JPH0218094B2 - - Google Patents

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JPH0218094B2
JPH0218094B2 JP58202747A JP20274783A JPH0218094B2 JP H0218094 B2 JPH0218094 B2 JP H0218094B2 JP 58202747 A JP58202747 A JP 58202747A JP 20274783 A JP20274783 A JP 20274783A JP H0218094 B2 JPH0218094 B2 JP H0218094B2
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blood
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doppler
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Akira Koyano
Chihiro Kasai
Yoshihiro Yoshikawa
Morimasu Tsukamoto
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Aloka Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は超音波血流測定装置、特に血管内部の
血流情報を正確に測定することの可能な超音波血
流測定装置に関する。
背景技術 従来より超音波エコー法を用いて生体内部のB
モード断層画像をリアルタイムで表示するBモー
ド型超音波画像表示装置が周知であり、得られる
断層画像から生体内部の血管の分布を視覚的に認
識することができ、今日臨床の場及びその他の場
において幅広く用いられている。
一方、超音波のドプラ効果を利用した超音波ド
プラ測定装置も周知であり、この装置は、ドプラ
偏移周波数から例えば血管内を流れる血流の速度
を測定することができ、今日幅広く用いられてい
る。
しかし、前者のBモード型画像表示装置では、
生体内部の血管の分布等を視覚的に認識すること
ができる反面、例えばその血管内を流れる血流速
度、血流量を正確に測定することができないとい
う欠点があつた。
他方、後者のドプラ測定装置では、血管内を流
れる血流速度の測定を正確に行うことができる反
面、血流量の測定や血管の分布等を認識すること
ができないという欠点があつた。
このような欠点を改良するため、Bモード型画
像表示装置とドプラ測定装置とを組み合わせて、
血流情報を総合的に測定しようとする装置の開発
実用化が進められている。
第1図には、このような従来装置による血流情
報の測定方法が示されている。
まず、Bモード型画像表示装置を用いて、被検
体のBモード断層画像をブラウン管上に第1図に
示すように表示すると、該画像から超音波ビーム
走査によつて切断された被検体断層面の血管2の
分布及び走行方向が視覚的に理解される。
このようにして画像表示された血管2内を流れ
る血流情報を測定するため、この従来装置では、
画線表示装置に入力されたBモード受波信号がそ
のままドプラ測定装置に入力される。そして、入
力されたBモード受波信号からドプラ情報収集用
の超音波ビーム情報を特定するため、この従来装
置では、第1図に示すように、ドプラ情報収集用
のビームラインBLが断層画像上に画像表示され、
これと同時に該ビームライン上にサンプルポイン
トSPが画像表示される。
操作者は図示しない操作パネル上のつまみを操
作することにより、このビームラインBLを測定
しようとする血管2上に向け設定するとともに、
サンプルポイントSPを測定しようとする血管2
の中央部に設定する。
このサンプルポイントSPにおける血流方向は
断層画像から視覚的に理解され、操作者はサンプ
ルポイントSPの設定に続いてジヨイステツク等
を用いてサンプルポイントSPに表示される方向
マーカMを血流方向θに向けてセツトする。
以上の一連の操作終了後、該サンプルポイント
SPにおける血流速度vは装置内部に組み込まれ
たマイクロコンピユータによつて次式 V=(fd/2fo)・(c/cosθ) ………(100) に従い自動的に演算され、その演算結果が表示部
上に表示される。
