JPH04132813U - 車両用エンジンマウントブラケツト構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、エンジンをエンジンマウントブラ
ケットにより車両に搭載した後に、ステアリングシャフ
トを配設しても、エンジンマウントブラケットがステア
リングシャフトに干渉することはなく、エンジンからの
振動がステアリングシャフトに伝達されるのを防止する
ことを目的としている。 【構成】 このため、車両のフロント車軸よりも後方位
置にエンジンマウントブラケットによりエンジンを搭載
して設け、車両のステアリングホイールに連絡するステ
アリングシャフトを設け、ステアリングシャフトへの干
渉を防止すべくエンジンマウントブラケットに凹所を形
成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は車両用エンジンマウントブラケット構造に係り、特に車両のフロン ト側のエンジンルーム内に搭載されるエンジンを支持する車両用エンジンマウン トブラケット構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

車両のフロント側のエンジンルーム内にはエンジンが配設され、このエンジン はエンジンマウントブラケットによりエンジンルーム内側壁部位に固定されてい る。

【０００３】 また、フロント側にエンジンを搭載する車両には、フロントエンジン・フロン トドライブ（ＦＦ）方式のものやフロントエンジン・リヤドライブ（ＦＲ）方式 のものがある。

【０００４】 そして、一般に、エンジン搭載時には、フロント車軸よりも前方位置に前記エ ンジンの先端部位を位置させている。このため、エンジンマウントブラケットと ステアリングシャフトとが接触、つまり干渉する惧れが全くないものである。

【０００５】 前記車両用エンジンマウントブラケット構造としては、特開平１−２２９７１ ９号公報に開示されるものがある。この公報に開示される車両用エンジンマウン トは、エンジンを支持するマウント部材を設け、このマウント部材のマウントブ ラケット内にマウントラバーを仮保持可能な仮保持用支持部を形成し、エンジン ルーム内の余地が少なく、上方からの取付作業が困難であるとともに、エンジン を下から支えながら狭い空間で取付作業を行わなくてはならない場合においても 、作業余地の少ないエンジンルーム内でのエンジンの取付作業を安全且つ容易に 行っている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来の車両用エンジンマウントブラケット構造においては、図６に 示す如く、車両の重心位置を後方側に移動させるべくエンジン１０２の搭載位置 をフロント車軸、つまりタイヤ１０８の中心Ｃよりも後方に移動させたものがあ る。

【０００７】 そして、エンジン１０２の搭載位置を後方に移動させたものにおいて、図６に 示す如く、一端側に図示しないステアリングホイールを装着したステアリングシ ャフト１１６の他端側が連絡するステアリングラック１３２をエンジン１０２よ りも前方位置に設けたものもある。

【０００８】 この結果、取付時に、エンジン１０２の側面に装着されるエンジンマウントブ ラケット１１０がステアリングシャフト１１６に接触、つまり干渉する惧れがあ り（図６の点Ａ参照）、エンジンからの振動がステアリングシャフトを経てステ アリングホイールに伝達され、運転者に振動が伝達され易くなり、乗心地が悪化 し、実用上不利であるという不都合がある。

【０００９】 また、エンジンからの振動がステアリングシャフトからステアリングラックを 介してステアリングギヤ部に伝達されることにより、振動によってギヤ噛合部位 を損傷する惧れも生じ、ギヤの使用寿命が短くなり、経済的に不利であるという 不都合がある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

そこで、この考案は、上述不都合を除去するために、車両のフロント側に搭載 されるエンジンを支持する車両用エンジンマウントブラケット構造において、前 記車両のフロント車軸よりも後方位置にエンジンマウントブラケットによりエン ジンを搭載して設け、車両のステアリングホイールに連絡するステアリングシャ フトを設け、このステアリングシャフトへの干渉を防止すべく前記エンジンマウ ントブラケットに凹所を形成したことを特徴とする。

【００１１】

【作用】

上述の如く考案したことにより、エンジンをエンジンマウントブラケットによ り車両に搭載した後に、ステアリングシャフトを配設しても、エンジンマウント ブラケットがステアリングシャフトに干渉することはなく、エンジンからの振動 がステアリングシャフトに伝達されるのを防止している。

【００１２】

【実施例】

以下図面に基づいてこの考案の実施例を詳細に説明する。

【００１３】 図１〜図５はこの考案の実施例を示すものである。図１及び図２において、２ は図示しない車両のフロント側に搭載されるエンジン、４はトランスミッション 、６はプロペラシャフト、８はタイヤである。

【００１４】 前記エンジン２は図示しないフロント車軸の中心たるタイヤ８の中心Ｃよりも 後方位置に搭載される。

【００１５】 そして、エンジン２のシリンダブロック２ａと図示しないエンジンルーム内側 壁とをエンジンマウントブラケット１０及びエンジンマウント部材１２を介して 連結する。

【００１６】 また、一端側にステアリングホイール１４が装着されるステアリングシャフト １６を設け、このステアリングシャフト１６の他端側にステアリングギヤ部１８ を接続して設けるとともに、ステアリングギヤ部１８を前記エンジン２よりも前 方位置に配設する。

