JP3885908B2 - ピストンリング加工機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はピストンリングの内外周面を同時に加工するピストンリング加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来ピストンリングの内外周面を加工するピストンリング加工機においては、複数のピストンリング素材(ワーク)を積層して、このワークの両端をワーク支持手段でクランプし、かつワーク支持手段を介してワークを回転させながらワークの内外周面を加工する方法が一般に採用されており、ワークの加工中、切削抵抗や遠心力によりワークがバラバラにならないよう、ワークの両端を大きなクランプ力でクランプする必要がある。
【0003】
このためピストンリング加工機のワーク支持手段には、大きなクランプ力に耐える構造の回転機構が必要である。
【0004】
一方ピストンリング加工機のクランプ装置としては、例えば特開昭63−89201号公報や、特開平6−707号公報、実開昭56−160701号(実公昭60−29362号)公報などに記載されたものが公知である。
【0005】
特開昭63−89201号公報に記載のワーククランプ装置は、ワークの両端をクランプする作動スピンドルを円錐コロ軸受けにより回転自在に支承したもので、ワーククランプ時の反力を円錐コロ軸受けで支承するように構成されている。
【0006】
また特開平6−707号公報には、複数分割された扇形雇をチャック爪に取付けて、チャック爪を半径方向外方へ移動させることにより上記扇形雇で素材の内周面をチャックするようにしたチャック方法が記載されている。
【0007】
さらに実開昭56−160701号(実公昭60−29362号)公報には、受け肩とクランプシリンダにより加圧される押込み肩の間でピストンリングをクランプした状態で主軸を回転させて、バイトによりピストンリングの外周面を加工するようにしたピストンリング加工装置が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記特開昭63−89201号公報のクランプ装置では、支持台をワークの軸線方向へ移動してワークの両端をクランプする構造のため、大きなクランプ力を得るためには、支持台の剛性を高くすると共に、大型のクランプ手段で支持台をクランプ方向へ押し付けなければならないため、ワーク支持装置が大型かつ高価となる不具合がある。
【0009】
またワークの一端側に当接するスピンドルを回転させてワークを回転駆動する構成のため、ワークの両端を支持する支持手段の回転変動によりワークに位相ずれが発生し、精度の高い加工ができないなどの不具合もある。
【0010】
一方特開平6−707号公報に記載のチャック方法では、複数の扇形雇で素材を内側より支持して素材の外周面を加工するようにしたことから、素材の内外周面を同時に加工することができないと共に、非円形の素材を加工する場合、素材形状に合せて扇形雇を製作する必要があるため、素材形状の種類だけ扇形雇を必要として費用が嵩むなどの不具合がある。
【0011】
また実開昭56−160701号公報のピストンリング加工装置では、受け肩と押し込み肩の間でピストンリングをクランプして、ピストンリングの外周面をアンダカットする構成のため、ピストンリングの内外周面を同時に加工するができないと共に、ピストンリングを固定し、バイトを回転させて加工する構成のため、非円形ワークを加工する場合、工具の位置制御が複雑となって精度の高い加工が困難であるなどの不具合もある。
【0012】
しかも上記特開平6−707号公報や、実開昭56−160701号公報のように、ワークの外周面のみを加工するものでは、ワークの外周面を加工した後、別の機械で内周面を加工しなければならないため、加工に多くの時間がかかって生産性が悪いと共に、内外周を別工程で加工するため、内外周の同心度が損なわれて、精度の高いピストンリングが得られないなどの不具合もある。
【0013】
この発明は上記従来の不具合を改善するためになされたもので、積層された複数のワークを強力にクランプすることにより、精度の高い加工を可能にするピストンリング加工機を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、内外周面が非円形曲線で形成されたワークの内外周面を同時に加工するピストンリング加工機において、
