JPH0416734Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、フラツシユドアの構造、特に、フラ
ツシユドアのガラス支持部の構造に関する。

（従来の技術） 乗用車等のドアには、ドア上部の窓を開閉する
ためのドアガラスが装備されており、このドアガ
ラスはその周縁を、ドアサツシユに取付けられて
いるウエザストリツプによつて塞がれるようにな
つている。

いま、第５図によつてドアのガラス部の一例に
ついて説明する。

第５図には、第１図におけるＢ−Ｂ矢視の状
態、つまり、ドアガラスの上縁部の断面が示され
ている。

第５図において、ドアサツシユ１の上縁部に
は、下向開口を有する凹状絞り部１ａが形成さ
れ、その凹状絞り部１ａの内部に、ドアガラス２
把持用リツプ３ａを対向させたウエザストリツプ
３がシーラ（図示されず）によつて貼着固定され
ている。

このウエザストリツプ３は、凹状絞り部１ａの
巾方向中央にドアガラス２の厚さ方向の中心線が
位置するようにリツプ３ａの対向端が配置されて
いる。

一方、ドアサツシユ１には、凹状絞り部１ａの
底辺上面に、ドアを閉じた際にサイドルーフレー
ルアウタ４ａに衝合する戸当たり用オープニング
ウエザストリツプ５が固着されている。

このウエザストリツプ３は、ドアガラス２の前
縁、後縁および上縁の各縁部に対応するように配
置されている。

（考案が解決しようとする問題点） このようなドアにおけるガラス支持部において
は、ウエザストリツプ３によるガラス把持位置
が、ドアサツシユ１の外表面から車室側に落ち込
んだ位置であることから、ドアサツシユ表面とガ
ラス表面との間に段差ａが存在していた。

しかしてこの段差の存在は、走行中の空気抵抗
増大や、風切音発生の原因となり、好ましくない
影響を及ぼしていた。

しかも、ドアサツシユにおいて、ガラス把持用
のウエザストリツプと戸当り用のオープニングウ
エザストリツプとを個別に取付けるようにしてし
ていることから、組立作業に手間が掛かるという
欠点もあつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記に鑑みてなされたものであつて、
上記欠点を解消したフラツシユドアつまり、ドア
ガラス表面とドアサツシユ表面との間に段差のな
いドアのガラス支持構造の提供を目的とし、その
目的を達成するために、ドアガラスの前縁および
上縁に対応する戸当たり部に対向して形成された
断面凹状の凹嵌部と、同凹嵌部の車外側壁部に形
成され上記ドアガラスに沿つて突出する突出部と
を有するドアサツシユと、上記ドアサツシユの凹
嵌部に取り付けられる取付部と、同取付部と一体
に形成され上記戸当たり部に弾接可能なオープニ
ングウエザストリツプと、同オープニングウエザ
ストリツプと一体に形成され、上記突出部に挿入
可能な間隙を介して対向するガラス面当たり部
と、同ガラス面当たり部の基部と一体に形成さ
れ、上記ドアガラスの前縁および上縁を嵌合させ
る断面凹状のガラスランチヤンネル部とを有する
ウエザストリツプとを具備していることを特徴と
している。

（実施例） 以下、図示の実施例によつて本考案を説明す
る。

第２図は、第１図に示したフロントドアとリア
ドアとを有する自動車におけるＡ−Ａ矢視断面、
つまり、ドアガラスの前縁に対応する車体のフロ
ントピラー側を示している。

同図において符号１０はドアガラス、同１１は
フロントピラー、同１２はドアサツシユ、同１３
はウエザストリツプをそれぞれ示している。

フロントピラー１１はピラーインナ１１１とピ
ラーアウタ１１２とを接合することによつて閉断
面構造に形成され、そのピラーインナ１１１のド
ア側に、平坦面を成す戸当り部１１１ａが形成さ
れている。

ドアサツシユ１２は、ドアガラス１０よりも車
室側に位置付けされ、その一部、つまり、フロン
トピラーインナ１１１側に対向する部分に凹嵌部
１２ａが形成された閉断面構造とされており、図
示しないヒンジ構造を装備することによつてドア
の開閉支部を成している。

