JPH02927Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 考案の技術分野 本考案はプリント板等のユニツトを並設するラ
ツクの表面板固着構造に関する。

(b) 技術の背景 プリント板等よりなる電子機器の薄形のユニツ
トはそれぞれにユニツト表面板を取付けてラツク
に並列して装着し、開口面の前面を並列したそれ
ぞれのユニツト表面板で塞ぎ、ラツク内に異物が
入るのを阻止するとともに、外観を良好にしてい
る。しかしこのようなラツクに薄形のユニツト構
造にすることの出来ない装置部品、例えば配線盤
装置等を装着することがある。この場合はこの装
置部品が装着された部分に対応するラツクの開口
面は開放状態となるので、この開口部分をユニツ
ト表面板とは別の表面板を装着して塞ぐことが要
求される。

(c) 従来技術と問題点 従来のこのようなラツクの表面板固着構造は第
１図乃至第３図の如くであつて、第１図はラツク
の一部破断斜視図、第２図は要所を分離した形で
示す斜視図、第３図は要所の断面図である。

ラツク１は第１図のように金属板よりなる上板
２と下板３とが一対の側板４で固着されて箱形に
構成され、前面は開口し、後面は図示されていな
いバツクボードで塞がれている。

５及び６は側板４に対向する両側の側縁が直角
に折り曲げられて、側板４に固定される中棚固定
側板部５Ａ、中棚固定側板部６Ａがそれぞれ設け
られた上板２（下板３も同形）と同形状の金属板
よりなる中下棚及び中上棚であつて、両者は層状
に密接して、ラツク１のほぼ中央部に水平に装着
されてラツク１を上下に区画している。

上板２、下板３、中下棚５及び中上棚６には第
２図の詳細図のように奥行き方向に長い角形孔１
３がプリント板ユニツト７が並列されるピツチで
等間隔に並列して開口側の縁側近傍に設けられて
いる。またそれぞれの角形孔１３に対応して後方
には円形孔１４が並列して設けられている。

いる。（図では配線盤装置が装着されるラツク１
の右上部分即ち中下棚５と上板２との右側にはガ
イドレール９が装着されていない）。

９は合成樹脂よりなる細長いガイドレールであ
つて、一方の長手側面の中心線部分には、プリン
ト板ユニツト７の上側縁、下側縁のいずれかが挿
入されるガイド溝１０が設けられている。またガ
イド溝１０とは反対側である背面には、角形孔１
３、円形孔１４に対応してそれぞれに押圧し着脱
可能に嵌着する角形突起１１及び円形突起１２が
設けられている。このようなガイドレール９は上
板２と中下棚５にガイド溝１０がそれぞれ対向し
て、また下板３と中上棚６にガイド溝１０がそれ
ぞれ対向して、所望の個所に並列して装着されて
いる。

ラツク１の高さのほぼ半分の高さのプリント板
ユニツト７の前面には、それぞれ細長い矩形状の
ユニツト表面板８が垂直に装着されている。した
がつてプリント板ユニツト７をそれぞれの対応す
る所望のガイドレール９に挿入してラツク１に装
着すると、ユニツト表面板８が並列して一枚の表
面板状となり、そのプリント板ユニツト７が装着
された部分の開口面を、塞ぐことができる。

そして配線盤装置等の装着された開口面部分に
取付ける表面板２０の従来の固着構造は第２図、
第３図に詳細に示すように、所望に選択した角形
孔１３部分にほぼアングル形の固定金具１５を装
着したものである。

固定金具１５の垂直板１６のほぼ中心には、表
面板固着ねじ２１（例えば首付ねじ）が螺着する
ねじ孔１６ａが設けられている。水平板１７には
並列した２つの角形孔１３に対応して、止めねじ
１８が螺着するねじ孔１７ａが並列して設けられ
ている。

金属板よりなる表面板２０の四隅には表面板固
着ねじ２１が螺着係合するねじ孔が設けられ、こ
のねじ孔の裏面にはそれぞれＵ形金具２２が例え
ば溶接などで固着されている。Ｕ形金具２２の並
行する板部には、表面板２０のねじ孔に軸心が一
致した表面板固着ねじ２１が遊貫する孔が設けら
れている。

