JPH0457745B2 - - Google Patents
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- JPH0457745B2 JPH0457745B2 JP61268375A JP26837586A JPH0457745B2 JP H0457745 B2 JPH0457745 B2 JP H0457745B2 JP 61268375 A JP61268375 A JP 61268375A JP 26837586 A JP26837586 A JP 26837586A JP H0457745 B2 JPH0457745 B2 JP H0457745B2
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Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
<産業上の利用分野>
本発明は、特に肌荒れを起しやすい比較的平均
結晶粒径の大きな組織を有する鋼板につき、鋼板
表面粗度パターンを制御することによりプレス加
工時に肌荒れ不良を生じにくくさせたプレス加工
用冷延鋼板に関する。 <従来技術およびその問題点> 薄鋼板のプレス加工性向上のためには、材料特
性として高い延性(El)と高いランクフオード値
(r値)が必要とされる。このためには、鋼板の
製造工程において、特定方位の集合組織の集積・
再結晶粒の成長を図ることが重要とされている。 一方、鋼板の結晶粒が粗大化するにつれ、プレ
ス加工後鋼板表面に、表面欠陥の一つと考えられ
ている肌荒れと称する凹凸が顕著になり、外観上
好ましくない。 従つて、再結晶粒を十分成長させることにより
優れたプレス加工性を得ても、肌荒れの問題を解
決しない限り、薄鋼板の実用部品への適用はむず
かしい。 <発明が解決しようとする問題点> 本発明者らは、肌荒れの発生状況について詳細
に調査したところ、結晶粒径の依存性はもとよ
り、集合組織的にも特定方位の集積度の高い方が
肌荒れも顕著であること、および肌荒れの形態と
して複数個の結晶粒の集まりが凹凸を形成してい
ることが観察された。 これは結晶粒成長の進行が、方位の異なる粒を
蚕喰しつつ、最終的に結晶方位の近い結晶粒同士
の集積となるためと考えられる。つまり方位の近
い結晶粒の集まりがコロニーを形成し、鋼板全体
が、このようなコロニーの集まりとなるため、塑
性変形時にコロニー内の結晶粒がそれぞれほぼ同
様な変形をし、コロニー同士の境界近傍では局部
的応力集中を起こすものと思われる。 従つて本発明者らは、この局部的な応力集中を
緩和することで肌荒れを防止することができると
考え、本発明に至つた。 <問題点を解決するための手段> 本発明者らは、鋼板の塑性変形時の結晶粒径・
集合組織による局部的応力集中を防止する方法に
ついて種々検討した結果、鋼板表面に規則的な局
所歪を導入することが効果的であることを見出し
た。これは、鋼板表面での方位の近い結晶粒のコ
ロニー単位の変形を、局所歪が存在することによ
るコロニー内での歪の分割により抑制することが
でき、コロニー同士の境界近傍での局部的応力集
中を緩和することができるためと考えられる。 <発明の構成> 本発明は、前記問題点を解決するために、化学
成分が、 C≦0.003wt%,Si≦0.05wt%,Mn≦0.5wt%,
P≦0.02wt%,S≦0.02wt%,Al≦0.1wt%,N
≦0.003wt%、 48/12C+48/14+48/32S(wt%)<Ti≦0.1wt%、 0.002wt%≦Nb≦0.02wt%、 0.0002wt%≦B≦0.002wt% および残部不可避的不純物とFeであり、かつ平
均結晶粒径20μm以上のプレス加工用薄鋼板にお
いて、下記式で示される鋼板表面粗度の規則性を
表す規則度パラメータSが少なくとも一方向につ
いてS≦0.25でかつ平均表面粗度Ra≧1.2μmなる
関係を満たす幾何学的表面構造とすることを特徴
とする加工時に肌荒れしにくいプレス加工用冷延
