JPH0326254Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は内燃機関の冷却装置の改良に関し、
詳しくは水冷式内燃機関の暖機性能の改善に関す
る。

（従来の技術） 内燃機関の冷却装置として、例えば第３図のよ
うに構成したものが知られている（実公昭47−
16419号、実開昭58−64824号公報参照）。

ウオータポンプ１からの冷却水はオイルクーラ
２、機関本体３（シリンダブロツク、シリンダヘ
ツド）ウオータジヤケツト、ラジエータ５の順に
流れてウオータポンプ１の吸込口に戻り、オイル
クーラ２及び機関本体３を通過する時に奪つた熱
をラジエータ５で大気中に放熱する。

（考案が解決しようとする問題点） ところでこの場合、機関本体３のウオータジヤ
ケツト出口には第１のサーモスタツト４が介装さ
れ、このサーモスタツト４は冷却水温が所定値以
下の時に機関本体３からの冷却水をラジエータ５
を通さずに、第１のバイパス通路８を介しウオー
タポンプ１へと戻す。

又、オイルクーラ２と機関本体３を継ぐ通路を
ウオータポンプ１の吸込口に連通する第２のバイ
パス通路９が設けられ、この通路９の途中に第２
のサーモスタツト６が介装され、暖機運転時に第
２のサーモスタツト６を介しオイルクーラ２から
の冷却水の大部分をウオータポンプ１へと戻す。

従つて、暖機運転時には機関本体３を流れる冷
却水量が極端に減少して、機関本体３内部の冷却
水は殆ど停溜した状態になるため、機関温度が速
やかに上昇し白煙や臭いの発生量が低減する。

しかし、このような冷却装置にあつては暖機運
転の短縮化が図れるといつても、機関本体３内部
の冷却水をあたためる時間は必要で、それ以上に
は暖機時間が短縮できなかつた。

この考案は、更に暖機時間の短縮化を図ること
を目的とする。

（問題点を解決するための手段） このため、この考案はウオータポンプにより強
制的に冷却水を循環させる内燃機関の冷却装置に
おいて、暖機運転時にウオータポンプの駆動を停
止する手段と、ウオータポンプの停止時にシリン
ダブロツクのウオータジヤケツト内の冷却水を抜
き取る手段と、暖機完了後に前記抜き取つた冷却
水をウオータジヤケツトに戻す手段とを設ける一
方、シリンダブロツクとシリンダヘツドのウオー
タジヤケツトを継ぐ連通路にシリンダブロツク側
への冷却水の流入を阻止する逆止弁を設ける。

（作用） 従つて、暖機運転時にはウオータポンプは駆動
せず（冷却水は循環しない）、この状態でシリン
ダブロツク内の冷却水が抜き取られるため、その
分従来よりも暖機時間は短縮する。

しかも、逆止弁は冷却水がシリンダヘツドから
シリンダブロツクへと流れるのを阻止するため、
シリンダブロツク内の冷却水位も速やかに低下す
る。

（実施例） 第１図において、１０は機関本体、１１はその
シリンダブロツク、１２はシリンダヘツドで、ウ
オータポンプ１３からの冷却水はオイルクーラ１
４、シリンダブロツク１１及びシリンダヘツド１
２のウオータジヤケツト１５，１６を通つてサー
モスタツト１７を介し、冷却水温が所定値以下の
時にのみラジエータ１８を通過せずにウオータポ
ンプ１３に戻るようになつている。

ウオータポンプ１３はプーリ１９，２０及びベ
ルト２１を介しクランク軸２２に連係され、機関
回転に同期して駆動される。

ウオータポンプ１３の駆動軸２３とプーリ１９
の間には電磁クラツチ２４が介装され、電磁クラ
ツチ２４は後述の制御装置（図示せず）により暖
機運転時にのみオフにされる。

一方、２５はシリンダブロツク１１下部のウオ
ータジヤケツト１５にパイプ２６を介し連通した
ウオータタンクで、パイプ２６には電磁弁２７と
電動ポンプ２８が介装される。

電磁弁２７と電動ポンプ２８は電磁クラツチ２
４と同じく制御装置により制御され、制御装置は
暖機運転開始時に電磁弁２７を開き、電動ポンプ
２８を駆動して、シリンダブロツク１１内の冷却
水をウオータタンク２５に抜き取ると共に、この
水抜き完了時に電磁弁２７を閉じて電動ポンプ２
８を停止する一方、暖機運転終了時には再び電磁
弁２７を開き、抜き取つた冷却水を電動ポンプ２
８を介しシリンダブロツク１１に戻した後で電磁
弁２７を閉じる。

シリンダブロツク１１の上部にはウオータジヤ
ケツト１５に開口するエア抜き孔３０が形成され
エア抜き孔３０はチユーブ３１を介しウオータタ
ンク２５上部に接続され、既述の水抜き時にウオ
ータタンク２５からシリンダブロツク１１のウオ
ータジヤケツト１５に空気を補給する。

尚、シリンダブロツク１１とシリンダヘツド１
２のウオータジヤケツト１５と１６を継ぐ連通路
３２にはシリンダブロツク１１側への冷却水の流
入を阻止する逆止弁３３が介装される。

従つて、暖機運転時には電磁クラツチ２４がオ
フにされ、ウオータポンプ１３は停止状態で、冷
却水は循環せず、この状態で電磁弁２７及び電動
ポンプ２８の作動によつてシリンダブロツク１１
内の冷却水がウオータタンク２５に抜き取られる
ため、水抜きした分、従来よりも機関温度が速や
かに上昇し、例えば白煙の発生量も第２図のよう
に低減する。

この場合、シリンダブロツク１１とシリンダヘ
ツド１２のウオータジヤケツト１５と１６を継ぐ
通路３２に逆止弁３３を介装したので、初めにシ
リンダヘツド１２内の冷却水から水抜きしなくて
すむため、少ない水抜き量で効果的に暖機時間の
短縮が図れる。

一方、暖機運転の終了時には既述のように抜き
取られた冷却水がシリンダブロツク１１に戻さ
れ、電磁クラツチ２４がオンにされると、ウオー
タポンプ１３の駆動によつて冷却水は循環し始め
る。

尚、水抜きした冷却水を戻す時には電動ポンプ
２８を駆動せずにゆつくりと戻すようにしても良
く、また水抜き量は外気温に応じて加減するよう
にしても良い。

（考案の効果） 以上要するにこの考案によれば、暖機運転時に
冷却水を循環させず、シリンダブロツク内の冷却
水を抜き取るようにしたので、暖機性能が向上す
るという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す概略構成図、
第２図はその暖機運転時の白煙濃度特性図、第３
図は従来の技術を示す概略構成図である。 １１…シリンダブロツク、１２…シリンダヘツ
ド、１３…ウオータポンプ、１５，１６…ウオー
タジヤケツト、２４…電磁クラツチ、２５…ウオ
ータタンク、２７…電磁弁、２８…電動ポンプ、
３３…逆止弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ウオータポンプにより強制的に冷却水を循環さ
   せる内燃機関の冷却装置において、暖機運転時に
   ウオータポンプの駆動を停止する手段と、ウオー
   タポンプの停止時にシリンダブロツクのウオータ
   ジヤケツト内の冷却水を抜き取る手段と、暖機完
   了後に前記抜き取つた冷却水をウオータジヤケツ
   トに戻す手段とを設ける一方、シリンダブロツク
   とシリンダヘツドのウオータジヤケツトを継ぐ連
   通路にシリンダブロツク側への冷却水の流通を阻
   止する逆止弁を介装したことを特徴とする内燃機
   関の冷却装置。