JPH0354347B2 - - Google Patents

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JPH0354347B2
JPH0354347B2 JP58201077A JP20107783A JPH0354347B2 JP H0354347 B2 JPH0354347 B2 JP H0354347B2 JP 58201077 A JP58201077 A JP 58201077A JP 20107783 A JP20107783 A JP 20107783A JP H0354347 B2 JPH0354347 B2 JP H0354347B2
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真法、静電印刷法、静電記録
法などにおいて形成される静電荷像を現像するた
めのトナーに関するものである。 〔従来の技術〕 静電荷像の現像工程は、帯電せしめた微粒子を
静電引力により吸引せしめて静電荷像支持体の表
面に付着させ、これによつて静電荷像を可視化す
る工程である。 このような現像工程を遂行する具体的な方法と
しては、絶縁性有機液体中に顔料又は染料を微細
に分散させた液体現像剤を用いる湿式現像法と、
天然又は合成の樹脂より成るバインダー中にカー
ボンブラツク等の着色剤を分散含有せしめたトナ
ーより成る粉体現像剤を用いる、カスケード法、
毛ブラシ法、磁気ブラシ法、インプレツシヨン
法、パウダークラウド法などの乾式現像法とがあ
る。 現像工程において可視化された画像はそのまま
支持体に定着されることもあるが、通常は転写紙
等の他の支持体に転写された後定着される。この
ようにトナーは単に現像工程に付されるのみなら
ず、それ以後の工程、即ち転写工程及び定着工程
にも付されるので、トナーにおいては、その性能
として、良好な現像性のみでなく、良好な転写性
及び定着性を有することが要求される。このう
ち、定着性に関する諸条件は最も厳しいものであ
り、従来からこのトナーの定着性の改良に関する
研究及びその成果が多数の文献に発表されてい
る。 現像工程において形成されたトナー像又はこれ
が転写された画像の定着、一般に加熱定着方式に
よるのが有利であり、この加熱定着方式には、オ
ーブン定着等の非接触加熱定着方式と、熱ローラ
定着等の接触加熱定着方式とがある。接触加熱定
着方式は、熱効率が高い点で優れており、特に高
速定着が可能であつて高速複写機の定着に好適で
ある。また、比較的低温の熱源を用いることがで
きるため、この方式においては消費電力が少なく
てよく、複写機の小型化及びエネルギーの節約を
図ることができる。更に、定着器内に紙が滞溜し
た場合にも発火の危険がなく、この点においても
好ましい。 接触加熱定着方式はこのように種々の点で好ま
しいものであるが、この方式においては、オフセ
ツト現象の発生という重大な問題がある。これ
は、定着時に像を構成するトナーの一部が熱ロー
ラの表面に転移し、これが次に送られて来る転写
紙等に再転移して画像を汚すという現象である。
このオフセツト現象を防止するために、従来種々
の提案がなされ、一部実用化されている。その一
つは、熱ローラの表面にシリコンオイル等の離型
油を塗布しながら定着を行なうものであり、他は
トナーそれ自体にオフセツト防止性能を有せしめ
るものである。後者の手段は、シリコンオイル塗
布機構等が不要であるために定着器の構造が簡単
となり、シリコンオイルの補給等のメンテナンス
も不要である等の点で優れている。 而してオフセツト現象は、熱ローラの温度が高
くなると発生するものであり、従つてオフセツト
現象が発生する最低温度(以下「オフセツト発生
温度」という。)が高いもの程、非オフセツト性
が良好なトナーということができるが、トナーが
定着されるためにはその軟化点以上の温度に加熱
されることが必要であり、このため実際の熱ロー
ラ定着器においては、熱ローラの温度は、トナー
の軟化点以上でオフセツト発生温度より低い範囲
の定着可能温度域内の特定の温度に設定される。 然るに実際上は、熱ローラの温度を完全に均一
に設定温度に維持することはできず、更に温度上
考慮されるべき事情があることから、定着可能温
度域が広く、しかもその高さが接触加熱定着方式
の利点を損わないようなトナーが望ましいもので
ある。 一般にトナーのオフセツト発生温度を高くする
ためには、当該バインダー樹脂を高分子量成分が
含有されたものとすることが有効であるが、この
手段によつて十分な非オフセツト性をトナーに得
ようとすると、当該樹脂は軟化点の高いものとな
るためにトナーの定着に必要な最低温度(以下
「最低定着温度」という。)が高くなつてしまい、
接触加熱定着方式の利点が失われるようになる。
この最低定着温度は当然のことながら低いことが
望ましく、また最近において要望が高くなつてき
ている1枚の転写紙の両面に可視像を形成するこ
とを達成するためには、現像に供するトナーが低
い温度で定着し得るものであることが必要とな
る。 以上のような背景から、トナー粒子体中にポリ
プロピレンワツクス若しくはポリエチレンワツク
ス等の離型剤より成る低軟化点ワツクスを含有せ
しめることにより、最低定着温度を低下せしめる
手段が開発された。しかしながら、この手段にお
いては、粉末状のトナーの流動性が低下するた
め、現像性及び転写性が低下して良好な可視画像
が形成されず、また凝集性を帯びる傾向がある。
しかもワツクスの添加による効果を得るために
は、当該ワツクスの含有割合を相当に大きくしな
ければならず、その結果、現像スリーブ或いは静
電荷像支持体にワツクス成分が付着して皮膜を形
成するようになり、その機能を阻害する欠点があ
る。 トナーの流動性を改善するためには、疎水性シ
