JPH045381Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車の衝突時等ステアリングホイ
ールから衝撃を受けた場合、破壊して衝撃を吸収
するコラプス型のインストルメントパネルの取付
構造に関する。

従来のステアリングコラムカバーは、そのコラ
ムカバーロアとコラムカバーアツパとをステアリ
ングシヤフト（厳密にはコラムチユーブ）の上部
を上下に挾んで取付けられ、インストルメントパ
ネルとは完全に分離されていた。これに対し、現
在、意匠上及び見栄え上の要求から、第１，２図
に示すように、ステアリングコラムカバー１のコ
ラムカバーアツパにあたる部分２ａをインストル
メントパネル２と一体に成形することが考えられ
ている。この場合、コラムカバーロア１ａは今ま
で通りステアリングシヤフト３側に取付けられ
る。ステアリングシヤフト３はその下端部でギヤ
ボツクスに接続され、又、適所個所でブラケツト
４により車体側に取付け支持される。

ところで、ステアリングシヤフト３には衝撃吸
収機構が組み込んである。つまり、自動車の衝突
時等にステアリングホイール５側からの衝撃荷重
を吸収緩和して運転者を保護するのである。とこ
ろが、従来のステアリングコラムカバーがインス
トルメントパネルと完全に分離した形式のステア
リングシヤフトでは前記衝撃吸収機構が有効に作
用するのであるが、コラムカバーアツパ部２ａが
インストルメントパネル２と一体の構造では、ス
テアリングホイール５がコラムカバーアツパ部２
ａにあたつてしまい、前記衝撃吸収機構が有効に
機能しなくなつてしまう。そこで、第３図に示す
ように、インストルメントパネル２とステアリン
グコラムカバーのコラムカバーアツパとなるコラ
ムカバーアツパ部２ａとを樹脂で一体に形成し、
このコラムカバーアツパ部２ａ内に前方向に向か
う衝撃荷重によつて破壊し得る。第５，６図に示
すような形状の板金製のブラケツト６を組付ける
ことが考えられている。この構造によれば、自動
車の衝突時等にステアリングホイール５から衝撃
荷重が加わつた場合には、コラムカバーアツパ部
２ａ及び板金製のブラケツト６が第４図に示す如
く破壊し、ステアリングシヤフト３内の衝撃吸収
機構が有効に機能すると共に、衝撃荷重の一部が
両部材の破壊により負担吸収されるのである。と
ころで、ブラケツト６で衝撃吸収するには、ブラ
ケツト６が定位置にあるより、衝撃荷重の作用時
にはその作用に伴い荷重のかかる方向に移動する
のが望ましい。その手段として、前記ブラケツト
６をステアリングシヤフト３と連結することが考
えられるが、インストルメントパネル２と一体の
コラムカバーアツパ部２ａが固定であるのに対
し、ステアリングシヤフト３は取付誤差等により
位置ずれが生じてしまい、それが両者の結合を困
難としている。

本考案は、上記状況にかんがみてなされたもの
で、ステアリングシヤフトの取付誤差等に関係な
く、ステアリングシヤフトとコラムカバーアツパ
部内のブラケツトとを結合できる構造を提供し、
もつと衝撃吸収機能の向上を図ることを目的とす
る。

上記目的を達成する本考案に係る構成は、イン
ストルメントパネルとステアリングコラムカバー
のコラムカバーアツパとなるコラムカバーアツパ
部とを樹脂で一体に形成し、このコラムカバーア
ツパ部内に前方向に向かう衝撃荷重によつて破壊
し得る板金製のブラケツトを組付け、当該ブラケ
ツトの両端部を前述コラムカバーアツパ部に取付
ける一方、ステアリングシヤフト側に連結用ブラ
ケツトを取付け、これらのブラケツトの一方に孔
を設け、当該孔を通して他方のブラケツトにボル
トを結合し、さらに前記孔の径を前記ボルトの径
よりも大きくしたことを特徴とする。

