JPH0342445B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、例えばカメラ等の光学機器、あるい
は種々の工作機械等に設けられるじやばらに関す
る。

従来技術 このようなじやばらは、可撓性材料から成る筒
状シートを長手方向に交互に折曲することにより
伸縮可能に成形され、隣接する各折目の間には、
筒状シートが撓むのを抑制する補強部材が貼付さ
れる。筒状シートは、通常、シート部材を例えば
三層に重合わせて成り、芯紙が補強部材としてこ
れらのシート部材の間に設けられる。すなわち芯
紙は、所定の形状に切断され、のり等の接着剤を
用いてシート部材の表面に貼付される。

しかして芯紙の形状が不揃いであつたり、また
貼付位置が不正確であつたりすると、じやばらの
本来の機能である折畳み性が損われ、また充分な
耐久性が得られない。したがつて補強部材である
芯紙は高精度に貼着されなければならないが、従
来、この芯紙の取付作業は作業員が手で行なつて
おり、相当な熟練を必要としていた。

発明の目的 本発明は以上の点に鑑み、補強部材を高精度に
成形し、ひいては高品質かつ同品質のじやばらを
大量生産することを可能ならしめるものである。

発明の構成 本発明の係るじやばらは、補強部材を筒状シー
トの表面に印刷して成形したことを特徴としてい
る。

実施例 以下図示実施例により本発明を説明する。

第１図〜第４図は本発明の一実施例に係るじや
ばらの製造工程の途中を示すものである。第１図
はシート１の拡大断面を示し、このシート１は３
枚のナイロン製シート材、すなわち表皮２と遮光
膜３と黒色布４とを相互に積層させて構成され
る。表皮２は、表面に多数の小さなくぼみが形成
されて外見上天然羊皮のようになつており、遮光
膜３は、遮光性をもたせるために透明のナイロン
材に黒い着色剤が添加されている。このシート１
は全体の厚さが0.2〜0.3mmで、充分な可撓性を有
しており、まず所定の大きさ（例えば約600mm×
500mm）に載断される。

矩形に切断されたシート１は、黒色布４側が上
方に向けられ、その上面に、第２図に示されるよ
うなパターンの発泡インク（発泡スチロール）５
がシルク印刷により塗布される。この発泡インク
５は、素材は白色であるが着色剤が含浸されてつ
や消し黒色を呈しており、さらに剛性を増加させ
るために添加剤が含まれている。なおこの発泡イ
ンクは発泡ウレタンであつてもよい。発泡インク
５は第２図からわかるように、長方形の一方の短
辺を斜めに切欠いた形状を有し、隣合う斜辺５ａ
どおしは相互に対向しており、この斜辺５ａの傾
きは、長辺５ｂを近接させた隣りのものとは逆に
なつている。したがつて、これらの斜辺５ａの間
には、全体として見ればジグザグの折目部６が形
成され、一方、長辺５ｂの間には平行な折目部７
が形成されている。しかして１枚のシート１には
４本のジクザクの折目部６が形成され、これらが
後述するように完成品の折目１５となる（第５図
参照）。

第３図は発泡インク５が印刷されたシート１を
加熱する工程を示す。シート１は、発泡インク５
を上方に向けて加熱ローラ８と支持ローラ９の間
を通され、これにより発泡インク５は加熱されて
発泡し、その上面がシート１の黒色布４の表面よ
りも***する。この***により発泡インク５は剛
性を得て補強部材としての機能を発揮するように
なる。剛性は、***高さを変えることにより変化
し、また上記添加剤の種類、量を変えることによ
り変化する。***高さは発泡倍率を変えることに
より調整される。なお加熱ローラ８に代え、他の
種類のヒータを用いてもよい。

このように加熱処理されたシート１は、じやば
らの製作に必要な寸法になるよう、縁部が正確に
載断され、次いで第４図に示されるように角筒状
に折曲成形される。このとき、筒状のシート１の
角部１０は、上記ジグザグ状の折曲部６の部分が
対応する。シート１の合わせ部１１は、透明な接
着剤（ナイロンフイルム）から成るラミネートが
設けられており、この部分を加熱することにより
相互に接着されるが、この部分に光線が通過する
のを阻止するため、黒い糸１２が筒状のシート１
の軸心方向に沿つて挿入される。

その後、筒状シート１の両端開口部に、取付金
具等を取付けるための穴が穿設され、そして第５
図に示されるようにじやばら折りが施される。シ
ート１に形成されるじやばらの折目のうち、シー
ト１の長手方向に垂直な平面内の折目、すなわち
水平方向の折目１３と鉛直方向の折目１４は、第
２図に示される折目部７を折曲することにより成
形される。これに対し、筒状のシート１の角部１
０は折目１５は、第２図に示されるジグザグの折
曲部６を折曲することにより成形される。しかし
て補強部材である発泡インク５は、シート１の内
周面のうち、各折目間のほぼ全面に設けられたこ
ととなり、隣接する各折目の間のシートを補強す
る。

