JPH0324903Y2 - - Google Patents

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JPH0324903Y2
JPH0324903Y2 JP12763784U JP12763784U JPH0324903Y2 JP H0324903 Y2 JPH0324903 Y2 JP H0324903Y2 JP 12763784 U JP12763784 U JP 12763784U JP 12763784 U JP12763784 U JP 12763784U JP H0324903 Y2 JPH0324903 Y2 JP H0324903Y2
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rotor
housing
oil
wheel drive
pressure
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はベーンポンプに関し、特に車両の前後
輪駆動用連結装置に用いて好適のベーンポンプに
関する。
〔従来の技術〕 一般に、前輪および後輪を同一のエンジンで駆
動する4輪駆動(4WD)車においては、前輪お
よび後輪のタイヤの有効半径に多少の相違があつ
たり、旋回走行における車輪のころがり経路の違
いからタイヤにすべりを伴い駆動系に無理な力が
作用するためこれを防止する手段を設ける必要が
ある。
このため従来より、フルタイム4輪駆動車では
前輪に駆動力を伝達する第1の回転軸と後輪に駆
動力を伝達する第2の回転軸との間に回転速度差
が生じても駆動力を伝達できるようセンタデフと
称する差動装置が用いられており、重量、大きさ
およびコストの面からパートタイム4輪駆動車に
比べて不利であるとともに差動回転が可能である
ことから4輪駆動を必要とするときに4輪駆動が
達成できない場合があり、デフロツク機構を必要
とする等装置の一層複雑化を招いてしまう。
一方、パートタイム4輪駆動車にあつてはセン
タデフを設置しないものが多く、旋回走行により
生ずるタイトコーナブレーキング現象等4輪駆動
による不具合がある場合には運転者による操作で
2輪駆動とするよう構成されており、運転操作が
煩雑となる欠点がある。
そこで、第1の回転軸と第2の回転軸との間に
相互に駆動力を伝達しうるベーンポンプ式連結機
構をそなえた4輪駆動用連結装置も考えられる。
このようなベーンポンプ式連結機構をそなえた
4輪駆動用連結装置では、ベーンポンプが、第1
0図に示すように、ハウジング20と、回転軸1
4に連結されてハウジング20内に収容されるロ
ータ19と、同ロータ19の外周面19aに取り
付けられてハウジング20の内周面20dに摺接
する多数のベーン18と、ロータ19とハウジン
グ20とベーン18とに囲まれることにより形成
される複数のポンプ室36〜38と、これらの複
数のポンプ室36〜38のそれぞれに作動油を吸
込吐出する一対の吸込吐出口22〜27とから構
成され、ハウジング20と摺接するロータ19の
軸方向摺動部56′,56′には、油圧室59′,
59′が形成されて、各油圧室59′,59′に吸
込吐出口22〜27の吐出側から圧油が吐出され
るものが考えられる(第3図参照)。
〔考案が解決しようとする問題点〕
しかしながら、このような従来のベーンポンプ
では、ロータ19の軸方向摺動面57′とハウジ
ング20とは、油膜を介して平面で摺動している
が、両サイドの摺動部56′にかかるスラスト力
がバランスしていないと、ロータ19が一方に片
寄り、油膜が切れて摺動面57′が摩耗するとい
う問題点がある。
このような従来のベーンポンプを4輪駆動用連
結装置に適用した場合に、ポンプ駆動力がはすば
歯車を介して入力されるように設定すると、入出
力軸間に相対的なスラスト力が発生して、上述の
ごとく摩耗が生じる。
本考案は、このような問題点を解決しようとす
るもので、ハウジング内のロータの片寄りを防止
して、ロータとハウジングとの軸方向摺動面にお
ける摩耗を低減することができるようにした、ベ
ーンポンプを提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
このため、本考案のベーンポンプは、ハウジン
グと、同ハウジング内に収容されて回転軸により
