JPH0343782Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、光フアイバ複合架空地線を架線する
際に、その引つ張り端を補強して把持を容易にす
るための構造に関する。

「従来の技術」 第２図は光フアイバ複合架空地線の一例を示し
ており、該光フアイバ複合架空地線１は、光フア
イバユニツト２を収納したアルミニウム製の金属
パイプ３の回りに、鋼線にアルミニウム被覆を施
してなる複数本の架空地素線４を撚り合わせた構
成とされている。

従来、このような光フアイバ複合架空地線１を
架線する場合、その引つ張り端を第３図例に示す
ような構造とすることが行なわれている。すなわ
ち、光フアイバ複合架空地線１をゴムカバー１１
および保護カバー１２に通すとともに、その端部
に牽引金具１３と一体の鋼スリーブ１４を被せて
圧着し、該鋼スリーブ１４に鎖線で示すように前
記保護カバー１２を被せて固定する構造である。

「考案が解決しようとする問題点」 ところで、このような光フアイバ複合架空地線
１を鉄塔等の間に延線した後は、光フアイバユニ
ツト２を鉄塔付属の接続箱で他の光フアイバに接
続することが行なわれるが、この場合、鋼スリー
ブ１４の圧着力によつて光フアイバユニツト２が
傷付けられてしまつているため、該鋼スリーブ１
４が被せられている部分を切り落とし、かつ、先
端部の架空地素線４および金属パイプ３を取り除
いて光フアイバユニツト２を突出状態に露出さ
せ、その露出端部にコネクタを連結するという作
業が必要であり、延線後の接続作業が繁雑になる
という問題点がある。

本考案は、延線時の把持力等から光フアイバユ
ニツトを有効に保護するとともに、延線後の接続
作業を容易にすることを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 本考案の引つ張り端は、光フアイバユニツトの
端部が架空地素線および金属パイプよりも突出状
態に露出されるとともに、架空地素線と金属パイ
プとの間に、これらの先端よりも引き込んだ途中
位置の金属パイプに外嵌状態に内部把持スリーブ
が挿入され、架空地素線の回りに、内部把持スリ
ーブの前後に延びるように圧縮スリーブが外嵌さ
れて、その先端内周部に内径を縮径する段部が形
成され、該段部と内部把持スリーブの先端部との
間で架空地素線を屈曲状態に挟持しているととも
に、後端部には、内部把持スリーブの後端部との
間で架空地素線を屈曲状態に挟持する抜け止め具
がねじ止めされ、圧縮スリーブの先端に、牽引金
具を有する保護チユーブが前記露出状態の光フア
イバを収納した状態に着脱可能に設けられた構造
である。

「作用」 本考案の引つ張り端構造においては、金属パイ
プに外嵌した内部把持スリーブと架空地素線の回
りの圧縮スリーブとの間で架空地素線を把持し
て、光フアイバユニツトに把持力を作用させない
ようにしているとともに、圧縮スリーブ先端の段
部と後端部にねじ止めされる抜け止め部とにより
内部把持スリーブの前後で架空地素線を屈曲状態
に挟持して、該架空地素線に強固な把持力を作用
させ、かつ、露出状態とした光フアイバユニツト
を保護チユーブに収納して、延線時の外力から保
護するとともに、延線後は、保護チユーブを取り
外すことにより、光フアイバユニツトを容易に接
続することができるものである。

「実施例」 以下、本考案における光フアイバ複合架空地線
の引つ張り端構造の一実施例を第１図に基づいて
説明する。

この光フアイバ複合架空地線１は、その端部の
光フアイバユニツト２が架空地素線４および金属
パイプ３よりも突出状態に露出されて、該光フア
イバユニツト２の露出端部に成端部２０を介して
コネクタ２１が連結されている。

そして、架空地素線４と金属パイプ３との間
に、これらの先端よりも引き込んだ途中位置の金
属パイプ３に外嵌状態に鋼製の内部把持スリーブ
２２が挿入されており、該内部把持スリーブ２２
は、その両端部外周面がテーパ面２２ａに形成さ
れている。

また、撚り合わせ状態の架空地素線４の回りに
は、内部把持スリーブ２２よりも長尺な鋼製の圧
縮スリーブ２３が外嵌されている。該圧縮スリー
ブ２３は、内部把持スリーブ２２の前後に延びる
ように設けられており、該内部把持スリーブ２２
の前方に配置させられる先端内周部にテーパ面状
の段部２３ａが形成されて、先端部分の内径が縮
径され、該段部２３ａと内部把持スリーブ２２の
先端部におけるテーパ面２２ａとの間で架空地素
線４を挟持して、該架空地素線４を屈曲させた状
態に保持している。

