JPH0349557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車輌用座席等のシートバツクやシート
クツシヨンに使用する座席の支持スプリング装置
に関するものである。

（従来の技術） 多数のＳ字状部が連続的に形成された支持スプ
リングの適数本をシートフレーム内に並行に張設
して座受部を形成した座席の支持スプリング装置
は実開昭55−20926号公報に見られるように自動
車等の車輌用座席に広く使用されているが、従来
のものは座受部のうち最も大きな荷重のかかる主
座受部と他の部分のばね強度が同等であるため主
座受部から劣化して座り心地が悪くなるうえに座
受部に載装支持される褥板やこれに被装されるシ
ートカバーの外形が崩れ易い。このような欠点を
なくすためには、実公昭29−10647号公報や実公
昭56−19890号公報にみられるように、座受部に
ある多数のＳバネの一部をブロツク毎に伸縮性に
乏しい連繋部材をもつて連結したものが提案され
ているが、各Ｓ字状部の伸縮性は何ら制限されな
いため部分的な劣化を防止できないものであつ
た。そこで、Ｓ字状部を線径の大きいものとした
り、この部分を予め引延加工しておくなどして耐
久性を付与するようにする試みもなされている
が、営業用車輌等の苛酷な条件の下で使用される
場合は未だ不充分で主座受部よりへたりが生ずる
という問題点がある。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は前記のような問題点を解決し、苛酷な
条件下において反覆使用しても充分耐えることの
できる座席のスプリング装置を目的として完成さ
れたものである。

（課題を解決するための手段） 前記のような課題を解決しようとする本考案
は、多数のＳ字状部が連続的に形成された支持ス
プリングの適数本を支持フレーム内に並行に張設
して座受部を形成した座席の支持スプリング装置
において、前記座受部の支持スプリングのうち主
座受部に連続している複数のＳ字状部を伸縮性に
乏しい連繋部材で連結するとともに各Ｓ字状部毎
に連繋部材に連繋させてなり、且つ、前記支持ス
プリングは支持フレームに所要の間隔をおいて並
設されたサブワイヤと前記連繋部材とにより下側
より支えられていることを特徴とするものであ
る。

（作用） このように構成されたものは、座受部に図示し
ない褥板を載装支持させるとともにシートカバー
を被装して座席として使用することは多数のＳ字
状部が連続的に形成された支持スプリングの適数
本を支持フレーム内に並行に張設して座受部を形
成した在来のこの種座席の支持スプリング装置と
同様であるが、本考案における座受部の支持スプ
リングは、尻受部等の最も大きな荷重を受ける主
座受部に連続している複数のＳ字状部を伸縮性に
乏しい連繋部材をもつて連結するとともに各Ｓ字
状部毎に連繋部材にクリツプ止めしてあるばかり
か支持フレームに所要の間隔をおいて並設された
サブワイヤと前記連繋部材とにより下側より支持
されているから、該主座受部の静バネ定数が他の
部分に比べて大きな値を示すこととなつて撓み難
くなり、長期間使用しても座り心地が悪くなつた
り座受部に載装支持される褥板やこれに被装され
るシートカバーの外形が崩れることがない。

（実施例） 次に、本考案を図示の自動車用シートクツシヨ
ンの支持スプリング装置を実施例として詳細に説
明する。

１は支持フレームであつて、該支持フレーム１
の上枠部内には多数のＳ字状部２ａが連続的に形
成されたＳばねと称せられる支持スプリング２が
適数本所要間隔下に張設されて座受部３を形成し
ている。４は座受部３の主座受部であつて、該主
座受部４は座受部３のうち最も大きな荷重を受け
る尻受部にあたる後方部分にあり、該主座受部４
にある各支持スプリング２の後方部分は必要に応
じ予め引延加工を施し、この部分にある複数のＳ
字状部２ａは各支持スプリング２毎に伸縮性に乏
しい連繋部材５をもつて連結して主座受部４にあ
るＳ字状部２ａが一定以上伸張されないようにし
てある。なお、図示の連繋部材５は中間部を緩や
かにへ字状に屈曲させた鋼線材の両端を連結端部
として大きく折り曲げたもので、該連結端部を前
記支持スプリング２の所要個所に遊嵌させた短管
状のクリツプ６に係止させることにより複数のＳ
字状部２ａを連結させているが、連繋部材５の材
質や形状或いは連結手段等はこのようなものに限
定されることはない。７は並行に張設された支持
スプリング２をその下面において相互に連結する
サブワイヤであつて、該サブワイヤ７は前記支持
スプリング２と直交させて連繋部材５を連結させ
るためのクリツプ６と同様のクリツプをもつて取
付けられていてこのサブワイヤ７と連繋部材５と
で支持スプリング２を下側より支え、主座受部４
の伸縮がバランスよく行われるようにしてある。
なお、クリツプ６は主座受部４のうち尻当部には
使用しない方が異物感を与えることがないので好
ましいが、もし、尻当部にクリツプを使用する場
合には主座受部４の上面にフエルト類を載装する
ことが好ましい。

（考案の効果） 本考案は前記説明から明らかなように、多数の
Ｓ字状部が連続的に形成された支持スプリングの
適数本を支持フレーム内に並行に張設して座受部
を形成した座席の支持スプリング装置において、
前記座受部の支持スプリングのうち主座受部に連
続している複数のＳ字状部を伸縮性に乏しい連繋
部材で連結するとともに各Ｓ字状部毎に連繋部材
に連繋させてあるばかりか支持フレームに所要の
間隔をおいて並設されたサブワイヤと前記連繋部
材とにより下側より支えて主座受部の剛性を高め
たから、該主座受部を構成する各Ｓ字状部が他の
部分のＳ字状部に比べて撓み難くなつて長期間に
わたり快適な座り心地と外観を保つものであり、
在来のこの種支持スプリングにおける一部の連続
するＳ字状部を連繋部材で連結したうえその各Ｓ
字状部毎に連繋部材に連繋させるだけでよいの
で、量産が容易で安価に提供できる利点と相まち
従来の座席の支持スプリング装置の問題点を解決
したものとして実用的価値極めて大なものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す要部の一部切欠斜
視図である。 １……支持フレーム、２……支持スプリング、
２ａ……Ｓ字状部、３……座受部、４……主座受
部、５……連繋部材、６……クリツプ、７……サ
ブワイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数のＳ字状部２ａが連続的に形成された支持
   スプリング２の適数本を支持フレーム１内に並行
   に張設して座受部３を形成した座席の支持スプリ
   ング装置において、前記座受部３の支持スプリン
   グ２のうち主座受部４に連続している複数のＳ字
   状部２ａを伸縮性に乏しい連繋部材５で連結する
   とともに各Ｓ字状部２ａ毎に連繋部材５に連繋さ
   せてなり、且つ、前記支持スプリング２は支持フ
   レーム１に所要の間隔をおいて並設されたサブワ
   イヤ７と前記連繋部材５とにより下側より支えら
   れていることを特徴とする座席の支持スプリング
   装置。