JPH0360947B2 - - Google Patents
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- JPH0360947B2 JPH0360947B2 JP59019246A JP1924684A JPH0360947B2 JP H0360947 B2 JPH0360947 B2 JP H0360947B2 JP 59019246 A JP59019246 A JP 59019246A JP 1924684 A JP1924684 A JP 1924684A JP H0360947 B2 JPH0360947 B2 JP H0360947B2
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Landscapes
- Treatment Of Fiber Materials (AREA)
- Knitting Of Fabric (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Description
Ａ 本発明の技術分野
本発明は、ポリエステル系繊維からなるカード
スライバーをパイルとしてハイパイル編機で編成
し、ポリシヤーでのポリツシングによりパイル先
端の捲縮を除去し、獣毛に似た外観及び風合を有
するハイパイル布帛の製造方法に関するものであ
る。 Ｂ 従来技術とその問題点 従来から獣毛調ハイパイル布帛のパイル用繊維
としては、アクリル及びアクリル系繊維が主とし
て使用されていた。しかしアクリル及びアクリル
系繊維をパイル用繊維とするハイパイル布帛は、
弾力性に乏しく、腰がない上、使用中にへたり易
く、水洗洗濯によりパイルがへたつてしまい、外
観及び風合が著しく損われるという欠点を有す
る。 これを改良するため、ポリエステル系繊維をパ
イル用繊維として使用することが試みられてい
る。ポリエステル系繊維をパイル用繊維としたハ
イパイル布帛は、弾力性に富み、腰があり、使用
中のへたりが少なく、水洗洗濯によるパイルのへ
たりは少ない。しかしポリシヤーでのポリシング
により、パイル先端の捲縮が十分除去されず、外
観及び風合が獣毛調とはほど違いものである。 また、パイル用繊維として異型断面繊維を使用
して、獣毛調パイル製品を製造する技術も公知で
ある（特開昭56−31073号広公報、特開昭57−
51808号公報）が、これらはポリツシヤー工程や
使用時に繊維がフイブリル化しやすく光沢に欠点
を有していた。 Ｃ 本発明の構成 本発明者らは、このような現状をかんがみて、
パイル用繊維として特定断面形状のポリエステル
系繊維を使用し、毛さばき性、ライテイング性に
優れ、外観及び風合が獣毛調があるハイパイル布
帛を得る方法について種々検討し本発明に至つた
ものである。 即ち、本発明は、ハイパイル布帛のパイルを構
成する繊維の30重量％以上が、繊度Ｄ（デニー
ル）、繊維長Ｌ（mm）、捲縮数CpN（ケ／25mm）、捲
縮率CpD（％）及び捲縮堅牢度CpT（％）が下記
の(1)〜(5)式を満足するポリエステル系繊維であつ
て、かつ該ポリエステル系繊維の横断面が長方形
部分の両端に略円または楕円形部分が一体化され
た形状であり、長方形部分の長さｌ、厚さｄ及び
長方形部分の長さ方向の軸とほぼ一致する略円又
は楕円形部分の軸の長さａ及びこれを直交する軸
の長さｂが下記の(7)〜(10)式を満足するドツグボー
ン型のポリエステル系繊維であり、残部が下記の
(6)式の繊維長L0（mm）を満足するポリエステル系
繊維からなる布帛を、表面温度175〜200℃のポリ
ツシヤーでポリツシングすることを特徴とする獣
毛調ハイパイル布帛の製造方法である。 ３≦Ｄ≦20 (1) 20≦Ｌ≦250 (2) ４≦CpN≦12 (3) ４≦CpD≦15 (4) CpT≦20 (5) 20≦L0≦Ｌ−５ (6) ３≦ｌ／ｄ≦25 (7) 1.2≦ｂ／ｄ≦1.1／150(l/d)2−4.1／10(l/d)＋103／15
(8) ２≦ｌ／ａ (9) 0.8≦ａ／ｂ≦２ (10) 本発明の特徴の第１は、パイルを構成する繊維
の30重量％以上が、ドツグボーン型の横断面形状