上記ハウジングに対して相対的に回転するロータ
と、同ロータの外周面に取り付けられて上記ハウ
ジングにおけるカムリング部の内周面に摺接する
多数のベーンと、上記のロータとハウジングとベ
ーンとに囲まれることにより形成される複数のポ
ンプ室とをそなえ、これら複数のポンプ室のそれ
ぞれに作動油を吸込吐出する一対の吸込吐出口が
形成されるとともに、上記のロータとハウジング
との軸方向摺動部に、上記のロータとハウジング
との相対的回転時における上記吸込吐出口の吐出
側に接続する油圧室と、同油圧室の内側または外
側から半径方向に離れるに伴いサイドクリアラン
スの減少する摺動面とが形成されたことを特徴と
している。
〔作用〕
本考案のベーンポンプは上述のごとく構成され
ているので、ハウジング内において、ロータとハ
ウジングとの軸方向摺動面におけるサイドクリア
ランスが適切に保たれる。
〔実施例〕
以下、図面により本考案の実施例について説明
すると、第1〜9図は本考案の一実施例としての
ベーンポンプをそなえた4輪駆動用連結装置を示
すもので、第1図は本装置の要部の縦断面図、第
2図はその変形例を第1図に対応させて示す縦断
面図、第3図は本装置の横断面図、第4図は車両
の駆動系を示す概略構成図、第5図は本装置の縦
断面図、第6図および第7図a,bはそれぞれロ
ータのバランス状態を示す模式図およびグラフ、
第8図および第9図a,bはそれぞれロータの片
寄り状態を示す模式図およびグラフである。
第4図に示すように、横置されたエンジン1に
変速機2が連結され、その出力軸3に取り付けた
ドライブギヤ(または4速カウンタギヤ)4から
駆動力が取り出されて、ベーンポンプ型連結機構
としての4輪駆動用連結装置本体13のギヤカム
リング20eに伝達される。
そして、ギヤカムリング20eは、ハウジング
20を回転駆動して、ハウジング20に接続する
第1の回転軸(外軸)11を介して、ギヤ7から
前輪9用の差動装置10に駆動力が伝達されて前
輪9が駆動される。
すなわち、4輪駆動用連結装置本体13に伝達
された駆動力が、そのまま第1の回転軸11にギ
ヤカムリング20eを介して伝達され、さらに、
ギヤ7、差動装置10を介して前輪9に伝達され
る。
この4輪駆動用連結装置本体13を経由した駆
動力は、第1の回転軸に同軸的に配設される第2
の回転軸(内軸)14に伝達されるようになつて
おり、回転取出方向を変換するベベル歯車機構1
5,15′を介して後輪16用の差動装置17に
駆動力が伝達され、後輪16を駆動する。
この4輪駆動用連結装置本体13は、第1,
3,5図に示すように、油圧ポンプ(油圧式連結
機構)としてのベーンポンプVPとこれに付属す
る油圧回路21とで構成されており、ベーンポン
プVPのロータ19が、後輪16に駆動力を伝達
する第2の回転軸14に連結されるとともに、ハ
ウジング20を構成するカムリング部20aおよ
びフランジ20cが、前輪9に駆動力を伝達する
第1の回転軸11に連結されている。
この油圧ポンプとしてのベーンポンプVPには、
そのロータ19の外周面19aに周方向に等間隔
に多数(ここでは、10個)の孔部19bが形成さ
れていて、この多数の孔部19bのそれぞれに
は、カムリング部20aの内周面20dに摺接し
うるベーン18が嵌挿されている。
さらに、ハウジング20のカバー20bとベー
ン18およびロータ19との軸方向の〓間が所定
値以下となるように、各部が形成されており、油
膜が切れないようになつていて、ハウジング20
のプレツシヤリテーナ20fとベーン18および
ロータ19との軸方向の〓間も、同様に、所定値
以下となるように、各部が形成されている。
そして、これら〓間の和が、所定値以下となる
ように設定されている。
また、ベーンポンプVPは、その回転数に比例
した油量を吐出するものであり、ロータ19とカ
ムリング部20aとの間に相対回転、すなわち、
第1の回転軸11と第2の回転軸14との間に相
対回転が生ずると油圧ポンプとして機能して油圧
を発生する。
ベーンポンプVPの吐出口(ハウジング20に
対するベーン18の相対的回転方向先端の吸込吐
出口22〜27がこれに相当)を塞ぐことによ
り、油を介してその静圧でロータ19とカムリン
グ部20aとが剛体のようになつて一体に回転さ
れる。
このため、カムリング部20aとロータ19と
の間には、回転中心線から120゜間隔に3つのポン
