JPH04226342A - 耐熱難燃性膜体 - Google Patents

耐熱難燃性膜体

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JPH04226342A
JPH04226342A JP12035891A JP12035891A JPH04226342A JP H04226342 A JPH04226342 A JP H04226342A JP 12035891 A JP12035891 A JP 12035891A JP 12035891 A JP12035891 A JP 12035891A JP H04226342 A JPH04226342 A JP H04226342A
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Hidemoto Hiraoka
平岡 秀元
Tsutomu Obayashi
大林 勉
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱難燃性膜体に関する
ものであり、更に詳しく述べるならば、耐熱難燃性にす
ぐれ、かつ、縫製性および耐屈曲性にすぐれた繊維膜体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、建築材料、内装材等の素材、車両
、船舶、航空機等の各種用品、電気器具等に使用される
合成樹脂の不燃化、難燃化が強く要望されており法令に
よる使用規制も強化されている。
【0003】その対策の1つとして、例えば特公昭55
−25055号公報には、ガラス繊維クロスの表面上に
クロルスルフォン化ポリエチレンを主剤とする被膜層を
形成した不燃性膜体が開示されている。しかし、クロル
スルフォン化ポリエチレンが高価であるため、この不燃
性膜体は実用化されていない。近年耐熱難燃化被膜主剤
としてシリコーン樹脂、又は弗素樹脂を用いたものが種
々開発されているが何れも、前記クロルスルフォン化ポ
リエチレンにくらべて更に高価であり、その上シリコー
ン樹脂は架橋、被膜形成に長時間を要し、弗素樹脂は作
業性が悪く実用的な加工材料としては使用に難がある。 上記の理由により耐熱難燃化被膜主剤としては、樹脂自
体が難燃性であり、かつ汎用性のあるポリ塩化ビニル樹
脂を使用することが好ましい。
【0004】被覆材料として最も一般的なポリ塩化ビニ
ル樹脂については、燃焼時多量の発煙を伴って火災現場
に居合せた人及び消防活動者を呼吸困難にさせ死傷者を
出すことがあるなどの問題があり、このためポリ塩化ビ
ニル樹脂の不燃化を一層高め、さらに、燃焼時の発煙を
可及的減少せしめることが課題となっている。
【0005】特公昭55−4582号公報には、塩化ビ
ニル樹脂にホウ酸塩、亜鉛化合物又は鉄化合物の1種又
は2種以上と、水酸化アルミニウム及び又は硫酸バリウ
ムを加えてなる組成物を不燃性基布上に均一に被覆して
なる不燃性膜体を開示している。この膜体は火炎が近づ
いても殆んど燃焼することがなく、また、たとえ着火し
た場合にも殆んど発煙せず、さらに、所望の防水性及び
強度を備えたシート状物として広範な用途に供しうるも
のである。
【0006】しかし、この膜体は、基布として不燃性ガ
ラス繊維布帛を用いているため、その不燃性はすぐれて
いるが、その重量(目付)は大きくて使用や取扱いに不
便があり、また縫製しにくく、また耐屈曲性が低いため
、使用間に折損しやすく、ミシン目から裂けやすいなど
の問題があった。
【0007】従って、実用上十分な耐熱難燃性を保持し
、かつ、はげしい振動、はためき、或は繰り返えし屈曲
に十分耐え、縫製容易でミシン目からの裂断のない耐熱
難燃性膜体の出現が強く望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は満足すべき耐
熱難燃性を有し、しかも縫製しやすく、耐屈曲性が良好
で、かつ、ミシン目からの裂断の生じにくい耐熱難燃性
膜体を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の耐熱難燃性膜体
は、無機繊維と、有機繊維とを含んでなる基布と、この
基布の少くとも1面上に形成され、かつ、塩化ビニル樹