リカ微粉末より成る流動性向上剤をトナー粉末に
添加する方法が有効であるが、低軟化点ワツクス
を含有せしめたトナーにおいて十分な流動性を得
るためには疎水性シリカ微粉末を多量に添加する
ことが必要であり、その結果、硬度の高い疎水性
シリカ微粉末により静電荷像支持体の表面が損傷
されるようになり、当該支持体が光導電性感光体
であるときには重大な問題となる上、静電荷像支
持体の表面クリーニングがゴムブレードによつて
行なわれる場合には当該ブレードの摩耗が激しく
なり、更に現像に供されたけれどもトナー像の形
成に関与しなかつたトナーを現像器へ戻して再使
用するリサイクルシステムを有する画像形成装置
においては、トナー粒子の表面部に疎水性シリカ
の微粒子が埋め込まれるようになつてトナーの流
動性が低下するようになり、形成される可視画像
が画質の低いものとなる。 〔発明の目的〕 本発明は以上の如き事情に基いてなされたもの
であつて、その目的は、十分な非オフセツト性を
有し、最低定着温度が低く、従つて定着可能温度
域が広く、しかも流動性及び非凝集性が高く、常
に安定して良好な可視画像を形成することのでき
る静電荷像現像用トナーを提供するにある。 〔発明の構成〕 本発明の特徴とするところは、ポリオレフイン
より成る第1のワツクスと、α−メチレン脂肪族
モノカルボン酸エステルモノマーを変性成分とし
てこれによりブロツク共重合せしめた、変性成分
の割合が0.1〜50重量%であり、軟化点が90〜160
℃の変性ポリオレフインより成る第2のワツクス
とを、第1のワツクスと第2のワツクスの合計が
1〜20重量%となる割合で含有する点にある。 以下本発明について具体的に説明する。 本発明においては、バインダー樹脂の粒子体中
に、着色剤及び荷電制御剤その他の必要なトナー
成分と共に、ポリオレフインより成る第1のワツ
クス(以下「未変性ワツクス」という。)及びα
−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステルモノマ
ー(以下「アクリレートモノマー」という。)と
ポリオレフインとをブロツク共重合せしめて得ら
れる重合体、即ちアクリレートモノマーを変性成
分としてこれにより変性したポリオレフイン(以
下「変性ポリオレフイン」という。)より成る第
2のワツクス(以下「変性ワツクス」という。)
を含有せしめて静電荷像現像用トナーとする。 以上において、未変性ワツクス及び変性ワツク
スの使用量は、両者の合計の含有割合がバインダ
ー樹脂に対して1〜20重量%の範囲内である。こ
の割合が1重量%未満では、当該ワツクスの離型
剤としての効果が発揮されず従つてトナーの非オ
フセツト性が改善されず、一方この割合が過大で
あると、トナーの流動性が低下するようになり、
このため現像性及び転写性が低下して良好な可視
画像が形成されず、また現像スリーブ或いは静電
荷像支持体に当該ワツクスが付着して皮膜を形成
し、その機能を阻害するようになる。 また、未変性ワツクスと変性ワツクスとの割合
は、重量で前者の1部に対して後者は0.5〜10部、
好ましくは0.5〜5部の割合とされる。この後者
の割合が過小のときはトナーの流動性が不十分と
なり、逆に前者の割合が過小のときはオフセツト
発生温度が低くなる。 前記バインダー樹脂としては、通常この種の用
途に使用されているものを用いることができる
が、実用上、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチ
レン−アクリル共重合体樹脂、他のビニル系樹
脂、ポリエステル樹脂、その他が好ましい。 バインダー樹脂として特に好ましいものの一つ
は、スチレン系単量体による重合体若しくは共重
合体、即ちスチレン系単量体の1種若しくは複数
種による重合体若しくは共重合体、またはスチレ
ン系単量体と他のビニル系単量体との共重合体で
あつて、数平均分子量(Mn)に対する重量平均
分子量(Mw)の比Mw/Mnの値が3.5以上のス
チレン系樹脂である。 前記スチレン系単量体の具体例としては、例え
ばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、a−メチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n
−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、
p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチ
レン、p−メトキシスチレン、p−フエニルスチ
レン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルス
チレン等を挙げることができる。 前記スチレン系単量体とビニル系単量体との共
重合体としては、スチレン−ブタジエン共重合体
またはスチレン−アクリル共重合体が特に好まし
い。ここにアクリル成分のためのアクリル単量体
としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オ
クチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸
ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アク
リル酸フエニル、α−クロルアクリル酸メチル、
メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、
メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸n−ブ
