JPH04136949U - 可倒式ドアミラー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ドアミラーの回動時にミラーボデーの上下動
をなくし、振動および作動を安定的にする。 【構成】 ベース１１上のミラーボデー１５が起立・倒
伏回動するときに、ミラーボデー取付用のフレーム１４
がベース張出部１２の上面に対し上下動せずに面接触を
保持させるドアミラー１０において、ベース張出部１２
に立てたフレーム回動支持用シャフト１３の周囲に１つ
のスプリング２７で付勢されたボールクラッチ式位置決
め手段２０を設ける。 【効果】 ドアミラーの回動時に、ボール２４が平坦な
面接触面に転動する為、ミラーボデー１５は上下動や、
ビビリを起こすことがなく回動する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車に装着するドアミラーに関するもので、特にミラーボデーが起 立・倒伏可能な可倒式ドアミラーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、自動車に装着されるドアミラーは、走行中障害物と衝突したと きに，ミラー自体のみならず，障害物への損害を回避するため、あるいは、狭い 駐車場や船積輸送の際に、車幅を狭める必要から、例えば実開昭６１−２０３８ ５４号、同昭６１−１３９７３８号公報によって開示されたように、ドアミラー を前または後に倒伏させたままとすることのできる、いわゆる可倒式ドアミラー が使用されている。このようなドアミラーは、図５に示すように、ベース１１の 張出部１２にシャフト１５を立て、このシャフト１５にフレーム１３のソケット 部１３ａを挿合したのち、フレーム１３にミラーボデーを固着したもので、シャ フト根元部周囲の平坦面とソッケト部下面とに凹部２５を設けて数個のスチール ボール２６を介置して前記根元部の上面とソケット部下面との間にスキマＳを形 成させる一方、ソケット部１３ａの周囲にコイルスプリング２０を配置すると共 にシャフト１５上端にスプリング２０のワッシャ２１及びＵプレート２４を固着 する。フレーム１３はコイルスプリング２０の弾力によって取付けられているた め、各スチールボール２６はシャフト根元部とフレーム下面とに形成された凹部 ２５に嵌合し、その結果、ミラーボデーは位置決めされた状態で保持されている 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように従来のドアミラーは、衝撃回避時などのようにミラーボデーを中 立位置から後倒方向に回動させると、スチールボールがフレーム下面またはシャ フト根元部上面の何れかの凹部より乗越して転動するため、フレームに固定され たミラーボデーが僅かに上昇し、再び元の中立に戻すとミラーボデーが僅かに下 降することになるので、上下動に伴なうスチールボールの乗越し音が生じる原因 となっていた。

【０００４】 このため、特開昭６４−６３４６４号公報のごとく、ベース側に板バネを介し て立てたシャフトの回りに板ばねとスチールボールとを設け、スチールボールを 埋設してミラー回動時にミラーボデーが上下動しないようにしたものが知られて いる。しかしこの場合には、比較的短いシャフトのまわりに板ばねを用いて押さ えただけなので、ミラーボデーの保持が不充分となり、鏡面のビビリが発生しや すいという不都合があった。 本考案は、ミラーボデー回動時に上下動やミラーのビビリを生じることのない 可倒ミラーを提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案はベース上のミラーボデーが起立・倒伏回 動するときに、ミラーボデー取付用のフレームがベース張出部の上面に対し上下 動せずに面接触を保持しているドアミラーにおいて、ベース張出部に立てたフレ ーム回動支持用シャフトの周囲に１つのスプリングで付勢されたボールクラッチ 式位置決め手段を設けてなるものである。

【０００６】 前記位置決め手段は、シャフトに回り止め状態で嵌合させたガイドプレートと 、ガイドプレートの同一円周上にあけた複数個の小孔と、各小孔に上下動可能に 挿合したスチールボールと、フレームの端板上面に設けたスチールボール嵌合用 の凹部とから構成させている。また、ガイドプレートのスチールボールに代えて ，ガイドプレートの同一円周上に複数個のボール状突起を一体に形状したり、ガ イドプレートの下面に断面半円、山形、台形状をなす放射状の突起を設けてもよ い。

