JPH0454988Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はスリツターワインダ等で使用するスプ
レツダーバー装置に関するものである。

［従来の技術］ 例えば、第４図に示すようなスリツターワイン
ダａではアンワインダｂによつて巻戻しロールｃ
から巻出された広幅の紙匹ｄをスリツターユニツ
トｅにより所定の幅に切断し、リヤドラムｆとフ
ロントドラムｇとの上に配置したコアｈに巻き取
り、ライダーロールｉにより所要の押付圧をかけ
て巻取ロールｊを得ている。

前記スリツターユニツトｅにより切断されたば
かりの紙匹d′は、縦方向に切れ目が入つているだ
けで、そのままの状態で巻き取ると相互に切端が
干渉して製品が損なわれる。

そのため、従来はリヤドラムｆの入側にスプレ
ツダーバーｋを紙匹d′の全幅に配設し、例えば第
５図に示すように支持フレーム１に所要の間隔で
適数貫通螺設したネジロツドｍの先端のスプレツ
ダーバーｋを、該各ネジロツドｍの突出長さの調
整により曲げて凸曲面を形成し、該頂部の凸曲面
により切断した紙匹d′の間隔を少し広げるように
している。

また、特公昭44−23884号公報の第５図〜第７
図に示されているように、端部で隣接した短い複
数のロールを、曲げ自在の軸上に担持された軸受
に取付けることにより１本のロールの如く構成し
た分割連結ロール式の弓形展開器も知られてお
り、この展開器の場合も前述のスプレツダーバー
ｋと同様に曲げて凸曲面を形成し、該頂部の凸曲
面により切断した紙匹の間隔を広げるようにして
いた。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記スプレツダーバーｋを用い
た場合には、該スプレツダーバーｋが常に紙匹
d′と接触しているため、摩擦による摩耗や、スリ
ツト作業の変更のため、交換及び調整に手間がか
かる。その間、スリツターワインダａの運転を停
止しなければならず、スリツターワインダａの稼
動率低下を招くという問題があつた。

又、分割連結ロール式の弓形展開器を用いた場
合には、ロールが分割されているので、ロール間
の隙間に紙が挟まり易く、断紙の原因となるとい
う問題があつた。特に通紙時は紙の張力が低く、
薄い紙等では僅かな風圧等で折込みを生じ、ロー
ル間の隙間に紙が挟まり易かつた。

更に、この種のロール式の弓形展開器では、操
業時において紙の張力がロールの曲がり形状に見
合つた幅方向の分布となり、強力な押圧を受ける
中央部と、微弱な押圧を受ける幅端部とではロー
ルに対して付与される回転力が異なり、回転しな
いロールのエツジにより紙匹に損傷を与える虞れ
があつた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、上述の従来の問題点を解決すること
を目的とするもので、シート走行経路の近傍に略
全幅の支持フレームを、前記シートの幅方向に延
びる軸を中心として回転可能に且つ少なくとも回
転方向の２ケ所で位置設定可能に配設し、該支持
フレームに複数の保持部材を、少なくとも２方向
から突出長さを調整可能に貫通配設し、各方向に
貫通した各保持部材の先端部にスプレツダーバー
を着脱可能に夫々取り付けたことを特徴とするス
プレツダーバー装置にかかるものである。

［作用］ 一方向の各保持部材により支持したスプレツダ
ーバーの使用中に、他方向の各保持部材にスプレ
ツダーバーを取り付けて凸曲面の調整等のプリセ
ツトを行ない、交換時に支持フレームを所要の角
度回転することにより、プリセツトしたスプレツ
ダーバーを使用位置に移動することによつて交換
を容易且つ迅速に行なえる。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図乃至第３図は本考案のスプレツダーバー
装置の一実施例であり、スリツターユニツト１下
流側で且つ巻取ドラム２の上流側となるような位
置における紙匹等のシート４を走行せしめるシー
ト走行径路３の近傍に、前記シート４の幅と略同
じ長さの支持フレーム５を前記シート４の幅方向
に配置し、該支持フレーム５の両端を支持スタン
ド６により前記シート４の幅方向に延びる軸を中
心として回転可能に支持する。

