JPH04279864A - 高限界速パルスドプラ計測装置 - Google Patents

高限界速パルスドプラ計測装置

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JPH04279864A
JPH04279864A JP6800291A JP6800291A JPH04279864A JP H04279864 A JPH04279864 A JP H04279864A JP 6800291 A JP6800291 A JP 6800291A JP 6800291 A JP6800291 A JP 6800291A JP H04279864 A JPH04279864 A JP H04279864A
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JP
Japan
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phase difference
phase
blood flow
transmission interval
transmission
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JP6800291A
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English (en)
Inventor
Hisashi Nishiyama
久司 西山
Kageyoshi Katakura
景義 片倉
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波により物体の移
動速度を検出する計測装置に関し、特に生体内の血流速
度を計測する高限界速パルスドプラ計測装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、超音波を人体に入射し、その
反射波あるいは透過波を計測することにより、被検体の
動きや位置等を検知していた。すなわち、超音波を発射
すると、反射波は発射点から反射体までの距離を往復す
る時間だけ遅れて発射点に戻ってくるので、これをオシ
ロスコ−プ上で横軸を時間軸、反射波の強度を縦軸に振
らせて表示すると、被検体の直線上の組織構造、つまり
臓器の断層像が得られる。また、超音波ドプラ装置では
、運動物体に超音波を照射して、照射波と反射波の周波
数のずれ(ドプラ効果によるずれ)を計測することによ
り、照射物体の動きを測ることができる。なお、特定深
度位置だけの情報を選択的に得る場合には、変調ドプラ
法を用いることがある。超音波のドプラ効果により物体
の速度を検知する装置としては、種々のものが知られて
いる。特に、位相差検出によるパルスドプラ法を用いる
装置では、送波パルス間隔毎の受信信号の位相差を計測
することにより、全計測深度における各部位の速度を実
時間で計測することが可能である。
【0003】図6は、従来の超音波速度演算回路の構成
図である。図6において、2は血液粒子、2aは心臓、
2bは肋骨、1はトランスデュ−サ、3は超音波送波回
路、4は超音波受波回路、5は位相比較回路、66は移
動物体検出フィルタ(MTIフィルタ)、77は位相か
ら位相差Δθを検出する位相差(速度)演算回路である
。トランスデュ−サ1は、所定のパルス繰り返しレ−ト
で超音波送波回路3から送られてくる送信パルスに応答
して、超音波パルスを血流(例えば、心臓内の血流)に
向けて送信する。また、トランスデュ−サ1は、液体内
の粒子2により反射されるエコ−波を受信して、対応す
るエコ−信号を超音波受波回路4に送出する。血流の速
度をv(定速)、送波の繰り返し周期をTとすると、近
付く血液粒子2、遠くに去る血液粒子2の距離は、いず
れもvTである。ここで、送波パルスの周期Tと所要観
測深度Lとの関係は、超音波の往復の伝搬時間から、2
L/c=Tが成立する。ここで、cは生体中の超音波速
度(約、1500m/sec)である。第n番目の送波
に対する血流からの反射信号と参照信号α,α′との位
相比較を位相比較器5で行う。参照信号とは、送波信号
の基になるクロック信号のことであり、反射信号とは9
0°の位相差がある。位相比較出力をそれぞれV0,V
1とすると、次の式で表わされる。 V0=Acosθ V1=Asinθ これらをまとめて、ベクトル表示すると次式で表わされ
る。   V=V0+jV1=Aexp(jθ)  ・・・・
・・・・・・・・・・(1)複素位相信号Vから、血管
壁の信号中の血流信号を検出するために、MTIフィル
タ6を用いる。図6に示すパルスドプラ法の速度検出に
ついては、例えば、『プロシ−ディング・オブ・ザ・ヨ
−ロピアン・コングレス・オン・ウルトラソニクス・イ
ン・メディシン』(Brandestini  M.:
Application  of  the  pha
se  detectionprinciple  i
n  a  transcutaneous  vel
ocity  profilemeter,Proc.
 of  theSecond  European 
 Congress  on  Ultrasonic
s  in  Medicine )1975.pp.
