JPH03162B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 ［産業上の利用分野］ 本発明はチツプブレーカを有するスローアウエ
イチツプに関するものである。

［従来の技術］ 従来より、良好な切粉処理を行なうことを目的
として刃先にチツプブレーカを設けたスローアウ
エイチツプが使用されている。かかるスローアウ
エイチツプにおいて、切削条件によりノーズ半径
が異なるものを使用するときは、種々のノーズ半
径を有するスローアウエイチツプを必要としてい
る。

［発明が解決しようとする問題点］ 従来のこうしたスローアウエイチツプにおい
て、ノーズ半径を研摩等により、より大きなノー
ズ半径とするとチツプブレーカの位置が刃先に近
くなり、該チツプにより切削を行なうと切粉処理
が適切に行なわれないという問題があつた。

第４図はノーズ半径が小さな凸状のチツプブレ
ーカを有するスローアウエイチツプの刃先部分の
平面図、第５図は第４図のスローアウエイチツプ
をより大きなノーズ半径に研摩した平面図であ
る。図示する如く、スローアウエイチツプのノー
ズ半径Ｒ１が小さいとき刃先１から凸状チツプブ
レーカ２まで距離ａであるが、該スローアウエイ
チツプを研摩しノーズ半径Ｒ２をより大きくする
と刃先３から凸状チツプブレーカ４まで距離ｂと
短くなり、特に軽切削時の切粉処理がきわめて不
良となる。この様にチツプブレーカを設けたスロ
ーアウエイチツプを研摩しより大きなノーズ半径
に変更しても切削に適するチツプを得ることは非
常に困難であつた。

従つて、スローアウエイチツプを製作する金型
もノーズ半径に応じて必要となるという問題があ
つた。

そこで本発明は、ひとつの刃先で複数のノーズ
半径が得られるスローアウエイチツプを提供する
ことを目的としてなされた。

発明の構成 ［問題点を解決するための手段］ かかる目的を実現すべく、本発明は上記問題を
解決するための手段として、次の構成をとつた。

即ち、スローアウエイチツプ先端の第１の刃部
より内側に、該第１の刃部のブレーカとなる第１
のチツプブレーカを設けたスローアウエイチツプ
であつて、上記第１の刃部の内側に、該第１の刃
部より大きな径の第１のチツプブレーカを第１の
刃部の方向に湾曲して凸状に設けるとともに、該
第１のチツプブレーカを第２の刃部として形成
し、更に該第２の刃部の内側に第２の刃部のブレ
ーカとなる第２のチツプブレーカを設けたことを
特徴とするスローアウエイチツプの構成にある。

［作用］ 本発明のスローアウエイチツプには、第１の刃
部のノーズ半径で切削する場合は、該ノーズ半径
の第１の刃部に応じて設けられた第１のチツプブ
レーカ７，７ａにより切粉処理が良好に行なわ
れ、ノーズを研摩して第１の刃部より径の大きな
第２の刃部のノーズ半径とした時には、中央陸部
８にあらかじめ形成されている第２のチツプブレ
ーカ９により切粉処理が良好に行なわれるように
働く。

［実施例］ 以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図Ａは本発明の一実施例としてのスローア
ウエイチツプの刃先の平面図、第１図Ｂは第１図
ＡのＣ−Ｃ断面図、第２図Ａは第１図Ａに示すス
ローアウエイチツプを研摩した刃先の平面図、第
２図Ｂは第２図ＡのＣ−Ｃ断面図である。

第１図Ａ，Ｂに示す如く、スローアウエイチツ
プ５は三角形状のポジテイブタイプであつて、金
型より製作された時点でのノーズ半径Ｒ３は0.4
mmである。このスローアウエイチツプ５には、刃
先６の後方に段部面７が設けられており、更に段
部面７の後端（刃先６より0.4mm以内の位置）に
は傾斜面７ａが形成されている。本実施例では、
段部面７は刃先６から中央陸部８に向つて上り傾
斜としたが下り傾斜であつても差支えない。中央
陸部８には傾斜面７ａの位置より内側に、凸状の
チツプブレーカ９が設けられている。

以上のように構成された本実施例のスローアウ
エイチツプ５をそのままで、即ち刃先６のノーズ
半径を0.4mmとして使用する場合には、段部面７
及び傾斜面７ａがチツプブレーカとしての役割を
はたすので、良好な切粉処理が行なわれる。一
方、刃先６をノーズ半径0.8mmに研摩して用いる
場合には、研摩によつて段部面７及び傾斜面７ａ
が完全に除去されるので、第２図Ａ，Ｂに示すよ
うに、新たな刃先６ａが形成され、切削加工にお
いてはチツプブレーカ９による良好な切粉処理が
行なわれる。