脂とを含んでなる耐熱難燃被覆層とを有し、前記基布中
の無機繊維の有機繊維に対する混用重量比が、10:9
0〜99.5:0.5の範囲内にあることを特徴とする
ものである。
【0010】
【作用】本発明の耐熱難燃性膜体の基布に用いられる無
機繊維は、石綿繊維、セラミック繊維、シリカ繊維、ガ
ラス繊維、カーボン繊維および金属繊維から選ぶことが
できる。
【0011】また基布に用いられる有機繊維は、天然繊
維、例えば、木綿、麻など、再生繊維、例えば、ビスコ
ースレーヨン、キュプラなど、半合成繊維、例えば、ジ
−およびトリ−アセテート繊維など、及び合成繊維、例
えば、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル(ポリ
エチレンテレフタレート等)繊維、芳香族ポリアミド繊
維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリオレフィ
ン繊維および不溶化又は難溶化されたポリビニルアルコ
ール繊維など、から選ぶことができる。
【0012】基布中の繊維は通常の糸条、例えば短繊維
紡績糸条、長繊維糸条、スプリットヤーン、テープヤー
ンおよびバルキーヤーンなどのいずれの形状のものでも
よく、また基布は織物、編物又は不織布或いはこれらの
複合布のいずれであってもよい。しかし、縫製部分の強
度や耐屈曲性を考慮すれば、基布としては織物又は編物
が好ましく、織物がより好ましい。また、繊維の形態と
しては、ストレスに対する伸びが少ない長繊維(フィラ
メント)の形状のものが好ましく、且つ平織布を形成し
ていることが好ましい。しかし、編織組織やその形態に
ついては特に限定はない。有機繊維は、得られる耐熱難
燃性膜体の機械的強度を高いレベルに維持するために有
用である。
【0013】また有機糸条の破断伸度は10%以下、好
ましくは7%以下、5〜0.5%程度のものが無機繊維
の伸度性能とバランスして破断強力利用率を向上させ破
断強力を高めるために更に好ましい。
【0014】ガラス繊維が用いられる場合、その種類や
太さなどに格別の限定はないが、一般に、太さ約2〜1
0μm、特に3μm程度のベーターヤーンと称されてい
るものが賞用されている。
【0015】基布中における無機繊維と有機繊維との混
用形態に格別の限定はなく、混紡糸、混交織編物、混交
撚糸、混交バルキーヤーン或いは異種繊維糸条の引揃え
糸などのいづれであってもよく、或いは無機繊維と有機
繊維とをそれぞれ別々に織成もしくは編成等した後にそ
れらをいっしょに用いて基布としてもよい。
【0016】本発明の耐熱難燃性膜体において、基布に
含まれる有機繊維が 300℃以上の融点、又は、加熱
分解点を有する耐熱性有機合成繊維を含むことが好まし
い。 このような高融点、又は高分解点繊維を形成するポリマ
ーとしては表1〜5に示すようなものがある。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0017】表1〜5に示された耐熱性ポリマーのうち
では、特にポリメタフェニレンイソフタルアミド及びポ
リパラフェニレンテレフタルアミドが一般的であり、前
記以外のパラ系アラミド繊維として帝人(株)の「HM
−50 」等も使用できる。
【0018】かかる繊維に有用な芳香族ポリアミドは、
また、少なくとも50モル%の下記式(I)及び(II
):
【化1】 で示される単位から選ばれる少くとも1種を主反復単位
として有するものであるのが好ましい。
【0019】上記式(I)及び(II)において、 A
r1及びAr2で表わされる二価の芳香族基は、下記式
【化2】 で示される芳香族残基群から選ばれるのが好ましい。こ
れらの芳香族残基ハロゲン、アルキル基、ニトロ基など
の不活性置換基を含んでいてもよい。
【0020】一般に、芳香族ポリアミドとしては、下記
式:
【化3】 で示される反復単位を主成分として有するものが更に好
ましい。これらの耐熱性有機合成繊維の破断伸度は一般
に10%以下であり、しかも高強度を示すので耐熱性の
面からのみならず膜体の強力利用率の向上の面からも高
強力膜体を得るために極めて好ましいものである。
【0021】耐熱性有機合成繊維としては、以上のもの
のほか、融点又は分解点が 300℃以上のものであれ
