JPH0426092Y2

JPH0426092Y2 -

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Publication number: JPH0426092Y2
Application number: JP17239387U
Authority: JP
Priority date: 1987-11-10
Filing date: 1987-11-10
Publication date: 1992-06-23
Also published as: JPH0175416U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、広範囲の観察範囲を有し、且つ、電
気的安全性の高い高周波内視鏡装置に関する。

［従来の技術］近年、体腔内に細長の挿入部を挿入することに
より、体腔内臓器等を観察したり、必要に応じ処
置具チヤンネル内に挿通した処置具を用いて各種
治療処置のできる内視鏡装置が広く利用されてい
る。

前記内視鏡装置には、前立腺、子宮内腔、尿管
内、腎孟内等を切除する高周波内視鏡装置があ
る。この高周波内視鏡装置の一つに、例えば、実
開昭60−149616号公報に示されるように、尿道か
ら膀胱内に挿入し、切除用電極に高周波電流を通
電することによつて、前立腺の切除等の処置がで
きるように構成されたレゼクトスコープ装置があ
る。

一般に、レゼクトスコープ装置は、尿道に挿入
される中空のレゼクトシースと、このレゼクトシ
ース後端側に着脱自在に装着されるスライダを有
するハンドル部と、このハンドル部の後端側から
着脱自在に装着される観察用のスコープ（光学視
管）とからなり、前立腺切除用で先端が二又に分
岐されてループ状にされた電極を前記レゼクトシ
ース先端から突没できるようにしてある。

そして、レゼクトシース先端部は、ループ電極
と接触するために、ビークと呼ばれる絶縁部材で
形成されている。

第６図は従来のレゼクトスコープ装置の先端部
を示し、第７図は従来のレゼクトスコープ装置を
尿道内に挿入した際の鏡視下像を示す。

シース５２の先端部には、絶縁部材よりなるビ
ーク５７が形成されている。このシース５２内に
は、スコープ５５と電極５６とが挿通されてい
る。前記電極の先端部には、ループ状の切除部５
６ａが設けられている。

尚、第７図中、符号６１は膀胱腔内を示し、５
７ａはビーク５７の開口部を示している。

［考案が解決しようとする問題点］ところで、従来のビーク５７は、絶縁性、耐熱
性、強度が要求され、ガラス繊維入りエポキシ樹
脂等の不透明な部材で形成されており、そのため
以下のような問題点があつた。

すなわち、第６図に示すように、通常ループ状
の切除部５６ａは、電気的安全性を確保するため
に、前記ビーク５７内に収納され、且つ、切除部
５６ａとスコープ５５先端間の絶縁性を確保する
ために、切除部５６ａとスコープ５５間の距離l1
が十分に保たれている。そのため、スコープ５５
は、ビーク５７先端から十分奥に収納されるよう
に配置されている。そこで、前記ビーク５７が不
透明な部材で形成されていると、第７図に示すよ
うに、スコープ５５の視野の周囲が、ビーク５７
によつてけられてしまい、スコープ５５の対物レ
ンズ系の画角をいくら広くしても、観察できる尿
道の範囲θ1は、ビーク５７によつて限定されてし
まう。そのため、切除範囲の選定が確実に行うこ
とができず、切除してはいけない組織を切除して
しまう虞があつた。

一方、観察範囲θ1を広くするためには、スコー
プ５５を広画角化し、ビーク５７先端にスコープ
５５を近付けなければならないが、そうすると、
上述のように、切除部５６ａとスコープ５５先端
間の絶縁性が著しく低下し、電気的安全性が確保
できないという問題が生じてしまう。

上述した問題点は、レゼクトスコープに限ら
ず、子宮内腔、尿管内、腎盂内等を切除する他の
高周波内視鏡装置についても同様である。

［考案の目的］本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであ
り、電極とスコープ先端部の距離を十分に取れ、
電気的安全性が高く、しかも、スコープの広角化
によつて観察範囲を広くでき、例えば切除範囲の
選定を確実に行うことができるようにした高周波
内視鏡装置を提供することを目的としている。