144に記載されている。
【0004】図7は、従来のパルスドプラ計測法の原理
を示す図である。図6の速度推定器77の処理およびそ
の問題点を述べる。前述のように、時間T内に反射体が
距離vTだけ移動しているため、隣接時刻における反射
信号の位相間には、図7(a)のTrans.Wave
formに示すように位相差Δθが生じる。このΔθは
、次式で表わされる。   Δθ=2kvT=ω5T   ・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・(2)ただし、kは波数(2π/
λ)であり、ω5(rad/s)は通常ドプラ周波数と
呼ばれるものである。この位相差Δθは、次のような位
相差ベクトルY0の位相角から得られ、血流の速度が求
められる。   Y0=V1・Conjg.〔V0〕       
・・・・・・・・・・・・・・・(3)  Arg.〔
Y0〕=Arctan(Y10/Y11)=Δθ  ・
・・・・・・・・・(4)ただし、Y11はY0の実数
部、Y10はY0の虚数部である。また、Conjg.
〔〕は複素共役、Arg.〔  〕は偏角を表わす。図
7(b)のLow  Speedに示すように、通常、
速度の血流では位相差Δθが正しく測定される。問題点
は、図7(c)のHigh Speedに示すように、
この位相差Δθが±πを超えると進相遅相が反転するた
め、血流方向を誤ることになる。この限界は、Δθ=±
πのときであるため、次式で示される。 |Δθ|≦π              |ω5T≦
π  ・・・・・・・・・・・・(5)ここで、Tを小
さく選定することにより、ω5の計測領域を拡大させる
ことも可能である。しかし、L(=cT/2)が測定可
能深度(不確定性なしで測定可能な深度)であり、心臓
血流の計測の場合には、L=15cm程度の距離が必要
であるため、送波間隔Tを小さくすることには限界があ
る(T=250μsec程度)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のパルスドプラ法
では、送波パルスの繰り返し周期をTとすれば、測定可
能な最高ドプラ偏位周波数Fは、1/2Tとなる。一方
、超音波伝搬速度(音速m/sec)をcとすれば、計
測可能最大深度DはT/2となる。従って、FとDの積
はc/4(一定)となるので、計測可能速度または計測
可能深度には限界が存在することになる。その限界を超
えると、計測値が不確定となる。このように、従来の問
題点として、計測可能な速度に限界があり、それ以上の
速度ではエリアシング現象が発生し、例えば、血流の向
きが反転してしまい、遠くに去るにもかかわらず、近付
いてくるように向きを見誤ってしまう。いま、超音波パ
ルスの送波間隔をT(μsec)とすると、従来のパル
スドプラ計測装置では、測定できるドプラ周波数の範囲
が±1/2T(Hz)となるので、例えば、T=250
μsecのときには、±2KHzである。この範囲を越
えた場合、例えば2.5KHzのドプラ周波数の場合、
従来の装置では、−1.5KHzと誤って測定されてし
まう。すなわち、正の速度(CFMでは赤色表示)が誤
って負の速度(青色表示)と誤測定される。血流の方向
で考えた場合、正のドプラ周波数の血流方向を順方向、
負のドプラ周波数の血流方向の逆方向と呼ぶときには、
順方向の高速度の血流は、逆方向の血流と表示されるの
で、極めて重大な誤りとなる。
【0006】これに対しては、例えば、米国特許第47
80837号明細書(発明者、滑川)では、送波周波数
としてf1とそれより大きい周波数f2を用いて、f2
の位相差Δθ′とf1の位相差Δθとから、差の位相差
ΔΔθを得ることにより、この問題を解決しようとして
いる。さらに、特開平2−147914号公報(発明者
、レイナ−フェ−ル)では、送信機から発生される周期
的送信パルスシ−ケンスの周波数スペクトルが隣接する
別々の周波数帯になるようにしている。2つの周波数帯
は、互いに接近しているので、回路を通過する際の減衰
量が実質的に同一である。f1を1つの周波数帯の中心
周波数、f2を他の周波数帯の中心周波数、f0を周波
数帯間の境界を定める周波数とし、周波数f1とf2間
