JPH04265726A - 電動式射出成形機の型締制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、型締した金型のキャビ
ティへ溶融樹脂を射出したのち、さらに型締力を加えて
圧縮するいわゆる射出圧縮機能を有する電動式射出成形
機の型締力制御方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、射出圧縮機能を有する電動式射出
成形機の型締力制御方法として、次に記載するものがあ
る。

【０００３】後述する本願発明の実施に用いるものと、
制御装置以外の部分が同様の構成の電動式射出成形機を
用い、型締用電動機の駆動力によってボールねじ機構を
介して可動盤を前進させて所定の型締力で型締し、型締
した金型のキャビティへ、溶融樹脂を射出したのち、前
記型締用電動機に流す電流を設定値通りに変化させるこ
とでトルクを変化させて型締力を変更していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法では、
型締機構を構成しているボールねじ機構、各軸受、可動
盤その他作動部材等の機械的静摩擦による静摩擦力があ
るため、型締力の設定値の差が前記静摩擦力に見合う大
きさ以上でないと、設定値通りに型締力が変化しない。 その結果、型締力の微小な変化が必要とされる成形品に
ついては、要求通りの精度の型締力の制御ができず、不
良品が発生するという問題点があった。

【０００５】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであって、微小な変化が必要とさ
れる型締力の制御が可能な電動式射出成形機の型締力制
御方法を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
、本発明の電動式射出成形機の型締力制御方法は、型締
用電動機によって駆動される型締装置を備えた電動式射
出成形機において、予め設定した複数段階の設定型締力
に相当する複数段階の設定トルクで前記型締用電動機の
トルクを変化させる際に、各段階ごとに、前記複数段階
の各段階の設定トルクに変化させる前に、前記型締装置
の静摩擦力の影響が除かれる大きさのトルク差を前記各
段階の設定トルクに加えた修正トルクで、前記型締用電
動機の回転を開始させたのち、前記各段階の設定トルク
で前記型締用電動機を回転させることを特徴とするもの
である。

【０００７】

【作用】型締用電動機を、前記各段階ごとに、各段階の
設定トルクで回転させる前に、前記型締装置の静摩擦力
の影響が除かれる大きさのトルク差を前記各段階の設定
トルクに加えた修正トルクで回転を開始させるので、前
記各段階の設定トルク差よりも十分に大きなトルク差が
与えられ、型締用電動機は確実に回転を開始する。回転
が開始されると型締装置の静摩擦力の影響はなくなり、
その後、型締用電動機を各設定トルクで回転させても設
定型締力通りの型締力をそれぞれ得ることができる。

【０００８】

【実施例】先ず、本発明の実施に使用する電動式射出成
形機の一例について説明する。

【０００９】図１に示すように、ベッド２０上の中央部
側には、固定金型１が取付けられる固定盤４が固定され
ており、ベッド２０上の一側には型締ハウジング６が固
定されている。固定盤４と型締ハウジング６とは４本の
タイバー７によって連結されており、固定盤４と型締ハ
ウジング６間には、前記タイバー７に案内されてその軸
方向に往復移動自在な可動金型２が取付けられる可動盤
９が配設されている。型締ハウジング６には、一対の軸
受１１ａ，１１ｂを介して段付きの円筒状の回転軸１０
が回転自在であるが軸方向には移動しないように設けら
れている。回転軸１０の可動盤５側の先端部に嵌着され
たボールナット９には、ボールねじ８が螺合されており
、その先端は可動盤５に回転しないように適宜手段によ
り結合されている。また、回転軸１０の他端にはプーリ
１２が一体的に設けられており、該プーリ１２とベッド
２０に取付けられた型締用電動機１６の出力軸に一体的
に設けられたつば付きプーリ１４との間にはタイミング
ベルト１３がかけ回されている。これにより、型締電動
機１６のトルクは、順次、つば付きプーリ１４、タイミ
ングベルト１３、プーリ１２、回転軸１０を介してボー
ルナット９に伝動されてボールナット９が回転し、その
結果、ボールねじ８が固定盤４側へ前進して可動盤５を
前進させ、固定金型１に可動金型２を押圧することによ
り型締力が発生される。ベッド２０の他端側に設けられ
た射出シリンダ１５は、型締された固定金型１および可
動金型２のキャビティ３へ溶融樹脂を射出するためのも
のである。

