JPS632993Y2

JPS632993Y2 -

Info

Publication number: JPS632993Y2
Application number: JP1980045693U
Authority: JP
Priority date: 1980-04-03
Filing date: 1980-04-03
Publication date: 1988-01-25
Also published as: JPS56149341U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は磁気ヘツド取付装置に関し、磁気テー
プ等の記録媒体を使用した磁気記録再生装置にお
いてその磁気ヘツドのギヤツプと記録媒体との相
対位置の調整を容易かつ高精度に行なえるように
することを目的としたものである。

一般に、ヘツドギヤツプとテープの相対位置と
しては、トラツク高さ、ギヤツプアジマス、テイ
ルト（傾き）、突出し、タンジエンシー（首振り）
複数ヘツドにおけるヘツド間距離等が考えられ
る。本考案は、上記の内、特に突出し、タンジエ
ンシー、ヘツド間距離に関するものである。

磁気記録再生の特性に影響を与えるものの一つ
にスペース・ロスがある。ヘツドギヤツプとテー
プの間に生じる隙間により、L_s＝−54.6（ｄ／λ）
（但し、ｄ＝隙間、λ＝波長）であらわされる損
失が生じる。この損失は記録波長λが短かくなる
程大きくなり、最近の高密度記録では、重大な問
題になる。スペースロスを生じる原因の一つは、
ヘツドに対するテープの巻付け状態である。テー
プの巻付け角が適切でなかつたり、ヘツドのギヤ
ツプがテープ巻付位置の中央付近からずれていた
りすると、スベース・ロスによる再生出力の劣下
が生じる。ヘツドとテープの接触状態から考える
と、ヘツドのギヤツプをテープ巻付位置の中央に
おき、テープが、ヘツドギヤツプの両側に均等に
巻付いた状態でスペース・ロスが最小になる。

特に、短波長記録ではヘツドギヤツプ位置の上
記の状態からのずれ（タンジエンシー）によるス
ペース・ロスが大きいことが実験的に確認されて
おり、再生出力を確保するためには、このタンジ
エンシーの高精度な設定（±0.5゜以内等）が必要
となる。

従来、この調整は、ヘツド取付けネジ穴（長穴
等）のガタの範囲内でヘツド位置を動かし、再生
出力が最大になる位置で固定するという方法で行
なわれていた。これは長波長記録においては可能
であつたが、短波長記録では高精度が要求される
ため調整に時間がかかり、かつ十分な精度が得ら
れるものではなかつた。また、従来の方法ではタ
ンジエンシー調整時にヘツド突出しが同時に変化
し、そのため、前記の様な高精度の調整が要求さ
れてくると調整が非常に困難になるものであつ
た。また、突出しの変化により、そのヘツドの巻
付角が変化し、ヘツドの設計上、必要とされてい
る巻付角が得られなくなり、突出しの変化によ
り、ヘツド周辺のテープ走行径路が変化し、他の
構成要素（他のヘツド、テープクリーナ等）に悪
影響を及ぼすものであつた。

とくに複数ヘツド構成の磁気記録再生装置で編
集作業をする場合、同期信号再生ヘツドと記録ヘ
ツド、消去ヘツドと記録ヘツドの間隔は編集精度
を上げるために出来るだけ小さい方が良いが、高
密度記録、デイジタル記録等においては、信号
を、電気的に処理することで、上記の間隔をなく
す等の方法をとつている。その時ヘツド、又はヘ
ツドを含むユニツトの交換時の互換性を考慮する
と、各ヘツドの間隔を高精度（±0.1mm等）に設
定することが必要となつてくる。しかし、従来の
方法では、ヘツド取付け時のヘツド間距離の位置
決めはされず、また、タンジエンシー調整時にお
いて、ヘツド間距離も同時に変化するため、高精
度の設定は困難であつた。