鋼板を提供するものである。 =1/no 〓i=1 Xi S=1/no 〓i=1 |−X|/ ここで、X:鋼板表面凸部ピーク間距離。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明の特徴である規則的な局所歪を導入する
方法として、通常焼鈍後の鋼板は、形状矯正、ダ
ル目付け等の目的でスキンパス圧延が施されるの
で、ダル目の利用を取り入れた。 スキンパスロールのダル目は、シヨツトブラス
トによりロール表面に凹凸を作り、これを鋼板に
転写させて形成するが、従来はダル目の凹凸が不
規則なため、鋼板の全体を通して肌荒れを効果的
に防止することができなかつた。さらに、スキン
パス圧下率を高め、局所歪を鋼板全体にむらなく
ゆき渡らせるには、2〜3%以上の圧下率が必要
であるが、圧下率があまりに高すぎると、いたず
らに降伏圧力の上昇を招いてプレス加工性を劣化
させる。 この問題点を解決するためには、スキンパスロ
ールの凹凸がロール全体にわたり規則的に形成さ
れていることの必要性に至つた。そこで、ロール
の表面を規則的な幾何学模様に加工した特殊ロー
ルを用いて再度肌荒れ防止効果を確認したとこ
ろ、顕著な肌荒れ防止効果が表れることがわかつ
た。なお、ロール表面への凹凸の付与は、レーザ
ーパルスを用いて行なつた。 本発明の特徴である規則的な局所歪を導入する
にあたり、ロール表面の凹凸の規則性について以
下のように評価した。 ロール凹部の隣接したピーク間距離Xiを用い
て平均ピーク間距離で規則度パラメータSを定
義した。 S=1/no 〓i=1 |−X|/ =1/no 〓i=1 Xi ここで、ロールによる鋼板への転写において、
ロール表面の凹部により鋼板表面凸部が形成され
るので、前記Xiは、そのまま鋼板表面凸部の隣
接したピーク間距離を表わす。 規則度パラメータSが小さいほどロール表面の
凹凸すなわち鋼板表面の凹凸の規則性が高く、好
ましくはS≦0.25であるのがよい。Xiは三次元粗
度計により測定し、通常のシヨツトブラストのロ
ールで約0.4前後であつた。また、鋼板へ局所歪
を導入する場合、スキンパス圧下率を従来の1%
前後にするためには、その平均表面粗度として
Ra≧1.2μmが適当であることも判明した。 第1図に、シヨツトブラストまたはレーザーパ
ルスによりロール表層にダル目を形成し、このダ
ルロールを用い、スキンパス圧下率0.8%にて板
厚0.8mmの鋼板を平均表面粗度Ra=1.5μmに圧延
した時の、鋼板の平均結晶粒径(μm)と規則度
パラメータSが鋼板の肌荒れに及ぼす影響につい
て示した。鋼板の肌荒れ指数は、JIS 5号試験片
を20%引張つた時の肌荒れ状況を目視判定により
求めた。評価は以下のように行なつた。 肌荒れ指数 4:肌荒れの度合い 大 3:肌荒れの度合い 中 2:肌荒れの度合い 小 1:肌荒れなし 第1図から明らかなように、S≦0.25では、鋼
板の平均結晶粒径が20μm以上になつても肌荒れ
のみられないことがわかる。これに対し、S>
0.25とした鋼板では、20μm以上の結晶粒径とし
た時、肌荒れが発生した。 なお、鋼板の平均結晶粒径が20μm未満の場合
では、規則度パラメータSによらず、肌荒れは発
生しなかつた。 また、第2図に規則度パラメータS=0.2の鋼
板における鋼板平均表面粗度(Ra)とスキンパ
ス圧下率(%)が鋼板の肌荒れに及ぼす影響につ
いて示した。鋼板の肌荒れ指数の試験方法、評価
方法は、前記第1図と全く同様に行なつた。 第2図から明らかなように、Ra≧1.2μmにお
いて、スキンパス圧下率が低くなつても、鋼板に
肌荒れがみられないことがわかる。 また、本発明は、粒成長しやすい鋼板、特に
Ti添加極低炭素鋼に対して極めて効果的である。
これは、上記鋼ではTiがC,N,Sと粗大な析
出物を形成しやすいため、焼鈍中に粒成長しやす
く、そのため肌荒れも深刻な問題となつているた
め、本発明がことのほか効果を奏するためであ
る。 そのため、本発明においては、前記鋼板がC≦
0.003wt%,Si≦0.05wt%,Mn≦0.5wt%,P≦
