JPH0329212Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のサツシユレスドアに設けられ
たウインドガラスの負圧による車体外方への吸い
出しを防止するための装置に関するものである。

（従来技術） 車両が走行すると前面は空気圧力を受けるとと
もに側面等においては負圧状態になる部分が生じ
る。このため、側面のドア、特にウインドガラス
がこの負圧により吸出されてドアと車体との間で
シール切れを起こし風切音を生じるという問題が
ある。このため、例えば実開昭57−138779号に開
示されているように、ドアを取り付ける車体側方
開口部の上側縁にドアサツシユの吸出し移動を拘
束するホルダ片を配し、上記のような問題に対処
するものが提案されている。

しかしながら、この場合はホルダ片を別途取り
付ける必要があり部品点数および取付け工数の増
大につながるので好ましくなく、さらにはホルダ
片が外方に突出するため空気抵抗の低減、外観の
向上等を目的としたフラツシユサーフエス化の点
でも好ましくない。

一方、最近では、特にハードトツプ車におい
て、サツシユレスドアが用いられることが多く、
この場合においてもウインドガラスの吸出し防止
対策が必要である。特に、上記のようなフラツシ
ユサーフエス化を図るためにはウインドガラスは
車体外側面近くに配する必要があり、吸い出し防
止対策が一層必要である。

（考案の目的） 本考案はこのような事情に鑑み、サツシユレス
ドアのウインドガラスの吸出しを比較的簡単な構
造で防止でき、さらに組付作業性に優れかつフラ
ツシユサーフエス化を図ることのできるウインド
ガラス吸出防止装置を提供することを目的とする
ものである。

（考案の構成） 本考案のウインドガラス吸出防止装置は、車体
開口部を開閉自在に覆うサツシユレスドアに昇降
自在に設けられたウインドガラスと、 前記車体開口縁部に設けられ、前記ウインドガ
ラス上昇時該ウインドガラス周縁部が当接し、車
室内外をシールするウエザーストリツプとからな
り、 該ウエザーストリツプが、前記車体開口縁部と
の間に溝を形成するようにして車室内方から外方
に延び内端が車体に取付けられたリテーナ部材に
嵌合される取付基部と、この取付基部に固着され
るとともに車室外側に設けられ前記ウインドガラ
スの車室外方向への移動を規制する硬質リツプ部
と、この硬質リツプ部より車室内方に配され前記
ウインドガラス上昇時に該ウインドガラスの周縁
部が当接するシール部とから構成されており、 前記取付基部が、ベース部と脚部とこれらを連
結する連結部とで断面コ字状に形成されるととも
に、該取付基部には断面コ字状の芯金が埋設さ
れ、 該取付基部は、前記ベース部と前記脚部との間
に前記リテーナ部材が嵌入されるとともに前記溝
に前記脚部が嵌入されて、前記連結部の表面と前
記車体の表面とが略面一となる位置で前記リテー
ナ部材に嵌合され、 前記硬質リツプ部の前記取付基部への前記固着
が、該取付基部の前記連結部の表面と前記硬質リ
ツプ部の表面とが略面一となる位置関係でなされ
ていること特徴とするものである。

（考案の効果） 本考案によれば、取付基部を車体外方からリテ
ーナ部材と車体との間に嵌合させてウエザースト
リツプが車体に取付けられるようになつているの
で、ウエザーストリツプの取り付けが非常に簡単
で作業性がよい。さらに、ウインドガラスを閉め
てウインドガラスの周縁部をシール部に当接させ
た時、シール部より車体外方に硬質リツプ部が配
されているので、この硬質リツプ部によりウイン
ドガラスの車体外方への移動を止めることがで
き、ウインドガラスの吸出が防止されシール切れ
が生じなくなり風切音も生じない。また、この硬
質リツプ部を車体外側面に沿つて配することによ
りフラツシユサーフエス化を図ることもできる。