更に前記支持フレーム５には、保持部材として
複数のネジロツド７を所要の間隔で一方向から直
交するよう貫通螺設し、該各ネジロツド７の先端
部に前記シート４の幅と略同じ長さのスプレツダ
ーバー８を着脱可能に取り付けると共に該支持フ
レーム５に複数のネジロツド７′を前記各ネジロ
ツド７と干渉しないよう所要の間隔で前記方向と
異なる方向から支持フレーム５と直交するよう貫
通螺設し、前記と同様に各ネジロツド７′の先端
にスプレツダーバー８′を着脱可能に取り付ける。
ここで、２方向の各ネジロツド７，７′の角度は、
一方のスプレツダーバー８を使用しているときに
他方のスプレツダーバー８′及びネジロツド７′が
シート４と干渉せず且つスプレツダーバー８′の
交換作業に支障のない角度であればよく、30〜
120°あれば充分である。

前記支持フレーム５の一方の軸９の端部にハン
ドル１０を有するレバー１１を固定し、該レバー
１１の内側に凸起１２を設け、前記支持スタンド
６の側面に設けた各穴１３に前記凸起１２を嵌入
することにより、各スプレツダーバー８，８′の
使用位置で支持フレーム５を固定し得るようにし
てある。

以上のように構成したので、一方向の各ネジロ
ツド７の突出長さを夫々調整してスプレツダーバ
ー８の凸曲面形状を所望の形状とし、ハンドル１
０によりレバー１１を回すことにより支持フレー
ム５を回転し、前記スプレツダーバー８が使用位
置となるところで、凸起１２が支持スタンド６の
穴１３に嵌合し、位置決め固定される。

これにより、スリツターワインダを稼動するこ
とができ、この間に他の方向に備えた各ネジロツ
ド７′に、スプレツダーバー８′を取り付け若しく
は交換し、該各ネジロツド７′の突出長さを調整
することにより該スプレツダーバー８′の凸曲面
形状を設定することができる。

使用中のスプレツダーバー８を交換する場合
は、ラインを停止し、ハンドル１０によりレバー
１１及び支持フレーム５を所定の角度回転し、新
らしいスプレツダーバー８′が使用位置にきたと
ころで回り止めする。従つて、迅速且つ確実にス
プレツダーバー８，８′の交換を行なうことがで
き、ラインの停止時間が大幅に短縮される。

又、以上に述べた本考案のスプレツダーバー装
置は、一体のスプレツダーバー８を用いた方式で
あるので、先に述べた分割連結ロール式の弓形展
開器の如きロール間の隙間に紙が挟まるといつた
不具合がなく、回転しないロールのエツジにより
紙匹に損傷を与えるといつた虞れもない。

なお、本考案のスプレツダーバー装置は上述の
実施例のみに限定されるものではなく、スプレツ
ダーバーを３つ以上備えてもよいこと、支持フレ
ームの回転及びロツクする機構は他の手段を用い
てもよいこと、保持部材はネジロツドに限定され
ないこと、２軸巻取式にも適用し得ること等本考
案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を
加え得ることは勿論である。

［考案の効果］ 以上述べたように本考案のスプレツダーバー装
置によれば、複数のスプレツダーバーを備え、全
体を回転及び固定可能に構成したので、巻取作業
中に次のスプレツダーバーのプリセツトが可能と
なり、巻取作業中に摩耗したスプレツダーバーを
交換したり、巻取条件変更のためのスプレツダー
バーの調整等の作業を容易且つ迅速に行なうこと
ができ、巻取準備時間が大幅に短縮される結果ス
リツターワインダの稼動率が著しく向上する等の
種々の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のスプレツダーバー装置の一実
施例の説明図、第２図は第１図におけるスプレツ
ダーバー装置の詳細図、第３図は第２図の−
方向矢視図、第４図はスリツターワインダの一例
を示す図、第５図は従来のスプレツダーバーの一
例を示す図である。 １はスリツターユニツト、２は巻取ドラム、４
はシート、５は支持フレーム、６は支持スタン
ド、７，７′はネジロツド（保持部材）、８，８′
はスプレツダーバー、１０はハンドル、１１はレ
バー、１２は凸起、１３は穴を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シート走行経路の近傍に略全幅の支持フレーム
   を、前記シートの幅方向に延びる軸を中心として
   回転可能に且つ少なくとも回転方向の２ケ所で位
   置設定可能に配設し、該支持フレームに複数の保
   持部材を、少なくとも２方向から突出長さを調整
   可能に貫通配設し、各方向に貫通した各保持部材
   の先端部にスプレツダーバーを着脱可能に夫々取
   り付けたことを特徴とするスプレツダーバー装
   置。