［問題点を解決するための手段］本考案の高周波内視鏡装置は、体腔内に挿入さ
れる細長で中空のシースと、このシース内に挿通
され、高周波を用いて体腔内の組織を切除または
凝固する電極と、前記電極を体外から操作可能な
操作部と、前記シース内に挿通され、体腔内を観
察可能な光学系を有する光学視管とを備えたもの
において、前記シースの少なくとも先端部を、透
明な絶縁材料により形成したものである。

［作用］本考案では、透明な絶縁材料により形成された
シースの先端部を通して、広い範囲の観察が可能
になる。

［実施例］以下、図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

第１図ないし第３図は本考案の第１実施例に係
り、第１図はレゼクトスコープ装置の先端部の断
面図、第２図はレゼクトスコープ装置を尿道内に
挿入した際の鏡視下像を示す説明図、第３図はレ
ゼクトスコープ装置の側面図である。

第３図に示すように、本実施例のレゼクトスコ
ープ装置１は、尿道内に挿入される細長のシース
挿入部２ａ及びこの挿入部２ａを前方に連設した
シース本体２ｂを有する（レゼクト）シース２
と、前記シース本体２ｂの後端に接続される（レ
ゼクト）ハンドル４と、このハンドル４の後方か
らシース２内に挿通される観察用のスコープ（光
学視管）５と、前記ハンドル４からシース２内に
挿通される電極６とを組み合わせて構成されてい
る。

第１図に示すように、前記シース２の挿入部２
ａは、先端部に、絶縁性、耐熱性、強度を有し、
しかも透明な絶縁材料、例えば透明なセラミツク
（例えば透明アルミナセラミツクスAl₂O₃）より
なる絶縁ビーク７が連設されている。尚、このシ
ース挿入部２ａは、ビーク７と同様な透明セラミ
ツクにより一体に形成しても良い。

前記シース本体２ｂは、灌流液をシース２を経
て膀胱内に供給するコツク８ａ付きの送水口８を
有すると共に、ハンドル４のハンドル接続部９を
嵌入する嵌入口３を有し、且つ、このハンドル接
続部９を嵌入口３内に固定するための例えばクリ
ツク機構を係脱させる着脱ボタン１０が設けられ
ている。

前記ハンドル４は、スコープ５の挿入部５ａを
挿通するスコープガイドパイプ１１と、電極６を
挿通する電極ガイドパイプ１２とからなる挿入部
１３を、ハンドル接続部９の前方に連設してお
り、この挿入部１３は、シース２内に挿入される
ようになつている。また、前記ハンドル接続部９
には、後方の軸方向へガイド軸１４が突設されて
いると共に、このガイド軸１４の後端にスコープ
接続部１５が固定されている。一方、前方のハン
ドル接続部９と後方のスコープ接続部１５間に
は、ガイド軸１４に沿つて軸方向にスライドする
スライダ１６が配設され、このスライダ１６は、
前方のハンドル接続部９との間に架設されたばね
１８により、例えば後方のスコープ接続部１５に
当接復帰するように付勢されている。尚、前記ば
ね１８は、図示例では、円弧状の板ばねである
が、コイルスプリングでも良く、また、ばねはな
くても良い。また、前記ハンドル接続部９には、
上下に指掛け１９ａ，１９ｂが突設されている。
また、スライダ１６の底部後方は、下方に膨出さ
れ、この膨出部に、親指掛けリング２０が取付け
られている。

前記スライダ１６は、その前方から電極５の後
端を挿入し、着脱自在に固定する電極固定部１７
を有し、且つ、この接続された電極６に図示しな
い高周波焼灼電源から高周波電流を通電するため
のコネクタ２１が突設されている。このコネクタ
２１は、ナツト２１ａにより固定された絶縁カバ
ー２１ｂによつて外周を被覆されている。前記ス
ライダ１６に固定され前方へ突設される電極６
は、ハンドル接続部９に形成された挿通孔及びこ
のハンドル接続部９から前方へ突設した電極ガイ
ドパイプ１２を経て、前方に突出するようになつ
ている。

また、前記ハンドル４のスコープ接続部１５
は、スコープ５を着脱自在に挿入接続できるよう
になつていると共に、接続されたスコープ５は、
前方の接続部９から後方のスコープ接続部１５に
延設された前記スコープガイドパイプ１１内に挿
通され、このパイプ１１の前方へ突出するように
なつている。尚、図示例では、スコープガイドパ
イプ１１の後方延設部ばガイド軸１４を兼ねてい
るが、このガイド軸とは別に架設しても良い。