また、内部把持スリーブ２２よりも後方位置に
おける圧縮スリーブ２３の後端部には、ねじ部２
４によつて抜け止め具２５が着脱可能に嵌合され
ている。該抜け止め具２５は、その内径が前記圧
縮スリーブ２３の先端部の縮径された部分と同一
径に形成されるとともに、先端内周面にはテーパ
面２５ａが形成されており、該テーパ面２５ａと
前記内部把持スリーブ２２の後端部におけるテー
パ面２２ａとの間で架空地素線４を挟持して、該
架空地素線４を屈曲させた状態に保持している。
なお、抜け止め具２５の後方には、該抜け止め具
２５の外周面と架空地素線４の外周面との間を緩
やかなテーパ面状に連結するようにプラグ２６が
設けられる。

一方、圧縮スリーブ２３の先端部にはカツプリ
ングナツト２７が回転自在に外挿されて、該圧縮
スリーブ２３先端のフランジ２３ｂと圧縮スリー
ブ２３に螺合された固定ナツト２８との間に係止
されており、該カツプリングナツト２７に、保護
チユーブ２９が着脱可能に連設されている。

該保護チユーブ２９は、ステンレス製等の可撓
性を有する金属チユーブ３０とステンレス鋼線等
を編んでなる編組チユーブ３１との積層構造とさ
れて、その一端部に、前記カツプリングナツト２
７にねじ込まれる筒状の口金３２が一体に設けら
れ、他端部には、牽引用のワイヤを係止する牽引
金具３３が連結されている。

また、保護チユーブ２９の内側には、両端部を
栓３４により密封した塩化ビニール製等のホース
３５が挿入状態に収納されており、その一方の栓
３４に前記金属パイプ３の露出端部が挿入され
て、該金属パイプ３から引き出されている光フア
イバユニツト２およびその先端のコネクタ２１等
がホース３５内に収納されている。

このような構造の引つ張り端を組み立てる場合
は、光フアイバ複合架空地線１に予めプラグ２６
および抜け止め具２５を外挿しておき、先端部の
架空地素線４の撚りを解いて、金属パイプ３に内
部把持スリーブ２２を取り付けた後、該内部把持
スリーブ２２の上から再度架空地素線４を撚り合
わせて、その上に圧縮スリーブ２３を外挿する。
そして、該圧縮スリーブ２３をその外挿方向に押
し付けて、その先端内周の段部２３ａと内部把持
スリーブ２２の先端部におけるテーパ面２２ａと
の間に架空地素線４を挟持した状態とし、圧縮ス
リーブ２３の長さ方向の中央部付近を外側から圧
迫することにより、内部把持スリーブ２２との間
で架空地素線４を把持する。次いで、圧縮スリー
ブ２３の後端部に前記抜け止め具２５をねじ込む
ことにより、該抜け止め具２５のテーパ面２５ａ
と内部把持スリーブ２２の後端部におけるテーパ
面２２ａとの間に架空地素線４を挟持すると、該
架空地素線４が圧縮スリーブ２３の段部２３ａと
抜け止め具２５とにより内部把持スリーブ２２の
前後で屈曲した状態に保持される。この場合、抜
け止め具２５のねじ込みによつて、圧縮スリーブ
２３と抜け止め具２５とが、これらの対向方向に
内部把持スリーブ２２の両テーパ面２２ａに押圧
力を作用させた状態となり、架空地素線４の挟持
状態を確実に維持することができる。そして、光
フアイバユニツト２およびその先端のコネクタ２
１をホース３５内に収納した状態として、該ホー
ス３５の外側に保護チユーブ２９を被せ、口金３
２を圧縮スリーブ２３の先端部に固定するもので
ある。

このように引つ張り端を組み立てた後、光フア
イバ複合架空地線１を架線する場合は、牽引金具
３３にワイヤを巻回して牽引することにより行な
われ、この場合、保護チユーブ２９は、延線途中
に配設されている金車等を通過するときに該金車
等に合わせて屈曲し得て、円滑な牽引を行なわせ
るとともに、そのときの外力から光フアイバユニ
ツト２およびコネクタ２１等を有効に保護するこ
とができる。そして、延線後は、圧縮スリーブ２
３から保護チユーブ２９および牽引金具３３を取
り外すとともに、ホース３５等を撤去して、その
中に収納されていたコネクタ２１を鉄塔等に付属
の接続箱内で他の光フアイバに接続することが行
なわれる。