を有し、繊度、繊維長、捲縮数、捲縮率、捲縮堅
牢度が(1)(2)(3)(4)及び(5)式を満足するポリエステル
系繊維であり、残部が(6)式を満足する繊維長のポ
リエステル系繊維を使用することにある。 本発明の特徴の第２は、このようにして得た繊
維をパイル用繊維として編成したハイパイル布帛
を表面温度175〜200℃のポリツシヤーでポリツシ
ングすることにある。 第１と第２の特徴を満足しはじめて毛さばき性
及びライテイング性共に優れた獣毛調ハイパイル
が得られるのである。即ち、獣毛調ハイパイルを
得るためには、第１の特徴を有するポリエステル
系繊維を使用し、しかも第２の特徴を有する加工
条件を必要とするのである。 第１の特徴から説明する。獣毛調ハイパイル
は、毛さばき性が良いこと及びライテイング性を
有することが必要である。ここで毛さばき性と
は、パイルを手で触れたとき繊維が互いに絡み合
わず、手をはなした後繊維がもとの位置まで速や
かに回復する性質をいう。 またライテイング性とは、一方向からの光の入
射に対し反射光の方向がランダムとなるため、反
射光を一方向から見た場合光の強弱が混在する性
質をいう。 毛さばき性をよくするには、ハイパイル布帛に
おいてパイル先端の捲縮が十分除去されているこ
とが必要である。パイル先端の捲縮除去が不十分
であれば外観上フエルト調にみえ、獣毛調とはみ
えないのである。 パイルを手で触れたとき繊維が互いに絡み合わ
ず、手をはなした後繊維がもとの位置まで速やか
に回復するためには、一方向からの力に対して繊
維の倒れ易さが倒れ易いものと倒れ難いものが混
在していることが必要である。 本発明においては、特定形状のドツグボーン型
ポリエステル系繊維を用いればこれらを満足する
ことを認めたのである。即ち、特定のドツグボー
ン型の断面図を有するポリエステル系繊維からな
るパイルは、一方向からの力に対し個々の繊維の
倒れ易さが倒れ易いものと倒れ難いものが混在し
ており、パイルの毛ばさき性がよいのである。さ
らに、ドツグボーン型の横断面を有するポリエス
テル系繊維がらなるパイルはライデイング性が良
く、獣毛調の光沢を有する。 獣毛調ハイパイル布帛を得るためには、このよ
うなドツグボーン型の横断面を有するポリエステ
ル系繊維であつて、しかも繊度、繊維長、捲縮
数、捲縮率及び捲縮堅牢度が(1)(2)(3)(4)及び(5)式を
満足することが必要である。 繊度Ｄ（デニール）については、Ｄ＞20のとき
は、得られたハイパイル布帛のパイルの触感が硬
く不適当である。Ｄ＜３のときは、繊維が互いに
絡み合い毛さばき性が悪い。 繊維長Ｌ（mm）については、Ｌ＞250のときは、
パイルの繊維が互いに絡み合いを生じ、毛さばき
性が悪い。Ｌ＜20のときは、カード工程通過性が
悪く、均一なカードスライバーが得られず、それ
により編成工程性も悪く、従つて得られたハイパ
イル布帛も外観不良である。 捲縮数CpN（ケ／25mm）については、CpN＞12
のときは、パイルの繊維同志が絡み合つており、
ポリツシヤーでのポリツシングでパイル先端の捲
縮除去性が悪く、獣毛調ハイパイルが得られな
い。CpN＜４のときは、カード工程通過性及び
編成工程性が悪く、かつ得られたハイパイル布帛
はカバーリング性が不良である。 捲縮率CpD（％）については、CpD＞15のとき
は、パイルの繊維同志の絡み合いが強くなり毛さ
ばき性が悪い。CpD＜４のときは、カード工程通
過性及び編成工程性が悪く、かつ得られたハイパ
イル布帛はカバーリング性が不良である。 捲縮堅牢度CpT（％）については、CpT＞20の
ときは、繊維の捲縮安定性が良すぎてポリツシヤ
ーでのポリツシングにおいてパイル先端の捲縮除
去性が悪い。 上記(1)〜(5)式を満足するポリエステル系繊維
は、パイルを構成する繊維の30重量％以上使用す
ることが必要である。30重量％よりも少ない場合
残部の繊維の影響が現われ、ドツグボーン型繊維
の良さが十分発揮されない。 残部のポリエステル系繊維は、(6)式を満足する
繊維長L0（mm）を有することが必要である。L0＜
20のときはカード工程通過性及び編成工程性が不
良である。L0＞Ｌ−５のときは、得られたハイ
パイル布帛はL0（mm）の繊維の影響が現われ、捲