そして、上述した凹嵌部１２ａには、ドアガラ
ス１０に沿う突出部が連続させて設けてあり、後
述するウエザストリツプ１３が嵌合固着されるよ
うになつている。

ウエザストリツプ１３、一例として硬質ゴムを
成形したものであつて、複数の空洞を設けること
によつて膨出部を備えている。

これら膨出部は、互いに一体成形されていて、
取付部１３１、オープニングウエザストリツプ１
３２、ガラス面当り部１３３を構成している。

取付部１３１は、ドアサツシユ１２の凹嵌部１
２ａの内面に嵌合し得る形状に設定され、図示し
ないシーラによつて凹嵌部１２ａに貼着固定され
るようになつている。

オープニングウエザストリツプ１３２は、ピラ
ーインナ１１１の戸当り部１１１ａに対向する位
置で同戸当り部１１１ａに向けて突出している。

ガラス面当り部１３３はオープニングウエザス
トリツプ１３２に連なつてドアガラス内側に位置
し、上述したドアサツシユ１２の突出部に差し込
まれることでガラス面と平行に配置され、この突
出部を裏当て部とされて車幅方向での剛正を確保
さた状態を呈しており、ガラス面と対向する側に
は植毛が施されている。

そして、上述したガラス面当たり部１３３は、
ガラス面と対向する側を膨出させており、基部に
は凹部からなるガラスランチヤンネル１３４が形
成してあり、ドアガラス１０の前縁を嵌合させて
ドアガラス１０の開閉時の案内を行なうととも
に、ガラス面と対向する側を膨出部と協働してド
アガラス１０を挾持できるようになつている。従
つて、ドアガラス１０は、ガラス面当たり部１３
３における膨出部による弾性圧とガラスランチヤ
ンネル１３４への嵌合により、走行時でのバタツ
キを阻止されることができ、この両者による挾持
が維持されることでできるかぎり外側に位置して
いてもバタツキを生じないようにされる。

第３図には、第１図におけるＢ−Ｂ矢視断面つ
まり、ドアガラス１０の上縁に対応する車体のル
ーフ側縁が示されており、同図において、符号１
４はルーフパネル、同１５はサイドルーフレール
をそれぞれ示している。

サイドルーフレール１５は、ルーフパネル１４
に接合されたサイドルーフレールアウタアツパ１
５ａに一体化されたレールアウタ１５１とこれに
接合されたレールインナ１５２とで構成され、レ
ールアウタ１５１のドアと対向する位置には平坦
面を成す戸当り部１５１ａが形成されている。

ドアサツシユ１２およびウエザストリツプ１３
は第２図に示したドアガラス１０の前縁に対応す
る位置における構成と同様であるが、ドアガラス
１０の上縁と前縁とが交わる位置に対応するウエ
ザストリツプ１３の位置には、ドアガラス表面の
外方に突出する端部を有するガラスキヤツチ１３
ａが形成されている。

このガラスキヤツチ１３ａは、第１、３図に示
すように、ガラス表面からはみ出しており、走行
中に生じる車外と車内との圧力差によつてドアガ
ラス１０が外方に向け吸い出された時、それを衝
止するものである。

そして、第４図には、第１図におけるＣ−Ｃ矢
視断面であるドアガラス１０の後縁部、つまり、
フロントドアガラスの後縁に対応する車体のセン
タピラーが示されている。

同図において、符号１６はセンタピラーを示し
ており、このセンタピラー１６は、センタピラー
インナ１６１とセンタピラーアウタ１６２とを接
合することによつて閉断面構造に形成され、セン
タピーアウタ１６１のフロントドア側およびリア
ドア側の一部に平坦面の戸当り部１６１ａ，１６
１ｂが形成されている。

フロントドア側のドアガラス後縁に対応するド
アサツシユ１２は、その外表面１２Ａがドアガラ
ス１０の外表面と略同一平面上に位置するように
配置された一片を有する断面形状が変形Ｉ型を成
す閉断面構造に設定されているものであつて、そ
の中心縦片１２０には、フロントドアのドアガラ
ス１０に対応する面に、ウエザストリツプ１７
が、そしてこれと対向する面に、オープニングウ
エザストリツプ１８がそれぞれ固着されている。