の分離を周波数間隔Δfとして定義すれば、f2−f0
=f0−f1=Δf/2となる。そして、2つの送信パ
ルスは、信号がその中心に位相反転の生じる場所を有す
るようにして連続的に送信される。これにより装置の感
度を向上させ、SNを改善している。しかしながら、こ
の方法によっても、なおSNに問題が生じており、また
計測周波数のバラツキも大きく、改善すべき点がある。
【0007】本発明の目的は、これら従来の課題を解決
し、血流方向の誤測定を減少させ、かつドプラ分析に際
しては、折り返し無くドプラ周波数パタンを表示するこ
とが可能な高限界速パルスドプラ計測装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
、本発明の高限界速パルスドプラ計測装置は、第1の送
波間隔Tで連続的に超音波パルスを繰り返し対象に向け
送波した後、第2の送波間隔T+T0で連続的に超音波
パルスを繰り返し対象に向け送波し、対象物からの各反
射波を検出する送受信手段と、反射波の位相を検出する
位相検出手段と、位相検出手段から順次得た位相信号か
ら固定物の信号を除去するフィルタリング手段と、フィ
ルタリング手段を介して得た位相信号のうち、第1の送
波間隔Tに対応する位相差ベクトルXと、第2の送波間
隔T+T0に対応する位相差ベクトルX′とを求める第
1の位相差検出手段と、第1の位相差検出手段により得
られた位相差ベクトルを加算平均する手段と、第1の位
相差ベクトル検出手段により得た両ベクトルを加算し、
その結果の重心の値Uを得る第2の位相差ベクトル検出
手段と、位相差ベクトルUから送波間隔T+T0に対応
する平均位相差Δθ1、送波間隔Tに対応する平均位相
差Δθおよびそれらの重心の位相差Δθ0を得る手段と
、第1,第2象限に存在する|Δθ′|(≦±π)が|
Δθ|(≦±π)よりも小さいときには、誤っているΔ
θ0をΔθ−2πに補正するか、あるいは第3,第4象
限に存在する|Δθ′|(≦±2π)が|Δθ|(≦±
2π)よりも小さいときには、誤っているΔθ0をΔθ
0+2πに補正する位相差補正手段とを有することに特
徴がある。
【0009】
【作用】本発明においては、超音波パルスを不等間隔に
送波することにより、誤り方向を補正する。すなわち、
Tとこれより少し長いT+T0の送波間隔で送波する場
合には、T+T0の位相差|Δθ′|(≦±π)は、T
の位相差|Δθ|(≦±π)に比べて常に大である。従
って、当然のことながら、位相差がπを超えたときにも
、Δθ′はΔθに比べて大きくなる。この原理を基に、
誤った速度の方向を補正することが可能である。すなわ
ち、第1、第2象限では、Δθ′がΔθより大きいはず
にもかかわらず、|Δθ′|が|Δθ|より小さいとき
には、−πを超えた逆方向の早い血流(プロ−ブから離
れる血流)とみなすことができるので、誤ったΔθ′,
ΔθをそれぞれΔθ′−2π、Δθ−2πと補正する。 両者の重心の位相差をΔθ0とすれば、Δθ0−2πと
補正すればよい。次に、第3、第4象限で、|Δθ′|
が|Δθ|より小さいときには、+πを超える順方向の
早い血流(プロ−ブに向う血流)とみなすことができる
ので、誤ったΔθ′,ΔθをそれぞれΔθ′+2π、Δ
θ+2πと補正する。両者の重心の位相差Δθ0につい
ては、Δθ0+2πと補正する。これにより、−πを超
える逆方向、つまりプロ−ブから離れる早い血流と、+
πを超える順方向、つまりプロ−ブに向う早い血流を、
誤りなく計測することができる。測定範囲は、通常の方
法で測定した位相差を補正するので、±πから±2πと
なり、速度の不確定性がなく、かつ範囲は従来の測定方
法の2倍になる。そして、補正のために加減算以外の処
理は行わないため、従来と同じSNを保持できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の動作原理および実施例を、図
面により詳細に説明する。先ず、本発明の動作原理につ
いて詳述する。通常の測定範囲の限界を2倍に拡大する
方法を、図2、図3により説明する。図2は本発明によ
る超音波不等間隔送波および位相差補正方式のパルスド
プラ計測法の原理説明図であり、図3は本発明における
真の位相差の3通りの分類を示す図である。図2(a)