本考案は、タンジエンシーの調整に関して、上
記の問題を解決しながら容易かつ高精度に調整を
行なおうとするものである。

以下に本考案の実施例について図面と共に説明
する。第１図、第２図は第１実施例における磁気
ヘツド取付装置の正面図、断面図を示す。図にお
いて、磁気ヘツド素子１を載置した基台２に、切
り欠きとしてＶ溝３が設けられ、基板４に固定軸
５が設けられている。固定軸５の位置は、基板４
上で高精度に位置決めされている。ヘツド１は固
定軸５にＶ溝３を押し付けた時、固定軸５の中心
がヘツド１の先端のギヤツプ位置と同一になる様
に基台２に取付けられる。固定軸５にＶ溝３を押
し付けた状態で、基台固定ネジ６で基台を基板４
に、摺動可能な様に仮止めし、磁気テープ７で記
録再生を行なう。再生出力が最大になる様に基台
２を、固定軸５を中心にして回動させ、そこで基
台２と基板４を、ネジ６で固定する。この回動に
おいて、回転中心はヘツド１の先端のギヤツプ位
置であるため、ヘツド間距離は変わらず、タンジ
エンシーのみが変化する。

この調整において、タンジエンシーの回転中心
が設定されているので、従来に比べて、容易に、
かつ、高精度に、調整が行なえる。又、基板４に
設けた固定軸５の位置、及び、ヘツドギヤツプ位
置に対するＶ溝３の位置を高精度に設けることに
より、ヘツド間距離とヘツド突出しを高精度に設
定し、タンジエンシー調整中もヘツド突出し、ヘ
ツド間距離は、ほぼ一定である。そのため複数ヘ
ツド構成におけるヘツド間距離が高精度に位置決
めされ、またテープ走行径路が変化せず、他の構
成要素、及びヘツドのテープ巻付角に悪影響を及
ほさない。

基台４にＶ溝３を設けることで、Ｖ溝３と磁気
ヘツド素子１のギヤツプとの相対位置は、磁気ヘ
ツド素子１を基台４にネジ（図示せず）で固定す
る時に調整をすれば、高精度が得られる。また、
基台４にアジマス、テイルト等の調整機能を持た
せることも可能である。

次に第３図、第４図を用いて第２の実施例を説
明する。第３図、第４図は本実施例の正面図、断
面図を示す。図において、磁気ヘツド素子１１を
被覆するケース１２が前記の基台の機能を持つ。
ケース１２に切り欠きとしてＶ溝１３が設けら
れ、基板１４に固定軸１５が設けられている。調
整法は第１の実施例と同じである。

この構成では、磁気ヘツド素子１１をケース１
２に固定する時に、Ｖ溝１３と磁気ヘツド素子１
１のギヤツプとの相対位置の位置決めを行なう。
そのため、第１の実施例より精度が容易に出る。
また、非常にコンパクトな構成になる。このよう
に本考案は軸と切り欠きだけでギヤツプ位置およ
び回転中心を高精度に設定できる。軸は、基板に
設けた丸穴にたとえば圧入することにより、また
切り欠きは基台を切り欠いて形成されるため、非
常に安価に、しかも高精度に上記の目的を達成で
きる。さらに切り欠きを軸に当接して基台を回動
させるため、タンジエンシー調整作業が容易であ
る。

以上の様に本発明のヘツド取付装置によれば、
複数ヘツド間距離を高精度に位置決めした後、タ
ンジエンシーの単独の調整を、容易に、かつ高精
度に行なうことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における磁気ヘツド
取付装置の正面図、第２図はそのＡ−A′線断面
図、第３図は本考案の他の実施例の正面図、第４
図はそのＢ−B′線断面図である。１……磁気ヘツド素子、２……基台、３……Ｖ
溝、４……基板、５……固定軸、６……ネジ、７
……磁気テープ、１１……磁気ヘツド素子、１２
……ケース、１３……Ｖ溝、１４……基板、１５
……固定軸、１６……ネジ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

磁気ヘツド素子と、前記磁気ヘツド素子を固定
する基台と、前記基台を支持する基板とよりな
り、前記基台に設けた切り欠きと前記基板に設け
た軸を当接して前記軸を中心に前記基台を前記基
板に対して回動自在に構成し、前記軸の中心を前
記磁気ヘツド素子上のギヤツプ位置にほぼ一致さ
せたことを特徴とした磁気ヘツド取付装置。