JPH0331606Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のドアにおける昇降窓ガラス
の案内装置に関する。

自動車のドアに備えられる窓ガラスは、閉め切
り時にドアサツシユの内周囲に配設されたランチ
ヤンネルによつて周縁部を保持されるが、第１図
に示すようにランチヤンネル１はドアサツシユ２
の車内側に設けられ、且つその中央部に窓ガラス
３の周縁部を係合させる形状であるから、該窓ガ
ラス３の外面３ａとドアサツシユ２の外面２ａと
の間に段差Ｌが生じる。この段差Ｌは、車体の表
面に凹凸を生じさせるものであつて、該車体表面
のフラツシユサーフエイス化を阻害し、空気抵抗
や風騒音の低減を妨げる。

ところで、昇降窓ガラスを案内保持するランチ
ヤンネルに関しては、例えば実開昭56−155919号
公報に開示された考案が存在する。この考案は、
第２図に示すように、ドアサツシユ２′の内周囲
に配設されたランチヤンネル１′の一部に車外側
に突出するガイド片４′を設けたもので、特に高
速走行中における窓ガラス３′の上上昇時に、該
窓ガラス３′が車外の負圧によつて車外側に吸い
出されるのを上記ガイド片４′によつて防止し、
該窓ガラス３′をランチヤンネル１′の中央部適正
位置に案内係合させるようにしたものである。し
かし、この考案は、窓ガラス３′の閉め切り時に
これを車内側に案内するものであるから、第１図
と同様に窓ガラス３′を閉めた状態で該ガラス外
面３a′とドアサツシユ外側面２a′との間に大きな
段差L′が生じる。

本考案は、窓ガラスを閉め切つた時に該窓ガラ
スを可及的車外側に位置させるようにして、該窓
ガラス外面とドアサツシユ外面ないし車体表面と
の間の段差を小さくし、もつて車体表面のフラツ
シユサーフエイス化を図つて、空気抵抗や風騒音
を低減させることを主たる目的とすると共に、そ
の際における窓ガラスの位置規制を確実に行い且
つシール性の確保を図るものである。

この目的の達成のため、本考案は、ドアサツシ
ユの内周面に沿つて配設されたランチヤンネルに
窓ガラスの内外両面にそれぞれ摺接する車内側及
び車外側シール部を設けると共に、該ランチヤン
ネルにおける窓ガラスの閉め切り時にのみその周
縁部が係合される部位に、該ランチヤンネルの上
記車内側シール部の内面もしくは外面に沿うよう
に設けられ、窓ガラスの閉め切り時にこれを車外
側へ押し出す車内側側面と、該車内側側面と連続
して上記ランチヤンネルの車外側シール部に沿う
ように設けられ、窓ガラスの閉め切り時に上記車
内側側面により押し出された窓ガラスの押し出し
位置を規制する車外側側面とを有するガイド部材
をランチヤンネルとは別体として配設し、且つ該
ランチヤンネルの車内側シール部を該ランチヤン
ネルの基部に向けて延ばし、その先端部で上記ガ
イド部材によつて位置規制された窓ガラスの内面
をシールするようにしたことを特徴とする。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第３図は、自動車のドアを示すもので、該ドア
１０の上半部におけるドアサツシユ１１の内周囲
にはランチヤンネル１２が配設され、該ドア１０
に昇降可能に備えられた窓ガラス１３の周縁部１
３ａが閉め切り時に該ランチヤンネル１２に係合
保持される。このランチヤンネル１２は、第４図
に示すように、ドアサツシユ１１への取付部とな
る状の基部１２ａと、その両側部端縁から内側
に八状に設けられた車内側及び車外側の窓ガラス
挟持片１２ｂ，１２ｃとからなる断面形状を有す
る。そして、該ランチヤンネル１２の窓ガラス１
３の閉め切り時にのみその周縁部が係合される部
位、例えば第３図に点線で示す前後のコーナ部に
はガイド部材１４が装着されている。