前記スコープ５は、本体５ｂと、この本体５ｂ
の前方に連設した細長の挿入部５ａと、前記本体
５ｂに設けられたライトガイドコネクタ５ｃと、
前記本体５ｂの後端に設けられたアイピース５ｄ
とから構成されている。このスコープ５内には、
基端部が前記ライトガイドコネクタ５ｃに接続さ
れ、照明光を挿入部５ａ先端まで導光する図示し
ないライトガイドフアイバと、前記挿入部５ａの
先端部に設けられた図示しない対物レンズ系によ
つて結像される観察像を前記アイピース５ｄに伝
達する図示しない像伝達光学系が配設されてい
る。

前記電極６は、シース２内に挿通される軸部２
２ａと、この軸部２２ａの先端側で二又に分岐さ
れた二又部２２ｂと、この二又部２２ｂの先端を
軸部２２ａと略直角となる下方に屈曲させて円弧
状のループを形成した切除部（先端電極）２２ｃ
とから構成されている。前記切除部２２ｃには、
図示しない電源から高周波電流が、ハンドル４の
コネクタ２１ないし電極固定部１７を経由して、
電極固定部１７に固定された軸部２２ａの端部２
２ｄに伝えられ、更に、絶縁被覆されている軸部
２２ａないし二又部２２ｂの内芯を通つて供給さ
れるようになつている。そして、スコープ５のア
イピース５ｄより、鏡視下に、ハンドル４のスラ
イダ１６を前後操作させることにより、前記切除
部２２ｃを、ビーク７より突出させ、この切除部
２ｃが接触された任意の患部（前立腺等）を選択
的に切除、切開したり、あるいは出血部分の止血
等を行うことができるようになつている。

第２図は、本実施例のレゼクトスコープ装置１
を尿道内に挿入した際のスコープ５による鏡視下
像を示している。尚、図中、符号６１は膀胱腔内
を示し、６２は精阜を示し、６３は前立腺内壁を
示し、７ａはビーク７の開口部を示している。

以上のように構成された本実施例では、第１図
に示すように、電気的安全性を確保するために電
極６の切除部２２ｃとスコープ５の挿入部５ａ先
端間の絶縁距離l2を十分に取り、且つ、スコープ
５の対物レンズ系の画角θ2の広角化を行つても、
ビーク７が透明であるため、第２図に示すよう
に、ビーク７によつて視野の周囲をけられずに、
尿道の精阜６２の位置等をビーク７を通して観察
することができる。従つて、切除範囲は容易に選
定でき、操作しやすく、しかも安全性を向上する
ことができる。

第４図及び第５図は本考案の第２実施例に係
り、第４図はレゼクトスコープ装置の挿入部分を
示す側面図、第５図はレゼクトスコープ装置の先
端部の断面図である。

本実施例は、第１実施例に対してシース部分が
異なつており、本実施例におけるシースは、灌流
液を膀胱内に供給する内シース２４と、灌流液を
体外に排出する外シース２５とで構成されてい
る。

第４図に示すように、前記内シース２４の挿入
部２４ａの先端部には、絶縁性、耐熱性、強度を
有し、しかも透明な絶縁材料、例えば透明なセラ
ミツク（例えば透明アルミナセラミツクスAl₂
O₃）よりなる絶縁ビーク７が連設されている。
尚、この内シース２４の挿入部２４ａは、ビーク
７と同様な透明セラミツクにより一体に形成して
も良い。前記挿入部２４ａの後端部に連設された
内シース本体２４ｂは、灌流液を内シース２４を
経て膀胱内に供給するコツク８ａ付きの送水口８
を有すると共に、挿入部側には、外シース２５の
嵌入口２６に嵌入可能な接続部２７を有し、そし
て、手元側には、ハンドル４のハンドル接続部９
を嵌入する嵌入口３と、このハンドル接続部９を
嵌入口３内に固定するための例えばクリツク機構
を係脱させる着脱ボタン１０とが設けられてい
る。そして、第４図に示すように、第１実施例と
同様に、内シース２４内に、スコープガイドパイ
プ１１と電極ガイドパイプ１２とを有するハンド
ル４の挿入部１３を挿入でき、また、前記内シー
ス２４内に、スコープ挿入部５ａ及び電極６を、
第５図に示すように、電極６の切除部２２ｃとス
コープ５の挿入部５ａ先端間の絶縁距離を十分に
取つた位置関係になるように配設することができ
るようになつている。