じやばら折りされたシート１は、治具（図示せ
ず）に固定されて乾燥機の中へ入れられ、110℃
の温度で約３分間加熱される。これにより、上記
各折目１３，１４，１５は塑性変形し、安定した
形になる。

そしてシート１の両端に金具を取付けた後、シ
ート１の各部に残る毛羽状の繊維をアルコールラ
ンプ等により焼いて除去し、貼付け板（図示せ
ず）を組付ければ、他の機器へ取付け可能とな
る。

以上のように本実施例装置は、合成皮革のシー
ト１の内周面に発泡インク５をシルク印刷により
塗布し、加熱により***させて補強部材を成形し
たものである。このように、印刷により補強部材
を成形することにより、従来のように作業員の熟
練した技術を介することなく、高精度な補強部材
を設けることができる。さらに、１つの原版を用
意することにより補強部材の形状を複雑なものに
することもできるので、種々の形状のじやばらを
製造することが容易になる。

また本実施例装置は、シート１自体に遮光性を
もたせ、またインク５をつや消し黒色にしたもの
である。したがつて、発泡インク５の内側に従来
のような遮光用のシートを設ける必要がなく、第
６図に示されるように、じやばらの構成品をシー
ト１とインク５の二層とすることができる。すな
わち、じやばら全体を軽量にするとともに、より
しなやかなものにすることができ、例えばじやば
らを軸心方向に伸縮させるだけでなく、軸心の斜
め方向に伸縮させることが容易になる。またじや
ばらの構成品が減少したことにより、製造工程が
簡略化され、ひいてはじやばらの製造コストを低
下させることが可能となる。

なお、上記実施例においては補強部材として発
泡インクを用いたが、これに代え、一般着色イン
クあるいは感熱インクを用いてもよい。ただし、
これらのインクの場合、厚さが一定値以上になる
ように、印刷しなければならない。同様に、カー
ボン含浸インクあるいは植毛印刷により、補強部
材を成形してもよい。

また上記各インクを印刷する場合、シルク印刷
の他、活版印刷（オフセツト印刷）、グラビア印
刷、転写、熱転写でもよく、さらに捺染によつて
もよい。

じやばらの内表面には、上記補強部材の他、電
気的信号を通すためのリード線を設ける場合もあ
る。上述した印刷手段により、このリード線の機
能をもつた通電層を成形することもでき、これに
より、じやばらの周囲からリード線のような付属
物を除去してこれをじやばらに一体的に組込むこ
とができる。このような通電層として、カーボン
含浸インク、光フアイバ、磁気テープのコーテイ
ング材を用いることができる。

また、熱を伝達または遮断する感熱層を上記印
刷手段により形成してもよい。

さらに、光線が通過するのを阻止する遮光層を
上記印刷手段によりじやばら表面に被覆させても
よい。

以上、補強部材、および種々の層を印刷により
成形することを述べたが、これらは多重印刷によ
り行なえばよい。また本発明はカメラ等の光学機
器のじやばらに限らず、塵埃、異物の侵入を阻止
するための、工作機械等のじやばらにも応用でき
ることはもちろんである。

発明の効果 以上のように本発明によれば、印刷により補強
部材を形成したものであるから、補強部材を常に
高精度に成形でき、したがつてじやばらの品質を
一定、かつ高いものとすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

図はいずれも本発明の一実施例を示し、第１図
はシートの断面を示す拡大図、第２図はシートに
補強部材となる発泡インクを印刷した状態を示す
平面図、第３図は発泡インクを印刷したシートを
加熱する工程を示す斜視図、第４図はシートを筒
状に成形した状態を示す正面図、第５図はシート
をじやばら状に折曲した状態を示す斜視図、第６
図はじやばらの一部を破断して示す側面図であ
る。 １……シート、５……発泡インク（補強部材）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 可撓性材料から成る筒状シートを長手方向に
   交互に折曲することにより伸縮可能に形成され、
   隣接する各折目の間には上記シートが撓むのを抑
   制する補強部材が設けられるじやばらにおいて、
   上記補強部材は、上記シートの表面に印刷されて
   成ることを特徴とするじやばら。 ２ 上記補強部材はインクから成ることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載のじやばら。 ３ 上記インクが発泡インクであることを特徴と
   する特許請求の範囲第２項記載のじやばら。 ４ 上記筒状シートの表面に、電気を導通可能な
   通電層が印刷されることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載のじやばら。 ５ 上記筒状シートの表面に、熱を伝達、または
   遮断する感熱層が印刷されることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載のじやばら。 ６ 上記筒状シートの表面に、光線が通過するの
   を阻止する遮光層が印刷されることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載のじやばら。