縮除去性及び毛さばき性が悪い。 第２の特徴のポイントは、表面温度175〜200℃
のポリツシヤーでのポリツシングにある。175℃
よりも低い場合、ハイパイル布帛のパイル先端の
捲縮除去が不十分であり、200℃よりも高い場合、
繊維の部分的な融着を生じ、得られたハイパイル
布帛の風合が悪くなる。 ポリツシヤー表面温度を175〜200℃とするた
め、ドツグボーン型ポリエステル系繊維と混綿す
る残部の繊維は、ポリエステル系繊維であるとが
必要であり、ポリエステル系繊維以外の繊維、例
えばアクリルまたはアクリル系繊維を使用した場
合は、繊維が部分的に融着し、得られたハイパイ
ル布帛のパイルはがさつきを生じ粗硬な風合とな
り好ましくない。 更に本発明においては、特に、前記ドツグボー
ン型ポリエステル系繊維の横断面が第１図に示す
ように、長方形部分の両端に略円または楕円形部
分が一体化された形状であり、長方形部分の長さ
ｌ、厚さｄ及び長方形部分の長さ方向の軸とほぼ
一致する略円または楕円計部分の軸の長さａ及び
これと直交する軸の長さｂが(7)(8)(9)(10)式を満足す
る場合に効果が発揮されるものである。 ｌ／ｄについては、ｌ／ｄ＜３のときはパイル
のライテイング性及び毛さばき性が不足する。 ｌ／ｄ＞25のときは超偏平型となり、特に中央
部の長方形部分がカード工程で損傷し易く、ポリ
ツシヤー工程でフイブリル化し易い。 ｂ／ｄについては、ｂ／ｄ＜1.2のときは得ら
れたハイパイル布帛の弾力性及び腰が不足する。 b/d＞1.1／150(l/d)2−4.1／10(l/d)＋103／15 のときは超偏平型となり、時に中央部の長方形部
分がカード工程で損傷し易く、ポリツシヤー工程
でフイブリル化し易い傾向にある。 ｌ／ａについては、ｌ／ａ＜２のときは得られ
たハイパイル布帛のパイルのライテイング性及び
毛さばき性が不足する。 ａ／ｂについては、ａ／ｂ＜0.8のときまたは
ａ／ｂ＞2.0のときは得られたハイパイル布帛の
パイルのライテイング性及び毛さばき性が不足す
る。 本発明においてポリエステル系繊維とは、ポリ
エチレンテレフタレートを80モル％以上含むもの
で、これに安定剤、艶消剤等の添加物を含んでい
てもよい。 以下実施例によつて更に本発明を説明する。 実施例 １ 下記のポリエステル系繊維Ａ及びＢをそれぞれ
常法により染色後、Ａ：Ｂ＝60：40（重量比）で
混綿した後カーデイングし、目付15ｇ／m2のカー
ドスライバーを作成した。 これをパイルとして通常のポリエステル系繊維
からなる紡績系（番手201S/1）を地糸とし、ハイ
パイル編機（10ゲージ、口径20インチ）で編成
し、バツキングをした後シヤーリングし、次にポ
リツシヤー加工を行なつた。 ポリツシヤー加工は、表面温度175〜180℃で布
帛進行方向と同方向及び逆方向に交互に各２回通
過させ、再度仕上のシヤーリングを行ない、ハイ
パイル布帛を得た。 このハイパイル布帛は幅1.5ｍ、パイル長20mm、
パイル目付1.1Kg．／全幅×１ｍ長、地糸目付130
ｇ／全幅×１ｍ長であり、パイル先端の捲縮は充
分除去されており、毛さばき性も良好で、獣毛調
のおだやかな光沢と、なめらかな触感を有し、外
観及び風合とも獣毛調であつた。 繊維Ａ：横断面：ドツグボーン型 ｌ／ｄ：3.5 ｂ／ｄ：1.5 ｌ／ａ：2.3 ａ／ｂ：1.0 繊維：８デニール 繊維長：51mm 捲縮数：７ケ／25mm 捲縮率：７％ 捲縮堅牢度：14％ 繊維Ｂ：横断面：円型 繊度：４デニール 繊維長：44mm 比較例 １〜10 実施例１の繊維Ａの代りに第１表に示したポリ
エステル系繊維を用いるほかは実施例１と同様に
処理した。得られたハイパイル布帛は外観及び風
合が獣毛調とはほど遠いものであつた。
スライバーをパイルとしてハイパイル編機で編成
し、ポリシヤーでのポリツシングによりパイル先
端の捲縮を除去し、獣毛に似た外観及び風合を有
するハイパイル布帛の製造方法に関するものであ
る。 Ｂ 従来技術とその問題点 従来から獣毛調ハイパイル布帛のパイル用繊維
としては、アクリル及びアクリル系繊維が主とし
て使用されていた。しかしアクリル及びアクリル
系繊維をパイル用繊維とするハイパイル布帛は、