のTrans.Waveformに示すような不等間隔
で超音波パルスを送波する。すなわち、間隔Tの送波を
複数回、T+T0の送波を複数回、再びTの送波を複数
回、繰り返し送波を行う。なお、TとT+T0 を、交
互に送波してもよい。このように不等間隔で送波した場
合における位相差は、送波間隔Tに対しては、   Δθ=2kvT=ω5T  ・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・(6)であるが(k=2π/λ)、
少し長い送波間隔T+T0に対する位相差Δθ1は、こ
れより少し大きい値となる。   Δθ′=2kv(T+T0)=ω5(T+T0) 
 ・・・・・・・・・(7)Δθ′、Δθの間の平均的
な位相差をΔθ0とすれば、図2(b)のLow Sp
eedに示すように、次式で表わされる。   Δθ0=(Δθ′+Δθ)/2   ・・・・・・
・・・・・・・・・・(8)       =2kv(
T+T0/2)・・・・・・・・・・・・・・・・・(
9)ところで、図2(c)のHigh  Speedで
示すように早い血流の場合には、Δθ′、Δθともに+
πを超えて第3、第4象限に回り込むと、上式(5)の
制約のために両位相差ともに負の角度となり、その上、
Δθの値よりも大きいはずであるΔθ′が、Δθより小
さく測定される(図2(c)の破線で表示している)。 本発明の方式では、この誤りの事実を逆に利用すること
により補正を行う。
【0011】この補正方法を、図3により説明する。T
とTより少し長いT+T0の送波間隔のとき、T+T0
の真の位相差Δθ′は、Tの真の位相差Δθに比べて常
に大きくなる。従って、当然のことながら、真の位相差
がπを超えて第3象限に回り込んだときにも、Δθ′は
Δθに比較して大きくならなければならない。この場合
の状況として、図3に示すように3通り考えられる。図
3(a)(a′)に示すように、位相差(速度)Δθ′
、Δθが±πより小さいとき、この場合には誤り無く計
測されるので、何等問題はない。次に、図3(b)(b
′)に示すように、Δθ′のみが±πを超えたとき、Δ
θ′はそれぞれ負または正の位相差と誤る。次に、図3
(c)(c′)に示すように、両位相差(速度)のΔθ
′、Δθともに±πより大きいときには、両位相差とも
負または正の位相差と誤る。なお、Δθ′、Δθとも2
πを超えると、不確定となるので、本発明方式の測定範
囲の限界となる。
【0012】図4は、本発明の位相差補正方法のPAD
図(フロ−チャ−ト)である。先ず、Δθ′,Δθが同
符号のときには、上側に進んで、さらに|Δθ′|>|
Δθ|であるか否かを判定し、成立すれば、値はそのま
まで正しい。不成立の場合には、さらにΔθ′≧0であ
るか否かを判定し、成立すれば、過程14−1の補正を
行う。すなわち、両位相差にそれぞれ−2πを加える。 また、不成立であれば、過程14−2の補正を行う。す
なわち、両位相差にそれぞれ+2πを加える。この場合
は、図3(c)と(c′)に該当する。次に、Δθ′,
Δθが異符号のときには、下側に進んで、さらにΔθ′
≧0であるか否かを判定し、成立すれば、過程14−3
の補正を行う。すなわち、位相差Δθ′のみに−2πを
加える。また、成立しなければ、過程14−4の補正を
行う。すなわち、位相差Δθ′のみに+2πを加える。 この場合は、過程14−3が図3(b′)に該当し、過
程14−4が図(b)に該当する。
【0013】図1は、本発明の一実施例を示す高限界速
パルスドプラ計測装置のブロック図である。図1におい
て、1はトランスデュ−サ、2は血液粒子、3は超音波
送波回路、4は超音波受波回路、5は位相比較回路、6
は移動物体検出フィルタ(MTIフィルタ)、7は相関
器、8は加算平均器、9は位相差検出器、10−1,1
0−2は遅延回路、11−1,11−2は加算器、12
は除算器、13は位相差演算回路(Δθ0を算出する演
算回路)、14は位相差補正回路である。図6と比べれ
ば明らかなように、本発明では位相差検出器9以降の処
理回路を新たに設けたことに特徴がある。不等間隔送波
の場合、それぞれの送波間隔に対応する位相差ベクトル
Y,Y1は、相関器7により順次得られる。   Y=Bexp(jΔθ)    ・・・・・・・・