（実施例） 以下、図面により本考案の実施例について説明
する。

第２図は本考案のウインドガラス吸出防止装置
を有する自動車１の正面図である。上下に昇降自
在なウインドガラス３を有するサツシユレスドア
２が車体側方開口を覆つて取り付けられ、ウイン
ドガラス３が上昇した時ウインドガラス３の上縁
および前縁と当接して車室内外をシールするウエ
ザーストリツプ１０が車体に取り付けられてい
る。

この部分を矢印Ａ−Ａに沿つて断面して表わし
たのが第１図である。ルーフパネル５の端部とル
ーフレール６の端部とが接合してルーフ側部閉断
面を形成し、この閉断面を形成するルーフパネル
５の斜め下方を向いた平面部５ａに車体前後に延
びるリテーナ部材４の内端がスプツト溶接もしく
はビス止めされて固着される。このリテーナ部材
４は、ルーフパネル５の平面部５ａと平行な平面
段部５ｂとの間に所定の間隔を有し、車体外方に
延びて配され、この所定の間隔内にウエザースト
リツプ１０の取付基部１１の脚部１１ａが挿入さ
れるようになつている。

ウエザーストリツプ１０は、上記所定の間隔内
に挿入される脚部１１ａおよびこの脚部１１ａと
一体になつてリテーナ部材を包み込むベース部１
１ｂとからなる取付基部１１と、この取付基部１
１と一体に成形されルーフパネル５の外側面に沿
つて延びる硬質リツプ部１２と、取付基部１１と
一体に成形され硬質リツプ部１２より車体内側で
硬質リツプ部１２と平行に配されるシール支え部
１４と、硬質リツプ部１２とシール支え部１４と
の間に配されウインドガラス３が上昇した時これ
の周縁部に当接するシール部１３とから形成さ
れ、補強用の芯金１５を有して硬質ゴム又は軟質
プラスチツクで一体に成形した取付基部１１、硬
質リツプ部１２およびシール支え部１４に、二重
押出成形により軟質ゴム（発泡ゴム）からなるシ
ール部１３を一体に形成せしめてなる。このた
め、ウエザーストリツプ１０は、取付基部１１の
脚部１１ａをリテーナ部材４と平面段部５ｂの間
に挿入して、脚部１１ａとベース部１１ｂとの間
にリテーナ部材４を挟み込むようにするだけで車
体に取り付けることができ、取り付けが非常に容
易である。さらに、このようにして車体に取り付
けられた状態では硬質リツプ部１２がルーフパネ
ル５の車体外側面に沿つて延びるようになつてい
るので、車体のフラツシユサーフエス化が図れ
る。

一方、シール部１３が配される硬質リツプ部１
２とシール支え部１４との間に、ウインドガラス
３が上昇した時に上縁が入り込むようになつてお
り、ウインドガラス３の上縁がシール部１３と当
接して車室内外のシールが行なわれる。図示のよ
うに、ウインドガラス３がシール部１３に当接さ
れた状態では、ドア２の開閉に対しては矢印Ｂ方
向にウインドガラス３が動き開閉が可能であるの
に対し、走行中に生じる負圧によるウインドガラ
ス３の吸出し方向は矢印Ｃで示すようにガラス面
に垂直な方向であるため、硬質リツプ部１２によ
りウインドガラス３の吸出し方向の動きが阻止さ
れる。このため、ウインドガラス３の吸出しが防
止され、シール切れが生じることもなく、この部
分での風切音の発生を抑えることができる。な
お、本実施例では、硬質ゴム等でできたシール支
え部１４と硬質リツプ部１２との間にシール部１
３が配されるので、ウインドガラス３がシール部
１３に当接した時、上記支え部１４とリツプ部１
２とに支えられて当接部のシール圧を大きくする
ようにしている。