ば、弗素系繊維やその他の繊維を用いることもできる。
【0022】本発明の基布中の無機繊維の有機繊維に対
する混用重量比は、10:90〜99.5:0.5の範
囲内にある。無機繊維の含有率が、10重量%未満にな
ると、得られる膜体の難燃性が不十分となり、有機繊維
の含有率が0.5重量%未満になると、得られる膜体の
屈曲強度が不十分となる。また、有機繊維中には、少く
とも25重量%の前記耐熱性有機合成繊維が含まれるこ
とが好ましく、その含有率が30〜 100重量%であ
ることがより好ましく、50〜100 重量%であるこ
とが更に一層好ましい。
【0023】また、基布と耐熱難燃被覆層との接着性そ
の他の性能を助長するために、有機繊維中に 300℃
よりも低い融点又は分解点を有する低耐熱性繊維を含ん
でいてもよい。この場合、混用される低耐熱性繊維に格
別の限定はない。しかし、混用される低耐熱性繊維の混
用率が、基布内繊維の合計重量に対し70%以下である
ことが好ましく、50%以下であることが更に好ましい
【0024】無機繊維と有機繊維の混合比が99.5:
0.5〜70:30の範囲内にあるとき、得られる膜体
の難燃性が顕著にすぐれている。有機繊維は耐熱性有機
合成繊維から選ばれることが好ましいが、しかしこれに
限定されるものではない。無機繊維と有機繊維との混合
重量比が70:30〜10:90の範囲にあるとき、得
られる膜体の難燃性は良好であり、上記重量比が50:
50〜10:90の範囲では、有機繊維の混用比が高く
なった場合、有機繊維として耐熱性有機合成繊維を用い
、その使用量の比率を増大させることが好ましく、無機
繊維の有機繊維に対する混用率が20:80よりも小さ
い場合、有機繊維の 100%が耐熱有機合成繊維であ
ることがより好ましい。耐熱難燃被覆層は後に述べる配
合剤をポリ塩化ビニル樹脂に配合してもよい。
【0025】本発明において、耐熱難燃被覆層を形成す
るために用いられるポリ塩化ビニル樹脂は、例えば、塩
化ビニル単独重合体、および、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル
−エチレン−酢酸ビニル共重合体に塩化ビニルをグラフ
ト重合した共重合体などの塩化ビニル共重合体が挙げら
れる。
【0026】本発明に適用される塩化ビニル樹脂には、
例えばホウ酸塩、亜鉛化合物等の減煙剤、及び水酸化ア
ルミニウム、三(五)酸化アンチモン、硫酸バリウムな
どの従来公知の難燃剤のほか、通常使用される可塑剤(
特に難燃性可塑剤)、安定剤、防炎剤、充填剤、顔料そ
の他の添加物を添加してもよい。
【0027】減煙剤に使用されるホウ酸塩では、ホウ酸
カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸バリウム等が
、また、亜鉛化合物では酸化亜鉛、炭酸亜鉛等が、さら
に、鉄化合物では、シュウ酸第1鉄、フマール酸第1鉄
、黒色酸化鉄等が適当である。
【0028】また、可塑剤としては、ジオクチルフタレ
ート、ジイソデシルフタレート、ジブチルフタレート等
のフタール酸エステル類、ジオクチルアジペート、ジオ
クチルセバケート等の脂肪族2塩基酸エステル類からな
る難燃性可塑剤、又はエポキシ化大豆油、エポキシ化ア
マニ油等のエポキシ可塑剤等が用いられる。
【0029】また、防炎剤には、塩化パラフィン、脂肪
族、環状脂肪族又は芳香族系のハロゲン化合物類、トリ
クレジルホスフェート、トリス−2,3−ジブロムプロ
ピルホスフェート、トリス−2,3−ジクロルプロピル
ホスフェート等が用いられ、充填剤には、炭酸カルシウ
ム、シリカ、珪酸アルミニウム等が適当である。
【0030】基布に施工される塩化ビニル樹脂組成物は
、ペースト、フィルム等として用いられることが好まし
く、ペーストは樹脂組成物を不燃性有機溶剤を用いて希
釈しこれを基布に含浸し、或は、ナイフコーティング、
ロールコーティング等を用いて塗布し、また、フィルム
は主としてカレンダー機を用いて基布に貼着する。 通常ペーストを基布に含浸、又は塗布固着せしめたのち
、この基布の片面又は両面にフィルムを貼着し、基布に
施工される樹脂全量を 100〜300g/m2 に規
制することが好ましい。