【００１７】 このとき、前記エンジンマウントブラケット１０とステアリングシャフト１６ との干渉を防止すべくエンジンマウントブラケット１０に後述する凹所を形成す る。

【００１８】 詳述すれば、前記エンジンマウントブラケット１０を、両端にフランジ部２０ −１、２０−２を有する断面Ｕ字形状の第１部材２２と、この第１部材２２のフ ランジ部２０−１、２０−２に固着される平板状の第２部材２４とにより形成す る。

【００１９】 また、前記ステアリングシャフト１６の軌跡に沿ってエンジンマウントブラケ ット１０の第１部材２２の一部を切除する。つまり、図１及び図２に示す如く、 ステアリングシャフト１６は、図示しない車両のフロント側に移行するのに伴っ て高さ位置が小、すなわち低くなるように傾斜して配設されている。

【００２０】 そして、ステアリングシャフト１６は、エンジンマウントブラケット１０の第 １部材２２の前側上縁部２６にのみ接触、つまり干渉する位置に配設されており 、前側上縁部２６をステアリングシャフト１６に干渉しないように切除して干渉 防止切欠き部である凹所２８を形成する。

【００２１】 なお符号３０は前記エンジンマウントブラケット１０の第１部材２２の後側上 縁部である。

【００２２】 次に作用について説明する。

【００２３】 前記エンジン２をエンジンマウントブラケット１０及びエンジンマウント部材 １２により図示しない車両のエンジンルーム内側壁に固定した後に、ステアリン グシャフト１６を配設しても、エンジンマウントブラケット１０の第１部材２２ の前側上縁部２６に形成した干渉防止用凹所２８によってエンジンマウントブラ ケット１０がステアリングシャフト１６に干渉することはない。

【００２４】 これにより、前記エンジン２からの振動がステアリングシャフト１６に伝達さ れる惧れが全くなく、ステアリングホイール１４を介して運転者に振動が伝達さ れるのを確実に防止でき、乗心地を向上し得て、実用上有利である。

【００２５】 また、エンジン２からの振動がステアリングシャフト１６に伝達されないこと により、ステアリングシャフト１６によるステアリングギヤ部１８への振動の伝 達を確実に遮断することができ、振動によるギヤ噛合部位の損傷を防止し得て、 ステアリングギヤ部１８の使用寿命を長くすることができ、コストを低廉とし得 て、経済的に有利である。

【００２６】 なお、この考案は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可 能である。

【００２７】 例えば、この考案の実施例においては、エンジンマウントブラケットの第１部 材の前側上縁部のみを切除する構成としたが、ステアリングシャフトへの干渉を 防止すべくエンジンマウントブラケットに凹所を形成すればよく、エンジンマウ ントブラケットの取付高さ位置やステアリングシャフトの配設高さ位置により第 １部材の前・後側上縁部や第１部材の後側下縁部、あるいはその他の部位を切除 してエンジンマウントブラケットに凹所を形成することもできる。

【００２８】

【考案の効果】

以上詳細に説明した如くこの考案によれば、車両のフロント車軸よりも後方位 置にエンジンマウントブラケットによりエンジンを搭載して設け、車両のステア リングホイールに連絡するステアリングシャフトを設け、ステアリングシャフト への干渉を防止すべくエンジンマウントブラケットに凹所を形成したので、エン ジンからの振動がステアリングシャフトに伝達される惧れが全くなく、ステアリ ングホイールを介して運転者に振動が伝達されるのを確実に防止でき、乗心地を 向上し得て、実用上有利である。また、エンジンからの振動がステアリングシャ フトに伝達されないことにより、ステアリングシャフトによるステアリングギヤ 部への振動の伝達を確実に遮断することができ、振動によるギヤ噛合部位の損傷 を防止し得て、ステアリングギヤ部の使用寿命を長くすることができ、経済的に 有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す車両用エンジンマウン
トブラケット構造の概略図である。

【図２】エンジンマウントブラケットの取付状態を示す
概略斜視図である。

【図３】エンジンマウントブラケットの正面図である。

【図４】エンジンマウントブラケットの右側面図であ
る。

【図５】エンジンマウントブラケットの斜視図である。

【図６】この考案の従来の技術を示す車両用エンジンマ
ウントブラケット構造の概略図である。

【符号の説明】

２ エンジン ２ａ シリンダブロック ４ トランスミッション ６ プロペラシャフト ８ タイヤ １０ エンジンマウントブラケット １２ エンジンマウント部材 １４ ステアリングホイール １６ ステアリングシャフト １８ ステアリングギヤ部 ２０−１、２０−２ フランジ部 ２４ 第２部材 ２６ 前側上縁部 ２８ 凹所 ３０ 後側上縁部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両のフロント側に搭載されるエンジン
   を支持する車両用エンジンマウントブラケット構造にお
   いて、前記車両のフロント車軸よりも後方位置にエンジ
   ンマウントブラケットによりエンジンを搭載して設け、
   車両のステアリングホイールに連絡するステアリングシ
   ャフトを設け、このステアリングシャフトへの干渉を防
   止すべく前記エンジンマウントブラケットに凹所を形成
   したことを特徴とする車両用エンジンマウントブラケッ
   ト構造。