チル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル
酸n−オクチル、メタアクリル酸ドデシル、メタ
アクリル酸ラウリル、メタアクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタアクリル酸ステアリル、メタアク
リル酸フエニル、メタアクリル酸ジメチルアミノ
エチル、メタアクリル酸ジエチルアミノエチル等
のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル
類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、
アクリルアミド等とアクリル酸もしくはメタアク
リル酸誘導体、その他を挙げることができる。こ
れらの単量体は単独で或いは複数のものを組合せ
て用いることができる。 以上のようなスチレン系樹脂はMw/Mnが3.5
以上の値を有するものであるが、Mw/Mnが5
以上のものが望ましく、その分子量がMnで約
2000〜30000の値を有するものが特に望ましい。
なおMw、MnおよびMw/Mnの値は種々の方法
によつて測定することができ、測定方法の相異に
よつて若干の変動がある。したがつて、本発明に
おいてはMw、MnおよびMw/Mnの値を下記の
測定法によつて測定したものと定義する。 すなわち、これらの各値はすべてゲル・パーミ
エーシヨン・クロマトグラフイーによつて以下に
記す条件で測定された値とする。温度25℃におい
て溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速
で流し、濃度0.4g/dlのテトラヒドロフラン
試料溶液を試料重量として8mg注入し、測定を行
う。試料の分子量測定にあたつては、該試料の有
する分子量分布が、数種の単分散ポリスチレン標
準試料により、作製された検量線の分子量の対数
とカウント数が直線となる範囲内に包含される測
定条件を選択する。また、本測定にあたり信頼性
は上述の測定条件で行つたNBS706ポリスチレン
標準試料(Mw=28.8×104、Mn=13.7×104
Mw/Mn=2.11)のMw/Mnが2.11±0.10とな
る事により確認する。 さらに既述のようなスチレン系樹脂は構成成分
として含有される単量体の種類などによつて相異
はするが、概して環球法による軟化点が約100〜
170℃であるものが特に有効であり、またさらに
ガラス転移点が40℃以上であるものが特に有効で
ある。すなわち軟化点が100℃以下の場合には過
粉砕され易く、またトナーフイルミング現象によ
る光導電性感光板の汚染を生じ易い。また軟化点
が170℃を越える場合には固いために粉砕が困難
となり、しかも定着時に大きな熱量を要するので
定着効率が悪いという欠点がある。一方、ガラス
転移点が40℃以下の場合には、通常トナーの保存
条件が40℃以下であることからしてコールドフロ
ー現象による塊状化を生じ易い。 なお、スチレン系樹脂のガラス転移点は一般に
Mw/Mnの値が大となるにしたがい、幅を持ち
特定の値を示し難い傾向があるので、Mw/Mn
の値が大の樹脂についてはガラス転移点を測定す
ることが困難な場合がある。 前記スチレン系樹脂は下記の方法によつて合成
することができる。一般的な重合法を用いると
Mw/Mnが1.5〜3.0の樹脂が得られる。しかし本
発明において用いられるMw/Mnが3.5以上の樹
脂を得るには次の様な方法が用いられる。すなわ
ち、その一方法としては、重合温度を連続的もし
くは継続的に変化させて重合する方法がある。ま
た他の一方法としてはジビニル系化合物、トリビ
ニル系化合物を併用して重合する方法がある。さ
らにまた他の一方法としては、開始剤濃度や連鎖
移動剤濃度の異る数種のモノマーを逐次添加し重
合する方法がある。特に比較的低分子量の樹脂に
高分子量の樹脂を混合することによつて容易の
Mw/Mnの大きな樹脂を得ることができる。こ
れらの方法は塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合
法、乳化重合法などで行う事ができる。しかし、
得られる樹脂の取扱い易さ、製造コストの低減な
どの理由により、懸濁重合法が最も好ましい。ま
た、Mw/Mnを大きくする一方法としては、分
子量の異る数種の樹脂を溶剤に溶解し、減圧乾燥
もしくは噴霧乾燥などによつて溶剤を除去し製造
する方法もしくは加熱溶解し、ブレンドする方法
がある。 本発明において好ましいバインダー樹脂の他の
例としてポリエステル樹脂があり、これは、アル
コールとカルボン酸との縮重合によつて得られ
る。ここに用いられるアルコールとしては、例え
ばエチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,3−プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、及
びビスフエノールA、水素添加ビスフエノール
A、ポリオキシエチレン化ビスフエノールA、ポ
リオキシプロピレン化ビスフエノールA等のエー
テル化ビスフエノール類、その他の二価のアルコ
ール単量体を挙げることができる。 又カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フ
マール酸、メサオン酸、シトラコン酸、イタコン
酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、シクロヘキサンカルボン酸、コハク
酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これら
の酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイ
