JPH0411546Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はシートのリクライニング装置に関し、
更に詳細に説明すると、シートクツシヨンに固着
されたベースと、該ベースに回動可能に枢支され
たアームと、前記ベース及びアーム間に取付けら
れた渦巻ばねとを備え、前記アームに取付けられ
たシートバツクを前後傾動可能になされたシート
のリクライニング装置に関する。

〔従来の技術〕

従来より、シートバツクを前後傾動させるシー
トのリクライニング装置が知られている。

このリクライニング装置は、シートクツシヨン
に固着されたベースと、シートバツクに取付けら
れたアームとを備え、該アームがベースに対して
回動可能になされている。アームの回動位置はロ
ツク機構によりロツクされ、このロツク機構を解
除した場合に、リターンスプリングとしての渦巻
ばねの作用によりシートバツクが前傾方向に付勢
されるようになされている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

シートバツクが後傾している状態、即ち渦巻ば
ねが十分に巻締められている状態で、ロツク機構
が解除されると、シートバツクが渦巻ばねの復帰
力により勢いよく前方に傾斜し、着座者に強い衝
撃を与える虞れを有していた。このため、本出願
人は先にリターンスプリングと反対方向のバネ力
を背もたれに作用させるバネ部材を設けたリクラ
イニング装置（実公昭60−10432号）を提案して
いる。

従来のリクライニング装置においては、リター
ンスプリングとは別個の位置、例えばベース等に
バネ部材を取付け、このバネ部材を受け止めるス
トツパーを設ける等部品点数が増加すると共に取
付けスペースを必要とし、リクライニング装置が
大型化せざるを得ないものであつた。

本考案の目的はシートバツクの前傾時にシート
バツクが着座者に強い衝撃を与える虞れがなく、
リクライニング装置を大型化させる虞れがなく、
部品点数を増加させたり、取付けスペースを増大
させる虞れがなく、著しく経済性に優れたシート
のリクライニング装置を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上述せる問題点に鑑みてなされたもの
で、シートクツシヨンに固着されたベースと、該
ベースに回動可能に枢支されたアームと、前記ベ
ース及びアーム間に取付けられた渦巻ばねとを備
え、前記アームに取付けられたシートバツクを前
後傾動可能になされたシートのリクライニング装
置において、前記渦巻ばねに隣接してブレーキ部
材が設けられ、前記アームが前傾される際に渦巻
ばねが巻戻され、この巻戻し時に渦巻ばねの外側
部が前記ブレーキ部材に当接し、前記シートバツ
クの前傾速度が緩和されるようになされているこ
とを特徴とする。

〔作用〕

本考案に依れば、渦巻ばねに隣接してブレーキ
部材が設けられ、このブレーキ部材に渦巻ばねの
巻戻し時に渦巻ばねが拡がるので、格言すれば渦
巻ばねの中心より渦巻ばねの外側までの長さが長
くなるので、渦巻ばねの外側部が前記ブレーキ部
材に当接し、渦巻ばねの拡がりが徐々に押さえら
れ、アームの前傾速度が緩和され、シートバツク
が着座者に当接する際には十分速度が落ち、着座
者に衝撃力を与える虞れがないものである。

〔実施例〕

以下本考案に係るシートのリクライニング装置
の一実施例を図面を参照して詳述する。

第１図及び第２図には本考案に係るシートのリ
クライニング装置の第１実施例の概略が夫々示さ
れており、このリクライニング装置１はシートク
ツシヨン側に固着されるベース２と、該ベース２
に枢支軸４を介して回動可能に取付けられるアー
ム３とを備え、該アーム３にシートバツクが固着
される。

ベース２には基板５が取付けられ、この基板５
にＬ字状の操作レバー６がピン７により枢支さ
れ、先端屈折部６ａと基板５の下部との間に張設
されたスプリング８により操作レバー６が矢印ａ
で示す反時計方向に付勢されている。またベース
２とアーム３間には相対的な回動角度を適宜調整
可能な公知のロツク機構が設けられ、詳細説明は
これを省略するも、前記操作レバー６を矢印ｂ方
向に回動させることによりロツク状態が解除され
るようになされている。

基板５には渦巻ばね１１の取付用の枢支軸４が
設けられ、この枢支軸４の先端に形成された直径
方向に延びる長溝４ａに渦巻ばね１１の巻始端側
の第１の屈折部１２が挿入されて係止されてい
る。またアーム３には係止片１３が形成され、渦
巻ばね１１の外端部に形成された第２の屈折部１
４が前記係止片１３に係止されている。