・・・・・・・・(10−1)  Y′=Bexp(j
Δθ′)  ・・・・・・・・・・・・・・・(10−
2)これらのベクトルY,Y1の位相角は雑音の影響に
より変動するので、加算平均器8は順次得られる位相差
ベクトルY,Y′の加算平均処理を実施する。すなわち
、次式を加算器8の出力として得る。   X=ΣY=Dexp(jΔθ)  ・・・・・・・
・・・・・・・(11−1)  X′=ΣY′=D′e
xp(jΔθ1) ・・・・・・・・・・・(11−2
【0013】図5は、X,X′を加算合成した位相差
ベクトルUを示す図である。図1における加算平均器8
では、図5(a)に示すYの加算平均X′と、図5(b
)に示すY′の加算平均Xとを算出した後、加算器11
−1において、図5(c)に示すように、X,X′を加
算合成して位相差ベクトルを求める。いま、位相差ベク
トルをUと置いたとき、加算器11−1の出力は、次式
のようになる。   U=X+X′   ・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・(12)    =U1+jU2 なお、U1はUの実部であり、U2はUの虚数部である
。 次に、角度検出器13においては、次式を算出する。   Δθ0=Arctan(U2/U1)  ・・・・
・・・・・・・・(13−1)      =2kv(
T+T0/2)   ・・・・・・・・・・・(13−
2)      =ω5(T+T0/2)    ・・
・・・・・・・・・・(13−3)しかしながら、角度
検出器13の出力Δθ0は、方向が正確ではない。そこ
で、上述したような補正が必要となる。図1に示す位相
差補正回路14の機能は、図4に示したPAD図の処理
を実行することである。入力Δθ′,Δθからドプラ角
周波数ω5は、先ず第1、第2象限で|Δθ′|(≦±
π)が|Δθ|(≦±π)より小さいときには、誤った
Δθ′,ΔθをそれぞれΔθ′−2π、Δθ−2πと正
しく補正することが可能である(Δθ′≧0のとき、図
6の過程14−1参照)。このとき、Δθ′,Δθの間
の重心の位相差をΔθ0とすれば、過程14−5により
−2πが補正され、  Δθ0=Δθ0−2π  ・・
・・・・・・・・・・・・・・・・(14−1)Δθ0
を加算器11−2の出力として得る。また、第3、第4
象限で、|Δθ′|(≦±π)が|Δθ|(≦±π)よ
りも小さいときには、誤ったΔθ′,ΔθをそれぞれΔ
θ1+2π,Δθ+2πと正しく補正することが可能で
ある(Δθ′≧0でないとき、図6の過程14−2の補
正参照)。このとき、過程14−6より+2πの補正値
が出力され、   Δθ0=Δθ0+2π  ・・・・・・・・・・・
・・・・・・・(14−2)のように、重心の位相差Δ
θ0が加算器11−2の出力として得られる。従って、
ドプラ角周波数ω5は除算器14により次式で得られる
。   ω5=Δθ0/(T+T0/2)  ・・・・・・
・・・・・・・(15)血流の速度での表示は、次式で
出力される。   v=Δθ0/2k(T+T0/2)   ・・・・
・・・・・・・(16)従って、図1の出力端子Bには
、ドプラ角周波数ω5、血流速度v、あるいは位相差Δ
θ0(除数が1のとき)が出力される。なお、一方の端
子A−1には位相差Δθ、端子A−2には位相差Δθ′
が、それぞれ出力される。平均位相差Δθ0は、これら
の両端子の出力を平均化するれば得られる。
【0014】このような2つの異なる送波間隔、例えば
TとT0を使用することにより、従来では方向が判別で
きずに、エリアシングとなり誤測定となる高速血流に対
しても、方向の正確な測定が可能となる。ここで、計測
可能なドプラ角周波数ω5の範囲は、次式のようになる
。   |Δθ0|≦2π  ,|ω5(T+T0/2)|
≦2π・・・・・(17)従来の測定限界は、π/Tが
限界値であるのに対して、本発明では不確定性なしで測
定可能な最大ドプラ周波数は2π/(T+T0/2)で
ある。従って、従来の値と比べると限界が2倍近くにな
り、限界を拡大することができる。また、送波周期Tは
元のままの値であるため、測定深度を深く保持したまま
の状態で、高速血流の正確な測定が可能となる。また、
