JPH028843B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はクランク軸など加工用のフライス盤で
あつて工作品中心線と同心又は偏心の横断面の円
形加工のための送りに対応して工作品中心線に垂
直の平面内において可動の、それぞれ内側切削用
の環状の刃物ヘツドを収容するための回転可能の
工具ドラムがあるフライス・ユニツトを備えてい
るものに関する。

（従来技術） ２個又は数個のフライス・ユニツトとフライス
工具として単式又は複式刃物ヘツドとを備えてい
るフライス盤はクランク軸又はカム軸などの量産
用に使用され、同時にいくつもの横断面を加工す
るので加工時間を短縮することができる。

しかしこれらのフライス・ユニツトには従来そ
れぞれ固有の、送り運動をもたらすフライス往復
台が設けられており、これが不合理な機械設計
上、特に工作品の十分な支持に関しての場所の問
題を生ずる。これら機械的条件を改良するため、
欧州特許出願第838902112により、少なくとも２
個の、しかし望ましくはすべてのフライス・ユニ
ツトを共通のフライス往復台（場合によつてはフ
ライス・ユニツトを相対的に移動可能に収容する
フライス往復台）上に取付け、フライス・ユニツ
トの全体の送り運動の制御および駆動装置を単純
化するものが提案された。これはフライス・ユニ
ツト用の適切な収容部および場所によつては調整
装置を備えた特殊なフライス往復台であつて、静
止して取付けてある工作品の加工の際に工作品中
心線に垂直の平面内において移動可能の２個の部
分からなるものである。これらのフライス往復台
は、単一部分からなるもの、あるいは複数部分か
らなるものにかかわらず、設計上および製作上の
負担を要し、さらに振動に弱く、特にいくつもの
フライス・ユニツトを用いる場合、確実かつ安定
な工作品支持が困難になる。

（発明の目的） したがつて、本発明はこれらの欠点を排除し、
比較的簡単なかつコンパクトな構造によつて制御
および作動を行なう冒頭にあげた種類のフライス
盤を提供することを目的とするものである。

本発明はこの課題を、それ自体公知の方法で自
ら摺動可能に導かれるフライス・ユニツト（複
数）が同時に共通の駆動部を介して移動方向に正
しい送りで可動であることによつて解決する。フ
ライス・ユニツトはこうして自ら往復台の機能を
持つことができ、よつて機械的な負担が低減さ
れ、その上共通の駆動が負担の少ない制御および
駆動装置を可能にする。

フライス・ユニツトは回転する工作品の加工の
際には直接に機械ベツドの長さ方向の往復台の案
内をすることができるが、案内および静止の工作
品加工用の駆動部とともにフライス往復台上に取
付けることもできる。このフライス往復台はした
がつて往復台ブロツクからなる交差往復台などで
ある必要はなく、たとえば高さに従つて移動可能
に導かれるフライス・ユニツトのある単純な横の
往復台として形成して簡単かつ頑丈な機械設計を
可能にすることもできる。

フライス・ユニツト用駆動部には、駆動可能の
親ねじ望ましくは球、ローラつきねじ軸と、それ
ぞれ一つの駆動グループに結合してある１個又は
数個のフライス・ユニツトに属している２個の駆
動ナツトとを包含するねじ駆動部を採用するのが
望ましい。このねじ駆動部はフライス・ユニツト
の正確なかつよく制御できる運動を可能にし、駆
動ナツトと親ねじを使用してフライス・ユニツト
相互間の距離を可変にし、加工すべき横断面に応
じて個々のフライス・ユニツトが、一つの駆動ナ
ツトにより共通に駆動される駆動グループが構成
される。