次に本発明の第２実施例について説明する。第
３図Ａは第２実施例としてのスローアウエイチツ
プの刃先を示す平面図、第３図Ｂは第３図ＡのＣ
−Ｃ断面図である。

図示する如く、ノーズ半径Ｒ５が0.4mmのスロ
ーアウエイチツプ１１には刃先１２の後方に段部
面１３が設けられており、更に段部面１３の後端
（刃先１２より0.4mm以内の位置）には傾斜面１３
ａが形成されている。該傾斜面１３ａに連なつて
段部面１４が設けられており、更に段部面１４の
後端（刃先１２より0.4mmから0.8mmの間の位置）
には傾斜面１４ａが形成されている。中央陸部１
５には傾斜面１４ａの位置より内側に凸状のチツ
プブレーカ１６が設けられている。

以上のように構成された第２実施例のスローア
ウエイチツプ１１をそのままで、即ち刃先１２の
ノーズ半径を0.4mmとして使用する場合には、段
部面１３及び傾斜面１３ａがチツプブレーカとし
ての役割をはたすので、良好な切粉処理が行なわ
れる。一方、刃先１２をノーズ半径Ｒ６が0.8mm
となるよう研摩して用いる場合には、研摩によつ
て段部面１３及び傾斜面１３ａが完全に除去さ
れ、段部面１４及び傾斜面１４ａがチツプブレー
カとしての役割をはたすので、良好な切粉処理が
行なわれる。更に、刃先１２をノーズ半径Ｒ７が
1.2mmとなるよう研摩して用いる場合には、研摩
によつて段部面１３，１４及び傾斜面１３ａ，１
４ａが完全に除去され、凸状チツプブレーカ１６
により良好な切粉処理が行なわれる。

上記第２実施例においては１金型で研摩するこ
とによりノーズ半径が３種類のスローアウエイチ
ツプが得られる。

尚、凸状チツプブレーカ９，１６は凸状のチツ
プブレーカでもよく、チツプブレーカの位置は、
研摩後の刃先位置から加工条件により最適の寸法
を選定すればよい。また、種々のノーズ半径を組
合せてスローアウエイチツプを構成し得ることは
勿論である。さらに、１刃先に限られず、スロー
アウエイチツプのすべての刃先に設けることがで
き、チツプ板の形状も三角形状に限られることな
く、四角形状、ひし形状、多角形状としてもよ
い。チツプ材質は、セラミツクに限らず超硬合金
等でもよい。

以上本発明のいくつかの実施例について説明し
たが、本発明はこのような実施例に何等限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
において、種々なる態様で実施し得ることは勿論
である。

発明の効果 以上詳述したように、本発明のスローアウエイ
チツプは、複数のチツプブレーカを設けることに
より、切粉処理を良好に維持したまま研摩等によ
りノーズ半径を変更して別のノーズ半径のチツプ
が得られるという効果を有する。さらに本発明の
スローアウエイチツプは、従来、複数の金型で製
作していたものを１金型で製作することができる
という効果も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本発明の一実施例としてのスローア
ウエイチツプの刃先の平面図、第１図Ｂは第１図
ＡのＣ−Ｃ断面図、第２図Ａは第１図Ａのスロー
アウエイチツプを研摩した刃先の平面図、第２図
Ｂは第２図ＡのＣ−Ｃ断面図、第３図Ａは本発明
の他の実施例としてのスローアウエイチツプの刃
先の平面図、第３図Ｂは第３図ＡのＣ−Ｃ断面
図、第４図は小さなノーズ半径のスローアウエイ
チツプの刃先の平面図、第５図は第４図のスロー
アウエイチツプを大きなノーズ半径に研摩した刃
先の平面図である。 １，３，６，６ａ，１２…刃先、２，４，９，
１６…凸状チツプブレーカ、７，１３，１４…段
部面、７ａ，１３ａ，１４ａ…傾斜面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スローアウエイチツプ先端の第１の刃部より
   内側に、該第１の刃部のブレーカとなる第１のチ
   ツプブレーカを設けたスローアウエイチツプであ
   つて、 上記第１の刃部の内側に、該第１の刃部より大
   きな径の第１のチツプブレーカを第１の刃部の方
   向に湾曲して凸状に設けるとともに、該第１のチ
   ツプブレーカを第２の刃部として形成し、更に該
   第２の刃部の内側に第２の刃部のブレーカとなる
   第２のチツプブレーカを設けたことを特徴とする
   スローアウエイチツプ。