【0031】ペーストは均一に基布に含浸、塗布され、
糸条中に十分に浸透せしめたのち約100℃〜 150
℃で約1〜5分間乾燥させ、さらに、 150℃〜 2
00℃の高温雰囲気中で熱処理してゲル化せしめられる
【0032】また、通常基布片面又は両面に、同一の樹
脂組成物フィルムを貼着する。フィルムは0.04〜0
.20mm程度の均厚のもので、カレンダー機を用いて
加熱加圧して基布に貼着せしめられる。基布全体に固着
される樹脂組成物重量は 100〜 300g/m2 
の範囲にあることが好ましい。 100g/m2 未満
では、基布を完全に被覆することが難しく、また、 3
00g/m2 を超えると、基布に対する樹脂分が過剰
となってかえって、燃焼時発煙及び発熱量の増大を招く
危険がある。
【0033】このようにして得られた耐熱難燃性膜体は
、燃焼時の発煙、発熱量が低く、JIS−A−1321
(1975)に規定されている「建築物の内装材料及び
工法の難燃性試験法」における表面試験で発煙係数が 
120以下であり、60以下、又は30以下のものもあ
る。また、基布を連続フィルムをもって均一に被覆する
ので、少なくとも1500mm水柱の水圧に耐えられ、
また適度の強度を有して良好な耐熱難燃性膜体が得られ
る。
【0034】本発明に係る膜体の防炎性判定、防水性試
験は下記により行なわれる。イ)防炎性判定JIS−A
−1321(1975)に示す難燃性試験法に基づいて
基材試験及び表面試験を行う。(建築基準法施行令、準
不燃、難燃、表面試験、建設省公告3415号)。表面
試験における試験体に溶融、亀裂がなく、変形、有毒ガ
スの発生がなく、残炎時間が30秒未満で、排気温度曲
線が標準温度曲線を超えず、単位面積当りの発煙係数(
CA)で判定した。
【0035】ロ)防水性JIS−L−1079化学繊維
織物試験方法の5.24.1.A法を用い試験片の裏側
の3ケ所から水滴が出たときの水位(mm)を測定した
【0036】耐熱難燃被覆層は、上記のようなポリ塩化
ビニル樹脂を主成分として形成されるが、チタン酸アル
カリを除く耐熱無機添加剤をポリ塩化ビニル樹脂の重量
に対し好ましくは1〜 300%、より好ましくは10
〜250 %の添加量で含んでいることが好ましい。無
機添加剤としては、無機減煙剤、無機難燃剤、シリカ系
添加剤、石綿繊維、雲母、および、高屈折率無機化合物
、或は、吸熱型無機化合物などから選ぶことができる。
【0037】上記無機添加剤はポリ塩化ビニル層の補強
作用を果たすもので、例えば、酸化チタン、マイカ、ア
ルミナ、タルク、ガラス繊維粉末、岩綿微細繊維、シリ
カ粉末、クレイ等の各種無機物を含んでいてもよい。得
られるシートに表面平滑性を具備せしめたい場合には、
シートの表面平滑性を損うことのないように、無機添加
剤として、一般に50μm以下の微粉末状のものを使用
するのが好ましい。
【0038】更に、本発明の耐熱難燃被覆層には上記の
ように高屈折率無機化合物又は吸熱型無機化合物が含ま
れていてもよい。高屈折率無機化合物は輻射熱に対する
遮断性能に優れ、また吸熱型無機化合物は溶接又は溶断
時のスラグと直接接触した場合、この接触面において加
熱され、その分解時に吸熱反応が起こり、スラグの温度
を低下させる。従って上記の無機化合物は、本発明の被
覆層の崩壊や貫通破壊をおさえ、更には膜体基材を保護
することが出来るものである。
【0039】本発明に有用な高屈折率無機化合物は屈折
率1.5以上のものであれば良いが、特に比重2.8以
上のものが好適であり、その例としては、下記のような
ものがある。 等の天然又は合成鉱物の破砕品の粉末。2)フリット又
は高屈折ガラスもしくは燐鉱石と蛇鉱石との固溶体とし
て得られる熔成燐肥その他の類似の固溶体の微細粉末も
しくは粒状物、繊維状物質又は発泡体など。
【0040】また吸熱型無機化合物としては、焼石膏、
明ばん、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ハイド
ロサルサイト系ケイ酸アルミニウム等、結晶水放出型、
炭酸ガス放出型、分解吸熱型及び相転換型等の吸熱型無
機化合物を例示することができる。
【0041】本発明において、シリカ系添加剤、石綿繊
維、雲母、高屈折率無機化合物、及び/又は吸熱型無機
