JPH039483Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車に使用して好適な座席に関す
る。

背景技術とその問題点 自動車（乗用車）の後部座席にハツチバツクを
開けて荷物を積載するとき、従来では、後部座席
を取外していたが、この操作が極めて面倒であ
り、又取外した座席の置き場所も考慮しなければ
ならない煩らわしさがあり、更に荷物を降した後
に、座席として使用したい場合でも、それが不可
能となる等の欠点があつた。

考案の目的 本考案は上述した点に鑑み、荷物を積載したい
場合には、その座席をいわゆる折畳み、よつて空
間部を作ることのできるようにしたものである。

考案の概要 本考案は、シートクツシヨンの前方部の両側に
略Ｌ字状のブラケツトが固定され、該ブラケツト
の外側面に軸受部が円形状に突設されてピンを左
右方向に進退自在に支持し、該ピンの進退を操作
する操作レバーをシートクツシヨンの裏面側に配
設すると共に後方部にフツクを回動自在に取付
け、上記シートクツシヨンを載置する床部には、
上記シートクツシヨンの両側部に対応して脚部が
設けられ、該脚部に上記ブラケツトの軸受部が嵌
合される凹部を形成すると共に該凹部に上記ピン
を回動自在に軸受けする軸受用孔を設け、かつ後
方部に上記フツクと係合するストライカを設けた
ことを特徴としフツクをストライカより離脱させ
ることによつて座席を前方に倒して折畳み、また
床部に対して着脱し得るようにしたものである。

実施例 以下、図面について本考案による座席の一例を
説明する。

１は全体として座席を示し、２はそのシートク
ツシヨンであつて、その後部側面には支持板６ａ
及び６ｂが取付けられている。３はシートバツク
であつて、支持板６ａ及び６ｂに取付けられた軸
７を中心として回動できるように取付けられてい
る。このシートバツク３の側面には前倒れレバー
４が取付けてあり、これをその軸５を中心として
前方に回動することにより、シートクツシヨンと
のロツクが解除され、シートバツク３を軸７の中
心として前方に倒し、シートクツシヨン２上に重
ねることができるようになされている。（第２図
一点鎖線図示）。尚前倒れレバー４による上述し
たシートクツシヨン２とのロツク解除機構は、本
考案の要旨に直接関係なく、周知の機構で構成で
きるので、その詳細な説明を省略する。

シートクツシヨン２の前方縁の左右両端には、
それぞれＬ字状のブラケツトとしての金具８ａ及
び８ｂが取付けられ、これに左右方向延長してそ
れぞれピン９ａ及び９ｂが摺動自在に取付けられ
ている。１０ａ及び１０ｂはこれらピン９ａ及び
９ｂ上に巻装されたバネであつてこれにより、そ
れぞれのピンを外方に偏倚させている。１１ａ及
び１１ｂは軸受部であつて、Ｌ字状金具８ａ及び
８ｂの外面に突設されている。シートクツシヨン
２の下面には、操作レバー１２が軸１３を中心と
してシートクツシヨン２の裏面に沿つて回動でき
るように取付けられ、この操作レバー１２と上述
した各ピン９ａび９ｂとは針金等の連結具１４ａ
及び１４ｂで連結され、操作レバー１２の回動に
よつてピン９ａ及び９ｂをそれぞぜ内方に摺動さ
せることができるように構成されている。尚シー
トクツシヨン２の後部の側面に取付けられた支持
板６ａ及び６ｂには、フツク１５ａ及び１５ｂが
軸１６ａ，６ｂにより回動自在に取付けられてい
る。

このような座席１が取付けられる床面１７上に
は、左右一対の脚部１８ａ及び１８ｂが、前後に
延長して設けられており、これら脚部１８ａ及び
１８ｂの前方にはそれぞれ凹部１９ａ及び１９ｂ
を有する。これら凹部１９ａ及び１９ｂは、上述
した軸受部１１ａ及び１１ｂをちようど嵌合でき
る大きさにあり、しかも側面には、上述したピン
９ａ及び９ｂを軸受けする貫通孔（軸受孔）２０
ａ及び２０ｂを有する。よつて常時は第４図に示
すように、軸受部１１ａ及び１１ｂが凹部１９ａ
及び１９ｂに嵌合され、ピン９ａ及び９ｂがそれ
ぞれ貫通孔２０ａ及び２０ｂに貫通される。

上述した脚部１８ａ及び１８ｂの後方にはスト
ライカ２１ａ及び２１ｂが設けられている。本例
におけるストライカはコ字状をなし、脚部に対し
てその側面より内方に突出して取付けられてお
り、座席１の後部の支持板６ａ及び６ｂの下端を
ちようど嵌合するようにしており、この状態でフ
ツク１５ａ及び１５ｂを、このストライカ２１ａ
及び２１ｂに係合するようにしている。