プ室36〜38が形成され、また、回転方向基端
側に位置したとき吸込口となり先端側に位置した
とき吐出口となる6個の吸込吐出口22〜27が
ほぼ120゜間隔に形成してあり、それぞれ同一機能
をなす120゜間隔の吸込吐出口22,24,26と
吸込吐出口23,25,27とが、それぞれカム
リング部20aの回転状態でも固定側に油を送通
し得る機構を介して第1油路OL1と第2油路OL2
とで連通されている。
また、第1油路OL1と第2油路OL2との間に、
それぞれチエツク弁28,29,29′を介して
オイル溜30が連通され、オイル溜30から各油
路OL1,OL2への流れのみが許容されるととも
に、第1油路OL1と第2油路OL2との間に流出の
みを許容する相対向した2つのチエツク弁31,
32を介して両油路OL1,OL2が連通され、この
2つのチエツク弁31,32の中間部が油路40
を介してリリーフ弁33に連通している。
このリリーフ弁33のスプリング34側である
中間部を通じて、オイル溜30およびチエツク弁
29′と2つのチエツク弁28,29との間には、
連通路35が設けられている。
このような油圧回路21とすることで、ロータ
19とカムリング部20aとの相対回転方向によ
らず、常に吐出圧がリリーフ弁33の弁体に作用
し、オイル溜30が吸込口と連通することにな
る。
また、ベーンポンプVPのハウジング20を構
成するカバー20bおよびフランジ20cは、そ
れぞれベアリング41,42を介してトランスミ
ツシヨンケース44に軸支されている。
ベーンポンプVPのロータ19にスプライン係
合部14aを介して連結された第2の回転軸14
は、スプライン係合部14aの両側において、ブ
ツシング(軸受)45,46を介してそれぞれカ
バー20bおよびプレツシヤリテーナ20fに軸
支されている。
さらに、ロータ19とカバー20bとが摺接す
る軸方向摺動部56およびロータ19とプレツシ
ヤリテーナ20fとが摺接する軸方向摺動部56
には、第1図に示すように、円環状の油圧室5
9,59が形成されて、各油圧室59,59に油
路40が連通するようになつている。
すなわち、油圧室59,59は、各吸込吐出口
22,24,26に接続する第1油路OL1にチエ
ツク弁32を介して連通して高油圧を受けるとと
もに、各吸込吐出口23,25,27に接続する
第2油路OL2にチエツク弁31を介して連通して
高油圧を受けるようになつている。
さらに、ロータ19における軸方向摺動部5
6,56には、油圧室59,59の内側59aか
ら半径方向に離れるに伴い(半径が小さくなるに
伴い)サイドクリアランスの減少するテーパ状内
径側摺動面57が形成されていて、油圧室59,
59の外側59bから半径方向に離れるに伴い
(半径が大きくなるに伴い)サイドクリアランス
の減少するテーパ状外径側摺動面58が形成され
ている。
なお、カバー20b側およびプレツシヤリテー
ナ20f側のテーパ状内径側摺動面57を省略し
てもよく、同様に、テーパ状内径側摺動面57
が、ロータ19に形成されている場合に、カバー
20b側およびプレツシヤリテーナ20f側のテ
ーパ状外径側摺動面58を省略してもよい。
さらに、油圧室59,59は、ロータ19の孔
部19bの内径側底部19cに連通していて、こ
れにより、各ベーン18はハウジング20の内周
面20dへ付勢される。
なお、第5図中の符号43は第1の回転軸11
を軸支するベアリングを示しており、47はパル
セーシヨンボリユーム、48はオイルガイド、4
9はフイルタ、50はマグネツト、51はボル
ト、54は油路、55はパルセーシヨンダンパを
それぞれ示している。
本考案の実施例としてのベーンポンプは上述の
ごとく構成されているので、このベーンポンプを
そなえた4輪駆動用連結装置では、車両の通常の
直進状態において、前輪9と後輪16とのタイヤ
の有効半径が同一で、タイヤのスリツプ回転速度
が少ないことから、4輪駆動用連結装置本体13
に接続する第1の回転軸11と第2の回転軸14
との間に回転速度差が生じない。
したがつて、ベーンポンプVPでは油圧の発生
はなく、後輪16に駆動力が伝達されず、前輪9
のみによる前輪駆動となる。
しかし、車両の直進加速時のように、大きなス
リツプがなくても通常前輪9が約1%以内でスリ
ツプする状態では、これによる回転速度差が第1