本発明の一実施例によれば、親ねじの駆動ナツ
トと噛合する部分が反対のねじ勾配となつている
ため、親ねじの回転の際にフライス・ユニツト乃
至駆動グループは反対方向に同じだけ動かされて
フライス・ユニツトの行程変更が全く無駄な時間
なしに達成でき、簡単に制御プログラムに組みこ
まれるようになる。フライス・ユニツト乃至フラ
イス工具は対称に作動し、反対方向に向けた切削
となり、たとえば対応して準備されたクランク軸
の場合すべての側面を同時に加工できるようにな
る。フライス・ユニツトの、この方向が逆で大き
さの等しい加工は、フライス・ユニツトに均等な
切削を行なわせ、フライス時間を最小にする。

本発明の別の実施例によれば、駆動ナツトと協
力する親ねじのねじの切つてある部分はピツチの
勾配方向が同じであり、一方の駆動ナツトは関連
のフライス・ユニツト又は駆動グループ内におい
て回転可能に取付けてあり、ブレーキによりブロ
ツク可能である。ここでは駆動ナツトが、従つて
また対応のフライス・ユニツトも互いに平行に動
いてフライス・ユニツトの固有の行程調整が必要
となる。また、一方の駆動ナツトはブレーキを外
すことにより解放され得て、他方のフライス・ユ
ニツト内において回転不能に位置している駆動ナ
ツトのみが親ねじに対して軸方向に動くようにな
る。フライス・ユニツト間が所望の距離になつた
後に、解放された駆動ナツトは再びブロツクさ
れ、正しい送りの同じ運動がすべてのフライス・
ユニツトについて制御され得る。

ブレーキがブレーキばねにより負荷されるブレ
ーキシユーであつて水力駆動部を介して解放可能
であり、駆動ナツトのブレーキフランジと協力す
るものからなるとき、僅かな製作上の負担で機能
確実な調整ができる。ブレーキシユーが基本姿勢
においてブレーキばねにより駆動ナツトをブロツ
クし、水力駆動部の特定の操作のみがブレーキを
解放して扛上姿勢へもたらすからである。その際
ブレーキフランジは駆動ナツトに好都合なブレー
キ面をもたらす。

制動可能の駆動ナツトを収容しているフライ
ス・ユニツト又は駆動グループが、ブレーキを解
放した場合に、関連の案内に対して位置固定可能
であると、行程調整過程が加速されて、また全く
正確に実施できる。

そのほかフライス・ユニツトがブレーキのかか
つているとき互いに張力で支えられ得ると、フラ
イス・ユニツトがそれによつて相対的に支持でき
振動が避けられるので有利である。

（実施例） 以下、図面により、実施例を説明する。

フライス盤の機械ベツド１上には横木２に、親
ねじ駆動部３により工作品Ｗの中心線に垂直に摺
動可能のフライス往復台４が位置しており、工作
品側に、軸方向に並列して配置してある３個のフ
ライス・ユニツト６ａ，６ｂを収容するための案
内部５を形成する。フライス・ユニツト６ａ，６
ｂは工具ドラム７ａ，７ｂを備えており、これら
は図示してない駆動装置によつて回転可能であ
り、環状の内側切削する刃物ヘツド８ａ，８ｂを
支持している。フライス往復台４の案内部５にそ
つて摺動可能にフライス・ユニツト６ａ，６ｂに
は共通の駆動部９が設けられていて、この駆動部
９とフライス往復台４用親ねじ駆動部とに基いて
フライス・ユニツト６ａ，６ｂとそれらの刃物ヘ
ツド８ａ，８ｂとが工作品中心線に垂直の平面に
おいて任意に可動であり、それゆえ工作品Ｗのク
ランクピんおよびジヤーナルの加工のため必要な
送りを受けるようにしてある。

