましい。塗装した塗膜の乾燥条件としては、通
常、素材到達最高温度が90〜300℃となる条件で1
0秒〜30分間が好ましく、ロールコータ塗装の場合に
は、200〜280℃で10秒〜50秒間の範囲内であ
ることがさらに好ましい。
【0056】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも
重量基準によるものとする。
【0057】カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液の製
製造例1 撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素導入
口を備えた四つ口フラスコにブタノール400部を秤取
した。次にメタクリル酸174部、スチレン87部、エ
チルアクリレート29部及びベンゾイルパーオキサイド
(75%水湿潤物)14.5部をビーカーに秤取し、よ
く混合撹拌し、予備混合物を調製した。次に、フラスコ
中のブタノールの温度を105℃に加熱し、この温度に
おいて前記予備混合物を滴下ロートから3時間にわたっ
て滴下した。同温度でさらに2時間保持し、共重合反応
を完了させた。次いで、ブタノール290部を加えて、
粘度370mPa・s、樹脂酸価390、固形分30%
のカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液(以下、「アク
リル樹脂溶液a」という)を得た。
【0058】エポキシ樹脂溶液の製造 製造例2 エピコート828(油化シェルエポキシ社製、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約190、粘度
約13Pa・s、25℃)500部、ビスフェノールA
305部、トリn−ブチルアミン0.5部及びエチレン
グリコールモノブチルエーテル86部を反応容器に入
れ、窒素気流下で135℃に加熱したところ内容物は1
80℃まで発熱した。このものを160℃まで冷却し、
約3時間反応を行ってエポキシ当量4,000、溶液粘
度(25℃における樹脂分30%のブチルカルビトール
溶液のガードナーホルト粘度)Z4 、固形分90%のエ
ポキシ樹脂溶液b−1を得た。
【0059】製造例3 製造例2において、ビスフェノールA305部のかわり
にビスフェノールF267部を使用する以外は製造例2
と同様に行い、固形分90%のエポキシ樹脂溶液b−2
を得た。得られたエポキシ樹脂の樹脂固形分は、エポキ
シ当量3,700、溶液粘度(25℃における樹脂分3
0%のブチルカルビトール溶液のガードナーホルト粘
度)Z3 を有していた。
【0060】 アクリル樹脂変性エポキシ樹脂エマルジョン液の製造 製造例4 (1)製造例1で得たアクリル樹脂溶液a 150部 (2)製造例2で得たエポキシ樹脂溶液b−1 283部 (3)n−ブタノール 103部 (4)エチレングリコールモノブチルエーテル 30部 (5)脱イオン水 3.6部 (6)N,N−ジメチルアミノエタノール 11.8部 (7)N,N−ジメチルアミノエタノール 5.0部 (8)脱イオン水 722部 計 1,308.4部 還流管、温度計、撹拌機を装着した四つ口フラスコに、
上記(1)〜(4)を仕込み、窒素気流下で115℃に
加熱し溶解させた。溶解後、105℃まで冷却し、
(5)〜(6)の順に加え、105℃で3時間保持して
反応させた。反応におけるアクリル樹脂/エポキシ樹脂
の固形分重量比は15/85である。反応は酸価を測定
して追跡し、反応終点を樹脂酸価51とした。次いで、
(7)を添加し、中和当量0.6で中和分散し、その
後、(8)を30分間にわたって添加してエマルジョン
化を行った。
【0061】ついで、50℃に保持して減圧下で脱溶剤
を行い、n−ブタノールの大部分及びエチレングリコー
ルモノブチルエーテルの一部を留去し、固形分36%、
分散粒子の粒子径0.24μmの安定なアクリル樹脂変
性エポキシ樹脂エマルジョン液(以下、「エマルジョン
液A−1」という)を得た。得られたエマルジョン液A
−1の水性媒体中における有機溶剤組成をガスクロマト
グラフにより測定したところ、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル2.0%であった。