一方、前記外シース２５は、透明なセラミツク
またはプラスチツク等で形成された挿入部２５ａ
と、この挿入部２５ａの後端部に連設された嵌入
口２６を有する外シース本体２５ｂとで構成され
ている。前記挿入部２５ａの先端部には、先端部
内周が内シース２４の外周と当接するように形成
された絞り２８と、灌流液を吸引するための多数
の小孔２９とが設けられている。また、前記外シ
ース本体２５ｂは、灌流液を膀胱内より外シース
２５を経て体外に排出するコツク３０ａ付きの排
水口３０を有すると共に、内シース２４の接続部
２７を嵌入口２６内に固定するための例えばカム
溝を係脱させる回転リング３１が設けられてい
る。そして、外シース２５に内シース２４を装着
すると、絞り２８以外の外シース２５と内シース
２４の間には、第５図に示すように隙間が生じ、
この隙間が排水通路として機能するようになつて
いる。すなわち、第５図において矢印で示すよう
に、灌流液は、送水口８から、内シース２４内を
経て膀胱内に供給され、外シース２５の先端部に
形成された小孔２９から外シース２５と内シース
２４の間の隙間内に吸引され、この隙間内を経て
排水口３０から排出される。

本実施例によれば、内シース２４の透明なビー
ク７と外シース２５の透明な挿入部２５ａを通し
て、広範囲な尿道内壁を観察することができると
共に、灌流液を、内シース２４より送水、そし
て、外シース２５より排水することがき、持続的
に灌流を行うことができるので、常時きれいな視
野を得ることができる。

その他の構成、作用及び効果は第１実施例と同
様である。

尚、本考案は、上記各実施例に限定されず、本
考案は、尿道に挿入して前立腺の切除を行うレゼ
クトスコープに限らず、このレゼクトスコープと
略同一の構成であり、子宮内腔、尿管内、腎孟内
等を切除する他の高周波内視鏡装置についても同
様に、ビークあるいはシース挿入部全体を透明セ
ラミツク等の透明な絶縁材料により形成すること
により、上記各実施例と同様な効果が得られる。

［考案の効果］以上説明したように本考案によれば、シースの
少なくとも先端部を透明な絶縁材料により形成
し、この透明なシースの先端部を通して広い視野
を観察可能にしたので、電極とスコープ先端部の
距離を十分に取れ、電気的安全性を高くでき、し
かも、スコープの広角化によつて観察範囲を広く
でき、例えば切除範囲の選定を確実に行うことが
できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の第１実施例に係
り、第１図はレゼクトスコープ装置の先端部の断
面図、第２図はレゼクトスコープ装置を尿道内に
挿入した際の鏡視下像を示す説明図、第３図はレ
ゼクトスコープ装置の側面図、第４図及び第５図
は本考案の第２実施例に係り、第４図はレゼクト
スコープ装置の挿入部分を示す側面図、第５図は
レゼクトスコープ装置の先端部の断面図、第６図
は従来のレゼクトスコープ装置の先端部の断面
図、第７図は従来のレゼクトスコープ装置を尿道
内に挿入した際の鏡視下像を示す説明図である。１……レゼクトスコープ装置、２……シース、
２ａ……シース挿入部、４……ハンドル、５……
スコープ、５ａ……挿入部、６……電極、７……
ビーク、２２ａ……切除部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

体腔内に挿入される細長で中空のシースと、こ
のシース内に挿通され、高周波を用いて体腔内の
組織を切除または凝固する電極と、前記電極を体
外から操作可能な操作部と、前記シース内に挿通
され、体腔内を観察可能な光学系を有する光学視
管とを備えた高周波内視鏡装置において、前記シ
ースの少なくとも先端部を、透明な絶縁材料によ
り形成したことを特徴とする高周波内視鏡装置。