該ガイド部材１４は、金属板の折曲加工もしく
は合成樹脂等によりランチヤンネル１２とは別体
として形成されたもので、ランチヤンネル１２の
窓ガラス挟持片１２ｂ，１２ｃに対応して、窓ガ
ラス１３の周縁部１３ａに向つて八状に開く車内
側の側面１４ａと車外側の側面１４ｂとを連続さ
せて一体的に形成した形状とされ、該側面１４
ａ，１４ｂが上記窓ガラス挟持片１２ｂ，１２ｃ
の裏側に沿うようにランチヤンネル１２に装着さ
れている。

然して、該ガイド部材１４は、両側面１４ａ，
１４ｂの交わり部１４ｃがランチヤンネル１２の
中央部に対して車外側に寄せられ、これに伴つて
車外側の側面１４ｂが窓ガラス１３の昇降方向に
略平行に設けられているのに対し、車内側の側面
１４ａが、ランチヤンネル１２の車外側寄りの位
置から車内側に向つて下向きに弯曲して傾斜状に
設けられている。また、これに伴つて、ランチヤ
ンネル１２における車内側の窓ガラス挟持片１２
ｂも下方に弯曲した傾斜状とされている。尚、こ
の車内側の窓ガラス挟持片１２ｂは十分長くされ
て、窓ガラス１３の閉め切り時に先端部が該ガラ
ス１３の上端周縁部１３ａに接するようになつて
いる（第５図参照）。

従つて、窓ガラス１３を閉める場合において、
その上端周縁部１３ａがランチヤンネル１２の中
央部に向つて上昇して来たときに、第４図に示す
ように該周縁部１３ａがランチヤンネル１２にお
ける車内側の挾持片１２ｂを介してガイド部材１
４の車内側の側面１４ａに当接し、次いで、該挟
持片１２ｂないしガイド部材１４の側面１４ａの
傾斜に従つて車外側に押し出されるように案内さ
れながら上昇すると共に、その押しだ出し位置が
該ガイド部材１４の車外側の側面１４ｂにつて規
制されることになる。これにより、第５図に示す
ように、窓ガラス１３を完全に閉め切り、その上
端周縁部１３ａがランチヤンネル１２の挟持片１
２ｂ，１２ｃを介してガイド部材１４の両側面１
４ａ，１４ｂ間に係合保持された時に、該窓ガラ
ス１３が第４図に示す完全に閉め切つていない状
態に比較して車外側に位置することになり、該窓
ガラス外面１３ｂとドアサツシユ１１の外面１１
ａとの間の段差ｌが小さくなる。そして、この状
態では、窓ガラス１３の上端周縁部１３ａはガイ
ド部材１４の車内側及び車外側の側面１４ａ，１
４ｂに確実に位置規制されるので、その車体内外
方向の位置が安定すると共に、該ガラス１３の上
端周縁部１３ａにランチヤンネル１２の車内側の
窓ガラス挟持片１２ｂが接触するので、良好なシ
ール性が確保される。また、ガイド部材１４は、
上記車内側及び車外側の側面１４ａ，１４ｂが連
続して一体的に設けられて、ドアサツシユ１１の
内側の略全幅に渡つているので、該ドアサツシユ
への装着位置が安定し、これにより窓ガラス１３
の閉め切り時における位置が一層安定することに
なる。尚、第４，５図に示すようにドアサツシユ
１１の外周囲にはウエーザストリツプ１５が装着
されている。

次に、第６図に示す他の実施例について説明す
ると、この実施例は、ガイド部材１４′をランチ
ヤンネル１２′の外側、即ちドアサツシユ１１と
ランチヤンネル１２′との間に装着した場合で、
該ガイド部材１４′はランチヤンネル１２′におけ
る車内側の窓ガラス挟持片１２a′の外面に沿う下
向きに湾曲した車内側の側面１４a′と、該側面１
４a′に連続して上記ランチヤンネル１２′の車外
側の窓ガラス挟持片１２b′に沿う車外側の側面１
４b′とを有する。従つて、この実施例において
も、窓ガラス１３が上昇して来た時に、その上端
周縁部１３ａがガイド部材１４′の車内側の側面
１４a′に当接すると共に、該車内側の側面１４
a′の傾斜に従つて車外側に押し出されるように案
内され、完全に閉め切つた時に窓ガラス１３が車
外寄りの所定位置でガイド部材１４′の車外側の
側面１４b′で位置規制されることになる。ここ
で、該実施例においては、ガイド部材１４′の側
面に切り起し片１４c′が設けられ、これがランチ
ヤンネル１２′の側部に設けられた係止穴１２
c′に嵌入係止されていることにより、該ガイド部
材１４′とランチヤンネル１２′との一体化が計ら
れている。

