JPH045619Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【技術分野】

本考案は、ラチス梁の側プレートがなくてラチ
ス斜材が配設されている箇所にスペーサを取り付
けるための構造に関する。

【背景技術】

ラチス梁にはスペーサなどを取り付けることが
できるように、建物のモジユールに合わせて一定
間隔毎に側プレートが設けられており、側プレー
トにスペーサを取付けてスペーサに壁横束を固定
しているが、モジユール間において壁横束を立て
る必要のある場合には側プレートを用いることが
できず、却つてラチス斜材が邪魔になつていた。
このため、従来にあつては例えば側プレート間に
上下２本の補助横桟を架設し、この上下の補助横
桟間にスペーサを立ててスペーサの上下を補助横
桟に固定していた。このため、このためモジユー
ル寸法と同じ長さの横架部材が２本余分に必要と
なり、長い横架部材で壁横束を支持するために横
架部材の強度も必要となり、部材コストが高価に
つき、施工の手間もかかるという問題があつた。

【考案の目的】

本考案は叙上のような技術的背景に鑑みて為さ
れたものであり、その目的とするところはラチス
梁の側パネルから外れた位置においてもスペーサ
以外の余分な部材を用いることなく、簡単に壁横
束を立てられるようにすることにある。

【考案の開示】

本考案壁横束固定用のスペーサのラチス梁への
取付け構造は、平行な上下の溝型鋼５間にラチス
斜材８をＶ字状に配設してラチス梁１が形成され
ている箇所において、スペーサ３の下端両側に一
対の溝部９を切入し、この一対の溝部９のうち一
方をラチス斜材８のフランジの厚みよりも若干大
きくするとともに他方をラチス斜材８のフランジ
の厚みとほぼ等しくし、スペーサ３の下端両側の
溝部をそれぞれラチス斜材８の下端間においてラ
チス斜材８のフランジに嵌合させ、スペーサ３の
上端に設けられたフオーク状の係合部１０により
前記溝型鋼５のフランジ１１両面を挟持させて成
ることを特徴とするものである。しかして、スペ
ーサ３の下端をラチス梁１のラチス斜材８に嵌合
させると共に上端を溝型鋼５に挟持させることに
より簡単にスペーサ３をラチス梁１に取り付ける
ことができるものである。 以下本考案の実施例を添付図に基いて詳述す
る。ラチス梁１は外壁部分に架構されており、上
下平行に配設された溝型鋼５間にモジユールと同
じ一定ピツチ毎に側プレート１２が立てられてお
り、側プレート１２間には一対の溝型のラチス斜
材８がＶ字状に配設されている。ラチス梁１の上
面には土台金物６が固設されており、土台金物６
の上には下面の溝７を嵌めるようにして外壁パネ
ル２が立てられている。この外壁パネル２は大壁
形式のもので、その外面は梁１の外面よりも外に
突出している。スペーサ３は、第３図に示すよう
にラチス梁１の高さ寸法よりも少し短いリツプ付
きチヤネル材により形成されており、前面のリツ
プ片１３には壁横束４を取り付けるためのボルト
通し孔１４を複数個穿孔してあり、側片１５の下
端にはラチス斜材８のフランジ１６に嵌合させる
ための溝部９を切入してある。この溝部９の一方
はラチス斜材８のフランジ１６の厚みとほぼ等し
い幅となつているが、他方の溝部９はラチス斜材
８のフランジ１６の厚みよりも大きな幅を有して
いる。また、スペーサ３の上端にはリツプ片１３
の上端を背方へ屈曲させてフオーク状の係合部１
０を形成してある。しかして、このスペーサ３
は、幅の広い溝部９側へ倒して一方のラチス斜材
８と平行になるようにしてラチス斜材８間に持ち
込まれ、まず幅の広い側の溝部９を一方のラチス
斜材８の下端部のフランジ１６に嵌合させられ
る。このときこの溝部９は幅が広いので容易に嵌
合できるようになつていて作業し易い構造となつ
ている。ついで、スペーサ３を起こして他方の溝
部９を他方のラチス斜材８のフランジ１６の下端
部に合わせると共に係合部１０を上方の溝型鋼５
のフランジ１１に合わせ、横からスペーサ３をハ
ンマーなどで叩いて幅の狭い溝部９をラチス斜材
８の下端部に噛み込ませると共に係合部１０を上
の溝型鋼５のフランジ１１に噛み込ませて係合部
１０によりフランジ１１の両面を挟持させて第１
図のように固定してある。壁横束４はチヤネル鋼
などにより適宜長さに形成されており、ボルト１
７でスペーサ３に取り付けられ、上部が外壁パネ
ル２の外面に沿つて立てられる。図示しないが、
壁横束４の上には部分平屋の屋根の骨組となる登
梁の上端部などが支持される。

【考案の効果】

本考案は、叙述のごとく平行な上下の溝型鋼間
にラチス斜材をＶ字状に配設してラチス梁が形成
されている箇所において、スペーサの下端両側に
切入された一対の溝部を前記ラチス斜材の下端間
に嵌合させ、スペーサの上端に設けられたフオー
ク状の係合部により前記溝型鋼のフランジ両面を
挟持させてあるから、スペーサの下端をラチス梁
のラチス斜材に嵌合させると共に上端を溝型鋼に
挟持させることにより簡単にスペーサをラチス梁
に取り付けることができるものであり、特に、ス
ペーサの下端両側に一対の溝部を切入し、この一
対の溝部のうち一方をラチス斜材のフランジの厚
みよりも若干大きくするとともに他方をラチス斜
材のフランジの厚みとほぼ等しくし、スペーサの
下端両側の溝部をそれぞれラチス斜材の下端間に
おいてラチス斜材のフランジに嵌合させるので、
スペーサを取付けるに当たつては、スペーサを幅
の広い溝部側へ倒して一方のラチス斜材と平行と
なるようにしてラチス斜材間に持ち込み、まず、
幅の広い側の溝部を一方のラチス斜材の下端部の
フランジに容易に嵌合させ、次いで、スペーサを
起こして他方の溝部を他方のラチス斜材のフラン
ジを下端部に合わせると共に係合部上方の溝型鋼
のフランジに合わせ、横からスペーサをハンマー
などで叩いて幅の狭い溝部をラチス斜材の下端部
に噛み込ませると共に係合部を上の溝型鋼のフラ
ンジに噛み込ませてフランジの両面を挟持させる
という取付けができ、ラチス斜材の下端間という
取付け難い箇所において簡単且つ確実にスペーサ
を取付けることができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は同上の断面図、第３図は同上のスペーサの斜
視図であり、 １はラチス梁、３はスペーサ、５は溝型鋼、８
はラチス斜材、９は溝部、１０は係合部、１１は
フランジである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平行な上下の溝型鋼間にラチス斜材をＶ字状に
   配設してラチス梁が形成されている箇所におい
   て、スペーサの下端両側に一対の溝部を切入し、
   この一対の溝部のうち一方をラチス斜材のフラン
   ジの厚みよりも若干大きくするとともに他方をラ
   チス斜材のフランジの厚みとほぼ等しくし、スペ
   ーサの下端両側の溝部をそれぞれラチス斜材の下
   端間においてラチス斜材のフランジに嵌合させ、
   スペーサの上端に設けられたフオーク状の係合部
   により前記溝型鋼のフランジ両面を挟持させて成
   る壁横束固定用のスペーサのラチス梁への取付け
   構造。