中下棚５をラツク１に固着する前に、予めこの
表面板２０のねじ孔に対応する角形孔１３を選択
して、固定金具１５を固着してある。この固定金
具１５は垂直板１６が開口側になるようにして、
水平板１７を中下棚５の上面に密接して中下棚５
の下側より止めねじ１８を角形孔１３に挿入し、
ねじ孔１７ａを螺着して固着するのである。（こ
の配線盤装置等を取付ける部分には、ガイドレー
ル９を必要としない。したがつてガイドレール９
が装着されていないので角形孔１３に止めねじ１
８を遊挿することができる）。また上板２にも同
様にして、角形孔１３を利用して上板２の上方よ
り止めねじ１８を挿入し固定金具１５が固着され
ている。

上述のようにして、表面板２０のねじ孔に対応
する個所に固定金具１５が、それぞれ固着されて
いるので、表面板２０をラツク１の開口部分に当
て、ラツク１の前面より表面板固着ねじ２１を螺
着することにより、表面板２０を固着することが
できる。

しかしながら数多くの角形孔１３が並列した中
から所望の個所にある角形孔１３を選択するので
あるから、誤つた個所に固定金具１５を固着する
恐れがある。この固着個所の誤謬は、ラツク１に
プリント板ユニツト７をそれぞれ装着し、最後に
表面板２０を装着する際に、初めて判明するもの
である。このような場合にはプリント板ユニツト
７を抜去し、さらにラツク１より中下棚５を取外
さねば、固定金具１５を正しい個所に固着するこ
とが出来ないという問題点がある。

(d) 考案の目的 本考案の目的は上記従来の問題点に鑑み、固定
金具をラツクの内側で着脱可能とすることによ
り、着脱容易で且つ簡単な構成なラツクの表面板
固着構造を提供することにある。

(e) 考案の構成 この目的を達成するために本考案は、ユニツト
を並列して装着する箱形のラツクは、ガイドレー
ルの角形突起を嵌着することにより該ガイドレー
ルを着脱可能に固着する角形孔が対向する側板の
開口側に並列して設けられてなり、弾性ある金属
板よりなりほぼＵ形で、前板の先端に設けられ該
角形孔の前側壁に挿入係止する逆Ｌ形突片と、後
板の先端に設けられ該角形孔の後側壁に挿入係止
するＬ形突片とを備えた固定金具が、該ガイドレ
ールが除去された該角形孔に着脱可能に装着さ
れ、該前板に設けられたねじ孔に表面板固着ねじ
を表面板の手前側より螺着することにより、該表
面板が該ユニツトが装着されない該ラツクの開口
面部分を塞ぐ如くに取付けるものである。

即ち該固定金具の前板と後板とを指に把持し
て、弾力に抗して該逆Ｌ形突片と該Ｌ形突片とが
互いに近づく方向に撓みを与え、該ラツクの内側
より該角形孔に該Ｌ形突片及び逆Ｌ形突片を挿入
係合せしめることにより、該固定金具の弾力によ
り、該固定金具を固着し、またその逆の操作によ
り、容易に該固定金具を取外しすることができる
ようにしたものである。

(f) 考案の実施例 以下図示実施例を参照して本考案について詳細
に説明する。なお全図を通じて同一符号は同一対
象物を示す。

第４図は本考案の一実施例でイは要所を示す斜
視図、ロは要所の断面図である。

同図において２５は角形孔１３の幅よりも大き
い幅の弾性ある金属板（例えば黄銅板）がほぼＵ
形に折り曲げられてなる固定金具である。固定金
具２５の前板２６のほぼ中心には、表面板固着ね
じ２１が、表面板２０のねじ孔に螺合して貫通し
さらにＵ形金具２２の孔を貫通して、螺着するよ
うに、ねじ孔３０が設けられている。