0.02wt%,S≦0.02wt%,Al≦0.1wt%,N≦
0.003wt%、 48/12C+48/14N+48/32S(wt%)<Ti≦0.1wt%
, 0.002wt%≦Nb≦0.02wt%,0.0002wt%≦B≦
0.002wt%および残部不可避的不純物とFeとから
成るのが好ましい。 以下、鋼の成分限定理由を説明する。 C,N:C,Nはともに非時効性を損なうた
め、析出物として固定する必要がある。C,Nが
低いほど粒成長もよく材質も向上するため、とも
に0.003wt%以下とする。 Si:Siは熱延時に酸洗除去しにくいスケールを
生成するため、可能な限り低減する必要があるの
で、その上限を0.05wt%とする。 Mn:Mnは深絞り性を損なわず必要な強度を
確保することができるが、0.5wt%よりも多いと
El値を低下させるため、0.5wt%以下とする。 P,S:P,Sは不可避的不純物として鋼中に
残存する。 P,Sが多いと著しくEl値を損なうため、その
上限はともに0.02wt%とする。 Al:Alは鋼中酸素を除去するため添加するが、
多量の添加はコストアツプばかりでなく、表面性
状の劣化を引起こすため、0.1wt%以下とする。 Ti:Tiは、C,N,Sなどの不純物を析出物
として固定し、r値、El値向上に不可欠な成分で
ある。従つて少なくともC,N,Sに対する当量
以上、すなわち Ti>48/12C+48/14N+48/32S(wt%)が必要であ
る。 一方、多すぎると、Al同様、表面性状を損な
うため、 48/12C+48/14N+48/32S(wt%)<Ti≦0.1wt%
とす る。 Nb:Nbは、El値、r値の異方性を改善するた
めに微量添加するが、0.02wt%を超えるとEl値の
低下が著しいので、0.002wt%≦Nb≦0.02wt%と
する。 B:Bは粒界偏析によりP,Sの粒界偏析を抑
制し、極低炭素鋼で顕著な2次加工脆性の改善に
寄与する。特に本発明のように結晶粒径の大きな
鋼板の場合、効果的である。その効果はBの含有
率が0.0002wt%以上で表われるが、多量のB添加
は、粒成長性を損ない、El値の低下を招くので、
0.0002wt%≦B≦0.002wt%とする。 <実施例> 次に本発明を実施例に基づき更に詳細に説明す
る。 [実施例] 転炉にて表1に示す鋼を溶製し、連続鋳造スラ
ブとし、引き続き熱間圧延工程にて仕上温度888
℃、巻き取り温度500℃で板厚2.8mmの熱延板とし
た。 酸洗後、板厚0.8mmまで冷間圧延し、連続焼鈍
炉で830℃〜880℃で再結晶焼鈍した。規則度パラ
メータS、ロール表面粗度Raを変えたロールを
用いて、圧下率0.8%のスキンパスを施し、機械
的性質および肌荒れ状況を試験した。 結果を表2に示す。 ここで機械的性質は、JIS 5号試験片を用い、
得られた材質値YS,TS,El,r値について(以
下これらの材質値をXと総称する)圧延方向
(X0)、90°方向(X90)、45° 方向(X45)の平均値を=X0+X90−2X45/4、 異方性を△X=X0+X90−2X45/2とした。 また、脆化温度は、絞り比2の円筒カツプ試験
片の圧壊試験温度から決定した。 表2から、平均結晶粒径が小さくなると鋼板の
加工性が劣化し、大きくなるに従い加工性が向上
することが明らかである。しかし、平均結晶粒径
が20μm以上の鋼板は、加工性に優れるが、従来
技術では肌荒れの発生を抑えることができなかつ
た。本発明により、20μm以上の平均結晶粒径を
有する鋼板の肌荒れが効果的に防止されているこ
とがわかる。 なお、肌荒れ指数は、前述の第1図、第2図の
場合と同様に試験を行ない評価した。
結晶粒径の大きな組織を有する鋼板につき、鋼板
表面粗度パターンを制御することによりプレス加
工時に肌荒れ不良を生じにくくさせたプレス加工
用冷延鋼板に関する。 <従来技術およびその問題点> 薄鋼板のプレス加工性向上のためには、材料特
性として高い延性(El)と高いランクフオード値
(r値)が必要とされる。このためには、鋼板の
