JPH0319050Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は録音用と再生用の２個の独立した磁気
ヘツドを併設したコンビネーシヨンヘツドに関す
る。

一般に、録音動作中にその録音内容をモニター
できるようにした音響用テープレコーダには、録
音用と再生用の２個の磁気ヘツドを同一基台に固
定したコンビネーシヨンヘツドが使用される。

第１図は従来のコンビネーシヨンヘツドの一例
を示したものである。このコンビネーシヨンヘツ
ドは角筒状のケース１内に録音ヘツド２と再生ヘ
ツド３が密着して挿入されているものである。ケ
ース１の側部にはテープガイド４が固着され、ケ
ース１の下部には取付板５が固着されている。こ
のコンビネーシヨンヘツドをテープレコーダのヘ
ツドベース６上に取付けるときには、取付板５と
ヘツドベース６の間にスプリング８を介装し、且
つ取付ネジ９を取付板５へ挿入し、さらに取付ネ
ジ９の先端をヘツドベース６に螺装するようにな
つている。そして、テープレコーダ組立時の調整
工程で、取付ネジ９を回転させ、テープ１０の走
行位置に対する各ヘツド２，３の位置合わせを行
なう。

ところが、上記従来の構造では、取付ネジ９に
よる調整時に、２個のヘツド２，３が同時に動
き、各ヘツドごとの位置合わせはできない欠点が
ある。したがつて、２個のヘツド２，３とケース
１から成るコンビネーシヨンヘツドの製作工程に
おいて、各ヘツド２，３のギヤツプを同一線上に
一致させておくことが必要である。そのため、従
来は各ヘツド２，３の外形寸法、ギヤツプの位置
などの精度を高い水準に保たねばならなくなり、
ヘツドの製作コストが高くなつていた。また、２
個のヘツド２，３をケース１に装着する作業も極
めて高度な手順が必要とされていた。

本考案は上記従来の欠点を解消するものであ
り、一方の磁気ヘツドを他方の磁気ヘツドに対し
て位置合わせ多方向調整できるようにして、ヘツ
ドどうしの位置精度の向上を図るとともに、組立
て作業を容易にしたコンビネーシヨンヘツドを提
供することを目的とするものである。

以下、本考案の実施例を第２図以下の図面によ
つて説明する。

第２図は本考案によるコンビネーシヨンヘツド
の斜視図、第３は正面図、第４図は右側面図であ
る。

第２図以下に示すコンビネーシヨンヘツドは、
第１図の従来のケース１、ヘツド２，３、取付板
５に相当するものであり、このコンビネーシヨン
ヘツドをテープレコーダのヘツドベース６上へ取
付けるものである。

図中の符号１１は平板状の基台であり、再生ヘ
ツド１２はこの基台１１上に直接固定されてい
る。すなわち、再生ヘツド１２には取付板１３が
スポツト溶接などによつて固着されている。そし
て、この取付板１３が２個の固定ネジ１４によつ
て基台１１上に固定されている。

一方、再生ヘツド１２の側方に並んで位置する
録音ヘツド１５は、調節板１６がスポツト溶接な
どによつて固着されている。調節板１６には３箇
所の支持部１６ａ，１６ｂ，１６ｃが折曲げて成
形されている。そして、この支持部１６ａ，１６
ｂ，１６ｃと基台１１の間にスプリング１７が介
装され、且つ支持部１６ａ，１６ｂ，１６ｃに挿
入した取付ネジ１８が基台１１に螺装されてい
る。このスプリング１７と取付ネジ１８とによ
り、各支持部１６ａ，１６ｂ，１６ｃにおける、
調節板１６と基台１１との間隔の調節機構が構成
されている。また、前記再生ヘツド１２の側面に
は、テープガイド１９がスポツト溶接などによつ
て固着されている。さらに、基台１１には２箇所
の取付穴１１ａが穿設されている。