化合物をポリ塩化ビニル樹脂中に混合分散せしめると、
本発明に係る膜体構造用の好ましい被覆用混合物が得ら
れる。混合分散の調製方法としては、公知の手段がすべ
て利用されうる。この他、上記被覆用混合物中には、各
成分を均質に分散させるための分散剤や脱泡剤、色や機
械強度等を調整するための着色剤、樹脂粉末、難燃剤、
金属粉、その他各種充填剤を自由に混入し得る。尚、銅
粉、ニッケル粉、黄銅粉、アルミニウム粉等の金属粉の
混入は、表面熱反射効果、貫通抑制効果の向上の点から
好ましい。
【0042】基布の表面を、耐熱難燃被覆層で被覆する
方法としては、基布の表面に被覆用混合物をスプレー塗
装、刷毛塗り、ロールコート等の塗工による方法、或は
被覆用混合物を成型加工したフィルムを基布の表面に貼
着する方法又は基布を被覆用混合物中に浸漬し含浸加工
する方法がある。また、これらの方法の二以上を併用し
てもよい。
【0043】ポリ塩化ビニル樹脂と高屈折率無機化合物
、無機減煙剤、無機難燃剤、シリカ系添加剤、石綿繊維
、雲母、及び/又は吸熱型無機化合物等との配合割合は
、使用するポリ塩化ビニル樹脂及び無機化合物の種類及
び粒度により異なるが、一般に高屈折率無機化合物およ
び/又は吸熱型無機化合物の含有率が高くなると、得ら
れる被覆層の耐熱難燃性が向上する。しかしポリ塩化ビ
ニル樹脂の含有率が少なすぎると、被覆層の強度が不足
する結果、耐熱難燃性膜体として用いたとき被覆層に亀
裂を生じたり又は被覆層が基布から剥離したりする等の
欠点が生ずる。
【0044】従って、本発明ではポリ塩化ビニル樹脂 
100重量部(以下重量部を部と略す。)に対して耐熱
無機添加剤を配合する場合は 400部を限度に配合で
きるが、普通1〜 300部の範囲が好ましい。尚、こ
れら耐熱無機添加剤の一部又は全量を一般に常用されて
いる無機質顔料、無機質の増量用充填剤、難燃性を付与
する無機粉末等にかえることが出来るが、その使用量は
ポリ塩化ビニル樹脂 100部に対し 400部以下で
あることが好ましく、より好ましくは 300部以下で
ある。
【0045】本発明の効果をより優れたものにするため
難燃剤を併用してもよい。ここで使用される難燃剤につ
いては特に限定されるものではないが、例えば、リン酸
エステル型、有機ハロゲン化合物型、ホスファゼン化合
物型などの有機難燃剤、焼石膏、明ばん、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト系ケイ酸
アルミニウムなどの結晶水放出型、炭酸ガス放出型、分
解吸熱型および相転換型などの無機化合物からなる吸熱
分解型無機化合物やアンチモン化合物(三(五)酸化ア
ンチモン)等の無機難燃剤等がある。
【0046】基布と被覆層との接着及び耐久性を向上さ
せる目的で、両者間に接着性物質を介在させてもよい。 この場合、接着力の向上を図る以上に特に厚く介在させ
る必要はない。接着性物質は被膜形成のために用いられ
るのではなく、従って接着剤として公知の物質を用いる
ことができる。例えば、アミノ基、イミノ基、エチレン
イミン残基、アルキレンジアミン残基を含むアクリレー
ト、アジリジニル基を含有するアクリレート、アミノエ
ステル変性ビニル重合体−芳香族エポキシ接着剤、アミ
ノ窒素含有メタクリレート重合体、その他の接着剤を併
用してもよい。またポリアミドイミド、ポリイミド等の
繊維基布を構成する樹脂と同質の樹脂やRFL変性物質
等を任意に選択することもできる。
【0047】被覆層の重量や厚さには格別の限定はない
が、一般に10〜1000g/m2 、好ましくは50
〜 300g/m2 の重量が好ましい。
【0048】本発明の耐熱難燃性膜体において、耐熱難
燃被覆層は片面のみに形成されてもよいが、基布の耐候
性の低さ等を補填するために両面に形成されてもよく、
使用状況によっては両面形成が必須の条件になることも
ある。また、他の片面には、膜体に要求される性能によ
り、天然ゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、シ
リコーンゴム、弗素ゴム、ハイパロンその他の合成ゴム
、又はエチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA) 樹
脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、弗素樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂その他の合成樹脂を用いるこ
ともできる。この場合、これらの樹脂は難燃化されてい
る必要がある。
【0049】本発明の耐熱難燃性膜体は、テープ状、又
は短冊状に形成されてもよいし、或は、広巾の膜体をテ
ープ状、または短冊状に切断してもよい。また、本発明
の耐熱難燃性膜体は、他の材料、例えば発泡体、マット
或はネットなどと組合せて用いられてもよい。本発明の
耐熱難燃性膜体は、保護すべき材料、例えば、電線など
に被覆又は巻きつけられてもよい。
【0050】
【実施例】本発明の耐熱難燃性膜体を実施例により更に
説明する。
【0051】実施例1〜5および比較例1〜2比較例に
おいては、下記組織の布帛を基布として用いた。比較例
1の布帛 布帛A:ガラス繊維使用  トルコ朱子織:DE150
1/2 3.3S              54本
/25.4mm×51本/25.4mm比較例2の布帛 布帛B:ポリエステル紡績糸平織物
【0052】実施例1の布帛(布帛1):布帛Aのガラ
ス繊維布帛において、25.4mmに1本の割合でガラ
ス繊維糸をポリエステルフィラメント 1000d/1
48fの糸条により代替した。実施例2の布帛(布帛2
):布帛Aの組織をガラス繊維糸条10本、ポリエステ
ル糸条1本の順に並べて布帛とした。実施例3の布帛(
布帛3): 布帛Aの組織において、ガラス繊維糸条2本/ポリエス
テル糸条1本/ガラス繊維糸条2本/芳香族ポリアミド
繊維(ケブラー)糸条(1000d/148f) 1本
の順に並べて布帛とした。
【0053】実施例4の布帛(布帛4):布帛Aの組織
においてガラス繊維糸条と、ケブラー糸条とを交互に並
べて構成した。実施例5の布帛(布帛5): 布帛Aの組織においてガラス繊維糸条2本、ケブラー糸
条8本の順に並べて構成した。
【0054】以上の各基布を下記の樹脂組成物で処理し
た。
【0055】上記樹脂組成物のペーストをトリクレンで
希釈し、この希釈液を浸漬法により基布に含浸し、しぼ
り、 150℃で2分間乾燥して希釈剤を飛散せしめた
のち、 185℃で1分間熱処理し、基布に対し樹脂を
70g/m2 の割合に固着せしめた。次に、ストレー
トPVCを用い、上記と同じ樹脂組成物からなるフィル
ムをカレンダーで作成し、これをPVC樹脂含浸固着基
布の片面に貼着し、基布に保持され全樹脂量を 200
g/m2 とした。得られた各種膜体の性能を評価した
結果を表6に示す。
【0056】
【表6】 表6の註: *1−判定基準:   *2−耐折強さ:JIS−P−8115(1976
)、「紙および板紙のMIT型試験器による耐折強さ試
験方法」に準拠した。*3−殆んど無限大
【0057】*4−縫製結合部の引張強度保存率:シン
ガー112W−115工業用ミシン(2本針、本縫糸送
り、テント用)を用い、縫糸としてノーメックスマルチ
フィラメント糸(500d)を使用し、本縫、直線2本
縫いにより、第2表記載の運針数で縫製し、その縫製結
合部を観察し、かつ、その引張強度を測定し、未縫製部
の強力に比較してその保存率を算出した。
【0058】*5−縫製中に結合部が裂断した。 *6−耐熱性:特開昭58−130183号に記載され
ている耐火断熱試験に準拠し次の基準で評価した。
【0059】評価基準 耐火断熱性能の評価は以下の5種に級別した。 A種:厚さ9mmの火花発生用鋼板を溶断する時、発生
する火花に対し発炎及び防火上有害な貫通孔がないこと
。 B種:厚さ4.5mmの火花発生用鋼板を溶断する時、
発生する火花に対し発炎及び防火上有害な貫通孔がない
こと。 C種:厚さ3.2mmの火花発生用鋼板を溶断する時、
発生する火花に対し発炎及び防火上有害な貫通孔がない
こと。 D種:厚さ3.2mmの火花発生用鋼板を溶断する時、
防火上有害な貫通孔が発生。 E種:厚さ3.2mmの火花発生用鋼板を溶断する時、
発炎。(市販アスベスト紙(3A級)は、E種であった
。)
【0060】表6に明示されているように従来の有機繊
維 100%の場合(比較例1)は、耐熱難燃被膜層を