製造工程において、特定方位の集合組織の集積・
再結晶粒の成長を図ることが重要とされている。 一方、鋼板の結晶粒が粗大化するにつれ、プレ
ス加工後鋼板表面に、表面欠陥の一つと考えられ
ている肌荒れと称する凹凸が顕著になり、外観上
好ましくない。 従つて、再結晶粒を十分成長させることにより
優れたプレス加工性を得ても、肌荒れの問題を解
決しない限り、薄鋼板の実用部品への適用はむず
かしい。 <発明が解決しようとする問題点> 本発明者らは、肌荒れの発生状況について詳細
に調査したところ、結晶粒径の依存性はもとよ
り、集合組織的にも特定方位の集積度の高い方が
肌荒れも顕著であること、および肌荒れの形態と
して複数個の結晶粒の集まりが凹凸を形成してい
ることが観察された。 これは結晶粒成長の進行が、方位の異なる粒を
蚕喰しつつ、最終的に結晶方位の近い結晶粒同士
の集積となるためと考えられる。つまり方位の近
い結晶粒の集まりがコロニーを形成し、鋼板全体
が、このようなコロニーの集まりとなるため、塑
性変形時にコロニー内の結晶粒がそれぞれほぼ同
様な変形をし、コロニー同士の境界近傍では局部
的応力集中を起こすものと思われる。 従つて本発明者らは、この局部的な応力集中を
緩和することで肌荒れを防止することができると
考え、本発明に至つた。 <問題点を解決するための手段> 本発明者らは、鋼板の塑性変形時の結晶粒径・
集合組織による局部的応力集中を防止する方法に
ついて種々検討した結果、鋼板表面に規則的な局
所歪を導入することが効果的であることを見出し
た。これは、鋼板表面での方位の近い結晶粒のコ
ロニー単位の変形を、局所歪が存在することによ
るコロニー内での歪の分割により抑制することが
でき、コロニー同士の境界近傍での局部的応力集
中を緩和することができるためと考えられる。 <発明の構成> 本発明は、前記問題点を解決するために、化学
成分が、 C≦0.003wt%,Si≦0.05wt%,Mn≦0.5wt%,
P≦0.02wt%,S≦0.02wt%,Al≦0.1wt%,N
≦0.003wt%、 48/12C+48/14+48/32S(wt%)<Ti≦0.1wt%、 0.002wt%≦Nb≦0.02wt%、 0.0002wt%≦B≦0.002wt% および残部不可避的不純物とFeであり、かつ平
均結晶粒径20μm以上のプレス加工用薄鋼板にお
いて、下記式で示される鋼板表面粗度の規則性を
表す規則度パラメータSが少なくとも一方向につ
いてS≦0.25でかつ平均表面粗度Ra≧1.2μmなる
関係を満たす幾何学的表面構造とすることを特徴
とする加工時に肌荒れしにくいプレス加工用冷延
鋼板を提供するものである。 =1/no 〓i=1 Xi S=1/no 〓i=1 |−X|/ ここで、X:鋼板表面凸部ピーク間距離。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明の特徴である規則的な局所歪を導入する
方法として、通常焼鈍後の鋼板は、形状矯正、ダ
ル目付け等の目的でスキンパス圧延が施されるの
で、ダル目の利用を取り入れた。 スキンパスロールのダル目は、シヨツトブラス
トによりロール表面に凹凸を作り、これを鋼板に
転写させて形成するが、従来はダル目の凹凸が不
規則なため、鋼板の全体を通して肌荒れを効果的
に防止することができなかつた。さらに、スキン
パス圧下率を高め、局所歪を鋼板全体にむらなく
ゆき渡らせるには、2〜3%以上の圧下率が必要
であるが、圧下率があまりに高すぎると、いたず
らに降伏圧力の上昇を招いてプレス加工性を劣化
させる。 この問題点を解決するためには、スキンパスロ
ールの凹凸がロール全体にわたり規則的に形成さ
れていることの必要性に至つた。そこで、ロール
の表面を規則的な幾何学模様に加工した特殊ロー
ルを用いて再度肌荒れ防止効果を確認したとこ
ろ、顕著な肌荒れ防止効果が表れることがわかつ
た。なお、ロール表面への凹凸の付与は、レーザ
ーパルスを用いて行なつた。 本発明の特徴である規則的な局所歪を導入する
にあたり、ロール表面の凹凸の規則性について以