ン酸の二量体、その他の二価の有機酸単量体を挙
げることができる。 本発明において、前記ポリエステル樹脂として
は、以上の二官能性単量体のみによる重合体のみ
でなく、三官能以上の多官能性単量体による成分
を含有する重合体を用いることも好適である。斯
かる多官能性単量体である三価以上の多価アルコ
ール単量体としては、例えばソルビトール、1,
2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソル
ビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール、トリペンタエリスリトール、〓糖、
1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペ
ンタントリオール、グリセロール、2−メチルプ
ロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブ
タントリオール、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシ
メチルベンゼン、その他を挙げることができる。 又三価以上の多価カルボン酸単量体としては、
例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、
1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,
4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7
−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフ
タレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリ
カルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン
酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−
メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレン
カルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタ
ンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸及びこ
れらの酸無水物その他を挙げることができる。 以上のような三官能以上の多官能性単量体によ
る成分は、重合体における構造単位としてのアル
コール成分又は酸成分の各々における30〜80モル
%の割合で含有されるのが望ましい。 本発明において用いるポリエステル樹脂は、ク
ロロホルム不溶分が5重量%以上のものが好まし
い。ここにクロロホルム不溶分とは、試料をクロ
ロホルムに溶解したときの紙不透過分をいい、
次のようにして求められる。 樹脂試料を微粉砕し、40メツシユの篩を通過し
た試料粉体5.00gを採取し、過助剤ラジオライ
ト(*700)5.00gと共に容量150mlの容器に入
れ、この容器内にクロロホルム100gを注入し、
ボールミル架台に載せ5時間以上に亘つて回転せ
しめて充分に試料をクロロホルムに溶解せしめ
る。一方加圧過器内に直径7cmの紙(No.2の
もの)を置き、その上に5.00gのラジオライトを
均一にプレコートし、少量のクロロホルムを加え
て紙を過器に密着させた後、前記容器の内容
物を過器内に流し込む。更に容器を100mlのク
ロロホルムにより充分に洗浄して過器に流し込
み、容器の器壁に付着物が残留しないようにす
る。その後過器の上蓋を閉じ、過を行なう。
過は4Kg/cm2以下の加圧下にて行ない、クロロ
ホルムの流出が止まつた後に新たにクロロホルム
100mlを加えて紙上の残留物を洗浄し、再び加
圧過を行なう。 以上の操作が完了した後、紙及びその上の残
渣並びにラジオライトのすべてをアルミホイル上
に載せて真空乾燥器内に入れ、温度80〜100℃、
圧力100mmHgの条件下で10時間乾燥せしめ、斯
くして得られた乾固物の総重量a(g)を測定し、
次式によりクロロホルム不溶分x(重量%)を求
める。 x(重量%)=a(g)−紙の重量(g)
−ラジオライトの重量(10.00g)/サンプリング重量
(5.00g)×100 このようにして求められるクロロホルム不溶分
は、ポリエステル樹脂においては、高分子量の重
合体成分若しくは架橋された重合体成分であり、
その分子量はおよそ200000以上であると考えられ
る。 以上の如きクロロホルム不溶分は、既述のアル
コールとカルボン酸との重合反応において、反応
条件を適当に選ぶことにより、或いは適当な架橋
剤を反応系に存在せしめることにより、相当程度
制御された割合で形成することができる。 本発明においては、前記クロロホルム不溶分が
5重量%以上のポリエステル樹脂をバインダーと
するが、クロロホルム不溶分が5重量%未満のポ
リエステル樹脂を用いると、得られるトナーはオ
フセツト温度が低くなる。 本発明においてバインダー樹脂として好ましく
用いられるものの更に他の例は、スチレン−ブタ
ジエン共重合体(以下「S−B共重合体」とい
う。)である。S−B共重合体は、スチレン単量
体とブタジエンとを共重合せしめて得られるが、
ここにスチレン単量体としては、スチレン、o−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルス
チレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブ
チルスチレン、p−ドデシルスチレン、p−メト
