JPH04253578A - 異種金属の接合方法 - Google Patents
異種金属の接合方法Info
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
ば溶接時の加熱により溶接部に脆化相を形成する2種の
異種金属の接合方法に関する。
種金属同士を溶接すると、接合部には溶接の際の加熱に
より金属間化合物が形成されて脆化相が形成されること
がある。したがって、満足な接合部強度を得ることがで
きない。
用する場合には、主としてボルト、ねじ、または嵌め合
わせ等による機械的接合によっていたが、信頼性、気密
性等に問題があった。
が、例えば摩擦圧接法はその適用が回転体同士に限られ
ていること、爆着法や熱間圧着法は設備、形状等に大き
な制約があること、さらに拡散接合法にも設備、能率面
で問題があることといった問題があり、それぞれ実用化
は容易ではなかった。
ついて、比較的簡便であって高能率な新たな方法が提案
されている。この方法は、略述すれば、2種の前記異種
金属と同じ2種類の金属材料からなるクラッド材を介し
て、異種金属同士を接合する方法である。例えば、雑誌
「軽金属」(vol.27(1989)No.10 、
鉄道車両のハイブリッド構体の構体結合構造) には、
ステンレス鋼板とAl板とを接合する場合に、図2(a
) および図2(b) に示すように、ステンレス鋼板
とAl板との間にステンレス鋼とAlとからなるクラッ
ド材を用い、ステンレス鋼板とクラッド材のステンレス
鋼板側とが、またAl板とクラッド材のAl板側とがそ
れぞれ接するようにして挟持して接合する方法である。 なお、図2(a) は接合手段としてアーク溶接を行っ
た場合を、図2(b) は接合手段としてスポット溶接
を行った場合をそれぞれ示す。
ド界面の接合強度が重要であり、それが不足していると
接合強度上問題であるが、爆着、圧延等の公知方法で製
造されたクラッド材のクラッド界面は、脆化層の厚さが
極めて薄いため、全体としての接合強度には問題がない
とされている。
、基本的には、クラッド材を用いる前記方法で接合が可
能であるが、溶接時の加熱で問題が生じることがある。
それぞれが厚い場合には問題はないが、薄い場合には溶
接時の加熱によりクラッド界面が脆化し易くなり、せっ
かくクラッド材を介して接合を行っても、クラッド界面
が低応力で破壊されてしまうことがあるからである。
合は、入熱量が大きいために、クラッド界面での破壊が
特に顕著であり、クラッド材の構成材の厚さの下限は、
2mm程度となる。これより小さな値の場合にはクラッ
ド界面で脆化・破壊してしまう。
行った場合は、入熱量が小さいために、クラッド界面で
破壊を生じる限度が若干改善されるものの、それでもク
ラッド材の構成材の厚さの限度は1.0 〜2.0 m
m程度であり、それ以下の薄いクラッド材を用いること
はできないのが現状である。
(アーク溶接、スポット溶接) には直接関係なく、
クラッド材の厚さが大きい場合は問題ないが、実際には
例えば自動車、家電製品等ではクラッド材の厚さを1m
m程度に小さくする必要があるものが多数あり、この場
合はクラッド材の構成材料の厚さがそれぞれ1mm以下
となり、従来は、高い信頼性の得られる接合方法がなか
った。
うな接合方法を求めて種々検討を重ねた結果、抵抗溶接
を行う際の通電時間を10ms以下と極めて短くすると
ともに、大電流を通電することにより、前記クラッド界
面を熱影響により全く劣化させずに抵抗溶接を行うこと
が可能であることを知見して、先に特願平2−2482
78号により提案した。
厚にもよるが、5サイクル (60サイクルが1秒)
程度であったが、これに比較して極めて短い時間で通電
することにより、前記問題を解決することができる。
結果、前述の提案によっても十分な接合部強度を得るこ
とができるが、この提案にかかる接合方法では、適正な
接合部強度が得られる接合条件の範囲が必ずしも広くな
く、接合条件の管理を十分に実施しないと所望の接合部
