JPH04117939U - スリツトバルブ及びその製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 選択可能なスリットバルブの流路面積の幅を
広げる。 【構成】 パンチ１５のパンチ台１６には、幅狭のスリ
ット１８に対応するスリットパンチ１７を取付けるパン
チ取付け溝１６ａと幅広のスリット１９に対応するスリ
ットパンチを取付けるパンチ取付け溝１６ｂとをそれぞ
れ４個交互に形成し、製作するスリットバルブに応じた
スリットパンチ１７等を取付け溝１６ａ、１６ｂに挿入
して押えカラー２４で押えてボルト２５で固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は例えばガススプリング内に組込まれるスリットバルブ及びその製造装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来からガススプリング内等に組込まれるスリットバルブにおいては、バルブ の外周部に同一幅のスリットを１〜８箇所程度形成して必要な減衰力を発生させ るためのオリフィスを形成している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した従来のスリットバルブはスリット幅を同一幅にしてい るので、１枚のスリットバルブで設定できる減衰力の種類はスリット数に限定さ れてしまう。即ち、最大８個のスリットを形成可能な金型を用いてスリットバル ブを製造する場合、スリットバルブの種類としては、スリットを全く設けないも のから最大８個設けたものまで９種類のバルブを製造することしかできない。そ のため、発生させる減衰力を極め細かく選択設定することが難しい。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の課題を解決するため、スリットバルブのスリットの幅を複数に した。

【０００５】

【作用】

スリット幅が複数種類になっているので、例えばスリット幅を２種類とし、各 幅のスリットを最大４個形成するとすると、各幅のスリットを設けないものから 最大４個設けるものまで各幅について５種類を設定することができ、従って２５ 種類の組合せ即ち２５種類の流路面積を得られる。

【０００６】

【実施例】

以下に本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。ここで図１は本考案に 係るスリットバルブを備えたダンパーの断面図、図２乃至図４は同スリットバル ブの製造過程の説明図、図５は同スリットバルブの他の例の平面図、図６は同ス リットバルブを加工するパンチの要部断面図、図７は同パンチのパンチ台の平面 図である。

【０００７】 アウターチューブ１内にピストンロッド２をロッドガイド３及びオイルシール ４を介して挿通し、このピストンロッド２の先端部にはピストン５を固着し、こ のピストン５には油路６を形成して、バルブカラー７外周面に油路６を開閉する スリットバルブ８を設けるとともに、このスリットバルブ８の背面にバルブシー ト９を設けている。

【０００８】 スリットバルブ８の製造過程は、先ず図２（イ）に示すようにバルブプレート １１をダイ１２上に載置してパンチ１３によって内径打抜き加工を行って、同図 （ロ）に示すようにバルブプレート１１に取付け孔１１ａを形成する。次いで、 図３（イ）に示すようにそのバルブプレート１１をダイ１４上に載置して、パン チ台１６にスリットパンチ１７を着脱自在に取付けたパンチ１５によってスリッ ト打抜き加工を行い、同図（ロ）に示すようにバルブプレート１１に例えば２種 類の幅のスリット１８、１９を交互に円周上に形成する。

【０００９】 その後、図４（イ）に示すようにバルブプレート１をダイ２１上に載置してパ ンチ２２によって外径打抜き加工を行って、同図（ロ）に示すように外周部に幅 狭のスリット１８及び幅広のスリット１９をそれぞれ４個有するスリットバルブ ８を製作する。スリットバルブ８は例えば図５に示すように外周部に幅狭のスリ ット１８及び幅広のスリット１９をそれぞれ３個有するものなども製作すること ができる。

【００１０】 ここで、パンチ１５の詳細を説明すると、図６及び図７に示すようにパンチ台 １６には、幅狭のスリット１８に対応するスリットパンチ１７を取付けるパンチ 取付け溝１６ａと幅広のスリット１９に対応するスリットパンチを取付けるパン チ取付け溝１６ｂとをそれぞれ４個交互に形成し、製作するスリットバルブに応 じたスリットパンチ１７等を取付け溝１６ａ、１６ｂに挿入して押えカラー２４ で押えてボルト２５で固定する。尚、取付け溝の幅をスリットパンチの種類に応 じて異ならせることによって、一種類にスリットパンチが偏って取付けられるこ とを防止できる。

【００１１】 したがって、パンチ台１６に装着するストッパカラーの種類及び個数を変える ことによって、例えば各取付け溝１６ａ、１６ｂ全てにスリットパンチを装着し て加工したときには図４（ロ）に示すようなスリットバルブ８が得られ、また各 取付け溝１６ａ、１６ｂのうち各々３個にスリットパンチを装着して加工したと きには例えば図５に示すようなスリットバルブ８（スリットの位置はスリットパ ンチの取付け位置により異なる。）が得られる。

【００１２】 このようにスリットバルブ８に形成するスリットとして幅狭のスリット１８及 び幅広のスリット１９の２種類とし、各スリット１８、１９を最大４個形成する とした場合、１つの幅のスリットについて５種類のスリットバルブを得られるの で、最大２５種類の組合せができ、従って２５種類のスリット開口面積即ち減衰 力が得られることになる。スリットの幅の種類を３種類以上にすればより得られ る減衰力の種類が多くなる。

【００１３】

【考案の効果】

以上に説明したように本考案によれば、スリットバルブに形成するスリットの 幅を複数種類にしたので、スリットバルブの流路面積の選択の幅が広がって極め 細かい減衰力の設定が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るスリットバルブを備えたダンパー
断面図

【図２】同スリットバルブの製造過程の内の内径打抜き
加工の説明図

【図３】同スリットバルブの製造過程の内のスリット加
工の説明図

【図４】同スリットバルブの製造過程の内の外径打抜き
加工の説明図

【図５】同スリットバルブの他の例の平面図

【図６】同スリットバルブを加工するパンチの要部断面
図

【図７】同パンチのパンチ台の平面図

【符号の説明】

１…アウターチューブ、２…ピストンロッド、５…ピス
トン、８…スリットバルブ、１５…スリット加工用パン
チ、１６…パンチ台、１７…スリットパンチ、１８、１
９…スリット。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガススプリングやダンパー等に組込まれ
   るスリットバルブにおいて、このスリットバルブは複数
   のスリットを有し、これらスリットは少なくとも２種類
   の幅のスリットにて構成されることを特徴とするスリッ
   トバルブ。
2. 【請求項２】 ガススプリングやダンパー等に組込まれ
   るスリットバルブを製造する製造装置において、この装
   置は複数種類のスリット幅に対応する幅のスリットパン
   チと、このスリットパンチの幅に対応するパンチ取付け
   溝を形成したパンチ台とを備え、このパンチ台に所要の
   スリットパンチを着脱自在に装着して、バルブプレート
   を打抜いて複数の幅のスリットを形成することを特徴と
   するスリットバルブの製造装置。