【0062】製造例5 製造例4において、製造例2で得たエポキシ樹脂溶液b
−1のかわりに製造例3で得たエポキシ樹脂溶液b−2
を同量使用する以外は製造例4と同様にして固形分36
%、分散粒子の粒子径0.28μmの安定なアクリル樹
脂変性エポキシ樹脂エマルジョン液(以下、「エマルジ
ョン液A−2」という)を得た。得られたエマルジョン
液A−2の水性媒体中における有機溶剤組成はエチレン
グリコールモノブチルエーテル2.0%であった。
【0063】フェノール樹脂溶液の製造 製造例6 ビスフェノールA100部、37%ホルムアルデヒド水
溶液178部及び苛性ソーダ1部を加え、60℃で3時
間反応させた後、減圧下に50℃で1時間脱水を行っ
た。次いでn−ブタノール100部とリン酸3部を加
え、110〜120℃で2時間反応を行った。反応終了
後、溶液を濾過して生成したリン酸ナトリウムを濾別
し、n−ブタノールを加えて加熱残分50%に調整して
フェノール樹脂溶液を得た。
【0064】消泡剤の製造 製造例7 融点100℃のポリエチレン1.5部と40℃での粘度
が30センチストークスの流動パラフィン15部と非イ
オン性界面活性剤20部を温度130℃にて溶融混練し
た。ついで沸点150〜200℃の炭化水素系有機溶剤
63.5部をホモディスパー型撹拌機にて回転数500
0rpmで撹拌しながら、この中に上記溶融混練物を徐
々に添加し、ポリエチレンの平均粒子径が0.6μmで
ある消泡剤B−1を得た。
【0065】製造例8〜10 製造例7において、配合組成及びホモディスパー型撹拌
機の回転数を下記表1に示すとおりとする以外は製造例
7と同様に行い、各消泡剤を得た。各消泡剤におけるポ
リエチレンの平均粒子径も表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】 水性塗料の製造 実施例1 (1)製造例4で得たエマルジョン液A−1 833.3部 (2)脱イオン水 101.7部 (3)エチレングリコールモノブチルエーテル 30部 (4)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 50部 (5)エチレングリコール 50部 (6)製造例6で得たフェノール樹脂溶液 30部 (7)N,N−ジメチルアミノエタノール 5部 (8)製造例7で得た消泡剤B−1 5部 合計 1105部 ステンレス容器に(1)を配合し、かき混ぜながら
(2)を加えて希釈した。別容器に(3)〜(5)の溶
剤を配合し、よくかき混ぜた後、この混合溶剤に(6)
を加え均一に溶解させた。このフェノール樹脂溶解液を
上記希釈したエマルジョン液中に撹拌下にて加えた。そ
の後、徐々に加温し、40℃で約1時間保持した後、
(7)を加えて粘度(フォードカップ#4、25℃)を
約30秒に調整し、さらに(8)を撹拌下にて加えて固
形分約30%の水性塗料を得た。
【0068】実施例2〜5 実施例1において、後記表2に示す有機溶剤種、消泡剤
種を、表2に示す量にて使用する以外は実施例1と同様
に行い、各水性塗料を得た。
【0069】実施例6 実施例1において、製造例4で得たエマルジョン液A−
1のかわりに、製造例5で得たエマルジョン液A−2を
同量使用する以外は同様にして、粘度(フォードカップ
#4、25℃)約30秒、固形分約30%の水性塗料を
得た。
【0070】比較例1〜7 実施例1において、後記表2に示す有機溶剤種、消泡剤
種を、表2に示す量にて使用する以外は実施例1と同様
に行い、各水性塗料を得た。
【0071】表2中において使用した有機溶剤の略称は
それぞれ下記の意味を有する。
【0072】 EGMBE:エチレングリコールモノブチルエーテル PGMPE:プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル DEGMBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル EGMHE:エチレングリコールモノヘキシルエーテル 2−EHA:エチルヘキシルアルコール 上記各実施例及び比較例で得た水性塗料について以下の
方法により各種試験を行った。
【0073】試験塗板の作成 上記各実施例及び比較例で得た水性塗料組成物を、厚さ