キシスチレン、p−フエニルスチレン、p−クロ
ルスチレン、その他を挙げることができる。 又前記S−B共重合体は、分子量が100000以上
の高分子量成分を含有するものであることが必要
であり、その含有割合が10重量%以上であること
が必要である。この高分子量成分の含有割合が10
重量%未満のときは、バインダー樹脂それ自体の
非オフセツト性が消失するため、オフセツト発生
温度が低くなる。 また特に分子量100000以上の高分子量成分が10
〜70重量%の範囲であればオフセツト発生温度が
高く、かつ軟化点が低くなるので好ましい。本明
細書における分子量は、下記条件下におけるゲ
ル・バーミエーシヨン・クロマトグラフイ(Gel
Permeation Chromatography)法により求めら
れるものである。即ち、「ウオーターズ200型
GPC(Water′s200Type GPC)測定器」(ウオー
ターズ社製)を用い、温度25℃で溶媒(テトラハ
イドロフラン)を毎分1mlの流速で流下せしめな
がら、濃度0.2g/dlのテトラハイドロフラン試
料溶液を、試料重量にして4mgの量カラム内に注
入して測定する。ここで使用するカラムとして
は、106−106−105−104の組合せを用いる。 検量線を設定するための単分散ポリスチレン標
準試料は、プレツシヤーケミカル社製ポリスチレ
ンであつて、分子量が1800000、860000、411000、
160000、98200、51000、19800、10000、4000、の
ものが用いられる。なお測定時のテトラハイドロ
フラン不溶分は分子量500000以上であつて本発明
における分子量100000以上の高分子量成分であ
る。 本発明に用いるS−B共重合体は、そのスチレ
ンによる成分(以下、「スチレン成分」という。)
の含有割合が70〜98重量%のもの、特に85〜98重
量%のものが好ましい。スチレン成分の含有割合
が70重量%未満のS−B共重合体を用いたとき
は、バインダー樹脂のガラス転移点が低くなり、
得られるトナーは凝集性を帯びるようになつて貯
蔵中若しくは現像器内において塊状となる。一
方、スチレン成分が98重量%を越えるS−B共重
合体を用いたときは、バインダー樹脂の軟化点が
高くなつて定着可能温度域が狭くなる。 本発明トナーに含有される未変性ワツクスを組
成するポリオレフインは、単一のオレフインモノ
マーより得られるホモポリマー型或いはオレフイ
ンモノマーをこれと共重合可能な他のモノマーと
共重合させて得られるコポリマー型の何れの型の
ものであつてもよい。 前記オレフインモノマーには、例えばエチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘ
キセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネ
ン−1、デセン−1、及び不飽和結合の位置を異
にするそれらの異性体、並びに例えば3−メチル
−1−ブテン、3−メチル−2−ペンテン、3−
プロピル−5−メチル−2−ヘキセン等のそれら
にアルキル基より成る分岐鎖を有するもの、その
他のすべてのオレフインモノマーが含まれる。 また、オレフインモノマーと共重合可能な他の
モノマーとしては、他のオレフインモノマーのほ
か、例えばビニルメチルエーテル、ビニル−n−
ブチルエーテル、ビニルフエニルエーテル等のビ
ニルエーテル類、例えばビニルアセテート、ビニ
ルブチレート等のビニルエステル類、例えば弗化
ビニル、弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラクロロ
エチレン等のハロオレフイン類、例えばメチルア
クリレート、エチルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、メチルメタアクリレート、エチルメ
タアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、
ステアリルメタアクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチルメタアクリレート、t−ブチルアミ
ノエチルメタアクリレート等のアクリル酸エステ
ル類若しくはメタアクリル酸エステル類、例えば
アクリロニトリル、N,N−ジメチルアクリルア
ミド等のアクリル酸誘導体、例えばアクリル酸、
メタアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタ
コン酸等の有機酸類、ジエチルフマレート、β−
ピネン等種々のものを挙げることができる。 従つて、前記ポリオレフイン成分をコポリマー
型のものとする場合においては、上記の如きオレ
フインモノマーの少なくとも2種以上を共重合さ
せて得られるオレフインコポリマー型のもの、例
えばエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
ブテン共重合体、エチレン−ペンテン共重合体、
プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−ペン
テン共重合体、エチレン−3−メチル−1−ブテ
ン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重
合体などのコポリマー型のもの、又は上記の如き
オレフインモノマーの少なくとも1種と上記の如
きオレフインモノマー以外のモノマーの少なくと
も1種とを共重合させて得られるオレフインコポ
リマー型のもの、例えばエチレン−ビニルアセテ
ート共重合体、エチレン−ビニルメチルエ−テル
共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチ
レン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−
メチルメタアクリレート共重合体、エチレン−ア
クリル酸共重合体、プロピレン−ビニルアセテー
ト共重合体、プロピレン−ビニルエチルエーテル
共重合体、プロピレン−エチルアクリレート共重
合体、プロピレン−メタアクリル酸共重合体、ブ
テン−ビニルメチルエーテル共重合体、ブテン−
メチルメタアクリレート共重合体、ペンテン−ビ
ニルアセテート共重合体、ヘキサン−ビニルブチ
レート共重合体、エチレン−プロピレン−ビニル
アセテート共重合体、エチレン−ビニルアセテー
ト−ビニルメチルエーテル共重合体などのコポリ
マー型のものとすることができる。 オレフインモノマー以外のモノマーを用いてコ
ポリマー型のものとする場合においては、当該ポ
リオレフイン成分中のオレフインモノマーによる
オレフイン部分の割合が例えば50モル%以上であ
るようなコポリマー型とすることが好ましい。オ
レフイン部分の割合が小さくなると、トナーの定
着性向上の効果が十分に発揮されなくなるからで
ある。 前記変性ワツクスを組成する変性ポリオレフイ
ンは、ポリオレフイン成分を変性成分によつてブ
ロツク化せしめたものであり、ポリオレフイン成
分としては、上述の如きポリオレフインが用いら
れる。 また変性成分としてはアクリレートモノマーが
用いられ、その具体例としては、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロ
ルエチル、アクリル酸フエニル、α−クロルアク
リル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアク
リル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタア
クリル酸n−ブチル、メタアクリル酸イソブチ
ル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアクリル
酸ドデシル、メタアクリル酸ラウリル、メタアク
リル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ステ
アリル、メタアクリル酸フエニル、メタアクリル
酸ジメチルアミノエチル、メタアクリル酸ジエチ
ルアミノエチル、その他を挙げることができる。 以上の如きアクリレートモノマーと、既述のポ
リオレフインとを用い、通常の方法及び条件に従
つてブロツク共重合を行なうことによつて、変性
ポリオレフインより成る変性ワツクスを得ること
ができる。例えばブロツク共重合のためには、リ
ビングポリマーを用いる方法、或いはワツクスを
機械化学的に分割して生ずるラジカルにアクリレ
ートモノマーを反応させてブロツク共重合体を得
る方法等を利用することができる。変性成分であ
るアクリレートモノマーとして好ましいものの具
体例としては、アクリル酸メチル、メタアクリル
酸メチル、メタアクリル酸n−ブチル等を挙げる
ことができる。ここに変性ポリオレフインにおけ
る変性成分の割合は0.1〜50重量%であり、特に
1〜40重量%の範囲内が好ましい。この割合が過
小であればトナーの流動性の低下が甚だしいもの
となり、過大であればトナーの最低定着温度が高
くなる。 また斯かる変性ポリオレフインはJIS K2531−
1960に規定される環球法により測定したときの軟
化点が90〜160℃のものである。 本発明トナーは、上述の未変性ワツクス及び変
性ワツクスを着色剤並びに磁性体、特性改良剤、
その他の必要とされる添加剤と共に、既述のバイ
ンダー樹脂中に分散含有せしめて成る粉粒体であ
り、その平均粒径は通常5〜30ミクロンノ範囲で
ある。 着色剤としては、カーボンブラツク、ニグロシ
ン染料(C.I.No.50415B)、アニリンブルー(C.I.No.
50405)、カルコオイルブルー(C.I.No.azoec Blue
3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラ
マリンブルー(C.I.No.77103)、デユポンオイルレ
ツド(C.I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.
47005)、メチレンブルークロライド(C.I.No.
52015)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、
マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No.
42000)、ランプブラツク(C.I.No.77266)、ローズ
ベンガル(C.I.No.45435)、これらの混合物、その
他を挙げることができる。これら着色剤は、十分
な濃度の可視像が形成されるに十分な割合で含有
されることが必要であり、通常バインダー樹脂
100重量部に対して1〜20重量部程度の割合とさ
れる。 前記磁性体としては、フエライト、マグネタイ
トを始めとする鉄、コバルト、ニツケルなどの強
磁性を示す金属若しくは合金又はこれらの元素を
含む化合物、或いは強磁性元素を含まないが適当
な熱処理を施すことによつて強磁性を示すように
なる合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、
マンガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含むホ
イスラー合金と呼ばれる種類の合金、又は二酸化
クロム、その他を挙げることができる。これらの
磁性体は平均粒径0.1〜1ミクロンの微粉末の形
でバインダー中に均一に分散される。そしてその
含有量は、トナー100重量部当り20〜70重量部、