相関法を用いたので、フィルタの零点におけるゲインの
低下に対して効果がある。 さらに、本発明では、通常の複素相関処理を用いている
ため、得られるドプラ周波数は重心周波数である。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
不確定性なしで測定可能な最大ドプラ周波数を従来の2
倍にまで拡大することができ、その上、補正のために加
算減算以外の処理を行わないので、信号対雑音比は従来
と同じである。また、送波周期は従来と同じであるので
、測定深度を保持したまま、高速血流の正確な測定を行
うことができる。
【0016】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す高限界速パルスドプラ
計測装置のブロック図である。
【図2】本発明のパルスドプラ計測法の原理を示す図で
ある。
【図3】本発明における真の位相差の3通りの分類を示
す図である。
【図4】本発明における位相差補正方法を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図5】位相差ベクトルX,X′を加算合成する概略説
明図である。
【図6】従来のパルスドプラ計測装置と心臓血流を示す
図である。
【図7】従来のパルスドプラ計測法の原理説明図である
【符号の説明】
1  トランスデュ−サ 2  血流粒子 3  超音波送波回路 4  超手波受波回路 5  位相比較回路 6  移動物体検出フィルタ(MTIフィルタ)7  
相関器 8  加算平均器 9  位相差検出器 10−1,10−2  遅延回路 11−1,11−2  加算器 12  除算器 13  位相差演算回路 14  位相差補正回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  第1の送波間隔Tで連続的に超音波パ
    ルスを繰り返し対象に向け送波した後、第2の送波間隔
    T+T0で連続的に超音波パルスを繰り返し対象に向け
    送波し、対象物からの各反射波を検出する送受信手段と
    、上記反射波の位相を検出する位相検出手段と、該位相
    検出手段から順次得た位相信号から固定物の信号を除去
    するフィルタリング手段と、該フィルタリング手段を介
    して得た位相信号のうち、上記第1の送波間隔Tに対応
    する位相差ベクトルXと、上記第2の送波間隔T+T0
    に対応する位相差ベクトルX′とを求める第1の位相差
    検出手段と、該第1の位相差検出手段により得られた位
    相差ベクトルを加算平均する手段と、該第1の位相差ベ
    クトル検出手段により得た両ベクトルを加算し、その結
    果の重心の値Uを得る第2の位相差ベクトル検出手段と
    、上記位相差ベクトルUから送波間隔T+T0に対応す
    る平均位相差Δθ′、送波間隔Tに対応する平均位相差
    Δθおよびそれらの重心の位相差Δθ0を得る手段と、
    第1,第2象限に存在する|Δθ′|(≦±π)が|Δ
    θ|(≦±π)よりも小さいときには、誤っているΔθ
    0をΔθ−2πに補正するか、あるいは第3,第4象限
    に存在する|Δθ′|(≦±2π)が|Δθ|(≦±2
    π)よりも小さいときには、誤っているΔθ0をΔθ0
    +2πに補正する位相差補正手段とを有することを特徴
    とする高限界速パルスドプラ計測装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005312632A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Toshiba Corp 超音波診断装置及びパルスドプラ計測装置
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WO2019171647A1 (ja) * 2018-03-07 2019-09-12 株式会社日立製作所 超音波撮像装置及び方法

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