下のように評価した。 ロール凹部の隣接したピーク間距離Xiを用い
て平均ピーク間距離で規則度パラメータSを定
義した。 S=1/no 〓i=1 |−X|/ =1/no 〓i=1 Xi ここで、ロールによる鋼板への転写において、
ロール表面の凹部により鋼板表面凸部が形成され
るので、前記Xiは、そのまま鋼板表面凸部の隣
接したピーク間距離を表わす。 規則度パラメータSが小さいほどロール表面の
凹凸すなわち鋼板表面の凹凸の規則性が高く、好
ましくはS≦0.25であるのがよい。Xiは三次元粗
度計により測定し、通常のシヨツトブラストのロ
ールで約0.4前後であつた。また、鋼板へ局所歪
を導入する場合、スキンパス圧下率を従来の1%
前後にするためには、その平均表面粗度として
Ra≧1.2μmが適当であることも判明した。 第1図に、シヨツトブラストまたはレーザーパ
ルスによりロール表層にダル目を形成し、このダ
ルロールを用い、スキンパス圧下率0.8%にて板
厚0.8mmの鋼板を平均表面粗度Ra=1.5μmに圧延
した時の、鋼板の平均結晶粒径(μm)と規則度
パラメータSが鋼板の肌荒れに及ぼす影響につい
て示した。鋼板の肌荒れ指数は、JIS 5号試験片
を20%引張つた時の肌荒れ状況を目視判定により
求めた。評価は以下のように行なつた。 肌荒れ指数 4:肌荒れの度合い 大 3:肌荒れの度合い 中 2:肌荒れの度合い 小 1:肌荒れなし 第1図から明らかなように、S≦0.25では、鋼
板の平均結晶粒径が20μm以上になつても肌荒れ
のみられないことがわかる。これに対し、S>
0.25とした鋼板では、20μm以上の結晶粒径とし
た時、肌荒れが発生した。 なお、鋼板の平均結晶粒径が20μm未満の場合
では、規則度パラメータSによらず、肌荒れは発
生しなかつた。 また、第2図に規則度パラメータS=0.2の鋼
板における鋼板平均表面粗度(Ra)とスキンパ
ス圧下率(%)が鋼板の肌荒れに及ぼす影響につ
いて示した。鋼板の肌荒れ指数の試験方法、評価
方法は、前記第1図と全く同様に行なつた。 第2図から明らかなように、Ra≧1.2μmにお
いて、スキンパス圧下率が低くなつても、鋼板に
肌荒れがみられないことがわかる。 また、本発明は、粒成長しやすい鋼板、特に
Ti添加極低炭素鋼に対して極めて効果的である。
これは、上記鋼ではTiがC,N,Sと粗大な析
出物を形成しやすいため、焼鈍中に粒成長しやす
く、そのため肌荒れも深刻な問題となつているた
め、本発明がことのほか効果を奏するためであ
る。 そのため、本発明においては、前記鋼板がC≦
0.003wt%,Si≦0.05wt%,Mn≦0.5wt%,P≦
0.02wt%,S≦0.02wt%,Al≦0.1wt%,N≦
0.003wt%、 48/12C+48/14N+48/32S(wt%)<Ti≦0.1wt%
, 0.002wt%≦Nb≦0.02wt%,0.0002wt%≦B≦
0.002wt%および残部不可避的不純物とFeとから
成るのが好ましい。 以下、鋼の成分限定理由を説明する。 C,N:C,Nはともに非時効性を損なうた
め、析出物として固定する必要がある。C,Nが
低いほど粒成長もよく材質も向上するため、とも
に0.003wt%以下とする。 Si:Siは熱延時に酸洗除去しにくいスケールを
生成するため、可能な限り低減する必要があるの
で、その上限を0.05wt%とする。 Mn:Mnは深絞り性を損なわず必要な強度を
確保することができるが、0.5wt%よりも多いと
El値を低下させるため、0.5wt%以下とする。 P,S:P,Sは不可避的不純物として鋼中に
残存する。 P,Sが多いと著しくEl値を損なうため、その
上限はともに0.02wt%とする。 Al:Alは鋼中酸素を除去するため添加するが、
多量の添加はコストアツプばかりでなく、表面性
状の劣化を引起こすため、0.1wt%以下とする。 Ti:Tiは、C,N,Sなどの不純物を析出物
として固定し、r値、El値向上に不可欠な成分で
ある。従つて少なくともC,N,Sに対する当量
以上、すなわち Ti>48/12C+48/14N+48/32S(wt%)が必要であ