弾力性に乏しく、腰がない上、使用中にへたり易
く、水洗洗濯によりパイルがへたつてしまい、外
観及び風合が著しく損われるという欠点を有す
る。 これを改良するため、ポリエステル系繊維をパ
イル用繊維として使用することが試みられてい
る。ポリエステル系繊維をパイル用繊維としたハ
イパイル布帛は、弾力性に富み、腰があり、使用
中のへたりが少なく、水洗洗濯によるパイルのへ
たりは少ない。しかしポリシヤーでのポリシング
により、パイル先端の捲縮が十分除去されず、外
観及び風合が獣毛調とはほど違いものである。 また、パイル用繊維として異型断面繊維を使用
して、獣毛調パイル製品を製造する技術も公知で
ある（特開昭56−31073号広公報、特開昭57−
51808号公報）が、これらはポリツシヤー工程や
使用時に繊維がフイブリル化しやすく光沢に欠点
を有していた。 Ｃ 本発明の構成 本発明者らは、このような現状をかんがみて、
パイル用繊維として特定断面形状のポリエステル
系繊維を使用し、毛さばき性、ライテイング性に
優れ、外観及び風合が獣毛調があるハイパイル布
帛を得る方法について種々検討し本発明に至つた
ものである。 即ち、本発明は、ハイパイル布帛のパイルを構
成する繊維の30重量％以上が、繊度Ｄ（デニー
ル）、繊維長Ｌ（mm）、捲縮数CpN（ケ／25mm）、捲
縮率CpD（％）及び捲縮堅牢度CpT（％）が下記
の(1)〜(5)式を満足するポリエステル系繊維であつ
て、かつ該ポリエステル系繊維の横断面が長方形
部分の両端に略円または楕円形部分が一体化され
た形状であり、長方形部分の長さｌ、厚さｄ及び
長方形部分の長さ方向の軸とほぼ一致する略円又
は楕円形部分の軸の長さａ及びこれを直交する軸
の長さｂが下記の(7)〜(10)式を満足するドツグボー
ン型のポリエステル系繊維であり、残部が下記の
(6)式の繊維長L0（mm）を満足するポリエステル系
繊維からなる布帛を、表面温度175〜200℃のポリ
ツシヤーでポリツシングすることを特徴とする獣
毛調ハイパイル布帛の製造方法である。 ３≦Ｄ≦20 (1) 20≦Ｌ≦250 (2) ４≦CpN≦12 (3) ４≦CpD≦15 (4) CpT≦20 (5) 20≦L0≦Ｌ−５ (6) ３≦ｌ／ｄ≦25 (7) 1.2≦ｂ／ｄ≦1.1／150(l/d)2−4.1／10(l/d)＋103／15
(8) ２≦ｌ／ａ (9) 0.8≦ａ／ｂ≦２ (10) 本発明の特徴の第１は、パイルを構成する繊維
の30重量％以上が、ドツグボーン型の横断面形状
を有し、繊度、繊維長、捲縮数、捲縮率、捲縮堅
牢度が(1)(2)(3)(4)及び(5)式を満足するポリエステル
系繊維であり、残部が(6)式を満足する繊維長のポ
リエステル系繊維を使用することにある。 本発明の特徴の第２は、このようにして得た繊
維をパイル用繊維として編成したハイパイル布帛
を表面温度175〜200℃のポリツシヤーでポリツシ
ングすることにある。 第１と第２の特徴を満足しはじめて毛さばき性
及びライテイング性共に優れた獣毛調ハイパイル
が得られるのである。即ち、獣毛調ハイパイルを
得るためには、第１の特徴を有するポリエステル
系繊維を使用し、しかも第２の特徴を有する加工
条件を必要とするのである。 第１の特徴から説明する。獣毛調ハイパイル
は、毛さばき性が良いこと及びライテイング性を
有することが必要である。ここで毛さばき性と
は、パイルを手で触れたとき繊維が互いに絡み合
わず、手をはなした後繊維がもとの位置まで速や
かに回復する性質をいう。 またライテイング性とは、一方向からの光の入
射に対し反射光の方向がランダムとなるため、反
射光を一方向から見た場合光の強弱が混在する性
質をいう。 毛さばき性をよくするには、ハイパイル布帛に
おいてパイル先端の捲縮が十分除去されているこ
とが必要である。パイル先端の捲縮除去が不十分
であれば外観上フエルト調にみえ、獣毛調とはみ
えないのである。 パイルを手で触れたとき繊維が互いに絡み合わ
ず、手をはなした後繊維がもとの位置まで速やか
に回復するためには、一方向からの力に対して繊
維の倒れ易さが倒れ易いものと倒れ難いものが混
在していることが必要である。 本発明においては、特定形状のドツグボーン型