尚本実施例ではベース２側の基板５に枢支軸４
を固着し、アーム３に係止片１３を形成したが、
逆構成とすることが出来るものである。

前記渦巻ばね１１の外側部に隣接して、本考案
を特徴付けるブレーキ部材１６が基板５に取付け
られている。

このブレーキ部材１６は金属製の弯曲したプレ
ートから形成され、第１図に示されている如く、
アーム３が後傾している状態では渦巻ばね１１の
外側部とブレーキ部材１６とは適宜の間隔を有
し、アーム３が略垂直状態になるに従い順次渦巻
ばね１１が拡がり、渦巻ばね１１の外側部がブレ
ーキ部材１６に当接し、第２図に示す如く、アー
ム３を最前傾させた場合に渦巻ばね１１が最大に
巻戻されて拡がることにより、渦巻ばね１１の外
側部が密接するように形成されている。

尚本実施例では金属製の弯曲したブレーキ部材
１６を用いた場合として説明したが、２個のブレ
ーキ部材１６，１６を渦巻ばね１１を挾むように
配設してもよい。

第３図及び第４図には本考案の第２実施例の概
略が夫々示されており、前述せる第１実施例と対
応する部分には同一符合を付してこれ以上の詳細
説明はこれを省略するも、前記渦巻ばね１１の外
側端の弯曲部１１ａに段差部１１ｂを形成した点
に特徴を有するものである。

渦巻ばね１１の前記ブレーキ部材１６と対向す
る位置に段差部１１ｂを形成することにより、ア
ーム３の後傾時には、第３図に示す如く、渦巻ば
ね１１の段差部１１ｂはブレーキ部材１６の上方
に位置しており、この状態より操作レバー６を矢
印ｂ方向に回動し、ロツク機構をロツク解除状態
とすると、渦巻ばね１１の復帰力によりアーム３
が前傾すると共に、渦巻ばね１１の巻戻しにより
渦巻ばね１１が拡がり、渦巻ばね１１の段差部１
１ｂがアーム３の略垂直状態で前記ブレーキ部材
１６の先端部１６ａに衝突し、アーム３を回動さ
せる渦巻ばね１１の復帰力が緩和され、更にアー
ム３が渦巻ばね１１の復帰力により回動すると、
第４図に示す如く段差部１１ｂを乗り越えた状態
となり、ブレーキ部材１６が渦巻ばね１１の段差
部１１ｂの上部の外側部と密接した状態となる。
従つてシートバツクの前傾速度は渦巻ばね１１の
段差部１１ｂで一次的に緩和され、次いで渦巻ば
ね１１の外側部がブレーキ部材１６と当接するこ
とにより順次緩和されることとなる。

〔考案の効果〕

以上が本考案に係るシートのリクライニング装
置の一実施例の構成であるが、斯る構成に依れ
ば、シートバツクが後傾している状態でアームの
ロツク機構を解除し、アームを渦巻ばねの復帰力
により前方に傾斜させる場合に、渦巻ばねの外側
部がブレーキ部材に当接し、アームの回動復帰が
減速され、着座者に強い衝撃を与える虞れがな
く、またブレーキ部材を渦巻ばねの外側部に近接
して設けてあるので取付けスペースを増大させる
こともなく、部品点数も最少限ですみ、リクライ
ニング装置の小型化、軽量化にも適し、著しく経
済性に優れたシートのリクライニング装置を得る
ことが出来る。

尚上述せる実施例においてはブレーキ部材１６
を基板５に固定的に取付けた場合につき説明した
が、ブレーキ部材１６の一端を回動可能に枢支
し、他端を圧縮スプリング等により渦巻ばね１１
の外側部に押圧可能に取付け、アーム３の前傾に
応じて圧縮スプリング等を作用させ、渦巻ばね１
１の復帰力を緩和させることも出来るものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係るシートのリク
ライニング装置の第１実施例の概略を夫々示すも
ので、第１図はアームの後傾状態の側面説明図、
第２図は同アームの前傾状態の側面説明図、第３
図及び第４図は本考案の第２実施例の概略を夫々
示すもので、第３図はアームの後傾状態の側面説
明図、第４図は同アームの前傾状態の側面説明図
である。 図中、１……リクライニング装置、２……ベー
ス、３……アーム、４……枢支軸、５……基板、
６……操作レバー、１１……渦巻ばね、１１ａ…
…弯曲部、１１ｂ……段差部、１２……第１の屈
折部、１３……係止片、１４……第２の屈折部、
１６……ブレーキ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンに固着されたベースと、該ベ
   ースに回動可能に枢支されたアームと、前記ベー
   ス及びアーム間に取付けられた渦巻ばねとを備
   え、前記アームに取付けられたシートバツクを前
   後傾動可能になされたシートのリクライニング装
   置において、前記渦巻ばねに隣接してブレーキ部
   材が設けられ、前記アームが前傾される際に渦巻
   ばねが巻戻され、この巻戻し時に渦巻ばねの外側
   部が前記ブレーキ部材に当接し、前記シートバツ
   クの前傾速度が緩和されるようになされているこ
   とを特徴とするシートのリクライニング装置。