る。 一方、多すぎると、Al同様、表面性状を損な
うため、 48/12C+48/14N+48/32S(wt%)<Ti≦0.1wt%
とす る。 Nb:Nbは、El値、r値の異方性を改善するた
めに微量添加するが、0.02wt%を超えるとEl値の
低下が著しいので、0.002wt%≦Nb≦0.02wt%と
する。 B:Bは粒界偏析によりP,Sの粒界偏析を抑
制し、極低炭素鋼で顕著な2次加工脆性の改善に
寄与する。特に本発明のように結晶粒径の大きな
鋼板の場合、効果的である。その効果はBの含有
率が0.0002wt%以上で表われるが、多量のB添加
は、粒成長性を損ない、El値の低下を招くので、
0.0002wt%≦B≦0.002wt%とする。 <実施例> 次に本発明を実施例に基づき更に詳細に説明す
る。 [実施例] 転炉にて表1に示す鋼を溶製し、連続鋳造スラ
ブとし、引き続き熱間圧延工程にて仕上温度888
℃、巻き取り温度500℃で板厚2.8mmの熱延板とし
た。 酸洗後、板厚0.8mmまで冷間圧延し、連続焼鈍
炉で830℃〜880℃で再結晶焼鈍した。規則度パラ
メータS、ロール表面粗度Raを変えたロールを
用いて、圧下率0.8%のスキンパスを施し、機械
的性質および肌荒れ状況を試験した。 結果を表2に示す。 ここで機械的性質は、JIS 5号試験片を用い、
得られた材質値YS,TS,El,r値について(以
下これらの材質値をXと総称する)圧延方向
(X0)、90°方向(X90)、45° 方向(X45)の平均値を=X0+X90−2X45/4、 異方性を△X=X0+X90−2X45/2とした。 また、脆化温度は、絞り比2の円筒カツプ試験
片の圧壊試験温度から決定した。 表2から、平均結晶粒径が小さくなると鋼板の
加工性が劣化し、大きくなるに従い加工性が向上
することが明らかである。しかし、平均結晶粒径
が20μm以上の鋼板は、加工性に優れるが、従来
技術では肌荒れの発生を抑えることができなかつ
た。本発明により、20μm以上の平均結晶粒径を
有する鋼板の肌荒れが効果的に防止されているこ
とがわかる。 なお、肌荒れ指数は、前述の第1図、第2図の
場合と同様に試験を行ない評価した。
【表】
【表】
<発明の効果>
以上詳述したように本発明によれば、鋼板表面
に規則的な局所歪を導入することにより、従来肌
荒れが生じる粗大粒をもつ鋼板でも効果的に肌荒
れの防止が可能となる。 特に極低炭素鋼ベースの素材では、プレス性の
向上を目的として高温焼鈍したとき結晶粒成長に
よる肌荒れが著しいため、本発明を効果的に適合
しうる。
に規則的な局所歪を導入することにより、従来肌
荒れが生じる粗大粒をもつ鋼板でも効果的に肌荒
れの防止が可能となる。 特に極低炭素鋼ベースの素材では、プレス性の
向上を目的として高温焼鈍したとき結晶粒成長に
よる肌荒れが著しいため、本発明を効果的に適合
しうる。
第1図は、鋼板の平均結晶粒径と規則度パラメ
ータSと鋼板の肌荒れ指数との関係を示すグラフ
である。第2図は、鋼板の平均表面粗度とスキン
パス圧下率と鋼板の肌荒れ指数との関係を示すグ
ラフである。
ータSと鋼板の肌荒れ指数との関係を示すグラフ
である。第2図は、鋼板の平均表面粗度とスキン
パス圧下率と鋼板の肌荒れ指数との関係を示すグ
ラフである。
1 金属イオンとして少なくともコバルトイオ
ン、ニツケルイオン、マンガンイオン及びレニウ
ムイオンを含み、添加剤として少なくともこれら
金属イオンの還元剤、PH緩衝剤、PH調節剤を含む
水溶液に、前記金属イオンの錯化剤として少なく
ともマロン酸基、酒石酸基およびタルトロン酸基
を含むことを特徴とする無電解めつき浴。
ン、ニツケルイオン、マンガンイオン及びレニウ
ムイオンを含み、添加剤として少なくともこれら
金属イオンの還元剤、PH緩衝剤、PH調節剤を含む
水溶液に、前記金属イオンの錯化剤として少なく
ともマロン酸基、酒石酸基およびタルトロン酸基
を含むことを特徴とする無電解めつき浴。
Claims (1)