ポリエステル系繊維を用いればこれらを満足する
ことを認めたのである。即ち、特定のドツグボー
ン型の断面図を有するポリエステル系繊維からな
るパイルは、一方向からの力に対し個々の繊維の
倒れ易さが倒れ易いものと倒れ難いものが混在し
ており、パイルの毛ばさき性がよいのである。さ
らに、ドツグボーン型の横断面を有するポリエス
テル系繊維がらなるパイルはライデイング性が良
く、獣毛調の光沢を有する。 獣毛調ハイパイル布帛を得るためには、このよ
うなドツグボーン型の横断面を有するポリエステ
ル系繊維であつて、しかも繊度、繊維長、捲縮
数、捲縮率及び捲縮堅牢度が(1)(2)(3)(4)及び(5)式を
満足することが必要である。 繊度Ｄ（デニール）については、Ｄ＞20のとき
は、得られたハイパイル布帛のパイルの触感が硬
く不適当である。Ｄ＜３のときは、繊維が互いに
絡み合い毛さばき性が悪い。 繊維長Ｌ（mm）については、Ｌ＞250のときは、
パイルの繊維が互いに絡み合いを生じ、毛さばき
性が悪い。Ｌ＜20のときは、カード工程通過性が
悪く、均一なカードスライバーが得られず、それ
により編成工程性も悪く、従つて得られたハイパ
イル布帛も外観不良である。 捲縮数CpN（ケ／25mm）については、CpN＞12
のときは、パイルの繊維同志が絡み合つており、
ポリツシヤーでのポリツシングでパイル先端の捲
縮除去性が悪く、獣毛調ハイパイルが得られな
い。CpN＜４のときは、カード工程通過性及び
編成工程性が悪く、かつ得られたハイパイル布帛
はカバーリング性が不良である。 捲縮率CpD（％）については、CpD＞15のとき
は、パイルの繊維同志の絡み合いが強くなり毛さ
ばき性が悪い。CpD＜４のときは、カード工程通
過性及び編成工程性が悪く、かつ得られたハイパ
イル布帛はカバーリング性が不良である。 捲縮堅牢度CpT（％）については、CpT＞20の
ときは、繊維の捲縮安定性が良すぎてポリツシヤ
ーでのポリツシングにおいてパイル先端の捲縮除
去性が悪い。 上記(1)〜(5)式を満足するポリエステル系繊維
は、パイルを構成する繊維の30重量％以上使用す
ることが必要である。30重量％よりも少ない場合
残部の繊維の影響が現われ、ドツグボーン型繊維
の良さが十分発揮されない。 残部のポリエステル系繊維は、(6)式を満足する
繊維長L0（mm）を有することが必要である。L0＜
20のときはカード工程通過性及び編成工程性が不
良である。L0＞Ｌ−５のときは、得られたハイ
パイル布帛はL0（mm）の繊維の影響が現われ、捲
縮除去性及び毛さばき性が悪い。 第２の特徴のポイントは、表面温度175〜200℃
のポリツシヤーでのポリツシングにある。175℃
よりも低い場合、ハイパイル布帛のパイル先端の
捲縮除去が不十分であり、200℃よりも高い場合、
繊維の部分的な融着を生じ、得られたハイパイル
布帛の風合が悪くなる。 ポリツシヤー表面温度を175〜200℃とするた
め、ドツグボーン型ポリエステル系繊維と混綿す
る残部の繊維は、ポリエステル系繊維であるとが
必要であり、ポリエステル系繊維以外の繊維、例
えばアクリルまたはアクリル系繊維を使用した場
合は、繊維が部分的に融着し、得られたハイパイ
ル布帛のパイルはがさつきを生じ粗硬な風合とな
り好ましくない。 更に本発明においては、特に、前記ドツグボー
ン型ポリエステル系繊維の横断面が第１図に示す
ように、長方形部分の両端に略円または楕円形部
分が一体化された形状であり、長方形部分の長さ
ｌ、厚さｄ及び長方形部分の長さ方向の軸とほぼ
一致する略円または楕円計部分の軸の長さａ及び
これと直交する軸の長さｂが(7)(8)(9)(10)式を満足す
る場合に効果が発揮されるものである。 ｌ／ｄについては、ｌ／ｄ＜３のときはパイル
のライテイング性及び毛さばき性が不足する。 ｌ／ｄ＞25のときは超偏平型となり、特に中央
部の長方形部分がカード工程で損傷し易く、ポリ
ツシヤー工程でフイブリル化し易い。 ｂ／ｄについては、ｂ／ｄ＜1.2のときは得ら
れたハイパイル布帛の弾力性及び腰が不足する。 b/d＞1.1／150(l/d)2−4.1／10(l/d)＋103／15 のときは超偏平型となり、時に中央部の長方形部