ここにおいて、cは音速、θは超音波パルスビ
ームと血流方向とのなす角度、foは超音波送信周
波数、fdはfd=fr−fo(frは超音波受信周波数)を
もつて表わされるドプラ偏移周波数である。な
お、fdはFFT(高速フーリエ変換)を含むドプラ
測定装置により測定可能である。
このように、この従来装置によれば、被検体内
部の血管2の分布をBモード断層画像により視覚
的に認識することができ、これと同時に該断層画
像中における任意のサンプルポイントSPの血流
速度をドプラ法をもつて演算表示することが可能
となる。
しかし、生体内部の血管2は、頚動脈のように
表在性の血管2の場合にはその位置がほとんど変
化しないが、これ以外の血管2は一般に呼吸や心
拍動によつてその位置が常に変化してしまう。こ
のため、従来装置のようにサンプルポイントSP
を常に測定しようとする血管2の中央部に設定し
てやることが必要な装置では、測定しようとする
血管2の位置変動により設定したサンプルポイン
トSPが血管中央部からずれてしまい、その血流
速度を正確に測定することが容易でないという欠
点があつた。
また、この従来装置では、測定に際しサンプル
ポイントSPにおける血流方向をジヨイステツク
等を用いてその都度操作者が設定してやることが
必要であるため、血流方向θの設定の仕方によつ
て前記第(100)式で演算される血流速度の精度
が影響を受ける。従つて、操作者は血流方向の設
定に非常に神経を使うこととなり、装置の簡単か
つ迅速な操作が難しいという欠点があつた。
また、このような従来装置では、血管内の血流
速度の測定を行うことはできるが、これ以外の血
流情報、例えば該血管内を流れる血流量の測定等
を行うことができず、その有効な対策が望まれて
いた。
発明の目的 本発明は、このような従来の課題に鑑みなされ
たものであり、その目的は、被検体内部の血管を
Bモード断層画像でモニタしつつ、被検体内部で
血管の位置が変動しても該血管内を流れる血流速
度その他の血流情報を正確に測定することが可能
な超音波血流測定装置を提供することにある。
発明の構成 前記目的を達成するために、本発明の装置は、
被検体内の血管走行方向に沿つて超音波パルスビ
ームを走査し得られるBモード受波信号に基づき
被検体のBモード断層画像を表示する画像表示装
置と、前記ビーム走査により得られたBモード受
波信号を複素信号処理し該複素信号の自己相関か
らドプラ偏移周波数を演算するドプラ測定装置
と、ドプラ測定装置から出力されるドプラ偏移周
波数をBモード断層画像の各位置に対応して記憶
するメモリ回路と、Bモード断層画像の所望位置
を指定する操作手段と、操作手段により指定され
たBモード断層画像の位置に対応するドプラ偏移
周波数を前記メモリ回路から読み出し、指定され
た位置の血流方向、血流速度及び血流量を演算す
る演算回路と、を含み、被検体内の血管をBモー
ド断層画像でモニタし、該血管内を流れる血流情
報を血管位置の変動にかかわりなく演算表示する
ことを特徴とする。
実施例 次に本発明の好適な実施例を図面に基づき説明
する。
第2図には、本発明に係る超音波血流測定装置
の好適な実施例が示されており、実施例におい
て、超音波送受信器200から超音波パルスビー
ム送信用の送信繰返し周波数信号がBモード用探
触子220に供給される。
このBモード用探触子220はこれにより励振
制御され被検体240に向け超音波パルスビーム
100を送信する。
この超音波パルスビーム100の送信により得
られる被検体240からのエコービームは探触子
220によつて電気信号に変換され、超音波送受
信器200にて所望の増幅作用が施された後、そ
の一方の出力がBモード受波信号として画像表示
装置280に供給され、また他方の出力は血管内
を流れる血流情報測定のためにドプラ測定装置3
00へ供給される。
そして、Bモードの画像表示を行うため画像表
示装置280に供給された信号は、検波器320
及びデジタルスキヤンコンバータ340を介して
CRT表示器360に入力され、CRT表示器36
0の表示面を輝度変調する。
このようなBモード画像表示を可能とするた
め、本実施例においては、制御回路380から超
音波送受信器200に向けビーム走査制御用の信
号が供給されており、これによりBモード用探触
子220から送受波される超音波パルスビームを
機械的あるいは電気的な角度偏向等によつて走査