以下、本考案に係るコラプス型のインストルメ
ントパネルの取付構造を図面に示す実施例に基づ
き詳細に説明する。

第７図には一実施例の概略断面を示してあり、
第８図には第７図においてコラムカバーアツパ部
を除いたＢ方向矢視半面を示してある。インスト
ルメントパネル２と一体に樹脂で形成されている
コラムカバーアツパ部２ａ内には第５，６図に示
した形状の板金製のブラケツト６がねじ等により
組付けられる。ブラケツト６は凸状になつてお
り、その突出前面部６ａの中央部後には連結板部
６ｂが形成され、そこには前後方向に長い孔７が
あけられている。８，９，１０はブラケツト６の
コラムカバーアツパ部２ａ側への取付部である。
一方、ステアリングシヤフト３のコラムチユーブ
３ａにはコラムカバーロア１ａが取付けられてお
り、その内部においてコラムチユーブ３ａに取付
けられているキーロツクスイツチ１１取付用のブ
ラケツト１２と一体に連結用ブラケツト１３が前
記ブラケツト６の孔７に対向して形成されてい
る。そして、前記ブラケツト６の孔７を通して連
結用ブラケツト１３に連結ボルト１４が結合され
るのである。ブラケツト６の孔７はボルト１４よ
り大きくなつているので、ステアリングシヤフト
３の取付誤差によるブラケツト６と連結ブラケツ
ト１３との合わせ誤差（上下方向、前後方向）は
前記孔により吸収される。

自動車の衝突等によりステアリングホイール５
が前方に飛び出すと、ステアリングホイール５は
樹脂製のコラムカバーアツプ部２ａに激突する。
このとき樹脂製のコラムカバーアツパ部２ａとブ
ラケツト６とは第４図に示す如く破壊して、衝撃
荷重の一部を吸収する。そして、更に、ステアリ
ングシヤフト３側に連結されたボルト１４によつ
てブラケツト６が引つ張られ、このブラケツト６
の破壊されながらの変位によつても衝撃荷重は吸
収される。勿論、ステアリングシヤフト３に内蔵
されている衝撃吸収機構も有効に機能する。

上記実施例では、ブラケツト６側に孔７を設
け、これらの孔７を通して連結用ブラケツト１３
にボルト１４を締結するようにしているが、逆に
連結用ブラケツト１３に孔を設け、この孔を通し
てブラケツト６にボルトを締結するようにしても
よい。

以上、実施例に基づき詳細に説明したように、
本考案に係るコラプス型インストルメントパネル
取付構造によれば、インストルメントパネルのコ
ラムカバーアツパ部内蔵のブラケツトに対するス
テアリングシヤフトの取付誤差に関係なく、ブラ
ケツトとステアリングシヤフト側とを連結するこ
とができ、それゆえ自動車の衝突時にはステアリ
ングシヤフトと共にブラケツトを引張るので、衝
撃荷重の一部がこのブラケツトの移動によつても
吸収されることになり、衝撃吸収機能が向上す
る。さらに、ブラケツトがステアリングシヤフト
の保持部材をも兼ねていることから、部品点数が
少なくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はステアリングコラムカバーのコラムカ
バーアツパとインストルメントパネルとを一体成
形したものの斜視図、第２図はその概略断面図、
第３図はコラプス型インストルメントパネルの概
略斜視図、第４図はそのコラプスした状態を示す
斜視図、第５図は板金製ブラケツトの斜視図、第
６図はそのＡ−Ａ矢視断面図、第７図は本考案に
係る取付構造の一実施例の概略断面図、第８図は
コラムカバーアツパ部を除いたそのＢ方向矢視図
である。 図面中、１ａはコラムカバーロア、２はインス
トルメントパネル、２ａはコラムカバーアツパ
部、３はステアリングシヤフト、５はステアリン
グホイール、６はブラケツト、７は孔、１２はキ
ーロツクスイツチ取付用ブラケツト、１３は連結
用ブラケツト、１４は連結ボルトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インストルメントパネルとステアリングコラム
   カバーのコラムカバーアツパとなるコラムカバー
   アツパ部とを樹脂で一体に形成し、このコラムカ
   バーアツパ部内に前方向に向かう衝撃荷重によつ
   て破壊し得る板金製のブラケツトを組付け、当該
   ブラケツトの両端部を前記コラムカバーアツパ部
   に取付ける一方、ステアリングシヤフト側に連結
   用ブラケツトを取付け、これらのブラケツトの一
   方に孔を設け、当該孔を通して他方のブラケツト
   にボルトを結合し、さらに前記孔の径を前記ボル
   トの径よりも大きくしたことを特徴とするコラプ
   ス型インストルメントパネルの取付構造。