の回転軸11と第2の回転軸14との間に生じる
と、ベーンポンプVPが機能してこの回転速度差
に応じた油圧が発生し、ロータ19とカムリング
部20aとが一体になつて回転し、この油圧とベ
ーンの受圧面積とに対応した駆動力が後輪16に
伝達されて4輪駆動状態になる。
この場合、ベーンポンプVPにおける油の流れ
は、相対的にロータ19が回転することになり
(第3図中の符号A参照)、吸込吐出口23,2
5,27が吸込口となつてチエツク弁28を介し
てオイル溜30から油が吸込まれる一方、吸込吐
出口22,24,26が吐出口となつてチエツク
弁29,31を閉じると同時にチエツク弁32、
油路40を介してリリーフ弁33に油が導かれ
る。
なお、第3図中、実線矢印は吐出油の流れを示
しており、破線矢印は吸込油の流れを示してい
る。
本実施例では、第3図に示す相対的回転方向に
おいて、第1油路OL1が吐出圧を受けるが、この
吐出圧に、各吸込吐出口22,24,26の脈動
のピークの位相が異なる吐出圧が重畳されて、そ
の脈動も重畳されるが、脈動のピークの位相が異
なるので、重畳された脈動の変動値は、各吐出圧
の1つのものにおける脈動の変動値に等しくな
る。
また、油路40と内径側底部19cとが連通し
ているので、常時ベーン18がカムリング部20
aの内周面20dへ付勢されて、エンジン1の始
動時におけるベーンポンプVPの駆動力伝達特性
が改善される。
さらに、各吸込吐出口22〜27における吐出
側の受圧面積が各ポートにおいて異なるが、第2
の回転軸14がブツシング(軸受)45,46を
介してハウジング20に軸支されているので、ロ
ータ19にかかる半径方向の力にアンバランスが
発生しても、ロータ19を支持することができ、
本実施例では、吐出ポートにおける半径方向の荷
重ベクトルの和がゼロになるように、吸込吐出口
22〜27の位置や大きさならびにカムリング部
20aの内周面20dの形状が決められている。
そして、何らかの原因で、第8図に示すよう
に、ロータ19がハウジング20の一方に片寄る
と、片寄つた方のサイドクリアランスが狭くな
り、高圧の油圧室59から低圧の吸込口および第
2の回転軸14への最小流路が絞られるので、サ
イドクリアランスが狭くなつた側(ここではプレ
ツシヤリテーナ20f側)の圧力PAが、第9図
aに示すように、テーパ状内径側摺動面57およ
びテーパ状外径側摺動面58において高められ、
これにより、プレツシヤリテーナ20f側の軸方
向摺動部56全体の油圧力が大きくなる。
一方、高圧の油圧室59から低圧の吸込口およ
び第2の回転軸14への最小流路が広くなるの
で、サイドクリアランスが広くなつた側(ここで
は、カバー20b側)の圧力PBは、第9図bに
示すように、テーパ状内径側摺動面57およびテ
ーパ状外径側摺動面58において低められて、こ
れにより、カバー20b側の軸方向摺動部56全
体の油圧力が小さくなる。
このように、プレツシヤリテーナ20f側のロ
ータ19の半径r1の内径側から半径r2の外径側ま
での摺動面57,58および油圧室59の全面積
にかかる圧力PAの総和が、カバー20b側のロ
ータ19における同様の圧力PBの総和よりも大
きくなるので、ロータ19は、力F1を受けて押
し戻されて、プレツシヤリテーナ20f側クリア
ランスおよびカバー20b側クリアランスのほぼ
等しい中央位置へ移動する。
すなわち、ロータ19は、第6図に示すような
中央位置において安定したバランス状態を保たれ
て、軸方向にロータ19が移動することがなく、
プレツシヤリテーナ20f側の圧力PAおよびカ
バー20b側の圧力PBは、第7図a,bにそれ
ぞれ示すように、ほぼ同じ圧力分布となる。
このように、ロータ19とプレツシヤリテーナ
20fとのクリアランスおよびロータ19とカバ
ー20bとのクリアランスが適切に保たれて、ロ
ータ19の片寄りも防止されるので、ロータ19
の摩耗を防止できる。
次に、後輪16の回転速度に比べ前輪9の回転
速度が非常に大きくなる場合、例えば雪路での前
輪のスリツプ時や急加速時あるいはブレーキ時の
後輪16がロツク気味となる場合には、4輪駆動
用連結装置本体13に接続する第1の回転軸11
と第2の回転軸14との間の回転速度差が非常に
大きくなる。
これにより、ベーンポンプVPでは、第3図に
示す状態の油の流れが生じて大きな油圧が発生す
るが、所定値を超えると、リリーフ弁33がスプ