させ、該超音波パルスビーム100で被検体24
0を周期的に走査し、あるいは、所望の偏向角に
て走査を停止している。
また、この制御回路380からはこの走査位置
制御のための信号に同期して掃引同期信号がデジ
タルスキヤンコンバータ340に供給され、
CRT表示器360の掃引制御が行われている。
従つて、被検体240内の血管走行方向に沿つ
て超音波パルスビーム100が走査されるようB
モード用探触子220を被検体240に対し位置
させることにより、CRT表示器360上には、
第3図Aに示すように、被検体240のBモード
断層画像が表示されることとなる。このようにし
て、本発明によれば、このBモード断層画像か
ら、被検体240内部の血管260の分布を視覚
的に認識することが可能となる。
また、超音波送受信器200の他方の出力は本
発明において複素演算に供され、所定の血流情報
が得られる。このために、超音波送受信器200
から得られるBモード受波信号はドプラ測定装置
300に入力され、ここで所定の複素信号処理が
施され、該複素信号の自己相関からBモード受波
信号のドプラ偏移周波数fdがドプラ情報として演
算出力される。
このように、本発明においては、自己相関法を
用いるため、超音波送受信器200を介して入力
される受波信号から超音波パルスビーム100軸
上の各点におけるドプラ情報を連続的に検出する
ことが可能である。
この自己相関法を用いたドプラ測定装置300
は本願出願人が先に出願した特願昭57−070479号
内において既に開示されており、第4図には、こ
のような自己相関法を用いたドプラ測定装置30
0の具体的な実施例が示されている。
すなわち、第4図に示す実施例において、超音
波送受信器200からドプラ測定装置300に入
力された信号は、まず複素信号変換器36に供給
され、複素信号に変換される。
実施例において、この複素信号変換器36は、
位相検波器を含む1組のミキサ38a,38bを
有し、各ミキサ38において前記受信高周波信号
がそれぞれ複素基準信号102,104と演算さ
れる。複素基準信号102,104は探触子22
0から送受波される超音波パルスビーム100の
送信繰返し周波数の整数倍の周波数を有し、かつ
位相の異なる複素関係を有する。従つて、ミキサ
38からは高周波信号に対応した複素信号を出力
することができる。すなわち、各ミキサ38は混
合検波によつて入力された受信高周波信号と複素
基準信号との両周波数の和と差の周波数信号を出
力し、これら両信号が低域フイルタ40a,40
bに供給され、差の周波数成分のみが取り出され
る。
前記ミキサ38の混合検波作用において、複素
基準信号102,104は単一周波数の連続波で
あるが、他方の入力信号である受信高周波信号は
ドプラ情報を含むパルス波なので、前記低域フイ
ルタ40の出力には多数のスペクトル成分が現わ
れることとなる。以下にこの複素変換を演算式に
よつて説明する。
一方の複素基準信号102は送信用繰返し周波
数fprの整数倍の周波数foを有し、その振幅を1
とすれば sin(2πfot) ………(1) なる正弦波電圧信号にて示され、一方、受信高周
波信号は sin(2πfot+2πfdt) ………(2) にて示される。ただし、fdはドプラ偏移周波数で
る。なお、この受信信号には更に sin{2π(fo±nfpr)t+2πfd(1±nfpr/fo)
t}のスペクトルが含まれるが(fprは送信繰返
し周波数、nは0、1、2…なる整数である)、
以下説明を簡略化するためn=0の時の(2)式に示
されるスペクトルについてのみ説明する。
ミキサ38aでは、複素基準信号102と受信
高周波信号との積がとられるので、(1)式と(2)式の
積を演算することにより次式が得られる。
cos(2πfdt)−cos(4πfot+2πfdt) そして、この出力は低域フイルタ40aで上式
第2項の高域周波数が除去されるので、その出力
信号は cos(2πfdt) ………(3) となる。
一方、複素基準信号104は前記信号102と
90゜位相が異なるので、 cos(2πfot) ………(4) なる余弦波電圧信号で示され、ミキサ38bの混
合検波及び低域フイルタ40bのフイルタ作用に
よつて、 sin(2πfdt) ………(5) なる信号に変換され、前記(3)式を実数部、そし
て、(5)式を虚数部とする複素信号に変換されたこ