積層した複数のワークを両端側より回転自在に支持する一対のスピンドルを有するワーク支持手段と、
上記一対のワーク支持手段を収容するZ軸スライドと、
上記ワーク支持手段の少なくとも一方に設けられ、かつ上記スピンドルをワークの軸線方向に加圧することにより、各スピンドルの間でワークをクランプするクランプ手段と、
上記Z軸スライドをワークの軸線と平行するZ軸方向へ移動させるための、NC制御されるZ軸モータを有するZ軸駆動手段と、
上記各スピンドルの両方を駆動するための、NC制御されるC軸モータを有するC軸駆動手段と、
上記Z軸駆動手段による上記Z軸スライドのZ軸方向の動きと、上記C軸駆動手段による上記各スピンドルの回転とを同期させて運転するためのNC装置とより構成したものである。
【0015】
上記構成により、ワークの内外周を同時に精度よく加工することができるため生産性が向上すると共に、NC制御による自動運転により無人化が可能になるため、人件費の大幅な削減が図れるようになる。
【0016】
また加工精度が向上することにより、次工程で加工する場合の取り代が少なくなるため、加工時間の短縮と、これに伴う生産性の向上も図れるようになる。
また、剛性の高いZ軸スライドにワーク支持手段が収容され、そのワーク支持手段により、ワークを両端側より強固にクランプすることができるため、ワークの内外周を同時に加工する際、大きな切削反力がワーク支持手段に作用しても、ワークの位置がずれることがないため、精度の高い加工が可能になる。
【0017】
上記目的を達成するため請求項2記載の発明は、Z軸スライドを隅角部に支柱が配置された箱型構造としたものである。
【0019】
上記構成により、ワークを支持する際のクランプ力が、Z軸スライドの隅角部に設けられた支柱により均等に支持されるため、偏荷重により各ワーク支持手段のワーク支持面の平行度が損なわれることがなく、これによって精度の高い加工が可能になると共に、Z軸スライドの剛性が向上することにより、ワーク支持手段の小型化が可能になるため、ワーク支持手段の価格低減が図れるようになる。
【0020】
上記目的を達成するため請求項3記載の発明は、Z軸駆動手段を、Z軸スライドをZ軸方向へ移動自在に支承するリニアガイドレールと、Z軸モータにより正逆回転されるボールねじ軸より構成したものである。
【0021】
上記構成により、C軸駆動手段に同期させて、Z軸スライドをZ軸方向へ精度よく移動させることができる。
【0022】
上記目的を達成するため請求項4記載の発明は、C軸駆動手段のC軸モータにフライホィールを接続したものである。
【0023】
上記構成により、加工時の負荷変動の影響をキャンセルしてC軸モータの回転が安定するため、ワークの加工精度がさらに向上する。
【0024】
上記目的を達成するため請求項5記載の発明は、クランプ手段を、ワーク支持手段の少なくとも一方に設けられた液圧シリンダによりスピンドルを加圧する液圧クランプ手段としたものである。
【0025】
上記構成により、小型のクランプ手段で大きなクランプ力が容易に得られるようになる。
【0026】
上記目的を達成するため請求項6記載の発明は、ワーク支持手段に設けられた液圧シリンダに、高圧及び低圧を選択的に供給する液圧回路を接続したものである。
【0027】
上記構成により、ワーク加工時には大きなクランプ力が、また加工プログラムのチェックなどの際には、小さなクランプ力が容易に得られるようになる。
【0028】
上記目的を達成するため請求項7記載の発明は、液圧シリンダの設けられたワーク支持手段に、高圧時のクランプ力を担持するスラスト軸受けと、低圧時のクランプ力を担持するスラスト軸受けを設けたものである。
【0029】
上記構成により、大きなクランプ力は大型のスラスト軸受けで、また小さなクランプ力は小型のスラスト軸受けで担持することができるため、過大なクランプ力でスラスト軸受けの寿命が極端に低下するなどの不具合を解消することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面を参照して詳述する。