【０００７】

【作用】

ミラーボデーを回動すると、スチールボールが凹部から乗り越すが、ガイドプ レートに保持されたボールが上下するだけでフレームは上下動を起こすことはな い。また，鏡面のブレ（ヒビリ）が発生しにくくなり、ミラー全体が安定に保持 される。

【０００８】

【実施例】

図１は本考案可倒式ドアミラーの回転軸部付近の断面図、図２は同じく分離斜 視図である。このドアミラー１０は、ベース１１と、ベース１１の張出部１２に 立てたシャフト１３と、シャフト１３に回動自在に支持されたフレーム１４と、 フレーム１４に固着されたミラーボデーまたはハウジング１５と、フレーム１４ の前部に傾動自在に保持されたミラーエレメント１６とを含んでいる。

【０００９】 フレーム１４は、シャフト１３を挿通する平坦な端板部分１７と、端板部分の ほぼ中央に形成させたシャフト挿入用の孔１８と、端板部分の１端からほぼ垂直 面をなすウイング部分１９とからなる。ウイング部分１９は、ビス３６を用いて ミラーボデー１５の内壁に固定されており、ウイング部分１９の前面には鏡の反 射角を調節するためのアクチュエーターユニット（図示省略）を取付けている。 端板部分１７は、ベース張出部１２の上面とシャフトを中心とする回転滑り可能 に面接触しており、その上部にはフレームの位置決め手段２０とコイルスプリン グ２７とを配設している。 前記位置決め手段２０は、シャフト１３に回り止め状態で嵌合させたガイドプ レート２１と、ガイドプレート２１の同一円周上にあけた複数個の小孔２３と、 各小孔２３にルーズに挿合したスチールボール２４と、フレームの端板１７上面 に設けたスチールボール嵌合用の凹部２５と、前記コイルスプリング２７の弾力 によりスチールボール２４の上部に圧接するワッシャ２６とから構成されている 。

【００１０】 シャフト１３は、前記アクチュエーターユニットのハーネスラインを通すため 中空円筒形をなし、その根元部分３０は、僅かに大形で、前記端板部分の挿入孔 １８に嵌合しうる外径を有し、根元部分３０の下部には、ほぼ水平のプレート部 分３１が一体に形成されている。プレート部分３１は、図１に示すように、ベー ス張出部１２の裏面から通したビス３２、３２で張出部に固着されている。また 、シャフト根元部３０より上方のシャフト外周数ケ所に、所定長さの突条３３を 設けており、この突条３３はガイドプレート２１の孔２２に設けた溝３４に係合 させて、ガイドプレート２１を回り止め状態に取付ける。 この回り止め手段は突起と溝とによるものに限定されず、面取りその他の構造 のものであってもよい。シャフト上端に溝３５を設けてコイルスプリング押え用 のワッシャ２８と、ワッシャ固定用のＵプレート２９を挿入する。なお、図１中 ３７はシャフト周囲のコイルスプリング、および位置決め手段等を保護するカバ ーである。

【００１１】 上記装置において、図１はミラーボデー１５が起立位置にあるときを示してい る。この状態ではカイドプレート２１に保持された各スチールボール２４は端板 部分１７の凹部２５に嵌合してミラーボデー１５の位置が保持されている。ミラ ーボデー１５を倒すと、フレーム端板の下面とシャフト下部のプレート３１の上 面との面接触を保ちながら回動する。この回動の間には回り止めされたガイドプ レート２１に保持されたスチールボール２４は図３に示すように凹部２５から外 れて端板上面に転動するからワッシャ２６を僅かに上昇させてコイルスプリング ２７を圧縮する。この圧縮力によりミラーボデーの倒伏状態が保持され、またフ レーム端板１７とシャフト側プレート３１との面接触によりミラーの上下動が起 きることなく、元の起立位置に戻すことができる。