ととなり、これら両信号は次の複数式によつて示
すことができる。
z1=cos(2πfdt)+i sin(2πfdt) ………(6) 以上のようにして複素変換された信号z1はAD
変換器42a,42bによつてデジタル信号に変
換され、次段の複素デイレーラインキヤンセラ4
4に出力される。前記AD変換器42へはクロツ
ク信号108が供給されて該クロツク信号による
サンプリングが行われている。
実施例においては、前述した複素デイレーライ
ンキヤンセラ44が設けられているので、静止部
あるいは低速運動部からの受信信号を除去して運
動部のみの速度信号を取り出すことができ、画像
信号の品質を著しく向上させることができる。す
なわち、一般に生体からの例えば血流信号には血
管壁、心臓壁等のほぼ静止している生体組織から
の反射信号(クラツタ)が混入し、この信号は血
流からの反射信号に比較して通常強大なため血流
測定に著しい妨害を与える。しかしながら、本実
施例においては、前記複素デイレーラインキヤン
セラ44によりこのような低速度信号を除去する
ことができるので、運動部からの信号のみを検出
することが可能となる。
複素デイレーラインキヤンセラ44は超音波送
信繰返し信号の1周期(T)に一致する遅延時間
を有するデイレーライン46a,46bを有し、
このデイレーラインは例えば1周期の中に含まれ
るクロツクパルスの数に等しい記憶素子から成る
メモリまたはシフトレジスタから形成することが
できる。そして、これらデイレーライン46に
は、それぞれ差演算器48a,48bが接続され
ており、差演算器48によつてデイレーライン4
6の入力すなわち現在の信号と出力すなわち1周
期前の信号とを逐次比較して、同一深度における
信号の1周期間の差を演算する。従つて、静止あ
るいは低速度の生体組織からの反射信号は現在の
信号と1周期前の信号との間に変化がなくあるい
は変化が小さいため、差演算器48の差出力は零
に近くなり、一方、速度の早い例えば血流信号の
差出力は大きな値として検出され、これによつて
前述したクラツタを確実に抑圧することができ
る。
前記複素デイレーラインキヤンセラ44の作用
を以下に演算式で説明する。なお、図において
は、複素デイレーラインキヤンセラ44への入力
はデジタル信号であるが、演算式では説明を簡単
にするために(6)式のアナログ信号にて説明を行
う。デイレーライン46の入力z1を(6)式で示す
と、1周期遅延された出力は z2=cos{2πfd(t−T)} +i sin{2πfd(t−T)} ………(7) で示され、この結果、差演算器48の差演算出力
は z3=z1−z2=−2sin(2πfdT/2) ・sin{2πfd(t+T/2)} +i2sin(2πfdT/2) ・cos{2πfd(t+T/2)} となり、ここで差出力z3を z3=x3+iy3 にて示せば、各x3、y3は次式となる。
x3=−2sin(2πfdT/2) ・sin{2πfd(t+T/2)} ………(8) y3=2sin(2πfdT/2) ・cos{2πfd(t+T/2)} ………(9) 以上のようにして、各差演算器48a,48b
の出力には、それぞれx3、y3なる信号が出力され
ることとなる。
以上のようにして低速度信号が除去された複素
信号は、次に自己相関器50によつて演算処理さ
れ、遅延量をTとするz3の自己相関が求められ
る。
まず入力信号z3はデイレーライン52a,52
bにより1周期分遅延されて出力z4が得られる。
この出力z4は以下の式で表される。
z4=x4+iy4 x4=−2sin(2πfdT/2) ・sin{2πfd(t−T/2)} ………(10) y4=2sin(2πfdT/2) ・cos{2πfd(t−T/2)} ………(11) そして、z4 *=x4−iy4とすると、以下の式によ
つて相関が求められる。
z3z4 *=(x3+iy3)(x4−iy4) =x3y4+y3y4+i(x4y3−x3y4) そして、この相関を求めるため、自己相関器5
0には、4個の掛算器54a,54b,56a,
56bそして加減算器58a,58bが設けら
れ、前記相関演算が行われる。
加減算器58aの出力をRとすれば、前記(8)、
(9)、(10)、(11)の各関係式から R=x3x4+y3y4=4sin2(2πfdT/2) ・cos(2πfdT) ………(12) が得られ、また加減算器58bの出力をIとすれ