- 延鋼板。 =1/no 〓i=1 Xi S=1/no 〓i=1 |−X|/ ここで、X:鋼板表面凸部ピーク間距離。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26837586A JPS63121636A (ja) | 1986-11-11 | 1986-11-11 | 肌荒れしにくいプレス加工用冷延鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26837586A JPS63121636A (ja) | 1986-11-11 | 1986-11-11 | 肌荒れしにくいプレス加工用冷延鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63121636A JPS63121636A (ja) | 1988-05-25 |
JPH0457745B2 true JPH0457745B2 (ja) | 1992-09-14 |
Family
ID=17457620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26837586A Granted JPS63121636A (ja) | 1986-11-11 | 1986-11-11 | 肌荒れしにくいプレス加工用冷延鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63121636A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4818880B2 (ja) * | 2006-10-31 | 2011-11-16 | 新日本製鐵株式会社 | 延性及び耐常温時効性に優れた焼付硬化性冷延鋼鈑の製造方法 |
JP4818879B2 (ja) * | 2006-10-31 | 2011-11-16 | 新日本製鐵株式会社 | 延性及び耐常温時効性に優れた冷延鋼鈑の製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58110659A (ja) * | 1981-12-25 | 1983-07-01 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 深絞り用亜鉛めつき鋼板およびその製造方法 |
JPS61133323A (ja) * | 1984-11-30 | 1986-06-20 | Nippon Steel Corp | 成形性の優れた薄鋼板の製造方法 |
JPS63111156A (ja) * | 1986-10-30 | 1988-05-16 | Kawasaki Steel Corp | プレス成形性と塗装後鮮映性に優れた冷延鋼板およびその製造方法 |
-
1986
- 1986-11-11 JP JP26837586A patent/JPS63121636A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58110659A (ja) * | 1981-12-25 | 1983-07-01 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 深絞り用亜鉛めつき鋼板およびその製造方法 |
JPS61133323A (ja) * | 1984-11-30 | 1986-06-20 | Nippon Steel Corp | 成形性の優れた薄鋼板の製造方法 |
JPS63111156A (ja) * | 1986-10-30 | 1988-05-16 | Kawasaki Steel Corp | プレス成形性と塗装後鮮映性に優れた冷延鋼板およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63121636A (ja) | 1988-05-25 |
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