強度が得られないことになってしまうことを知見した。
同時に両材料 (例えば、ステンレス鋼−Al) を接
合することは事実上困難であり、ある通電時間で一つの
異種金属とクラッド材との接合を行ってから、再度通電
時間の設定変更を行って、もう一方の異種金属の接合を
行わなければならず、工数増を招くものであった。
、例えば溶接時の入熱により溶接部に脆化相を形成する
2種の異種金属を、確実にかつ低コストで接合する方法
を提供することにある。
を解決するために種々検討を重ねた。本発明者らの検討
によれば、前述の特願平2−248278号により提案
した接合方法において、適正な接合部強度が得られる接
合条件の範囲が狭い理由は、クラッド材を介して同種金
属同士を接触させて接合する際に、それぞれの同種金属
同士の接触部間で、接触抵抗 (電気抵抗) が異なる
ため、抵抗発熱量にも差異が存在して、両者を同時に満
足する接合条件を選定することが必ずしも容易でないこ
とにあると考えられた。
クラッド材とから構成される2つの接合界面のうちの少
なくとも一方に、接合される金属材料との間で、例えば
脆い化合物を形成しない組成を有し、前記金属材料より
融点が低い金属からなる金属薄材を挿入することにより
、2つの接合界面における電気抵抗値の差を小さくする
ことができ、その結果として、より確実に異種金属同士
を接合することができることを知見した。
48278号により提案した接合方法の適正な接合条件
の範囲がより広くなり、1回の溶接で2種の異種金属と
クラッド材との接合を一度に完了することができるとい
ったように、より簡便に前述の接合方法を実施すること
ができ、さらに接合される金属材料よりも金属薄材の融
点を低くすることにより、前記金属材料の表面の汚染層
と金属薄材の融液とが接合時に反応し、前記汚染層を除
去し、良好な接合が行えることも知見した。
らに検討を重ねた結果、本発明を完成した。
種の異種金属同士の間に、2種の前記異種金属と同じ2
種の金属からなるクラッド材を、それぞれ同じ種類の金
属が接するようにして挟持して抵抗溶接を行う異種金属
の接合方法において、前記異種金属とクラッド材とから
構成される少なくとも一方の界面にその界面を構成する
異種金属より融点が低い金属薄材を挿入するとともに、
前記抵抗溶接の際の通電時間は10ms以下として、前
記抵抗溶接を行うことを特徴とする異種金属の接合方法
である。
ット溶接、プロジェクション溶接、さらにはシーム溶接
等の重ね抵抗溶接を包含する。
お、本明細書においては、特にことわりがない限り「%
」は「重量%」を意味するものとする。
vol.27(1989) No.10 、鉄道車両の
ハイブリッド構体の構体結合構造) により公知とされ
ている技術、すなわち異種金属同士の間に、前記異種金
属と同じ金属からなるクラッド材を、該異種金属と同じ
金属が対向して接するようにして配置し、抵抗溶接する
技術において、2種の前記異種金属それぞれとクラッド
材とから構成される2つの接合界面の少なくとも一方に
、前記界面を構成する金属より融点が低い金属薄材を挿
入するとともに、抵抗溶接時の通電時間をある特定の範
囲に限定することを特徴とする発明である。
明する。一般的に、接合を行うためには、接合面となる
金属材料の表面に存在する汚染層 (酸化物と吸着物)
を除去して、金属原子面を露出させることが必要であ
る。 本発明において、通電を行う主たる目的は、この汚染層
を破壊するためであり、したがって通電時間はこの汚染
層を破壊することができる程度であればよい。また、熱
伝導により接合部の広い範囲を加熱する必要は全くなく
、通電時間が長過ぎると、クラッド材のクラッド界面に
熱影響を与え易くなり、むしろ有害である。上限値であ
る10ms以下の通電時間であれば、万が一クラッド界
面に熱影響を与えたときにも、前記クラッド界面には、
全く脆化層を生じない。そこで、本発明においては、抵
抗溶接時の通電時間は10ms以下と限定する。
値を上げて行う。