ば同様に I=x4y3−x3y4=4sin2(2πfdT/2) ・sin(2πfdT) ………(13) が得られ、両加減算器58の出力を合わせて、前
記相関は次式にて示される。
S=R+iI ………(14) そして、この相関出力Sは信号の変動成分や装
置から発生する雑音成分を含むので、これら雑音
成分を除去するために平均回路によつて相関の平
均が求められ、この相関平均は=+iで表
わされる。
前記平均回路はデイレーライン60a,60b
にて1周期遅延した出力を現在の入力に加算器6
2a,62bにて加算し、再びこの出力をデイレ
ーライン60に供給する操作を繰返し、出力の上
位ビツトを出力すれば平均値を得ることができ
る。そして、この時の繰返し操作による平均の精
度を向上するために、実施例においては、重み付
回路64a,64bが設けられ、出力を減衰させ
て入力と加算している。すなわち、減衰量をαと
すれば、現在の信号より例えば10周期前の信号は
α10だけ減算して現在の信号として加算されるの
で、出力に与える影響度が小さくなり、低減フイ
ルタや移動平均回路と同様の平均機能を果たすこ
とが可能となる。また重み付回路64の重み付量
を変えることにより、平均化の度合を変更するこ
とが可能となる。
以上のように、本実施例においては、相関の平
均が自己相関器50から得られ、この相関出力は
偏角演算器66によつて相関平均出力の偏角θ
が求められる。すなわち、偏角θは(12)、(13)式
から θ=tan-1(/)=2πT ………(15) として求められ、この結果、ドプラ偏移周波数
は =θ/(2πT) ………(16) として前記偏角θから極めて容易に求められるこ
ととなる。すなわち、送信繰返し周期Tは定数で
あるから偏角θはドプラ偏移周波数すなわち血
流速度に比例することとなり、また、相関、
はそれぞれ正及び負の値を取るので、偏角θは±
πの間測定可能となり、これによつて運動の方向
性を得ることができる。
本発明における前記偏角θを(15)式に基づい
て、から求めるためには、及びの取り得
る数値に対応する偏角θの値をあらかじめROM
に書き込んだテーブルを作成し、このテーブルか
ら入力、に対応した偏角θを読み出すことに
より行うことができ、高速演算が可能である。
以上のようにして得られた偏角θは変換器68
によつてドプラ偏移周波数fdに変換され、出力さ
れる。
また、前記実施例では、自己相関器50は相関
の平均をとつているが、これ以外にも、平均する
前の相関から直接偏角を求め、これによつてドプ
ラ偏移周波数fdを得ることも可能である。
以上説明したように、自己相関法によるドプラ
測定装置300によれば、超音波パルスビーム1
00を送受波することにより、該パルスビーム1
00の通過線上にある生体運動部の運動速度分布
が連続的に求められるので、例えば該パルスビー
ム100の通過線上に血管260が第3図Aに示
すように存在する場合には、その血管260内を
流れる血流の速度分布を連続的にドプラ偏移周波
数として求めることが可能である。
第3図B,Cには、このような超音波パルスビ
ームの送波により求められた血流速度分布が示さ
れており、図中y軸方向は被検体240内部から
のエコービームの深さを表わし、x軸方向はドプ
ラ偏移周波数の大きさを表わしている。
同図からも明らかなように、超音波パルスビー
ム100が被検体240の血管260に向け送波
されると、該超音波パルスビーム100の通過線
上にある血管260内の血流速度分布がドプラ偏
移周波数として連続的に求められることが理解さ
れる。
特に、本発明においては、Bモード用探触子2
20から被検体240内の血管走行方向に沿つて
超音波パルスビーム100を走査しているため、
CRT表示器360上に表示された血管断層画像
面の全ての点における血流速度分布を測定するこ
とができる。
そして、このようにしてドプラ測定装置300
により測定された血流速度分布はドプラ情報とし
てメモリ回路400に順次書き込み記憶され、こ
の結果、メモリ回路400内にはCRT表示器3
60上に表示されたBモード断層画像全域におけ
る血流速度分布が画像のx−y座標と対応して書
き込み記憶されることとなる。
従つて、メモリ回路400内に書き込み記憶さ
れたドプラ情報中に含まれる血流速度分布を読み
出し、これに所定の演算処理を施すことにより血