好ましくは40〜70重量部である。 前記特性改良剤としては、荷電制御剤、オフセ
ツト防止剤、流動性改善用滑剤その他がある。 本発明トナーは、鉄粉、ガラスビーズ等より成
るキヤリアと混合されて二成分現像剤とされる
が、磁性体が含有されるときはそのまま一成分現
像剤として静電荷像の現像に供される。 〔発明の効果〕 本発明によるトナーは、未変性ワツクスと変性
ワツクスとの両者を含有するものであるため、後
述する実施例の説明からも明かなように、オフセ
ツト発生温度が高く、しかもそれにもかかわらず
最低定着温度が低く熱ローラ定着器による高速定
着に好適である。またワツクスの添加による流動
性の低下の程度が僅かであつて必要な流動性を得
るために疎水性シリカ微粉末などの流動性向上剤
の添加が不要となり或いは添加が必要とされる場
合であつてもその添加量が僅少量で十分であり、
従つて疎水性シリカ微粉末を多量に添加すること
による幣害を回避することができる。更に非凝集
性が高くて優れた保存性を有する。従つて本発明
トナーによれば、高い流動性及び非凝集性を有す
ることにより良好な現像を達成することができる
と共に、低温で高速に定着することができ、この
結果、画像濃度が高くて優れた可視画像を常に安
定して形成することができる。加えて、本発明ト
ナーは最低定着温度が低いものであるので定着時
にトナー像支持体である紙を高温に曝することが
回避され、このためシワの発生が抑制されるので
当該支持体の両面にトナーによる可視画像を形成
することが実用上十分に可能となる。 以上の如き優れた結果が得られるのは、○イトナ
ーに含有される未変性ワツクス及び変性ワツクス
が何れもポリオレフインを主体とするものである
ためにトナーの最低定着温度が低くなること、○ロ
未変性ワツクスは非オフセツト性を付与する優れ
た効果を有し変性ワツクスも非オフセツト性の付
与には有効であるので結果としてトナーのオフセ
ツト発生温度が高いものとなること、○ハ変形ワツ
クスは、単にそれ自体の添加にるトナーの流動性
の低下の程度が未変性ワツクスの場合に比して小
さい、ということのみでなく、未変性ワツクスが
更に添加されるときには、その添加に伴うトナー
の流動性の低下割合を小さく抑制する効果を有す
ること、その他が理由の一部であると考えられ
る。そして上記○ハの事項は、変性ワツクスが未変
性ワツクスのバインダー樹脂に対する相溶性を高
めて安定させる効果を有し、その結果未変性ワツ
クスの付着性が隠蔽されるようになるからである
と推定される。 また、バインダー樹脂がスチレン系樹脂であつ
てそのMw/Mnの値が3.5以上である場合、ポリ
エステル樹脂であつてそのクロロホルム不溶分が
5重量%以上のものである場合、S−B樹脂であ
つて分子量が100000以上の高分子量成分を10重量
%以上含有するものである場合には、バインダー
樹脂それ自体が低温定着性と非オフセツト性とを
有し、従つて本発明による効果が確実にかつ十分
に発揮され、添加ワツクスの割合を小さくするこ
とが可能である。 〔実施例〕 以下本発明の実施例について説明するが、これ
らによつて発明が限定されるものではない。なお
「部」は重量部を表わす。 以下の実施例において用いたバインダー樹脂及
びワツクスは、次のものである。 〔バインダー樹脂〕 (1) バインダー樹脂A1 スチレンと、メタアクリル酸メチルと、メタ
アクリル酸n−ブチルとを50:20:30の重量割
合で共重合して得られ、高分子量成分と低分子
量成分との割合が重量比で40:100であり、
Mw=130000、Mn=8000、Mw/Mn=16.25、
軟化点が135℃の共重合体 (2) バインダー樹脂A2 テレフタル酸299gと、ポリオキシプロピレ
ン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フエニル)プロパン221gと、ペンタエリスリ
トール82gとを、温度計、ステンレススチール
製撹拌器、ガラス製窒素ガス導入管及び流下式
コンデンサを備えた丸底フラスコ内に入れ、こ
のフラスコをマントルヒーターにセツトし、窒
素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ
内を不活性雰囲気に保つた状態で昇温せしめ、
さらに0.05gのジブチル錫オキシドを加え、軟
化点において反応を追跡しながら温度200℃で
反応せしめて得られる、クロロホルム不溶分17
重量%、軟化点131℃のポリエステル樹脂 (3) バインダー樹脂A3 (分散媒) 水 180部 (単量体) ブタジエン 10部 スチレン 90部 ジビニルベンゼン 0.16部 (乳化剤) 脂肪酸カリウム塩 2.2部 不均化ロジン酸カリウム塩 2.2部 リン酸カリウム 0.4部 (重合開始剤系) 硫酸第1鉄 0.005部 パラメンタンヒドロペルオキサイド 0.02部 t−ドデシルメルカプタン 0.5部 以上の処方による物質を、窒素ガスにより置
換した容量20のオートクレーブ中に入れ、温
度5℃で重合反応を行ない、転化率が70%に達
したときに重合停止剤N,N′−ジエチルヒド
ロキシアミン0.2部を添加して反応を停止せし
め、得られたラテツクスに安定剤1部を添加し
た後、凝固剤塩化カルシウムを投入して重合体
を凝固せしめ、脱水、乾燥して得られる、分子
量100000以上の高分子量成分の含有割合が41重
量%、軟化点が141℃のS−B共重合体 〔ワツクス〕 (1) 変性ワツクスa メタアクリル酸メチルによりブロツク共重合
せしめたポリエチレンワツクス(メタアクリル
酸メチル含有割合5重量%、軟化点110℃) (2) 未変性ワツクスb ポリプロピレンワツクス「ビスコール660P」
(三洋化成社製) 各実施例及び比較例においては、示された処方