リング34に抗して開き吐出圧がほぼ一定に制御
され、後輸16に一定の吐出圧に対応した一定の
駆動力が伝達された4輪駆動状態となる。
そして、前輪9の回転速度が減少するととも
に、後輪16の回転速度が増大することとなり回
転速度差を縮少(ノンスリツプデフと同一機能)
するようになる。
このように、前輪9のスリツプ状態では後輪1
6への駆動トルクが増大されて走行不能となるこ
とを回避できるとともに、後輪16がロツク気味
の場合には、前輪9のブレーキトルクを増大して
後輪16のロツクを防止する。
一方、前輪9の回転速度に比べ後輪16の回転
速度が非常に大きくなる場合、例えば前輪9のブ
レーキ状態でロツク気味となる場合では、4輪駆
動用連結装置本体13に接続する第1の回転軸1
1と第2の回転軸14との間に、上述とは逆の方
向に非常に大きな回転速度差が生じる。
これにより、ベーンポンプVPでは、第3図に
示す油の流れと逆方向の油の流れが生じ、吸込吐
出口22,24,26が吸込口となり、チエツク
弁29,29′を介してオイル溜30から油が吸
込まれる一方、吸込出口23,25,27が吐出
口となり第1油路OL1を経てチエツク弁28,3
2を閉じて、チエツク弁32からリリーフ弁33
に導かれた大きな油圧が作用するが、この油圧も
リリーフ弁33により一定に保持され一定の駆動
力が後輪16に伝達されて4輪駆動状態となる。
そして、後輪16へのブレーキトルクを増大し
て前輪9のロツクを防止する。
また、通常の旋回走行時には、前輪9の回転速
度が後輸16の回転速度よりわずかに大きく、前
輪9にブーキトルクが作用し、後輪16に駆動ト
ルクが作用した4輪駆動状態となつて旋回走行が
なされる。
このように、4輪駆動用連結装置本体13で吐
出圧をリリーフ弁33により一定値以上とならな
いように制御することで、従来パートタイム4輪
駆動車で4輪駆動状態を必要とする場合には運転
者の操作が必要であつたものが、自動的に4輪駆
動と2輪駆動との切換が行なわれるとともに前輪
9と後輪16との回転速度差に応じた駆動力によ
る4輪駆動状態が得られる。
また、従来のフルタイム4輪駆動車では必ず装
備されていたセンタデフに比べ、本装置では、小
型コンパクト化をはかることができるとともに重
量軽減もはかれ、コスト低減ともなる。
なお、テーパ状内径側摺動面57″およびテー
パ状外径側摺動面58″を、第2図に示すように、
ハウジング20側のカバー20bおよびプレツシ
ヤリテーナ20fに形成してもよい。
このように、本実施例としてのベーンポンプを
そなえた4輪駆動用連結装置によれば、簡素な構
成で、次のような効果ないし利点を得ることがで
きる。
(1) 前輪と後輪との差回転が許容されるので、パ
ートタイム4輪駆動車のタイトコーナブレーキ
ング現象などの不具合や運転操作の煩雑さを解
消できる。
(2) 第1の回転軸と第2の回転軸との間で、速く
回つている方から遅く回つている方へ力が伝達
されるので、前輪ないし後輪の一方が過回転す
ることはなくなり、ホイルスピンを確実に防止
でき、車両の安全性に寄与しうる。
(3) フルタイム4輪駆動車に、従来装備されてい
たセンタデフに比べ、小型・軽量とすることが
でき、低コスト化にも寄与しうる。
(4) 入出力軸(第1の回転軸および第2の回転
軸)間に相対的なスラスト力が発生した場合に
も、ロータがハウジングの一方に片寄ることが
ない。
〔考案の効果〕
以上詳述したように、本考案のベーンポンプに
よれば、ハウジングと、同ハウジング内に収容さ
れて回転軸により上記ハウジングに対して相対的
に回転するロータと、同ロータの外周面に取り付
けられて上記ハウジングにおけるカムリング部の
内周面に摺接する多数のベーンと、上記のロータ
とハウジングとベーンとに囲まれることにより形
成される複数のポンプ室とをそなえ、これら複数
のポンプ室のそれぞれに作動油を吸込吐出する一
対の吸込吐出口が形成されるとともに、上記のロ
ータとハウジングとの軸方向摺動部に、上記のロ
ータとハウジングとの相対的回転時における上記
吸込吐出口の吐出側に接続する油圧室と、同油圧
室の内側または外側から半径方向に離れるに伴い
サイドクリアランスの減少する摺動面とが形成さ
れるという簡素な構造で、ハウジング内のロータ
の片寄りを防止して、ロータとハウジングとの軸