フライス・ユニツト６ａ，６ｂ用の駆動部９に
は２個の駆動ナツト１１ａ，１１ｂと協力する駆
動可能の球ローラねじ軸１０がある。一方の駆動
ナツト１１ａはその際に中央のフライス・ユニツ
ト６ａ内に位置しており、他方の駆動ナツト１１
ｂは外側の両フライス・ユニツト６ｂをまとめて
共通の駆動グループとする橋部１２内に取付けて
あつて両駆動ナツト１１ａ，１１ｂと駆動部９と
に対応して中央のフライス・ユニツト６ａも外側
のフライス・ユニツト６ｂも動かされ得るように
なつている。フライス・ユニツトのよりよい案内
のため橋部１２は中央のフライス・ユニツト６ａ
をフライス往復台とは反対の側で囲み、ここでフ
ライス往復台４の案内部５と対向の付加的案内１
３を形成して、フライス・ユニツトがフライス往
復台４のみにではなく相互間でも支えられている
ようになる。

第１図から第３図の実施例によると、フライ
ス・ユニツト６ａあるいは橋部１２内に回転不能
に取付けてある両駆動ナツト１１ａ，１１ｂ用の
球ローラねじ軸１０にはピツチ勾配方向が反対の
二つのねじたて部分１４ａ，１４ｂがあり、よつ
てねじ軸１０の回転が駆動ナツトの方向が逆で大
きさは等しい運動を、従つて一方では中央のフラ
イス・ユニツト６ａの、他方では外側の両フライ
ス・ユニツト６ｂの方向が逆で大きさの等しい運
動を生ぜしめる。180℃だけ角度をずらしてフラ
イス・ユニツトの移動方向に一致して向けられた
クランクピンの加工のためには、刃物ヘツド８
ａ，８ｂがクランクピンの行程位置には無関係に
方向は逆に大きさは等しく切削し、ジヤーナル加
工にはその円形送りを方向は逆に大きさは等しく
切削できて、たとえば４気筒用クランク軸のすべ
てのクランクピンおよびすべての側面の同時加工
が最短時間で可能であるようになつている（第３
図）。その場合切削運動は単にフライス・ユニツ
ト用駆動部９によつて行なわれ、円形送りのため
の運動はフライス往復台４用親ねじ駆動部３と駆
動部９との間の対応の調整によつて行なわれて、
所望の円形送りが、移動方向にある運動成分の組
合せによつて生じるようになつている。

