JPH04111431U - 吸音材の積層構造 - Google Patents
吸音材の積層構造Info
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Landscapes
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- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 加熱時間が短縮出来、且つ、層間剥離が起き
ずに軽量、高剛性で吸音性能が大巾に向上する吸音材の
積層構造を提供することを目的とする。 【構成】 二層の熱硬化性樹脂を含浸した吸音材9の間
に樹脂含浸吸音材8からなる中間層を積層し、この三層
を一体に加熱成形する過程で、同時に加熱圧縮部を成形
することにより、加熱時間が短縮出来、且つ、層間剥離
が起きずに高剛性を有し、吸音性能が大巾に向上する優
れた吸音材の積層構造を実現できるものである。
ずに軽量、高剛性で吸音性能が大巾に向上する吸音材の
積層構造を提供することを目的とする。 【構成】 二層の熱硬化性樹脂を含浸した吸音材9の間
に樹脂含浸吸音材8からなる中間層を積層し、この三層
を一体に加熱成形する過程で、同時に加熱圧縮部を成形
することにより、加熱時間が短縮出来、且つ、層間剥離
が起きずに高剛性を有し、吸音性能が大巾に向上する優
れた吸音材の積層構造を実現できるものである。
Description
【0001】
本考案は自動車用吸音材の積層構造に関するものである。
【0002】
以下に従来の吸音材の積層構造について説明する。
【0003】
図3はエンジンルーム10内における従来の吸音材の積層構造の断面を示すも
のである。図3において、吸音材2は熱硬化性バインダーを含浸させたセミキュ
アフェルトやグラスウールをホットプレスによって加熱圧縮成形したもので、同
時にパイプなどの貫通部品5を貫通させる孔6や凹部7が成形されている。
【0004】
そして、撥水処理用とし不織布3が吸音材2の両面に貼着されていて、車体パ
ネルなどの基板1に貼着されて、基板1との間に空気層4が形成されている。
【0005】
しかしながら上記の従来の構成では、一般に断熱材として用いられる材料を成
形して剛性を確保するために、吸音材2の厚さが薄くなるまで加熱成形する必要
があり、これは長いプレス時間を必要とするため、成形サイクルの長時間化に伴
うコストアップにつながり、さらに薄肉化することにより密度が高くなるため、
通気性が損なわれ吸音性能が大巾に低下するなどの問題点を有していた。そして
これを補うために、基板1との間に空気層4を形成しているが、吸音層を形成し
たものに比べ吸音性能は十分ではなかった。
【0006】
また、吸音材2の厚さを厚くすると吸音性能は確保されるが、剛性が不足して
保形性に問題があり、また内部の加熱不足によって、図4に示すように、キュア
されている部分2aとキュアされていない部分2bが出来て、吸音材2に層間剥
離2cが起きるなどの問題点を有していた。
【0007】
本考案は上記従来の問題点を解決するもので、加熱時間が短縮出来、且つ、層
間剥離が起きずに高剛性を有し、吸音性能が大巾に向上する吸音材の積層構造を
提供することを目的とする。
【0008】
この目的を達成するために本考案の吸音材の積層構造は、二層の熱硬化性樹脂
を含浸した吸音材の間に樹脂含浸吸音材からなる中間層を積層し、この三層を一
体に加熱成形する過程で、同時に加熱圧縮部を成形した構成を有している。
【0009】
この構成によって、サンドイッチ構造となるため厚みと剛性が十分確保される
ので、加熱を要する熱硬化性樹脂を含浸した吸音材の厚みを減じることが出来る
ため加熱時間が短縮出来、また端末部及び貫通孔の周縁部分などの加熱圧縮部で
は表皮の二層の吸音材に含浸される樹脂が溶出し硬化して三層が接着し、その他
の一般部では三層の境界面に樹脂が溶出し硬化して接着するので、材料中心まで
加熱しなくても層間剥離が起きず吸音性能が大巾に向上する。
【0010】
以下本考案の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は本考案に係る吸音材の積層構造の断面図である。尚、従来例で示した部
品と同じ部品には同符号を付してある。
【0012】
図1において、フェノール系樹脂を含浸させた吸音材であるセミキュアフェル
ト9は熱硬化性フェルトであって、二層に積層されたセミキュアフェルト9の間
に、同じくフェノール系樹脂を含浸させた吸音材であるキュアフェルト8がサン
ドイッチされており、このキュアフェルト8の厚みは全体の30〜70%の範囲
に設定されている。
【0013】
そして、三層に積層されたセミキュアフェルト9とキュアフェルト8はホット
プレスによって加熱成形され、同時にパイプなどの貫通部品5を貫通させる孔6
や凹部7などの加熱圧縮部が成形され、さらに撥水処理用として不織布3が両面
に貼着されて、エンジンルーム10側の車体パネルなどの基板1に貼着されてい
る。
【0014】
以上のように構成された吸音材の積層構造は、三層に積層されているセミキュ
アフェルト9とキュアフェルト8によって十分な厚みと剛性を備えているので、
加熱圧縮によって剛性を確保する必要がなく、従って加熱時間が短縮出来る。
【0015】
また、表皮の二層に積層されているセミキュアフェルト9に含浸されたフェノ
ール系樹脂が加熱成形の過程で溶け出して硬化するので、接着剤が不要であり、
且つ短時間の加熱でも材料の層間剥離が生じることもない。その上、キュアフェ
ルト8は硬化済で繊維と繊維の間に樹脂が固化しているため、層間剥離は起こり
難い。
【0016】
そして貫通部品5を貫通させる孔6の木口は一般部より強い加熱圧縮によって
樹脂がより多く溶出して三層が十分接着されるので、孔6の木口に三層のセミキ
ュアフェルト9とキュアフェルト8が剥き出しのままであっても木口が剥離する