前板２６の先端（図では下方）部は後板２７側
に直角に屈曲して逆Ｌ形突片２８が設けられてい
る。逆Ｌ形突片２８の前板２６と並行した（図で
は下方に並行して突出している）先端は、角形孔
１３に挿入可能の如くに細幅で、その直角の内角
面が前側壁１３ａに密接して挿入係止するように
形成されている。

後板２７の先端部は幅が段付きで、角形孔１３
に挿入可能の細幅となり、後側壁１３ｂに沿つて
角形孔１３に挿入された後その先端が後方に直角
屈曲して、Ｌ形突片２９が形成されている。した
がつて、固定金具２５の前板２６と後板２７とを
指に把持して、弾力に抗して互いに近づく方向に
撓みを与え、Ｌ形突片２９を角形孔１３の後側壁
１３ｂ側に挿入して、その先端部の上面を中下棚
５の下面（上板２の場合には上板２の上面とな
る）に密接し係止せしめ、その後逆Ｌ形突片２８
を前側壁１３ａ側に挿入し、その水平の下面を中
下棚５の上面に（上板２の場合には上板２の下面
となる）に密接させる。このようにして手を離す
と、固定金具２５は弾力により復帰して、Ｌ形突
片２９は後側壁１３ｂに圧接して係止固定し、逆
Ｌ形突片２８は前側壁１３ａに圧接して係止固定
する。即ち選択した角形孔１３の位置に容易に、
ラツク１の内側の操作で、固定金具２５を固着す
ることができる。

また角形孔１３の選択を誤つた場合には、プリ
ント板ユニツト７の装着と関係なく、装着とは逆
の手順で固定金具２５を取外すことができ、正し
い位置に装着し直すことが容易である。

固定金具２５はそれぞれの角形孔１３に確実に
且つ動くことなく挿入係止しているので、表面板
固着ねじ２１をねじ孔３０に螺着して、表面板２
０を取付けることが容易である。そしてユニツト
表面板８とあいまつて、ラツク１の開口面の前面
を一枚の表面板状にして塞ぐことができる。

なお図示例は中下棚、中上棚が水平に装着さ
れ、プリント板ユニツトが垂直に挿入される場合
であるが、本考案は中間棚が垂直で、ラツクにプ
リント板ユニツトが水平に挿入される場合にも適
応することは勿論である。

(g)考案の効果 以上説明したように本考案は、表面板を取付け
る固定金具をラツクの内側で着脱することが容易
であり、且つ構成が簡単であり、特に固定金具の
装着個所の選択を誤つた場合に実用上で優れた効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は従来の表面板固着構造を示
すもので、第１図はラツクの一部破断斜視図、第
２図は要所を分離した形で示す斜視図、第３図は
要所の断面図であり、第４図は本考案の一実施例
でイは要所を示す斜視図、ロは要所の断面図であ
る。 図中１はラツク、２は上板、３は下板、４は側
板、５は中下棚、６は中上棚、７はプリント板ユ
ニツト、８はユニツト表面板、９はガイドレー
ル、１０はガイド溝、１１は角形突起、１２は円
形突起、１３は角形孔、１４は円形孔、１５，２
５は固定金具、２６は前板、２７は後板、２８は
逆Ｌ形突片、２９はＬ形突片を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ユニツトを並列して装着する箱形のラツクは、
   ガイドレールの角形突起を嵌着することにより該
   ガイドレールを着脱可能に固着する角形孔が対向
   する側板の開口側に並列して設けられてなり、弾
   性ある金属板よりなりほぼＵ形で、前板の先端に
   設けられ該角形孔の前側壁に挿入係止する逆Ｌ形
   突片と、後板の先端に設けられ該角形孔の後側壁
   に挿入係止するＬ形突片とを備えた固定金具が、
   該ガイドレールが除去された該角形孔に着脱可能
   に装着され、該前板に設けられたねじ孔に表面板
   固着ねじを表面板の手前側より螺着することによ
   り、該表面板が該ユニツトが装着されない該ラツ
   クの開口面部分を塞ぐ如くに取付けられてなるこ
   とを特徴とするラツクの表面板固着構造。