材料それぞれの厚さが1mm以下であるクラッド材に対
しても、もちろん適用できるものであり、50μm 程
度の箔のようなクラッド材に対してまでも適用すること
ができる。この場合、構成材料の厚さが小さくなればな
る程前述の通電時間を短くすることが望ましいが、この
ような場合に本発明の範囲の最大値である10msの通
電を行っても、特に問題は生じないことは言うまでもな
い。
の異なり、各材料毎の融点、通電時間や接合部の形状、
加圧力等により決定されるものであるので、特定の値の
範囲には限定されないが、要求する接合部強度が得られ
るように設定すればよく、通常のスポット溶接時の電流
値よりは大きい値とすることが適当である。
チリが飛散し、高品質の接合部は得られず接合強度が低
下するため、各材料毎に適宜通電時間に見合った適正な
電流値を選べば良い。例えば、ステンレス鋼板とAl板
との接合を本発明により行う場合、通電時間が1msの
ときには電流値は20〜60KA程度が好適である。
料それぞれの厚さが1mm超のクラッド材に対しても適
用することができることも言うまでもない。
Alとを例にとって説明してきたが、本発明にかかる方
法は溶接の際の加熱により溶接部に脆化相を形成する異
種金属の組合せ全てに対して適用することが可能である
。
材料 (純AlおよびAl合金を含む。以下同じ) 、
Ti系材料、Zr系材料、Ta系材料、Nb系材料との
接合、またはNi系材料 (純NiおよびNi基合金を
含む) と、Al系材料、Ti系材料、Zr系材料、T
a系材料、Nb系材料との接合等に対しても適用するこ
とが可能である。
ド等の公知方法により充分に高い強度で接合されている
クラッド材であればいずれでもよく、本発明では、用い
るクラッド材の製造方法は何ら限定を要するものではな
い。
種金属との接合界面の少なくとも一つに挿入する金属薄
材は、異種金属の融点、例えば図2に示すように異種金
属がステンレス鋼−Alの場合にAlとクラッド材のA
l面との間の金属薄材の融点は、近接する異種金属のA
lより低い。好ましくは、前記融点が50℃以上低い金
属薄材を使用する。異種金属より融点が低い金属薄材を
使用することによって、異種金属表面における汚染層と
薄材融液とが接合時に反応し、異種金属の表面の汚染層
を除去し良好な接合性が得られるが、異種金属の融点よ
り50℃未満の融点の材料ではその効果が小さいからで
ある。
融点よりも低融点とするために、前記金属薄材にSi、
B、Cu、P、Al等の融点降下元素を含有せしめる。 これらの融点降下元素のうち、例えば、Al系材料から
なる金属薄材にはSiを使用し、Ti系材料からなる金
属薄材にはAl、Cu等の融点降下元素が使用される。
しい。1μm 以上の厚さとすることによって、金属薄
材と異種金属との接触抵抗によるジュール発熱により完
全に溶融し、異種金属の表面の汚染層を破壊し、接合を
促進するからである。
成分と同一とすることが好ましいが、異った主成分を有
する金属薄材であってもよい。その場合には、異種金属
との間の接触抵抗値、異種金属同士の接触抵抗値以上と
なる金属薄材であって、かつ前記異種金属と溶融反応し
た時に脆い層を生成させないものであればよい。
る必要はないが、接合する異種金属の重量、経済性等を
勘案して適宜決定する。
明するが、これはあくまでも本発明の例示であって、こ
れにより本発明が限定されるものではない。
合計の厚さが0.8mm である、Fe (ステンレス
鋼) とAlとの圧延クラッド材1(Fe:0.4mm
厚、Al:0.4mm厚) を用い、図1に示すように
、板厚が0.8 mmのFe板2(ステンレス鋼)と、
板厚が0.8 mmのAl板3とを異種金属として、通
電時間を 1.3msまたは1.5mm として抵抗溶
接を行った。 なお、金属薄材4としては、Al−12%Si箔 (厚
さ:100μm)またはFe−3.5 %Si−2%B
箔 (厚さ:50 μm)を用い、これをAl同士が接
触する接合界面またはFe同士が接触する接合界面)
に挟んで接合した。接合は、Fe/FeとAl/Al