また、この実施例においては、ガイド部材１
４′に窓ガラス１３の車外側への吸い出し防止片
１４d′が一体形成されている。該吸い出し防止片
１４d′は、ガイド部材１４′における車外側の側
面１４b′からドアサツシユ１１よりも若干車外側
に突出させ、その突出端部をループ状に折曲させ
た形状とされている。この吸い出し防止片１４
d′により、高速走行中に窓ガラス１３を上昇させ
た時に該窓ガラス１３が車外側に吸い出されるこ
とが防止され、その周縁部１３ａがランチヤンネ
ル１２′の所定位置に案内係合されることになる。

以上のように本考案によれば、自動車のドアに
備えられた窓ガラスを上昇させて完全に閉め切つ
た時に、該窓ガラスがランチヤンネルにおける車
外寄りの位置に係合保持されることになる。これ
により、該窓ガラスの外面と車体表面との間の段
差が小さくなり、該車体表面がフラツシユサーフ
エイス化されて、走行時における空気抵抗が減少
し或いは風騒音が低減されることになる。そし
て、特に本考案によれば、窓ガラスの閉め切り時
に、その周縁部がガイド部材の車内側及び車外側
の側面によつて確実に位置規制されると共に、該
ガイド部材のドアサツシユ内への装着位置も安定
するので、窓ガラスの閉め切り時における車体内
外方向の位置が、各閉め切り動作毎に或いは各車
両毎にばらつくことがなく、従つて上記のような
空気抵抗の減少効果や良好な車体の外観等が常に
確実に得られることになる。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は従来の窓ガラス案内装置を示す要
部縦断端面図、第３図は本考案が実施されるドア
の側面図、第４，５図は本考案の第１実施例を示
すもので、第４図は窓ガラスの上端周縁部とガイ
ド部材の当接状態を示す要部縦断端面図、第５図
は窓ガラスの完全閉め切り時の要部縦断端面図、
第６図は本考案の第２実施例を示す要部縦断端面
図である。 １２，１２′……ランチヤンネル、１２ｂ，１
２a′……車内側のシール部（窓ガラス挟持片）、
１２ｃ，１２b′……車外側のシール部（窓ガラス
挟持片）、１３……窓ガラス、１４，１４′……ガ
イド部材、１４ａ，１４a′……車内側の側面、１
４ｂ，１４b′……車外側の側面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアサツシユの内周面に沿つて配設されたラン
   チヤンネルに窓ガラスの内外両面にそれぞれ摺接
   する車内側及び車外側シール部を設けると共に、
   該ランチヤンネルにおける窓ガラスの閉め切り時
   にのみその周縁部が係合される部位に、該ランチ
   ヤンネルの上記車内側シール部の内面もしくは外
   面に沿うように設けられ、窓ガラスの閉め切り時
   にこれを車外側へ押し出す車内側側面と、該車内
   側側面と連続して上記ランチヤンネルの車外側シ
   ール部に沿うように設けられ、窓ガラスの閉め切
   り時に上記車内側側面により押し出された窓ガラ
   スの押し出し位置を規制する車外側側面とを有す
   るガイド部材をランチヤンネルとは別体として配
   設し、且つ該ランチヤンネルの車内側シール部を
   該ランチヤンネルの基部に向けて延ばし、その先
   端部で上記ガイド部材によつて位置規制された窓
   ガラスの内面をシールするようにしたことを特徴
   とする自動車の昇降窓ガラス案内装置。