分がカード工程で損傷し易く、ポリツシヤー工程
でフイブリル化し易い傾向にある。 ｌ／ａについては、ｌ／ａ＜２のときは得られ
たハイパイル布帛のパイルのライテイング性及び
毛さばき性が不足する。 ａ／ｂについては、ａ／ｂ＜0.8のときまたは
ａ／ｂ＞2.0のときは得られたハイパイル布帛の
パイルのライテイング性及び毛さばき性が不足す
る。 本発明においてポリエステル系繊維とは、ポリ
エチレンテレフタレートを80モル％以上含むもの
で、これに安定剤、艶消剤等の添加物を含んでい
てもよい。 以下実施例によつて更に本発明を説明する。 実施例 １ 下記のポリエステル系繊維Ａ及びＢをそれぞれ
常法により染色後、Ａ：Ｂ＝60：40（重量比）で
混綿した後カーデイングし、目付15ｇ／m2のカー
ドスライバーを作成した。 これをパイルとして通常のポリエステル系繊維
からなる紡績系（番手201S/1）を地糸とし、ハイ
パイル編機（10ゲージ、口径20インチ）で編成
し、バツキングをした後シヤーリングし、次にポ
リツシヤー加工を行なつた。 ポリツシヤー加工は、表面温度175〜180℃で布
帛進行方向と同方向及び逆方向に交互に各２回通
過させ、再度仕上のシヤーリングを行ない、ハイ
パイル布帛を得た。 このハイパイル布帛は幅1.5ｍ、パイル長20mm、
パイル目付1.1Kg．／全幅×１ｍ長、地糸目付130
ｇ／全幅×１ｍ長であり、パイル先端の捲縮は充
分除去されており、毛さばき性も良好で、獣毛調
のおだやかな光沢と、なめらかな触感を有し、外
観及び風合とも獣毛調であつた。 繊維Ａ：横断面：ドツグボーン型 ｌ／ｄ：3.5 ｂ／ｄ：1.5 ｌ／ａ：2.3 ａ／ｂ：1.0 繊維：８デニール 繊維長：51mm 捲縮数：７ケ／25mm 捲縮率：７％ 捲縮堅牢度：14％ 繊維Ｂ：横断面：円型 繊度：４デニール 繊維長：44mm 比較例 １〜10 実施例１の繊維Ａの代りに第１表に示したポリ
エステル系繊維を用いるほかは実施例１と同様に
処理した。得られたハイパイル布帛は外観及び風
合が獣毛調とはほど遠いものであつた。
【表】
比較例 11
実施例１において、ポリツシヤーの表面温度を
140℃とするほかは実施例１と同様に処理した。 得られたハイパイル布帛は、パイル先端の捲縮
除去が不十分で外観及び風合が獣毛調とはならな
かつた。 比較例 12 実施例１において、Ａ：Ｂ＝20：80（重量比）
とするほかは実施例１と同様に処理した。 得られたハイパイル布帛は、パイル先端の捲縮
除去が不十分であり、毛さばき性が悪く、ライテ
イング性も不良であり、獣毛調とはならなかつ
た。 比較例 13 実施例１において、繊維Ｂを円型断面で繊度３
デニール、繊維長51mmのポリエステル系繊維とす
るほかは実施例１と同様に処理した。 得られたハイパイル布帛は、パイル先端の捲縮
除去が不十分であり、毛さばき性が悪く、ライテ
イング性も不良であり、獣毛調とはならなかつ
た。 実施例 ２〜４ 実施例１においてポリエステル系繊維Ａの替り
に第２表に示した各種のポリエステル系繊維を用
いるほかは実施例１と同様に処理した。得られた
ハイパイル布帛は毛さばき性及びライテイング性
に優れた外観及び風合とも獣毛調であつた。 比較例 14〜25 実施例１の繊維Ａの代りに、第２表に示した繊
維を用いるほかは、実施例１と同様に処理した。
得られたハイパイル布帛は外観及び風合が獣毛調
であつたが、毛さばき性及びライテイング性を両
方とも十分に満足しているものはひとつもなかつ
た。 特に、比較例24、25においてはポリツシング工
程で繊維にフイブリル化が生じライテイング性に
問題があつた。
140℃とするほかは実施例１と同様に処理した。 得られたハイパイル布帛は、パイル先端の捲縮
除去が不十分で外観及び風合が獣毛調とはならな
かつた。 比較例 12 実施例１において、Ａ：Ｂ＝20：80（重量比）
とするほかは実施例１と同様に処理した。 得られたハイパイル布帛は、パイル先端の捲縮
除去が不十分であり、毛さばき性が悪く、ライテ
イング性も不良であり、獣毛調とはならなかつ
た。 比較例 13 実施例１において、繊維Ｂを円型断面で繊度３
デニール、繊維長51mmのポリエステル系繊維とす