形成してもその防炎性は不十分であり不合格である。ガ
ラス繊維100%の場合は、不燃性であるが折り曲げや
縫製結合部の引張強度保存率が低い。有機繊維を併用す
ると耐折り曲げ性が向上し、また縫製結合部の引張強度
保存率も向上する。通常膜体は縫製されて使用に供され
るものなので、この特性は極めて好ましく、実用的価値
のあるものとなる。
【0061】また、表6が明らかに示すように、比較例
1の従来の不燃性膜体は耐折強さが低く、折り曲げのは
げしい用途、振動やはためきなどをはげしく受ける用途
には適していない。しかも、その縫製性も低く、縫製結
合部の引張強度を大きくするために運針数を約25ピッ
チ/10cmより大きくすると、結合部の引張強度が低
下し、やがてミシン針により裂断されてしまう。
【0062】しかし、本発明の耐熱難燃性膜体(実施例
1〜5)は、良好な難燃、不燃性、耐折強さおよび縫製
性、縫製結合部の引張強度保存率を示した。
【0063】
【発明の効果】本発明に係る耐熱難燃性膜体は、良好な
耐熱難燃性を示し、しかも、軽量で強靱であって、耐繰
り返えし折り曲げ性や、縫製性、特に縫合部のミシン目
の裂断防止においてもすぐれている。このため、本発明
の耐熱難燃性膜体は、耐火服、火災が予想される体育館
、倉庫、マーケット、遊技場、工場、駐車場、各種宿泊
施設等の建築材料、内装材料に、さらに、テント、日除
け、ブラインド、シート類、間仕切等の素材その他の折
り曲げ、振動、はためきなどをはげしく受ける用途に適
している。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  無機繊維と、有機繊維とを含んでなる
    基布と、この基布の少なくとも1面上に形成され、かつ
    ポリ塩化ビニル樹脂とを含んでなる耐熱難燃被覆層とを
    有し、前記基布中の無機繊維の有機繊維に対する混用重
    量比が10:90〜99.5:0.5の範囲内にある、
    ことを特徴とする耐熱難燃性膜体。
  2. 【請求項2】  前記無機繊維が石綿繊維、セラミック
    繊維、シリカ繊維、ガラス繊維、カーボン繊維および金
    属繊維から選ばれる、請求項1に記載の膜体。
  3. 【請求項3】  前記有機繊維が 300℃以上の融点
    、又は、加熱分解点を有する耐熱性有機合成繊維を含む
    、請求項1に記載の膜体。
  4. 【請求項4】  前記有機繊維が少なくとも25重量%
    の前記耐熱性有機合成繊維を含む、請求項3に記載の膜
    体。
  5. 【請求項5】  前記耐熱難燃被覆層が、更に、チタン
    酸アルカリを除く耐熱無機添加剤を含む、請求項1に記
    載の膜体。
  6. 【請求項6】  前記耐熱難燃被覆層中の、耐熱性無機
    添加剤を更に含み、無機減煙剤、無機難燃剤が、シリカ
    系添加剤、石綿繊維、雲母、硫酸バリウム高屈折率無機
    化合物および吸熱型無機化合物から選ばれる、請求項5
    に記載の膜体。
  7. 【請求項7】  前記耐熱無機添加剤の含有率が、ポリ
    塩化ビニル樹脂の重量に対し1〜 300%の範囲内に
    ある、請求項5に記載の膜体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5580648A (en) * 1992-12-01 1996-12-03 Avco Corporation Reinforcement system for mastic intumescent fire protection coatings
CN102501410A (zh) * 2011-10-21 2012-06-20 浙江师范大学 一种高强度阻燃抗静电管道的制备方法

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JPS4833160A (ja) * 1971-09-02 1973-05-08
JPS5777336A (en) * 1980-10-27 1982-05-14 Hitachi Ltd Composite fiber product

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