次に、上記構成による本考案の作用ならびに効
果について説明する。

第２図以下に示すコンビネーシヨンヘツドが組
立てられた状態にて、各取付ネジ１８を回転さ
せ、録音ヘツド１５を再生ヘツド１２に対して位
置合わせ調整する。この調整作業では、各取付ネ
ジ１８の回転により、調節板１６の各支持部１６
ａ，１６ｂ，１６ｃと基台１１との間隔を変化さ
せる。そして、調節板１６全体を基台１１に対す
る垂直方向（Ｚ方向）へ移動させ、あるいは調節
板１６の基台１１に対する傾き（Ｘ軸に対するα
方向への傾き、ならびにＹ軸に対するβ方向への
傾き）を変化せて、録音ヘツド１５のギヤツプを
再生ヘツド１２のギヤツプへ一致させる。

また、ヘツド間の微調整が完了したコンビネー
シヨンヘツドをテープレコーダのヘツドベース６
（第１図参照）に取付ける。このときには、基台
１１の取付穴１１ａに取付ネジ（第１図の９に相
当するもの）を挿入し、且つこの取付ネジにスプ
リング（第１図の８に相当するもの）を外装させ
てヘツドベース６に螺着する。そして、テープレ
コーダ全体の調整作業の際に、取付ネジを回転さ
せて、基台１１とヘツドベース６との間隔を調節
し、２個のヘツド１２，１５のテープ１０の走行
面に対する位置合わせを行なう。

なお、図示の実施例では調節板１６を３点で支
持しているが、これを、基台１１上にて４点で支
持してもよい。

以上のように、本考案によれば以下に列記す
る。効果を奏するようになる。

(1) 一対の磁気ヘツドと基台とが一体化されたコ
ンビネーシヨンヘツドのユニツトの段階で、両
磁気ヘツドのギヤツプの相対位置の調整を行な
うことができる。よつて既にギヤツプの相対位
置が高精度に位置合わせされた状態のコンビネ
ーシヨンヘツドのユニツトとしてテープレコー
ダなどのヘツドベースに取り付けることがで
き、互いに位置合わせされた両磁気ヘツドの両
ギヤツプを、走行するテープに対して合わせる
ことが可能になる。

(2) 基板上において、一方の磁気ヘツドのギヤツ
プを基準として、他方の磁気ヘツドのギヤツプ
の位置合わせができるので、調整作業における
ギヤツプの位置合わせの基準が明確である。

(3) 一対の磁気ヘツドがほぼ密着して並んでお
り、その一方の磁気ヘツドが固定されている調
整板は、３点以上の支持部にて基台との間隔調
整が可能とされており、この支持部の間隔は、
両磁気ヘツドの幅寸法よりも広くなつている。
よつて、ほぼ密着された磁気ヘツドの一方の傾
斜調整などを長い間隔の調整部にて調整するこ
とができ、ギヤツプの傾斜調整などの微調整が
可能であり、高精度に位置合わせされたコンビ
ネーシヨンヘツドを得ることができるようにな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコンビネーシヨンヘツドをテー
プレコーダのヘツドベースに取付けた状態を示す
斜視図、第２図以下は本考案によるコンビネーシ
ヨンヘツドを示すものであり、第２図は斜視図、
第３図は正面図、第４図は右側面図である。 １１……基台、１２……再生ヘツド、１３……
取付板、１５……録音ヘツド、１６……調節板、
１６ａ，１６ｂ，１６ｃ……支持部、１７，１８
……間隔を調節する機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２個の独立した磁気ヘツドが平板状の基台に併
   設されたコンビネーシヨンヘツドであつて、前記
   ２個の独立した磁気ヘツドがほぼ密着して並べら
   れており、一方の磁気ヘツドは前記基台に固設さ
   れ、他方の磁気ヘツドは調整板に固定されて、こ
   の調整板が３点以上の支持部によつて前記基台に
   支持されており、且つ調整板の支持部は、２個の
   磁気ヘツドの幅寸法よりも長い間隔にて配置され
   ており、各々の支持部には、前記調整板と前記基
   台との間隔を調整する機構が設けられていること
   を特徴とするコンビネーシヨンヘツド。