るほかは実施例１と同様に処理した。 得られたハイパイル布帛は、パイル先端の捲縮
除去が不十分であり、毛さばき性が悪く、ライテ
イング性も不良であり、獣毛調とはならなかつ
た。 実施例 ２〜４ 実施例１においてポリエステル系繊維Ａの替り
に第２表に示した各種のポリエステル系繊維を用
いるほかは実施例１と同様に処理した。得られた
ハイパイル布帛は毛さばき性及びライテイング性
に優れた外観及び風合とも獣毛調であつた。 比較例 14〜25 実施例１の繊維Ａの代りに、第２表に示した繊
維を用いるほかは、実施例１と同様に処理した。
得られたハイパイル布帛は外観及び風合が獣毛調
であつたが、毛さばき性及びライテイング性を両
方とも十分に満足しているものはひとつもなかつ
た。 特に、比較例24、25においてはポリツシング工
程で繊維にフイブリル化が生じライテイング性に
問題があつた。
【表】
Ｄ 本発明の効果
本発明の方法によれば、パイルの毛さばき性が
良く、ライテイング性に優れ、外観及び風合が獣
毛調であるハイパイル布帛が得られ、しかもポリ
エステル系繊維特有の弾力性及び腰を有し、使用
中のへたりが少なく、かつ水洗洗濯によるパイル
のへたりの少ないハイパイル布帛が得られる。
良く、ライテイング性に優れ、外観及び風合が獣
毛調であるハイパイル布帛が得られ、しかもポリ
エステル系繊維特有の弾力性及び腰を有し、使用
中のへたりが少なく、かつ水洗洗濯によるパイル
のへたりの少ないハイパイル布帛が得られる。
第１図は、本発明におけるドツグボーン型形状
の定義を示す図である。
の定義を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 １ ハイパイル布帛のパイルを構成する繊維の30
重量％以上が、繊度Ｄ（デニール）、繊維長Ｌ
（mm）、捲縮数CpN（ケ／25mm）、捲縮率CpD（％）
及び捲縮堅牢度CpT（％）が下記の(1)〜(5)式を満
足するポリエステル系繊維であつて、かつ該ポリ
エステル系繊維の横断面が長方形部分の両端に略
円または楕円形部分が一体化された形状であり、
長方形部分の長さｌ、厚さｄ及び長方形部分の長
さ方向の軸とほぼ一致する略円又は楕円形部分の
軸の長さａ及びこれを直交する軸の長さｂが下記
の(7)〜(10)式を満足するドツグボーン型のポリエス
テル系繊維であり、残部が下記の(6)式の繊維長
L0（mm）を満足するポリエステル系繊維からなる
布帛を、表面温度175〜200℃のポリツシヤーでポ
リツシングすることを特徴とする獣毛調ハイパイ
ル布帛の製造方法。 ３≦Ｄ≦20 (1) 20≦Ｌ≦250 (2) ４≦CpN≦12 (3) ４≦CpD≦15 (4) CpT≦20 (5) 20≦L0≦Ｌ−５ (6) ３≦ｌ／ｄ≦25 (7) 1.2≦ｂ／ｄ≦1.1／150(l/d)2−4.1／10(l/d)＋103／15
(8) ２≦ｌ／ａ (9) 0.8≦ａ／ｂ≦２ (10)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1924684A JPS60162857A (ja) | 1984-02-03 | 1984-02-03 | 獣毛調ハイパイル布帛の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1924684A JPS60162857A (ja) | 1984-02-03 | 1984-02-03 | 獣毛調ハイパイル布帛の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60162857A JPS60162857A (ja) | 1985-08-24 |
| JPH0360947B2 true JPH0360947B2 (ja) | 1991-09-18 |
Family
ID=11994050
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1924684A Granted JPS60162857A (ja) | 1984-02-03 | 1984-02-03 | 獣毛調ハイパイル布帛の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60162857A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6359454A (ja) * | 1986-08-28 | 1988-03-15 | 帝人株式会社 | 直立性に優れた立毛編地 |
