JPH0420895Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は良好な断熱効果と水密効果を得るこ
とができるカーテンウオールに関するものであ
る。

〔従来技術〕

建物の方立の室外側部分の外気に晒される室内
側部分は室内の空気に触れるため、室内の温かい
空気の熱が方立を伝わつて室外へ逃げ、室内の空
気が冷えてしまうことがあつた。また室外の空気
によつて冷えた方立に室内側の空気が触れて結露
水が生じ、室内側が汚れることがあつた。

このような問題を解決するために、実公昭58−
41348号公報に記載されたような考案が開示され
ている。この考案は方立の室外側に断熱材を介し
てカバー材を取り付けたもので、方立の左右のパ
ネル材は方立の室外側左右に張出したフランジと
の間に介在させたシール材によつて押さえるもの
である。

〔この考案が解決すべき問題点〕

上記のような考案の問題点は、フランジとパネ
ル間に介在させたシール材によつてパネルの支持
と、パネルとフランジ間の水密を負担させるので
あるが、パネルを支持するにはシール材はある程
度硬質でなくてはならず、パネルの変形や施工誤
差にシール材を追随していけないためパネルとの
間に隙間が生じ、水密効果が充分に得られないこ
とがある。

この考案は断熱効果とともに、良好な水密効果
を得ることができるカーテンウオールを提供する
ことを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案にかかるカーテンウオールは、方立の
室外側端部の左右に張出す両側フランジには室内
側に向かつて突出する硬質シール材を突設し、こ
の硬質シール材先端によつてパネル体を押させ、
前記方立の室外側端部の両側フランジに断熱材を
介してカバー材を取り付けてある。このカバー材
によつて方立の室外側端部を覆い、カバー材の左
右先端に取り付けた軟質シール材をパネル体の室
外側面に当接させてあるものである。

〔実施例〕

以下、図に示す一実施例に基づきこの考案を詳
細に説明する。

第３図において１は方立であつて、左右に適宜
間隔離れて複数本が建物躯体に固定されている。
各方立１，１間には上下に適宜間隔離れて横材２
が掛け渡されている。この方立１，１、横材２，
２に囲まれた開口にパネル体３が取り付けられて
いる。

方立１は室内側に上下方向に連続する方形状の
中空部４と、中空部４の室外側面の左右中間部に
上下方向に連続する基片５と、基片５の室外側端
から左右に張出す両側フランジ６，６からなつて
いる。中空部４の室外側面には左右端に上下方向
に連続するリツプ溝７が各々形成され、気密材８
が取り付けられている。基片５の左右側面には
各々室内外に離隔して上下方向に連続する突条９
と係止条１０が形成されている。両側フランジ
６，６には上下に適宜間隔離れて複数個の連通孔
１１が穿設されている。両側フランジ６，６の先
端には各々リツプ溝１２が形成され、硬質塩化ビ
ニールよりなる硬質シール材１３が上下方向に連
続して取り付けられている。

方立１の基片５の左右側面には突条９と係止条
１０間に一部が係止されてアタツチメント１４が
各々取り付けられている。アタツチメント１４の
室内側端は、中空部４室外側面の気密材８に当接
している。アタツチメント１４の室内側端の中空
部１４ａとフランジ先端に取り付けられた硬質シ
ール材１３間に複層ガラスであるパネル体３が挟
持されている。

方立１の室外側端の両側フランジ６，６の室外
側面には、合成樹脂製の断熱材１５と左右端に係
止片１６，１６を有する取付部材１７がビス１
８，１８によつて固定されている。

１９はカバー材であつて、基壁２０の室内側面
に左右に適宜間隔離隔して上下方に連続する係止
片２１，２１が突設されている。基壁２０の左右
端からは室内方向に向かつて側壁２２，２２が形
成されており、側壁２２には上下に適宜間隔離れ
て外気導入孔２３が複数形成されている。側壁２
２の先端には各々係止溝２４が形成され、軟質塩
化ビニールよりなる軟質シール材２５が取り付け
られ、パネル体３の室外側面に当接している。

第２図に示すのは横材２の断面図であり、横材
２上にパネル体３が載置されている。横材２の室
外側端の上方へ立ち上がるフランジ２６の先端に
は硬質シール材１３が室内側へ向かつて突出して
おり、パネル体３を支持している。フランジ２６
には左右に適宜間隔離れて複数の排水孔２６ａが
複数穿設されている。横材２の室外側端にビス２
７によつて取り付けられたアタツチメント２８の
下端には硬質シール材１３が取り付けられ、先端
が下方のパネル体３の室外側面に当接している。

フランジ２６とアタツチメント２８の室外側面
にはビス２９，２９によつて断熱材１５と取付部
材１７が固定され、取付部材１７にはカバー材３
０が取り付けられている。カバー材３０は基壁３
１と上下壁３２，３２よりなつており、上下壁３
２，３３の先端に取り付けられた軟質シール材２
５，２５が上下のパネル体３，３に当接してい
る。下壁３３には左右に適宜間隔離れて複数の排
水孔３４が穿設されている。

〔作用〕

方立１や横材２はカバー材１９，３０によつて
覆われているため、方立１、横材２が外気に晒さ
れず、冷えることがない。従つて放熱が妨げられ
るとともに、方立１や横材２の室外側部分に結露
が生じることがない。またカバー材１９，３０は
断熱材１５を介して方立１や横材２に固定されて
いるため、カバー材１９，３０に熱が伝導され
て、方立１や横材２の温度が低下することがな
い。

方立の両側フランジの硬質シール材はパネル体
を押えて支持する。またカバー材１９，３０の両
端には軟質シール材２５，２５が取り付けられて
パネル体３に当接しているため、パネル体３の変
形や施工誤差に追随して軟質シール材２５，２５
がパネル体３，３に密着し、雨水が室内側に浸入
することがない。

〔考案の効果〕

この考案は以上のような構成を有し、方立の室
外側端部をカバー材によつて覆い、更にカバー材
は方立に断熱材を介して取り付けられているた
め、室内側の熱はカバー材に伝わらず、室内の温
かい空気の熱が逃げず、方立が冷えて室内側部分
に結露が生じることがない。

また方立の室外側端部の左右に張出す両側フラ
ンジには室内側に向かつて突出する硬質シール材
は硬質であるのでパネル体を押えて支持すること
ができる。

また、カバー材の左右先端に取り付けた軟質の
シール材をパネル体室外側面に当接したため、こ
の軟質の水密材はパネル体の変形や施工誤差に追
随して変形するため雨水が室内側に浸入するのを
確実に妨げる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すもので第３
図のＩ−Ｉ線断面図、第２図は第３図の−線
断面図、第３図はカーテンウオールの正面図であ
る。 １……方立、２……横材、３……パネル体、６
……フランジ、１１……排水孔、１３……硬質シ
ール材、１４……アタツチメント、１５……断熱
材、１７……取付部材、１９……カバー材、２５
……軟質シール材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方立１の室外側端部の左右に張出す両側フラン
   ジ６，６には室内側に向かつて突出する硬質シー
   ル材１３，１３を突設し、硬質シール材１３，１
   ３によつてパネル体３を押させ、前記方立１の室
   外側際部の両側フランジ６に断熱材１５を介して
   カバー材１９を取り付けてある。このカバー材１
   ９によつて方立１の室外側端部を覆い、カバー材
   １９の左右先端に取り付けた軟質シール材２５，
   ２５をパネル体３，３の室外側面に当接させてあ
   ることを特徴とするカーテンウオール。