0.3mmの#5182アルミニウム板に乾燥塗膜重量
が120mg/100cm2 となるようにバーコータに
て塗装し、コンベア搬送式で雰囲気温度280℃、風速
25m/分の熱風乾燥炉内を通過させて焼き付けて試験
塗板を得た。焼き付け条件は、素材到達最高温度(PM
T)が240℃、乾燥炉内通過時間が20秒間の条件と
した。得られた試験塗板を水抽出液フレーバー性以外の
塗膜性能の各試験に供した。また、厚さ0.1mmのア
ルミ箔を厚さ0.3mmのアルミニウム板のかわりに使
用し、乾燥機の雰囲気温度を275℃とする以外は、上
記試験塗板の作成と同様にして水抽出液フレーバー性試
験用の試験塗板を得た。
【0074】得られた各試験塗板について下記の試験方
法に基づいて各種試験を行った。その試験結果を後記表
2に示す。
【0075】試験方法 塗面状態:塗面のワキの状態を目視観察し、下記の基準
で評価した。 ○:ワキが認められない △:ワキがわずかに認められる ×:ワキが著しい。
【0076】密着性:試験塗板の塗膜面にナイフを使用
して約1.5mmの幅で縦、横それぞれ11本の切目を
ゴバン目状に入れる。ついでゴバン目部に24mm幅の
セロハン粘着テープを密着させ、瞬時に剥離した時のゴ
バン目部の塗膜の密着性を目視評価した。 ○:全く塗膜の剥離が認められない △:わずかに塗膜の剥離が認められる ×:著しい塗膜の剥離が認められる。
【0077】耐沸騰水性:試験塗板を100℃の沸騰水
中に30分間浸漬後、この試験塗板に上記密着性の試験
と同様の方法でゴバン目部の塗膜の密着性を目視評価し
た。評価基準は、上記密着性の試験の場合と同様とす
る。
【0078】加工性:特殊ハゼ折り型デュポン衝撃試験
器を用い、塗膜面が外側になるように下部を2つ折りに
した試験塗板を試験器に設置し、接触面が平らな厚さ1
kgの鉄の錘を高さ50cmから落下させて折り曲げ部
に衝撃を与えた時に生じる折り曲げ部分における塗膜の
亀裂の長さを測定し評価した。 ○:亀裂の長さが10mm未満 △:亀裂の長さが10mm以上で20mm未満 ×:亀裂の長さが20mm以上。
【0079】水抽出液フレーバー性:厚さ0.1mmの
アルミ箔に塗装した試験塗板を、塗布面積1cm2 当り
活性炭で処理した水道水が1ccとなるように該処理水
を満たした耐熱ガラス製ボトルに入れ、蓋をして125
℃で30分間殺菌処理後、内容液のフレーバーテスト
(匂い、味)を実施した。そのフレーバー性を下記基準
によって評価した。 ○:全く変化なし △:若干変化あり ×:著しく変化あり。
【0080】塗料の経時安定性:水性塗料95ccを内
容量100ccのガラス製広口ビンに入れて密封し、5
0℃の恒温槽中に1ケ月間保存した後開封して調査し、
液面に皮張りの有無、水性塗料の粘度、分散粒子の平均
粒径を調査し、総合的に状態変化を保存前と比較し下記
基準によって評価した。 ○:変化がほとんど認められない △:若干変化あり ×:著しく変化あり。
【0081】低温造膜性:水性塗料を厚さ0.21mm
のブリキ板にバーコータにて乾燥塗膜重量が140mg
/100cm2 になるように塗布して20℃で20分間
セッティングした時に連続塗膜が形成されるかどうかを
目視判定し下記基準によって評価した。 ○:ワレのない連続塗膜が形成された △:部分的に塗膜にワレが入った ×:塗膜全面にワレが入った。
【0082】耐泡立性:1000ccのメスシリンダに
塗料を200cc入れ、この塗料中にガラス製ボールフ
ィルタを浸漬し、このボールフィルタに400cc/分
となる量の空気を送ってボールフィルタから空気を4分
間吹き出させた時点での泡の量を測定した。
【0083】○:起泡量が300cc未満 △:起泡量が300cc以上で1000cc未満 ×:起泡量が1000cc以上。
【0084】洗浄性:水性塗料を厚さ0.21mmのブ
リキ板にバーコータにて乾燥塗膜重量が約400mg/
100cm2 になるように塗布して温度20℃、湿度6
0%RHの室内にて1時間自然乾燥させる。ついで、そ
の塗面を水を含ませたガーゼで拭き、塗膜の剥がれ状態
により下記基準にて評価した。
【0085】○:容易に剥がれる △:少しこすると剥がれる ×:少しこすっても剥がれない。