【００１０】型締用電動機１６には、その回転を検出す
るためのロータリーエンコーダ等からなる回転検出器１
７が設けられており、該回転検出器１７によって型締用
電動機１６の回転を検出し、その信号をドライバアンプ
１８を介して制御装置１９に送る。制御装置１９は、２
段階以上の複数段階の設定型締力に相当する複数段階の
設定トルクを設定できる機能を有し、例えば、前記複数
段階の設定トルクを、電流値の型でドライバアンプ１８
へ出力して、型締電動機１６のトルクを変化させるもの
であるが、これと同時に次に説明する機能を合わせ持つ
ものである。

【００１１】制御装置１９は、予め実験により求めてお
いた電動式射出成形機の型締装置の静摩擦力の影響を除
く大きさのトルク差を設定できる機能を有し、型締用電
動機１６のトルクを複数段階の設定トルクで変化させる
際に、各段階ごとに、各設定トルクに変化させる前に、
予め設定された前記トルク差を前記各段階の設定トルク
に加えた修正トルクで型締用電動機１６の回転を開始さ
せたのち、前記各段階の設定トルクで型締電動機１６を
回転させる指令を出力できるものである。

【００１２】次に、上述した電動式射出成形機を用いた
本発明の方法の一実施例について説明する。

【００１３】成形開始に先立って、制御装置１９に、複
数段階の設定トルクを設定すると共に、上述した型締装
置の静摩擦力の影響を除くのに大きさのトルク差を設定
しておく。

【００１４】成形を開始すると、制御装置１９からの指
令はドライバーアンプ１８を介して型締用電動機１６に
伝えられ、次に記載するように型締用電動機１６を回転
させる。

【００１５】型締電動機１６を第１段階の設定トルクに
前記トルク差を加えた第１段階の修正トルクで回転を開
始させ、この回転を回転検出器１７が検出すると、第１
段階の設定トルクに変化させて所定時間回転させ、第１
段階の設定型締力を発生させる。ついで、射出シリンダ
１５によってキャビティ３へ溶融樹脂を射出したのち、
第２段階の設定トルクに前記トルク差を加えた第２段階
の修正トルクで型締用電動機１６の回転を開始させ、こ
の回転を回転検出器１７が検出すると第２段階の設定ト
ルクに変化させて所定時間回転させる。以後同様に、残
りの段階の修正トルクおよび設定トルクで型締用電動機
１６を回転させて、一成形サイクルを完了させる。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、型締用電動機を複数段
階の設定トルクの各段階の設定トルクで回転させる前に
、使用される電動式射出成形機の型締装置の有する静摩
擦力の影響が除かれるので、各段階の設定型締力に相当
する設定トルク通りの型締力を得ることができると共に
、各設定トルク間のトルク差が小さい場合、すなわち、
型締力の微小な変化が必要とされる場合であっても、複
数段階の設定型締力に相当する複数段階の設定トルク通
りの型締力の制御が可能なので、不良品が発生すること
がなくなるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施に使用する電動式射出成形機の模
式断面図である。

【符号の説明】

１　　　　固定金型 ２　　　　可動金型 ３　　　　キャビティ ４　　　　固定盤 ５　　　　可動盤 ６　　　　型締ハウジング ７　　　　タイバー ８　　　　ボールねじ ９　　　　ボールナット １０　　　　回転軸 １１ａ，１１ｂ　　　　軸受 １２　　　　プーリ １３　　　　タイミングベルト １４　　　　つば付きプーリ １５　　　　射出シリンダ １６　　　　型締用電動機 １７　　　　回転検出器 １８　　　　ドライバーアンプ １９　　　　制御装置 ２０　　　　ベッド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　型締用電動機によって駆動される型締
   装置を備えた電動式射出成形機において、予め設定した
   複数段階の設定型締力に相当する複数段階の設定トルク
   で前記型締用電動機のトルクを変化させる際に、各段階
   ごとに、前記複数段階の各段階の設定トルクに変化させ
   る前に、前記型締装置の静摩擦力の影響が除かれる大き
   さのトルク差を前記各段階の設定トルクに加えた修正ト
   ルクで、前記型締用電動機の回転を開始させたのち、前
   記各段階の設定トルクで前記型締用電動機を回転させる
   ことを特徴とする電動式射出成形機の型締制御方法。