なお、本図において２点鎖線で示すウインドガ
ラス３′はウエザーストリツプ１０がない状態で
ウインドガラスを上昇させた時の位置を示し、こ
れが実際にはウエザーストリツプ１０のシール部
１３に当接して車体外方に押されて、実線３で示
す位置になる。

第３図は、本発明の異なる実施例を示す断面図
で、この図も第１図の矢印Ａ−Ａに沿つた部分に
ついての断面を示す。なお、第２図と同一部品に
は同一番号を付して説明を省略する。

ルーフパネル５の平面部５ａに内端を固着され
るリテーナ部材４は、第２図の場合と同様にルー
フパネル５の平面段部との間に所定の間隔を有し
て車体外方に延びるのであるが、この所定の間隔
は、第２図の場合での間隔より広く設定されてい
る。このため、ウエザーストリツプ１０の取付基
部１１をなす脚部１１ａとベース部１１ｂの間に
リテーナ部材４を挟むようにしてウエザーストリ
ツプ１０を車体外方から取り付けた時、脚部１１
ａ平面段部５ｂの間にまだ一定の間隔が残る。こ
の一定の間隔内にドリツプモール１６の脚部１６
ｂが挿入されて、ドリツプモール１６が取り付け
られる。さらに、ルーフパネル５の外側面下部に
はドリツプモール１６の外側部９ａを受け入れる
ための段部５ｃが形成され、脚部９ｂが取付基部
１１の脚部１１ａと平面段部との間に挿入された
時、ドリツプモール１６の外側部９ａが段部５ｃ
内に入り込み、車体外側面のフラツシユサーフエ
ス化が図れるようになつている。

以上のように、本考案によればウエザーストリ
ツプによりウインドガラスの吸出防止を行なつて
風切音の発生を防止きで、ウエザーストリツプの
取付作業も容易であり、さらに車体のフラツシユ
サーフエス化を図ることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第２図は本考案のウインドガラス吸出防止装置
を有する自動車の正面図、第１図および第３図は
第２図の自動車を矢印Ａ−Ａに沿つて断面して本
考案の装置の異なる実施例を示す断面図である。 ２……サツシユレスドア、３……ウインドガラ
ス、４……リテーナ部材、５……ルーフパネル、
１０……ウエザーストリツプ、１１……取付基
部、１１ａ……脚部、１１ｂ……ベース部、１２
……硬質リツプ部、１３……シール部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体開口部を開閉自在に覆うサツシユレスドア
   に昇降自在に設けられたウインドガラスと、 前記車体開口縁部に設けられ、前記ウインドガ
   ラス上昇時該ウインドガラス周縁部が当接し、車
   室内外をシールするウエザーストリツプとからな
   り、 該ウエザーストリツプが、前記車体開口縁部と
   の間に溝を形成するようにして車室内方から外方
   に延び内端が車体に取付けられたリテーナ部材に
   嵌合される取付基部と、この取付基部に固着され
   るとともに車室外側に設けられ前記ウインドガラ
   スの車室外方向への移動を規制する硬質リツプ部
   と、この硬質リツプ部より車室内方に配され前記
   ウインドガラス上昇時に該ウインドガラスの周縁
   部が当接するシール部とから構成されており、 前記取付基部が、ベース部と脚部とこれらを連
   結する連結部とで断面コ字状に形成されるととも
   に、該取付基部には断面コ字状の芯金が埋設さ
   れ、 該取付基部は、前記ベース部と前記脚部との間
   に前記リテーナ部材が嵌入されるとともに前記溝
   に前記脚部が嵌入されて、前記連結部の表面と前
   記車体の表面とが略面一となる位置で前記リテー
   ナ部材に嵌合され、 前記硬質リツプ部の前記取付基部への前記固着
   が、該取付基部の前記連結部の表面と前記硬質リ
   ツプ部の表面とが略面一となる位置関係でなされ
   ていること特徴とする自動車のウインドガラス吸
   出防止装置。