ウエザストリツプ１７は、ドアガラス１０に対
向する面に平生、端部が互いに当接している一対
のリツプ１７ａが形成されている。

このリツプ１７ａは、ドアガラス１０の後縁に
一体化されている摺動部材１９が入り込み、この
摺動部材１９の摺動時、つまりドアガラス１０の
開閉時にガラスラン部として機能するようになつ
ている。

同図においてリヤドア側のドアガラス前縁に対
応するドアサツシユは、第２図に示したのと同様
にドアガラス１０の内側に位置し、そしてその構
造およびこれに取付けられるウエザストリツプの
構造は第２図のものと同様構造に設定されてい
る。

（作用） 本考案はドアガラスウエザストリツプに把持あ
るいは案内されるドアガラスの外表面がドアサツ
シユの外表面と略同一になるように、ウエザスト
リツプおよびドアサツシユの構造を設定したもの
である。

（効果） 以上述べた実施例からも明らかなように、本考
案によれば、ドアサツシユに形成された凹嵌部お
いよびこれに連続する突出部にウエザストリツプ
の該当箇所を対応させることで固定し、突出部に
差し込まれたガラス面当たり部は、突出部により
外側に向けての剛性を確保された状態でガラスラ
ンチヤンネルと協働してドアガラスを挾持するこ
とができるので、ドアサツシユとドアガラスとの
フラツシユサーフエース化を実現する場合に、ド
アガラスをできるだけ外側に位置させてもドアガ
ラスのバタツキを抑えることができる。従つて、
ドアガラスをさらに外側に設けることが可能とな
ることでフラツシユサーフエース化をより良好な
状態にすることができ、フラツシユサーフエース
による走行時での空気抵抗および風切り音の発生
をより確実に少なくすることができる。

また、上述したウエザストリツプにおいては、
ドアサツシユの凹嵌部および突出部によつてそれ
ぞれ固定されるようになつているので、ガラス面
当たり部だけでなく戸当たり部に対向するオープ
ニングウエザストリツプも一体とした場合でもそ
の固定に要する面積を確保することができる。従
つて、ウエザストリツプの組み付け工数に関し、
上述した異種のものの組み付けを同じに行なうこ
とができるので、組立て工数を低減することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を適用する自動車の一
例を示す概略外観図、第２図乃至４図は本考案の
実施例を示す要部断面図、第５図はドアガラスの
支持構造の従来例を示す要部断面図である。 １０……ドアガラス、１２……ドアサツシユ、
１２Ａ……ドアガラス後縁側のドアサツシユの外
表面、１３……ウエザストリツプ、１３１……取
付部、１３２……オープニングウエザストリツ
プ、１３３……ガラス面当り部、１３４……ガラ
スランチヤンネル、１３ａ……ガラスキヤツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドアガラスの前縁および上縁に対応する戸当た
   り部に対向して形成された断面凹状の凹嵌部と、
   同凹嵌部の車外側壁部に形成され上記ドアガラス
   に沿つて突出する突出部とを有するドアサツシユ
   と、 上記ドアサツシユの凹嵌部に取り付けられる取
   付部と、同取付部と一体に形成され上記戸当たり
   部に弾接可能なオープニングウエザストリツプ
   と、同オープニングウエザストリツプと一体に形
   成され、上記突出部に挿入可能な間隙を介して対
   向し、かつ、ガラス面に向け膨出させてあるガラ
   ス面当たり部と、同ガラス面当たり部の基部と一
   体に形成され、上記ドアガラスの前縁および上縁
   を嵌合させる断面凹状のガラスランチヤンネル部
   とを有するウエザストリツプとを具備し、 上記ドアガラスの前縁と上縁とが交わる上記ウ
   エザストリツプの隅部に上記ドアガラス外表面よ
   りも外方に向け突出するガラスキヤツチ部を形成
   し、一方、ドアガラスの後縁に対応する上記ドア
   サツシユをその外表面が上記ドアガラスの外表面
   と略同一平面をなす形状に設定し、このドアサツ
   シユのドアガラス後縁に対向する位置に、ガラス
   ラン部を有するウエザストリツプを取り付けて構
   成したフラツシユドアのドアガラス支持構造。