尚シートクツシヨン２の前端面にはバンパーラ
バー２２が取付けられている。

このような構成による動作を説明する。常時は
ピン９ａ及び９ｂはバネ１０ａ及び１０ｂに押さ
れて外方に突出し、第４図に示すように脚部１８
ａ及び１８ｂの凹部１９ａ及び１９ｂの貫通孔２
０ａ及び２０ｂに貫通された状態にあり、フツク
１５ａ及び１５ｂも第５図に示すようにストライ
カ２１ａ及び２１ｂに係合された状態にある。よ
つてこの状態では座席１は床面１７に固定されて
おり、通常の座席として使用することができる。

次に前倒れレバー４を操作してシートバツク３
の前方に倒し、フツク１５ａ及び１５ｂを操作し
てそれぞれストライカ２１ａ及び２１ｂに対する
ロツクを解除し、シートクツシヨン２の後縁を持
ち上げることにより、座席１の全体を、ピン９ａ
及び９ｂを中心として回動させ、第２図の２点鎖
線に示す位置に移動させることができる。よつて
この座席の部分を空けてここに荷物を積載するこ
とができる。２３はこの状態を保持する為のベル
トである。

更にこの第２図の２点鎖線状態で、操作レバー
１２を操作することによりピン９ａ及び９ｂの貫
通孔２０ａ及び２０ｂに対する係合を解除するこ
とがどき、よつて座席１全体を取外すことがで
き、この状態ではより一層の大量の荷物を積載す
ることができる。

又、このように座席１を取外した状態より、元
の位置にセツトするには、軸受部１１ａ及び１１
ｂを脚部１８ａ及び１８ｂの凹部１９ａ及び１９
ｂにそれぞれ係合させることにより、ピン９ａ及
び９ｂをそれぞれ貫通孔２０ａ及び２０ｂに自動
的に貫通係合させることができ、その後支持板１
５ａ及び１５ｂの下端をストライカ２１ａ及び２
１ｂに係合させ、この状態でフツク１５ａ及び１
５ｂを操作することにより、これらフツク２１ａ
及び２１ｂをそれぞれのストライカにロツクさせ
ることができ、よつて所定位置に再度座席をセツ
トすることができる。

考案の効果 以上説明した本考案によれば、シートクツシヨ
ンは後方部のフツクを床部側の脚部に設けられた
ストライカから外し、後方側を持上げることによ
り前方部のブラケツトに突設した軸受部と脚部の
凹部との嵌合部を回転中心としてはね上げ回動さ
れて床部に荷物の積載空間部が確保されるもの
で、シートクツシヨンの着座状態はもとよりはね
上げ状態においてもシートクツシヨン側の軸受部
と脚部側の凹部とは嵌合状態を維持しているため
シートクツシヨンのがたつき、特に左右方向（横
方向）のがたつきが防止されてシートクツシヨン
ははね上げ状態でも安定して保持される利点があ
る。

そして、シートクツシヨンを床部に対して取外
す場合にピンを脚部側の軸受用孔から抜脱操作す
る操作レバーがシートクツシヨンの裏面側に配置
されているためシートクツシヨンをはね上げ状態
にしなければ操作できず、従つて着座状態で誤動
作或いは不用意にロツク解除されるおそれがな
く、安定性が一層向上され、またこのロツクピン
はシートクツシヨンからの荷重はほとんど作用し
ないためシートクツシヨンのはね上げ動作により
摩耗したり、また軸受用孔に対する抜脱操作も何
等支障なく常に円滑に行える等の利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による座席の一例を示す分離状
態の斜視図、第２図は側面図、第３図は分離状態
を示す一部の正面図、第４図は装着状態を示す一
部の正面図、第５図はフツクの一例を示す側面図
である。 ２はシートクツシヨン、３はシートバツク、８
ａ，８ｂはブラケツトとしての金具、９ａ，９ｂ
はピン、１１ａ，１１ｂは軸受部、１５ａ，１５
ｂはフツク、１８ａ，１８ｂは脚部、１９ａ，１
９ｂは凹部、２０ａ，２０ｂは貫通孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンの前方部の両側に略Ｌ字状の
   ブラケツトが固定され、該ブラケツトの外側面に
   軸受部が円形状に突設されてピンを左右方向に進
   退自在に支持し、該ピンの進退を操作する操作レ
   バーをシートクツシヨンの裏面側に配設すると共
   に後方部にフツクを回動自在に取付け、上記シー
   トクツシヨンを載置する床部には、上記シートク
   ツシヨンの両側部に対応して脚部が設けられ、該
   脚部に上記ブラケツトの軸受部が嵌合される凹部
   を形成すると共に該凹部に上記ピンを回動自在に
   軸受けする軸受用孔を設け、かつ後方部に上記フ
   ツクと係合するストライカを設けたことを特徴と
   する車両用座席。