管260内を流れる血流の各種情報をその後の血
管位置変動にかかわりなく求めることができる。
実施例において、この血流情報の演算は、
CRT表示器360上に表示されたカーソルKに
より該演算を行う血管260の位置を指定するこ
とにより開始される。このカーソルKの位置設定
は、走査パネル420を操作することにより行わ
れる。
このようにして、カーソルKによりCRT表示
器360上において血流情報を求める血管位置が
指定されると、演算回路500はメモリ回路40
0からこの演算に必要なドプラ情報を読み出し、
以下に説明するように、各種の血流情報すなわち
血流方向θ、血流速度v及び血流量Qの演算を行
う。
なお、説明を簡単にするために、本実施例にお
いては、第3図Aに示すように、カーソルKによ
つて指定された位置及びこれに隣接する位置に対
し送波された2本の超音波パルスビーム100
a,100bから得られるドプラ情報をメモリ回
路400から読み出し、血流情報を演算する場合
を例にとり説明する。
まず、超音波パルスビーム100aの送波によ
り得られるドプラ情報は、第3図Bに示すよう
に、超音波送波後y11の地点まではドプラ偏移周
波数が0であるが、y11〜y13の間では血管260
内を流れる血流によりパルスビームがドプラ効果
を受け、そのドプラ偏移周波数が大きくなる。従
つて、このようにして得られるドプラ情報から、
血流はy11〜y13の間で流れており、y12の位置でそ
の血流速度が最大となることが理解される。
同様にして、超音波パルスビーム100bの送
波により得られたドプラ情報は、第3図Cに示す
ようになり、血流はy21〜y23の範囲で流れてお
り、その血流速度はy22の位置で最大となること
が理解される。
実施例の演算回路500はメモリ回路400か
ら第3図B,Cに示すドプラ情報を読み出し、以
下に説明するように、その血流情報の演算を行
う。
(1) 血流方向の演算 本発明において、血流方向の演算は次のよう
にして行われる。
第3図AのBモード断層画像中におけるy12
位置の座標を(x12、y12)、またy22位置におけ
る座標を(x22、y22)とすれば、超音波パルス
ビーム100a又は100bと血流とのなす角
度θは次式に基づき自動的に演算される。
θ=tan-1{(x22−x12)/y22−y12)}
………(17) ここにおいて、x12及びx22の値は探触子22
0から超音波パルスビーム100が送受波され
るタイミングを検出することにより容易に測定
することができ、またy12及びy22の値は探触子
220により受波されるエコービームの大きさ
から容易に測定することができる。
なお、この計算は、装置に組み込んだマイク
ロコンピユータによつても又は図示しない
ROMに切つておいたテーブルを用いても自動
的に行うことができる。また、前記第(17)式
の(x22−x12)/(y22−y12)の代わりに(x21
−x11)/(y21−y11)を用いてもほぼ同様の
結果を得ることができる。
(2) 血流速度の演算 本発明において、血流速度の演算は、前記第
(17)式により得られたθを前記第(100)式に
代入することにより求められる。
(3) 血流量の演算 本発明において、血管内を流れる血流量の演
算は次のようにして行われる。
まずカーソルKで指定された位置y12におけ
る血管260の内径を2rとすると、その値は次
式で表わされる。
2r=(y11−y13)sinθ ………(18) ここにおいて(y11−y13)は、第3図Aのy11
とy13との間の距離であり、メモリ回路400
内に記憶された第3図Bのドプラ情報からある
値以上例えば最下位ビツトが1以上になる範囲
の値を抽出することにより求められ、実施例の
装置では、これを第(18)式に代入することに
より半径rを求める。
次に、血管断面積をSとすると、この値は血
管断面がほぼ円形であると仮定すれば、 S=πr2 ………(19) により求められる。
これにより、血流量Qは、この血管断面積S
内の瞬時平均血流速度Vaver(t)を求め、こ
れを次式に従つて一定時間例えば5秒間積分す
ることにより求められる。
Q=∫T OVaver(t)dt ………(20) また、この第(20)式のTとして一定時間の
代わりに1心拍周期をとり、これに心拍数をか
けて1分間の血流量を求めてもよい。
なお、前記第(20)式の計算に用いる平均血