第４図から第６図の実施例にあつては駆動ナツ
ト１１ａ，１１ｂ用球ローラねじ軸１０はピツチ
勾配の等しいねじ山部分１５ａ，１５ｂがあつ
て、ねじ軸の回転の際に駆動ナツトが、従つてま
たフライス・ユニツト６ａ，６ｂが同じ方向へ動
かされるようになつている。ここでフライス・ユ
ニツトを相対的に調整し、行程位置の相異なるク
ランクピンに適合させるためには駆動ナツト１１
ｂが橋部１２内に回転可能に取付けてあり、ブレ
ーキ１６によつでブロツク可能である。このブレ
ーキ１６には２個の、相互間に駆動ナツト１１ｂ
のブレーキフランジ１７を受入れているブレーキ
シユー１８，１９があり、これらは対向して移動
可能に導かれブレーキばね２０により制動可能に
押されている。ブレーキばね２０に抗する水力駆
動部２１であつてブレーキシユー１８，１９の対
応のピストンおよびシリンダ部分１８ａ，１９ａ
から形成されているものが圧をかけることによつ
てブレーキ解放を可能にする。ブレーキが解放さ
れているとき、駆動ナツト１１ｂは親ねじ回転に
追随できて駆動ナツト１１ａのみが軸方向に動か
され、フライス・ユニツト６ａと橋部１２または
フライス・ユニツト６ｂとの間の相対移動が行な
われるようになる。この移動過程を正確に実施す
るため、フライス・ユニツト６ｂをフライス往復
台４に堅個に締付ける締付装置２２が設けてあ
る。行程調整が行なわれ次第、ブレーキ１６は再
び活性化され締付装置２２は開かれて、今度はフ
ライス・ユニツト６ａ，６ｂが所与の相対位置に
おいて同方向に切削し円形送りを受け得るように
なつている（第６図）。ここではフライス作業中
フライス・ユニツトが相対運動を行なわないので
フライス・ユニツト１３ａ，１３ｂが取付位置２
３により互いに張力をかけられ、これにより工具
の案内が安定する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるフライス盤のフライス往
復台を示す端面図、第２図は第１図の線−に
そつた断面図、第３図はこのフライス往復台のフ
ライス・ユニツトの一作動面を示す平面図、第４
図はフライス往復台の別の実施例を示す端面図、
第５図はこのフライス往復台のフライス・ユニツ
トのための駆動部の詳細を拡大して示す縦断面
図、第６図は第４図の実施例のフライス・ユニツ
トに属する一作動面を示す平面図である。 １……機械ベツド、３……親ねじ駆動部、４…
…フライス往復台、５……案内部、６ａ，６ｂ…
…フライス・ユニツト、７ａ，７ｂ……工具ドラ
ム、８ａ，８ｂ……刃物ヘツド、９……駆動部、
１１ａ，１１ｂ……駆動ナツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ クランク軸等の加工用のフライス盤であつて
   工作品中心線と同心又は偏心の横断面の円形加工
   のための送りに対応して工作品中心線に垂直の平
   面内において可動の、それぞれ環状内側切削刃物
   ヘツド８ａ，８ｂを収容するための回転可能の工
   具ドラム７ａ，７ｂのあるフライス・ユニツト６
   ａ，６ｂを備えたものにおいて、それ自体摺動可
   能に導かれるフライス・ユニツト６ａ，６ｂが同
   時に共通の駆動部９を介して摺動可能であること
   を特徴とするフライス盤。 ２ 前記フライス・ユニツト６ａ，６ｂが所属の
   案内部５および駆動部９とともに共通のフライス
   往復台４上に取付けられていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載のフライス盤。 ３ 前記フライス・ユニツト６ａ，６ｂ用駆動部
   ９にはねじ駆動部があり、駆動可能の親ねじ望ま
   しくは球ローラねじ軸１０および２個の、それぞ
   れ一つの駆動グループに結合されている１個又は
   数個のフライス・ユニツト６ａ，６ｂに従属して
   いる駆動ナツト１１ａ，１１ｂを包含することを
   特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項記
   載のフライス盤。 ４ 前記駆動ナツト１１ａ，１１ｂと協力する親
   ねじ１０のねじ山部分１５ａ，１５ｂはピツチ勾
   配の方向が逆であることを特徴とする特許請求の
   範囲第３項記載のフライス盤。 ５ 前記駆動ナツト１１ａ，１１ｂと協力する親
   ねじ１０のねじ山部分１５ａ，１５ｂはピッチ勾
   配方向が同じであり、一方の駆動ナツト１１ｂは
   関連のフライス・ユニツト又は駆動グループ９内
   に回転可能に取付けてあり、ブレーキ１６により
   ブロツク可能であることを特徴とする特許請求の
   範囲第３項記載のフライス盤。 ６ 前記ブレーキ１６が駆動ナツト１１ｂのブレ
   ーキフランジ１７と協力するブレーキシユー１
   ８，１９からなり、ブレーキばね２０により負荷
   されるブレーキシユー１８，１９は水力駆動部２
   １を介して解放可能であることを特徴とする特許
   請求の範囲第５項記載のフライス盤。 ７ 制動可能の前記駆動ナツト１１ｂを収容して
   いるフライス・ユニツト又は駆動グループ９は、
   ブレーキ１６が解放してある場合、関連の案内部
   ５に対して位置固定可能であることを特徴とする
   特許請求の範囲第５項または第６項記載のフライ
   ス盤。 ８ 前記フライス・ユニツト６ａ，６ｂはブレー
   キ１６のかけてある場合互いに張力で支持可能で
   あることを特徴とする特許請求の範囲第５項から
   第７項のいずれか１項記載のフライス盤。