【0086】耐ビルドアップ性:水性塗料をロールコー
タのコータパンに入れ、ピックアップロールを回転させ
て塗料をピックアップし、正回転しているコーティング
ロールに転写させる。コーティングロール回転速度60
m/分とし、また、コーティングロール上の塗料膜の液
膜の厚さが60μmとなるようにロール間隙を調整した
状態でのコーティングロールの両末端付近での塗料膜の
盛上り状態を下記基準にて評価した。
【0087】○:塗料膜の盛上りが殆ど認められない △:塗料膜の盛上りがかなり認められる ×:塗料膜の盛上りが著しく認められる。
【0088】
【表2】
【0089】
【発明の効果】本発明の水性塗料組成物は、水性アクリ
ル樹脂変性エポキシ樹脂系塗料中の有機溶剤組成を特定
の組成配合とし、かつ特定の消泡剤を配合したものであ
る。この特定の配合とすることにより、塗装、焼付け、
洗浄する際における、泡の多量発生や皮張り、ワキの発
生、ビルドアップなどを解決でき、かつ洗浄性を向上で
きたものである。
【0090】本発明の塗料組成物は水性であるので、地
球環境及び安全衛生の面から有利である。
【0091】また、本発明の水性塗料組成物は、水性ア
クリル樹脂変性エポキシ樹脂系塗料が本来有する塗膜性
能、例えば、密着性、耐沸騰水性、加工性、水抽出液フ
レーバー性などに優れた塗膜を形成することができ、特
に缶の内外面の塗装用として好適に使用することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀倉 康男 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスフェノール型エポキシ樹脂とカルボ
    キシル基含有アクリル樹脂とからなるアクリル樹脂変性
    エポキシ樹脂(A)が、中和され、水性媒体中に分散さ
    れた水性塗料組成物であって、該アクリル樹脂変性エポ
    キシ樹脂(A)100重量部に対して、融点が90〜1
    40℃である平均粒子径0.1〜20μmのポリエチレ
    ンと流動パラフィンとを主成分とする消泡剤(B)を固
    形分量で、0.1〜5.0重量部含有し、しかも該水性
    塗料組成物中における有機溶剤含有量が5〜35重量%
    であり、該有機溶剤中、60重量%以上が水混和性有機
    溶剤であり、かつ全有機溶剤中、10重量%以上が水酸
    基を2個以上有する炭素原子数2〜10の有機溶剤であ
    ることを特徴とする水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)
    が、エポキシ当量1,000〜12,000、数平均分
    子量2,000〜35,000のビスフェノール型エポ
    キシ樹脂(a)と、酸価100〜400、数平均分子量
    5,000〜100,000のカルボキシル基含有アク
    リル樹脂(b)とのエステル化反応生成物であることを
    特徴とする請求項1記載の水性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)
    が、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)とカルボキシ
    ル基含有アクリル樹脂(b)とを、樹脂(a):樹脂
    (b)の固形分比率が、6:4〜9:1の範囲となる割
    合でエステル化反応させてなるものである請求項2に記
    載の水性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 さらに、硬化剤を、アクリル樹脂変性エ
    ポキシ樹脂(A)100重量部に対して、10重量部以
    下含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一
    項に記載の水性塗料組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の水
    性塗料組成物を、金属板上にロール塗装し、焼付け硬化
    させることを特徴とする塗膜形成方法。
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