の材料を、溶融、混練、冷却、粉砕及び分級の工
程による通常の方法により、平均粒径10μの粒子
より成るトナーを製造した。 実施例 1 バインダー樹脂A1 100部 変性ワツクスa 2部 未変性ワツクスb 2部 カーボンブラツク「モーガルL」 10部 実施例 2 バインダー樹脂A2 100部 変性ワツクスa 2部 未変性ワツクスb 2部 カーボンブラツク「モーガルL」 10部 実施例 3 バインダー樹脂A3 100部 変性ワツクスa 2部 未変性ワツクスb 2部 カーボンブラツク「モーガルL」 10部 比較例 1 バインダー樹脂A1 100部 未変性ワツクスb 3部 カーボンブラツク「モーガルL」 10部 比較例 2 バインダー樹脂A2 100部 未変性ワツクスb 3部 カーボンブラツク「モーガルL」 10部 比較例 3 バインダー樹脂A3 100部 未変性ワツクスb 3部 カーボンブラツク「モーガルL」 10部 以上の実施例1〜実施例3で得られたトナーを
それぞれ「トナー1」〜「トナー3」とし、比較
例1〜比較例3で得られたトナーをそれぞれ「比
較トナー1」〜「比較トナー3」とし、これらの
トナーの各々について流動性を調べた。即ち、流
動性の高い粉粒体ほど圧縮度が小さいことを利用
して粉体圧縮度試験器「タツプデンサー」(セイ
シン企業社製)により圧縮度を測定した。具体的
には直径28mm、容積100mlの容器に上方から100メ
ツシユの篩を通して試料を疎充填し、重量を測定
して静カサ密度Aを求め、次に容器に同径の蓋を
した上タツピング装置により落下高さ5mmの条件
で600回タツプを行なつたときの試料の容積を求
め、先に求めた重量をこの容積値で除して固めカ
サ密度Pを求め、次式により圧縮度Cを算出し
た。 C=P−A/P×100(%) またトナーの各々と、樹脂被覆が施された鉄粉
より成るキヤリアとを混合してトナー濃度が2重
量%でトナー帯電量が20±1マイクロクーロン/
gとなる現像剤を調整し、その各々により、電子
写真複写機「U−Bix3000」(小西六写真工業社
製)を用いて静電荷像の現像、転写紙へのトナー
像の転写及びトナー像の熱ローラ定着器による定
着を行ない、感光体ドラム表面へのトナーの一次
付着量、転写紙への転写率及び得られた複写画像
の画像濃度を測定した。ここにトナーの一次付着
量は、いわゆるベタ黒電位が800Vの個所におけ
る単位面積当りのトナー付着量である。 更にすべてのトナーの各々について、その最低
定着温度及びオフセツト発生温度を求め、また保
存性について評価を行なつた。最低定着温度につ
いては、表層がテフロン(デユポン社製ポリテト
ラフルオロエチレン)で形成した熱ローラと、表
層を、シリコンゴム「KE−1300RTV」(信越化
化学工業社製)で形成した圧着ローラとより成る
定着器により、64g/m2の転写紙に転写せしめた
試料トナーによるトナー像を線速度120mm/秒で
定着せしめる操作を、熱ローラの設定温度を100
℃より5℃づつ段階滴に高くした各温度において
繰り返し、形成されら定着画像に対してキムワイ
プ摺擦を施し、十分な耐摺擦性を示す定着画像に
係る最低の設定温度をもつて最低定着温度とし
た。なおここに用いた定着器はシリコンオイル供
給機構を有さぬものである。 またオフセツト発生温度の測定は、最低定着温
度の測定に準じて、トナー像を転写して上述の定
着器により定着処理を行ない、次いで白紙の転写
紙を同様の条件下で定着器に送つてこれにトナー
汚れが生ずるか否かを観察する操作を、前記定着
器の熱ローラの設定温度を順次上昇させた状態で
繰り返し、オフセツト発生温度を求めた。 なお、トナー7に関しては、電子写真複写機
「U−Bix T」(小西六写真工業社製)を用い、
静電荷像の現像、転写紙へのトナー像の転写を行
ない、定着試験を行なつた。 また保存性については、各試料を温度55℃、相
対湿度40%の条件下に48時間放置したときの凝集
の発生の有無及びその程度を評価した。 以上の結果を第1表に示す。尚オフセツト発生
湿度について「*」印を付したものは、その温度
でなおオフセツト現象が発生しなかつたことを示
す。
【表】
【表】 またトナー1〜トナー3の各々により電子写真
複写機「U−Bix3000」を用いて20000回に亘る
連続複写テストを行なつたところ、何れのトナー
による場合にも、最後まで鮮明で良好な複写画像
が形成された。 以上の結果から明かなように、本発明によるト
ナーは、優れた非オフセツト性を有すると共に最
低定着温度が非常に低くて従来の未変性ポリオレ
フインワツクスのみを含有するトナーに比して定
着可能温度範囲が広く、その上、流動性が高くて
流動性向上剤が添加されなくても十分に実用に供
することができ、現像性及び転写性も優れてお
り、常に安定して良好な可視画像を形成すること
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ポリオレフインより成る第1のワツクスと、
    α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステルモノ
    マーを変性成分としてこれによりブロツク共重合
    せしめた、変性成分の割合が0.1〜50重量%であ
    り、軟化点が90〜160℃の変性ポリオレフインよ
    り成る第2のワツクスとを、第1のワツクスと第
    2のワツクスの合計が1〜20重量%となる割合で
    含有することを特徴とする静電荷像現像用トナ
    ー。
JP58201077A 1983-10-28 1983-10-28 静電荷像現像用トナ− Granted JPS6093457A (ja)

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