方向摺動面における摩耗を低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1〜9図は本考案の一実施例としてのベーン
ポンプをそなえた4輪駆動用連結装置を示すもの
で、第1図は本装置の要部の縦断面図、第2図は
その変形例を第1図に対応させて示す縦断面図、
第3図は本装置の横断面図、第4図は車両の駆動
系を示す概略構成図、第5図は本装置の縦断面
図、第6図および第7図a,bはそれぞれロータ
のバランス状態を示す模式図およびグラフ、第8
図および第9図a,bはそれぞれロータの片寄り
状態を示す模式図およびグラフであり、第10図
は従来のベーンポンプをそなえた4輪駆動用連結
装置の要部の縦断面図である。 1……横置エンジン、2……変速機、3……出
力軸、4……ドライブギヤ(または4速カウンタ
ギヤ)、7……ギヤ、9……前輪、10……差動
装置、11……第1の回転軸(外軸)、13……
ベーンポンプ型連結機構としての4輪駆動用連結
装置本体、14……第2の回転軸(内軸)、14
a……スプライン係合部、15,15′……ベベ
ル歯車機構、16……後輪、17……差動装置、
18……ベーン、19……ロータ、19a……外
周面、19b……孔部、19c……内径側底部、
20……ハウジング、20a……カムリング部、
20b……カバー、20c……フランジ、20d
……内周面、20e……ギヤカムリング、20f
……プレツシヤリテーナ、21……油圧回路、2
2〜27……吸込吐出口、28,29,29′…
…チエツク弁、30……オイル溜、31,32…
…チエツク弁、33……リリーフ弁、34……ス
プリング、35……連通路、36〜38……ポン
プ室、40……油路、41〜43……ベアリン
グ、44……トランスミツシヨンケース、45,
46……ブツシング(軸受)、47……パルセー
シヨンボリユーム、48……オイルガイド、49
……フイルタ、50……マグネツト、51……ボ
ルト、54……油路、55……パルセーシヨンダ
ンパ、56……軸方向摺動部、57,57″……
テーパ状内径側摺動面、58,58″……テーパ
状外径側摺動面、59……油圧室、59a……内
側、59b……外側、OL1……第1油路、OL2
…第2油路、VP……ベーンポンプ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. ハウジングと、同ハウジング内に収容されて回
    転軸により上記ハウジングに対して相対的に回転
    するロータと、同ロータの外周面に取り付けられ
    て上記ハウジングにおけるカムリング部の内周面
    に摺接する多数のベーンと、上記のロータとハウ
    ジングとベーンとに囲まれることにより形成され
    る複数のポンプ室とをそなえ、これら複数のポン
    プ室のそれぞれに作動油を吸込吐出する一対の吸
    込吐出口が形成されるとともに、上記のロータと
    ハウジングとの軸方向摺動部に、上記のロータと
    ハウジングとの相対的回転時における上記吸込吐
    出口の吐出側に接続する油圧室と、同油圧室の内
    側または外側から半径方向に離れるに伴いサイド
    クリアランスの減少する摺動面とが形成されたこ
    とを特徴とする、ベーンポンプ。
JP12763784U 1984-08-23 1984-08-23 ベ−ンポンプ Granted JPS6141934U (ja)

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JP12763784U JPS6141934U (ja) 1984-08-23 1984-08-23 ベ−ンポンプ

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JPS6141934U JPS6141934U (ja) 1986-03-18
JPH0324903Y2 true JPH0324903Y2 (ja) 1991-05-30

Family

ID=30686275

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JPS6141934U (ja) 1986-03-18

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