すなわち、この引つ張り端構造によれば、延線
時には、内部把持スリーブ２２、圧縮スリーブ２
３および抜け止め具２５によつて架空地素線４を
把持して、光フアイバユニツト２に把持力を作用
させないようにするとともに、内部把持スリーブ
２２の前後で架空地素線４を屈曲状態に挟持し
て、強固な把持力を作用させることができ、ま
た、光フアイバユニツト２およびコネクタ２１を
保護チユーブ２９内に収納状態として、金車通過
時等の際の摩擦等から保護し、さらに、延線時
は、保護チユーブ２９およびホース３５等を取り
外すだけで、何ら端末加工を施すことなくコネク
タ２１を他の光フアイバに接続することができる
ものである。なお、圧縮スリーブ２３および内部
把持スリーブ２２等は、架線後においてもそのま
ま取り付けた状態としておけばよい。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案における光フアイ
バ複合架空地線の引つ張り端構造によれば、次の
ような効果を奏することができる。

(i) 金属パイプに外嵌した内部把持スリーブと架
空地素線の回りの圧縮スリーブおよび抜け止め
具との間で架空地素線を把持しているから、光
フアイバユニツトに把持力を作用させないよう
にし得るとともに、光フアイバユニツトの露出
端部が保護チユーブに収納状態とされることに
より、延線時の外力から光フアイバユニツトを
有効に保護することができる。

(ii) 圧縮スリーブの段部と抜け止め具とによつて
内部把持スリーブの前後で架空地素線を屈曲さ
せた状態としているとともに、その抜け止め具
が圧縮スリーブにねじ込まれているから、内部
把持スリーブの両端部に前記段部と抜け止め具
との対向方向に押圧力を作用させた状態とし
得、架空地素線に強固な把持力を作用させるこ
とができる。

(iii) 架空地素線および金属パイプから露出させた
光フアイバユニツトを保護チユーブに収納した
状態で延線させるようにしているから、延線後
は、牽引金具と保護チユーブとを圧縮スリーブ
から取り外すだけで、光フアイバユニツトを露
出状態とし得て、その端末加工を省略すること
ができ、延線後の接続作業を容易にすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案における光フアイバ複合架空地
線の引つ張り端構造の一実施例を示す一部を断面
にした正面図、第２図は光フアイバ複合架空地線
の一例を示す断面図、第３図は従来構造例を示す
斜視図である。 １……光フアイバ複合架空地線、２……光フア
イバユニツト、３……金属パイプ、４……架空地
素線、２０……成端部、２１……コネクタ、２２
……内部把持スリーブ、２２ａ……テーパ面、２
３……圧縮スリーブ、２３ａ……段部、２３ｂ…
…フランジ、２４……ねじ部、２５……抜け止め
具、２５ａ……テーパ面、２６……プラグ、２７
……カツプリングナツト、２８……固定ナツト、
２９……保護チユーブ、３０……金属チユーブ、
３１……編組チユーブ、３２……口金、３３……
牽引金具、３４……栓、３５……ホース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光フアイバユニツト２を収納した金属パイプ３
   の回りに複数本の架空地素線４が撚り合わされて
   なる光フアイバ複合架空地線１において、その端
   部の光フアイバユニツト２が架空地素線４および
   金属パイプ３よりも突出状態に露出されるととも
   に、架空地素線４と金属パイプ３との間に、これ
   らの先端よりも引き込んだ途中位置の金属パイプ
   ３に外嵌状態に内部把持スリーブ２２が挿入さ
   れ、架空地素線４の回りに、前記内部把持スリー
   ブ２２の前後に延びるように圧縮スリーブ２３が
   外嵌され、該圧縮スリーブ２３の先端に、牽引金
   具３３を有する保護チユーブ２９が前記露出状態
   の光フアイバユニツト２を収納した状態に着脱可
   能に設けられ、前記圧縮スリーブ２３は、その先
   端内周部に内径を縮径する段部２３ａが形成さ
   れ、該段部２３ａと前記内部把持スリーブ２２の
   先端部との間で架空地素線４を屈曲状態に挟持し
   ているとともに、後端部には、前記内部把持スリ
   ーブ２２の後端部との間で架空地素線４を屈曲状
   態に挟持する抜け止め具２５がねじ止めされてい
   ることを特徴とする光フアイバ複合架空地線の引
   つ張り端構造。