| JP2516823Y2 (ja) * | 1988-08-13 | 1996-11-13 | トヨタ自動車株式会社 | 立毛織布 |
| CN114575007B (zh) | 2018-07-11 | 2023-07-28 | 株式会社钟化 | 聚酯系纤维、使用其的绒头布帛及它们的制造方法 |
| WO2020179238A1 (ja) | 2019-03-01 | 2020-09-10 | 株式会社カネカ | 捲縮を有するポリエステル系繊維、その製造方法、それを含むパイル布帛、及びパイル布帛の製造方法 |
| CN113906175B (zh) | 2019-12-25 | 2022-11-04 | 株式会社钟化 | 绒头布帛及其制造方法 |
Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5227895A (en) * | 1975-08-26 | 1977-03-02 | Teijin Ltd | Manufacture for nylon cut pile carpet |
| JPS5255774A (en) * | 1975-10-29 | 1977-05-07 | Teijin Ltd | Method of producing polyester high pile cloth |
| JPS5631073A (en) * | 1979-08-20 | 1981-03-28 | Teijin Ltd | Production of artificial leather |
| JPS5751808A (en) * | 1980-09-16 | 1982-03-26 | Teijin Ltd | Animal hair-like artificial fiber |
| JPS5766118A (en) * | 1980-10-07 | 1982-04-22 | Kuraray Co Ltd | Polyester fiber having improved pilling resistance |
-
1984
- 1984-02-03 JP JP1924684A patent/JPS60162857A/ja active Granted
Patent Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5227895A (en) * | 1975-08-26 | 1977-03-02 | Teijin Ltd | Manufacture for nylon cut pile carpet |
| JPS5255774A (en) * | 1975-10-29 | 1977-05-07 | Teijin Ltd | Method of producing polyester high pile cloth |
| JPS5631073A (en) * | 1979-08-20 | 1981-03-28 | Teijin Ltd | Production of artificial leather |
| JPS5751808A (en) * | 1980-09-16 | 1982-03-26 | Teijin Ltd | Animal hair-like artificial fiber |
| JPS5766118A (en) * | 1980-10-07 | 1982-04-22 | Kuraray Co Ltd | Polyester fiber having improved pilling resistance |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60162857A (ja) | 1985-08-24 |
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