との接合を同時に行う方法 (一度の溶接で行う)と、
Fe/Fe を接合した後にAl/Al を接合する方
法 (2度の溶接で行う) との2つの方法を行って、
試料No.1ないし試料No.5を得た。
(厚さ100 μm)を用いて板厚が0.6mm の
Fe板 (ステンレス鋼) と板厚が1mmのTi板と
の接合、金属薄材としてZr−10Cu箔 (厚さ10
0 μm)を用いて板厚が0.6mm のNi板と板厚
が1mmのZr板との接合、さらには金属薄材としてP
b−5Sn箔 (厚さ150 μm)を用いて板厚が0
.8mm のFe板と板厚が0.8mm のAl板との
接合を、通電時間を1msまたは1.3ms として抵
抗溶接を行って、試料No.6ないし試料No.8を得
た。
は、本発明の比較例であって、これらの試料の接合に
際しては、金属薄材は使用していない。また、試料No
.9の接合時、通電時間は20msと本発明の範囲を大
幅に超えた条件であった。
して、FeとTiとを用いて、接合を行った。各試料に
ついて、接合後に、図3に示すように、十字引張試験を
行って、各試験片の破断位置により、接合部強度を評価
した。結果を表1に示す。
ン」と示されているのは、通常スポット溶接で強固な接
合が行われた際の十字引張試験で見られるものであって
、ナゲットの周辺から母材である異種金属にかけて破壊
が生じボタン穴のような形態となるものである。これに
対して、スポット溶接で十分な接合が行われなかったも
のでは、平坦で塑性変形の小さいフラットな破面となる
。
1のように、Al/Al 、Fe/Fe を同時に接
合しても良好な接合部強度が得られ、またFe/Fe
、Al/Al の順に2度に分けて接合する場合でも、
30〜50KAという広い範囲の電流値で接合が可能と
なることが、試料No. 2ないし試料No. 4から
わかる。また、試料No. 5から明らかなように、イ
ンサート材を両方の接合界面にいれても良好な接合が1
回の接合で得られる。試料No. 6ないし試料No.
8から明らかなように、Fe−Al以外であっても本
発明は適用することができたことがわかる。
金属と異なる塑性の金属材料であっても本発明は適用す
ることができる。試料No. 9では、特に通電時間が
長過ぎるために、クラッド材の界面で脆化が生じてしま
った。試料No.10 ないし試料No.12 は、金
属薄材を用いていないため、接合部を得られる接合条件
の範囲が狭く、1回の接合では強固な接合が得られなか
った。試料No.13 は、FeとTiを用いて接合を
行った例であるが、金属薄材を用いていないため、所望
の接合部強度が得られていない。
定的かつ確実に異種金属同士を接合することができる。 かかる効果を有する本発明の意義は極めて著しい。
説明図である。
示す略式説明図であり、図2(a) は接合手段として
アーク溶接を、図2(b) は接合手段としてスポット
溶接をそれぞれ行った状況を示す略式説明図である。
の内容を示す略式説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 2種の異種金属同士の間に、2種の前
記異種金属と同じ2種の金属からなるクラッド材を、そ
れぞれ同じ種類の金属が接するようにして挟持して抵抗
溶接を行う異種金属の接合方法において、前記異種金属
とクラッド材とから構成される少なくとも一方の界面に
該界面を構成する異種金属より融点が低い金属薄材を挿
入するとともに、前記抵抗溶接の際の通電時間は10m
s以下として、前記抵抗溶接を行うことを特徴とする異
種金属の接合方法。
Priority Applications (1)
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JPH04253578A true JPH04253578A (ja) | 1992-09-09 |
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