図において1は加工機本体で、ベッド1a上にコラム1bが設置されており、コラム1bの前側にZ軸駆動手段3により上下動方向(Z軸方向)へ移動自在なZ軸スライド2が設けられている。
上記Z軸スライド2は、隅角部に支柱2aを配置した箱形構造となっていて、コラム1bの前面にZ軸方向に布設されたボール式リニアガイドよりなるガイドレール1cに支承されていると共に、コラム1bの上部に設置されたNC制御されるサーボモータよりなるZ軸モータ4により上下動されるようになっている。
【0031】
すなわち上記Z軸モータ4の回転軸4aには、図4に示すようにボールねじよりなるねじ軸5が接続されていて、このねじ軸5にZ軸スライド2に固着されたナット部材5aが螺合されており、Z軸モータ4によりねじ軸5と正逆回転させることにより、ガイドレール1cに沿ってZ軸スライド2が上下動できるようになっていると共に、Z軸スライド2の上部にワイヤロープなどの索条6の一端が結着されている。
索条6の中間部は、コラム1bの上記に回転自在に支承されたプーリ7を迂回されていると共に、索条6の他端側には、コラム1bの後側に設けられたカウンタウエイト8が吊り下げられていて、小容量のZ軸モータ4により上記Z軸スライド2が上下動できるようになっている。
【0032】
また上記Z軸スライド2には、上下方向に離間して、上部ワーク支持手段10と、下部ワーク支持手段11が設けられている。
上部ワーク支持手段10は、図5に示すように、Z軸スライド2の上部に設けられた液圧シリンダ12の下方に設けられていて、液圧シリンダ12の上部に収容されたピストン12aの下方に、上部スピンドル10aを有している。
【0033】
上記上部スピンドル10aは円筒状をなしていて、複数の軸受け13を介して液圧シリンダ12の下部に上下動及び回転自在に支承されていると共に、上部スピンドル10aの外周部に嵌合されたリング10bの上面に、上記ピストン12aの下面側がスラスト軸受け14を介して当接されていて、液圧シリンダ12の液圧室12bへ液圧を供給することにより、ピストン12aを介して上部スピンドル10aを下方へ例えば10トンの圧力で加圧できるようになっている。
【0034】
上記液圧シリンダ12の中心部には、上端が液圧シリンダ12の上面に固着された固定軸10cが設けられている。
この固定軸10cの下端側はピストン12aを貫通して上部スピンドル10aの中心部に達しており、下端部に設けられたばね座10d上には、上記スラスト軸受け14より小型のスラスト軸受け14aを介して上部スピンドル10aをアンクランプ方向へ付勢するリターンばね10eが複数設けられている。
【0035】
そして上記液圧シリンダ12の液圧室12bには、図10に示す液圧回路より高圧及び低圧の液圧が供給できるようになっている。
すなわち液圧源40と液圧室12bの間には、液圧源40からの高圧を液圧室12bへ供給する電磁弁41と、液圧源40からの高圧を一部リリーフすることにより低圧とするパイロットリリーフ弁42が設けられていて、ワーク16を加工するときには、液圧室12bへ高圧を、また例えばプログラムチェックなどのように、ワーク16をクランプせずに運転する場合には、パイロットリリーフ弁42により設定された低圧が液圧室12bへ供給できるようになっている。
【0036】
なお、図10中43はワーク16のクランプ、アンクランプを検出するリミットスイッチよりなるクランプ検出手段で、このクランプ検出手段43と別に、液圧室12b内の圧力を圧力スイッチで検出することにより、ワーク16のクランプ、アンクランプを検出するクランプ検出手段44も設けられている。
【0037】
また上部スピンドル10aの下部には、下部ワーク支持手段11に設けられた下部クランプヘッド11fの間でワーク16をクランプする上部クランプヘッド10fが設けられていると共に、上部スピンドル10aの外周部には、C軸駆動手段18を構成するギヤ列18aの従動ギヤ18bがキー止めされている。
上記C軸駆動手段18は、図4に示すようにコラム1bの上部にNC制御されるサーボモータよりなるC軸モータ19を有して、このC軸モータ19は減速機20の入力軸20aに接続されている。
【0038】