流速度Vaver(t)は血管中央部における最大
血流速度Vmax(t)から次式に従い求められ、
その係数kは場合により多少異なるが一般にk
=0.5程度の値が使用されている。
Vaver(t)=kVmax(t) ………(21) また、この平均血流速度Vaver(t)は心拍
時相によつて常に変化しているが、マイクロコ
ンピユータを用いて前記第(20)式の計算を行
うに当たつては、一定時間又は1心拍時間を有
限個の時間間隔Δtで区切つて次式に従い、そ
の計算を行うことが便利である。
Q=oi=1 Vaver(iΔt)Δt ………(22) ただし、nΔt=T なお、前述した実施例においては、説明を簡単
にするために、2本の超音波パルスビームの送波
により得られたドプラ情報を用いて血流方向、血
流速度、血流量の各種血流情報を演算する場合を
説明したが、これら各血流情報の演算は、実際は
10本ないし20本程度の超音波パルスビームの送波
により得られたドプラ情報を用いて行われる。
そして、このようにして演算回路500により
求められた血流情報はCRT表示器360上に数
値又はグラフ表示により画像表示される。
従つて、本発明によれば、CRT表示器360
上に被検体240の所望位置におけるBモード断
層画像が表示され、しかも、このBモード画像に
表示された血管内を流れる血流の各種情報、例え
ば血流方向、血流速度、血流量が自動的に演算表
示されることになり、例えば血管内に瘤ができた
時の発見等を正確かつ容易に行うことが可能とな
る。
特に、本発明によれば、ドプラ測定装置300
により得られる各種ドプラ情報をメモリ回路40
0内に記憶しておくために、仮にカーソルKの設
定後に測定の対象となる血管位置が変動した場合
でも該血管位置の変動にかかわりなくその血流情
報を的確に演算表示することができ、血流情報の
測定に要する操作者及び被検者の負担を著しく軽
減することが可能となる。
また、前記実施例においては、超音波を高速リ
ニア走査する装置を例に取り説明したが、本発明
はこれに限らず、例えばメカニカルスキヤナ又は
位相制御方式を用いた高速セクタ走査型の装置に
おいても有効である。
発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、被検体
内の血管をBモード断層画像によりモニタしつ
つ、モニタされた血管内部を流れる血流の情報、
例えば血流方向、血流速度及び血流量を血管位置
変動にかかわりなく正確に測定することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の超音波血流測定装置の原理説明
図、第2図は本発明の超音波血流測定装置の好適
な実施例を示すブロツク図、第3図Aは第2図に
示す装置のBモード断層画像の説明図、第3図
B,CはBモード断層画像に対応して得られるド
プラ情報の波形説明図、第4図は第2図に示す装
置のドプラ測定装置の詳細な構成を示すブロツク
図である。 280……画像表示装置、300……ドプラ測
定装置、400……メモリ回路、500……演算
回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 被検体内の血管走行方向に沿つて超音波パル
    スビームを走査し得られるBモード受波信号に基
    づき被検体のBモード断層画像を表示する画像表
    示装置と、前記ビーム走査により得られたBモー
    ド受波信号を複素信号処理し該複素信号の自己相
    関からドプラ偏移周波数を演算するドプラ測定装
    置と、ドプラ測定装置から出力されるドプラ偏移
    周波数をBモード断層画像の各位置に対応して記
    憶するメモリ回路と、Bモード断層画像の所望位
    置を指定する操作手段と、操作手段により指定さ
    れたBモード断層画像の位置に対応するドプラ偏
    移周波数を前記メモリ回路から読み出し、指定さ
    れた位置の血流方向、血流速度及び血流量を演算
    する演算回路と、を含み、被検体内の血管をBモ
    ード断層画像でモニタし、該血管内を流れる血流
    の血流方向、血流速度及び血流量を血管位置の変
    動にかかわりなく演算表示することを特徴とする
    超音波血流測定装置。
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