ことはない。また、木口からの吸水を防ぐことも出来る。
【0017】
さらに、セミキュアフェルト9は加熱によって表面近くがより硬化するので、
硬度は十分であって通気性も殆ど低下せず、且つ中間層のキュアフェルト8は熱
硬化しないため吸音性能は大巾に向上する。
【0018】
また、図1の鎖線で示すように三層の一般部に木口を潰さない貫通孔6aを設
けた場合でも、三層が接着しているので、それぞれの境界面での剥離はなく、ま
た、中間のキュアフェルト8は硬化済で樹脂が固化しているので層間剥離が生じ
ることもない。
【0019】
以上のように本実施例によれば、二層の熱硬化性樹脂を含浸した吸音材の間に
樹脂含浸吸音材からなる中間層を積層し、この三層を一体に加熱成形する過程で
、同時に加熱圧縮部を成形したから、加熱時間が短縮出来、且つ、層間剥離が起
きずに高剛性を有し、吸音性能を大巾に向上することができる。
【0020】
本考案の吸音材の積層構造と従来の吸音材の積層構造の、吸音率と周波数との
関係を図2に示す。
【0021】
尚、本実施例では二層の熱硬化性吸音材として、セミキュアフェルトについて
説明したが、熱成形可能なグラスウールを使用しても同様な効果が得られる。
【0022】
以上のように本考案は、二層の熱硬化性樹脂を含浸した吸音材の間に樹脂含浸
吸音材からなる中間層を積層し、この三層を一体に加熱成形する過程で、同時に
加熱圧縮部を成形することにより、加熱時間が短縮出来、且つ、層間剥離が起き
ずに高剛性を有し、吸音性能が大巾に向上する優れた吸音材の積層構造を実現で
きるものである。
【図1】本考案の一実施例に係る吸音材の積層構造の断
面図である。
面図である。
【図2】本考案の吸音材の積層構造と従来の吸音材の積
層構造の、吸音率と周波数との関係を示す図表である。
層構造の、吸音率と周波数との関係を示す図表である。
【図3】従来の吸音材の積層構造の断面図である。
【図4】従来の吸音材の積層構造の部分拡大説明図であ
る。
る。
1 基板
8 キュアフェルト(樹脂含浸吸音材)
9 セミキュアフェルト(熱硬化性樹脂含浸吸音材)
Claims (1)
- 【請求項1】 二層の熱硬化性樹脂を含浸した吸音材の
間に樹脂含浸吸音材からなる中間層を積層し、この三層
を一体に加熱成形する過程で、同時に加熱圧縮部を成形
したことを特徴とする吸音材の積層構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2126891U JPH04111431U (ja) | 1991-03-12 | 1991-03-12 | 吸音材の積層構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2126891U JPH04111431U (ja) | 1991-03-12 | 1991-03-12 | 吸音材の積層構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04111431U true JPH04111431U (ja) | 1992-09-28 |
Family
ID=31907057
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2126891U Pending JPH04111431U (ja) | 1991-03-12 | 1991-03-12 | 吸音材の積層構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04111431U (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5764543A (en) * | 1980-10-08 | 1982-04-19 | Kanematsu Kamata | Thermocuring resin gollow molding into which inorganic fiber is mixed and its manufacture |
JPS6438797A (en) * | 1987-08-05 | 1989-02-09 | Honda Motor Co Ltd | Reinforced soundproof heat insulating member |
JPH01197539A (ja) * | 1988-01-29 | 1989-08-09 | Ikeda Bussan Co Ltd | 構造材 |
JPH0462044A (ja) * | 1990-06-25 | 1992-02-27 | Sekisui Plastics Co Ltd | 繊維強化フェノール樹脂発泡体及びその製造方法 |
-
1991
- 1991-03-12 JP JP2126891U patent/JPH04111431U/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5764543A (en) * | 1980-10-08 | 1982-04-19 | Kanematsu Kamata | Thermocuring resin gollow molding into which inorganic fiber is mixed and its manufacture |
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JPH01197539A (ja) * | 1988-01-29 | 1989-08-09 | Ikeda Bussan Co Ltd | 構造材 |
JPH0462044A (ja) * | 1990-06-25 | 1992-02-27 | Sekisui Plastics Co Ltd | 繊維強化フェノール樹脂発泡体及びその製造方法 |
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