上記入力軸20aには、加工時ワーク16に回転ムラが発生しないよう回転を安定させるフライホィール20bが取付けられていると共に、減速機20の減速比は、NC装置の内部単位に小数点が発生しないよう、ワーク1回転に対し、C軸モータ19のアブソリュート指令が360°となるように予め設定されている。
そして減速機20の出力軸20cは、スプライン軸よりなる駆動軸18cの上端にスプライン係合されていて、上記C軸モータ19により減速機20を介して駆動軸18cが正逆回転できるようになっている。
【0039】
上記駆動軸18cはワーク16の軸心と平行するよう上下方向に回転自在に支承されていて、中間部と下端部に上部ワーク支持手段10及び下部ワーク支持手段11にそれぞれ設けられたギヤ列18aの駆動ギヤ18dがスプライン係合されている。
これら駆動ギヤ18dは中間ギヤ18eを介して上部スピンドル10aの外周部及び下部スピンドル11aの外周部に設けられた従動ギヤ10bに噛合されていて、C軸モータ19により駆動軸18c及びギヤ列18aを介して上部スピンドル10a及び下部スピンドル11aを同方向へ同期回転できるようになっている。
【0040】
上記下部スピンドル11aも、上部スピンドル10aと同様に円筒状に形成されていて、軸受け21を介してZ軸スライド2側に回転自在に支承されていると共に、Z軸スライド2と、下部スピンドル11aの外周部にキー止めされた従動ギヤ18bの間にスラスト軸受け22が介在されている。
そして上記下部スピンドル11aの上部に、上部スピンドル10aに取付けられた上部クランプヘッド10fの間でワーク16をクランプするクランプヘッド11fが設けられている。
【0041】
なお、C軸モータ19により上部スピンドル10a及び下部スピンドル11aを同期させて回転駆動する際、駆動軸18cのスプラインやギヤ列18aのバックラッシュにより、上下スピンドル10a,11aに回転ムラが発生して位相ずれが生じる。
これを防止するため、ワーク16の加工時には、C軸を一方向に回転させて上下ギヤ列18aのバックラッシュを除去した状態でロックタイトなどのロック手段(図示せず)で下部スピンドル11aのプレート11gが固定できるようになっている。
【0042】
一方上記コラム1bのほぼ中間部には、ワーク16の外周面を加工する外周加工手段24が、そしてベッド1a上には、ワーク16の内周面を外周面と同時に加工する内周面加工手段25が設置されている。
外周加工手段24は図6に示すように、コラム1bに水平に固着された筒状のガイド部材24a内にボールスプライン24bを介して工具支持部材24cがX軸方向に移動自在に支承されている。
【0043】
上記工具支持部材24cのワーク16側端部には、ワーク16の外周面を切削加工する工具26が工具取付け部材24dを介して着脱自在に取付けられていると共に、工具支持部材24cの反対側の端部には、ナット部材27aが固着されていて、このナット部材27aにボールねじよりなるねじ軸27の一端側が螺挿されている。
上記ねじ軸27の他端側は、ブラケット28を介してコラム1bに取付けられたサーボモータよりなるX軸モータ29が接続されていて、このX軸モータ29によりねじ軸27を正逆回転されることにより、工具26をワーク16の接離方向へ移動できるようになっている。
【0044】
またワーク16の内周面を加工する内周加工手段25は、図7ないし図9に示すように、ベッド1a上に上記X軸と平行するU軸方向に布設されたローラ式リニアガイドよりなるガイドレール31上に支承されたU軸スライド25aを有している。
上記U軸スライド25aの上部は切粉が排出されやすいように屋根形のカバー25cにより覆われていると共に、U軸スライド25aの下部とベッド1aの上面間には、U軸スライド25aをU軸方向へ駆動するリニアサーボモータよりなるU軸モータ32が設置されている。
【0045】
上記U軸スライド25aの先端側は下部スピンドル11aの下方に達していて、先端部にほぼ垂直に設けられたボーリングバー25bの下端が固着されている。
上記ボーリングバー25bの上端側は、下部スピンドル11a内を通ってワーク16内に達しており、上端部にワーク16の内周を切削する工具33が着脱自在に取付けられている。
【0046】