【００１２】 図４は位置決め手段の別の実施例を示す。この場合は、スチールボールを使用 せず、下面側に放射方向に断面半円、山形、台形などの突起４１を一体に形成さ せる一方、フレーム端板１７の上面に、突起４１が嵌合する凹部４２を設けてお く。ミラーボデー１５の起立位置では、上記各突起４１が凹部４２に嵌合し、倒 伏位置では各突起４１が凹部４２から外れ、しかもミラーボデーの回動時には、 前述の面接触を維持しているため、上下動やビビリを起こすことがない。

【００１３】

【考案の効果】

上記のように、本考案によれば、ミラーボデーの回動時に上下動やビビリを起 こすことがなく、ミラーボデー回動時のフィーリングを良好なものとすることが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案可倒式ドアミラーの回転軸部附近の拡大
断面図である。

【図２】回転軸部の分解斜視図である。

【図３】ドアミラー回動時における位置決め用ボールの
作用を示す断面図である。

【図４】位置決め手段におけるガイドプレートの別の実
施例を示す斜視図である。

【図５】従来形ドアミラーの回転軸部の１例を示す断面
図である。

【符号の説明】

10 ドアミラーアセンブリ 11 ベース 12 張出部 13 シャフト 14 フレーム 15 ミラーボデー 17 フレームの端板部分 18 シャフト挿入孔 20 位置決め手段 21 ガイドプレート 23 小孔 24 スチールボール 25 凹部 26 ワッシャ 27 コイルスプリング 30 シャフト根元部分 31 プレート部分 33 突条 40 ガイドプレート 41 突起 42 凹部

【手続補正書】

【提出日】平成４年５月２９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

【図５】

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベ−ス上のミラ−ボデーが起立・倒伏回
   動するときに、ミラーボデー取付用のフレームがベース
   張出部の上面に対し上下動せずに面接触を保持している
   ドアミラーにおいて、ベース張出部に立てたフレーム回
   動支持用シャフトの周囲に１つのスプリングで付勢され
   た位置決め手段を設けたことを特徴とする可倒式ドアミ
   ラー。
2. 【請求項２】 ベースの張出部に立てたシャフトと、シ
   ャフトの根元部に回動自在に支持したミラーボデー取付
   用のフレームと、ベース張出部の上面と回転滑り可能に
   面接触し、かつシャフト根元部を挿合させたフレームの
   端板部分と、端板部分の上面に取り付けたフレームの位
   置決め手段と、前記フレームの端板部分をベース張出部
   の上面に弾力的に接触させるべくシャフトの周りに配置
   したコイルスプリングとからなり、前記位置決め手段
   は、シャフトに回り止め状態で嵌合させたガイドプレー
   トと、 ガイドプレートの同一円周上にあけた複数個の
   小孔と、各小孔に上下動可能に挿合したスチールボール
   と、フレームの端板上面に設けたスチールボール嵌合用
   の凹部と、前記コイルスプリングの弾力によりスチール
   ボールの上部に圧接するワッシャとから構成されている
   ことを特徴とする可倒式ドアミラー。
3. 【請求項３】 ベースの張出部に立てたシャフトと、シ
   ャフトの根元部に回動自在に支持したミラーボデー取付
   用のフレームと、ベース張出部の上面と回転滑り可能に
   面接触し、かつシャフト根元部を挿合させたフレームの
   端板部分と、端板部分の上面に取り付けたフレームの位
   置決め手段と、前記フレームの端板部分をベース張出部
   の上面に弾力的に接触させるべくシャフトの周りに配置
   したコイルスプリングとからなり、前記位置決め手段
   は、シャフトに回り止め状態で嵌合したガイドプレート
   と、ガイドプレートの下面に形成させた複数個の突起
   と、フレームの端板上面に設けた突起受け用の凹部と、
   コイルスプリングの弾力により突起の上部に圧接するワ
   ッシャとからなる可倒式ドアミラー