なお図8中34はU軸スライド25aの原点位置を検出するU軸原点検出手段、35はU軸スライド25aの位置を検出するリニアスケールなどのスライド位置検出手段で、これら検出手段34,35により検出された信号はZ軸モータ4、C軸モータ19、X軸モータ29、U軸モータ32などをNC制御するNC装置(図示せず)へ入力されるようになっている。
【0047】
次に上記構成された加工装置によりピストンリングのようなワーク16を加工する作用を説明する。
ピストンリングのようなワーク16は外周と内周の非円形曲線の形状が異なるため、外周加工手段24、内周加工手段25を別個にNC制御する必要がある。
【0048】
またワーク16をC軸モータ19により回転させて、ワーク16の内外周を同時に加工するため、C軸モータ10の回転に同期させてX軸モータ29、U軸モータ32、Z軸モータ4をNC制御する必要があり、通常の加工サイクルでは、移動データの処理に時間がかかって加工が困難である。
そこでこの実施の形態では、NC機能の高速サイクル加工かDNC運転を選択して加工を行う。
【0049】
またNC機能の高速サイクル加工で加工を行う場合、基本処理時間当りの移動量に換算したデータとそのサイクルの繰返し回数等をNCの高速加工データ領域やヘッダ部に登録して、加工メインプログラムにより高速サイクル加工を行うようにする。
加工に当っては複数のピストンリングを位相を揃えて積層することにより円筒状のワーク16を形成し、図示しないハンドキャリヤ治具により上下方向よりクランプして、その状態を保持したまま加工装置本体1へ搬入し、上部スピンドル10a及び下部スピンドル11aのクランプヘッド10f,11fの間にセットする。
【0050】
そしてこの状態で液圧シリンダ12の液圧室12bに液圧源40より高圧の液圧を供給して、ピストン12aとともに上部スピンドル10aを下降させ、上部スピンドル10aのクランプヘッド10fと、下部スピンドル11aのクランプヘッド11fの間で、ワーク16の中心線が上下スピンドル10a,11aの中心と一致するようにクランプすると共に、このときのクランプ力は、大型のスラスト軸受け14が担持する。
【0051】
次にこの状態でワーク16の位相割出しをしたら、C軸モータ19によりC軸駆動手段18を介して上下スピンドル10a,11aを同期回転させて、ワーク16を回転させると共に、外周加工手段24に設けた工具26をワーク16の例えば下端側よりワーク16の外周面を切削加工し、同時に内周加工手段25の工具33によりワーク16の内周面を下端側より切削加工する。
【0052】
またワーク16の内外周面は、異なる自由曲線により形成されているため、C軸の回転に同期させてX軸モータ29及びU軸モータ32を別個にNC制御してワーク16の内外周面を加工すると共に、加工の進行とともにZ軸モータ4によりZ軸スライド2を下降させて、ワーク16の全長に亘って内外周を切削加工するもので、ワーク16の内周加工中に発生した切粉は下部スピンドル11a内を通って下方へ落下するため、切粉がワーク16内に停滞することがなく、これによって切粉により加工面が損傷されたり、ワーク16と工具33の間に切粉が食み込んで、工具が破損したり、工具寿命が早期に低下することがないと共に、これらの原因で加工精度が低下するなどの心配がない。
【0053】
以上のようにしてワーク16の加工が完了したら、U軸モータ29及びU軸モータ32によりX軸スライド2及びU軸スライド25aを元の位置まで後退させ、またZ軸モータ4によりZ軸スライド2を元の位置まで上昇させた後、液圧シリンダ12の液圧室12bの液圧を排出して、リターンばね10eの作用で上部スピンドル10aを上昇させ、ワーク16をアンクランプする。
その後ハンドキャリヤ治具により各ピストンリングの位相がずれないようにワーク16を上下方向よりクランプして、各クランプヘッド10f,11fの間よりワーク16を搬出するもので、新たなワーク16を加工する場合は上記動作を繰返せばよい。
【0054】
一方図10に示すように、上下ワーク支持手段10,11の支持面にダイアルゲージなどの計測手段45を当接して、支持面の平行度を測定したり、加工プログラムをチェックする場合には、各ワーク支持手段10,11間にワーク16をクランプせずに加工装置を運転するが、このとき大きなクランプ力は必要としないので、パイロットリリーフ弁42を動作させて、パイロットリリーフ弁42により設定された低圧を液圧シリンダ12の液圧室12bへ供給すると共に、このときのクランプ力(リターンばね10eの反力)は小型のスラスト軸受け14aで受けるようになる。
【0055】
なお上記実施の形態は、ワーク16を縦方向にセットして内外周面を加工する縦型の加工機について説明したが、ワーク16を横方向にセットして内外周面を加工する横型のピストンリング加工機にも適用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態になるピストンリング加工機の正面図である。
【図2】この発明の実施の形態になるピストンリング加工機の側面図である。
【図3】この発明の実施の形態になるピストンリング加工機の要部の拡大図である。
【図4】この発明の実施の形態になるピストンリング加工機のC軸及びZ軸駆動手段の断面図である。
【図5】この発明の実施の形態になるピストンリング加工機のワーク支持手段の断面図である。
【図6】この発明の実施の形態になるピストンリング加工機の外周加工手段の断面図である。
【図7】この発明の実施の形態になるピストンリング加工機の内周加工手段の平面図である。
【図8】この発明の実施の形態になるピストンリング加工機の内周加工手段の側面図である。
【図9】図8のA方向からの矢視図である。
【図10】この発明の実施の形態になるピストンリング加工機の液圧回路図である。
【符号の説明】
1…加工機本体
1a…ベッド
1b…コラム
1c…ガイドレール
2…Z軸スライド
3…Z軸駆動手段
4…Z軸モータ
4a…回転軸
5…ねじ軸
6…索条
7…プーリ
8…カウンタウエイト
10…上部ワーク支持手段
10a…上部スピンドル
10b…リング
10c…固定軸
10d…ばね座
10e…リターンばね
10f…上部クランプ
11…下部ワーク支持手段
11a…下部スピンドル
11f…下部クランプヘッド
11g…プレート
12…液圧シリンダ
12a…ピストン
12b…液圧室
13…軸受け
14…スラスト軸受
14a…スラスト軸受
16…ワーク
18…C軸駆動手段
18a…ギヤ列
18b…従動ギヤ
18c…駆動軸
18d…駆動ギヤ
18e…中間ギヤ
19…C軸モータ
20…減速機
20a…入力軸
20b…フライホィール
20c…出力軸
21…軸受け
22…スラスト軸受け
24…外周加工手段
24a…ガイド部材
24b…ボールスプライン
24c…工具支持部材
25…内周加工手段
25a…U軸スライド
25b…ボーリングバー
25c…カバー
26…工具
27…ねじ軸
27a…ナット部材
28…ブラケット
29…X軸モータ
31…ガイドレール
32…U軸モータ
34…U軸原点検出手段
35…スライド位置検出手段
40…液圧源
41…電磁弁
42…パイロットリリーフ弁
43…クランプ検出手段
44…クランプ検出手段
45…計測手段

Claims (7)

  1. 内外周面が非円形曲線で形成されたワーク16の内外周面を同時に加工するピストンリング加工機において、
    積層した複数のワーク16を両端側より回転自在に支持する一対のスピンドル10a,11aを有するワーク支持手段10,11と、
    上記一対のワーク支持手段10,11を収容するZ軸スライド2と、
    上記ワーク支持手段10,11の少なくとも一方に設けられ、かつ上記スピンドル10a,11aをワーク16の軸線方向に加圧することにより、各スピンドル10a,11aの間でワーク16をクランプするクランプ手段と、
    上記Z軸スライド2をワーク16の軸線と平行するZ軸方向へ移動させるための、NC制御されるZ軸モータ4を有するZ軸駆動手段3と、
    上記各スピンドル10a,11aの両方を駆動するための、NC制御されるC軸モータ19を有するC軸駆動手段18と、
    上記Z軸駆動手段3による上記Z軸スライド2のZ軸方向の動きと、上記C軸駆動手段18による上記各スピンドル10a,11aの回転とを同期させて運転するためのNC装置
    とを具備したことを特徴とするピストンリング加工機。
  2. Z軸スライド2は、隅角部に支柱2aが配置された箱型構造である請求項1記載のピストンリング加工機。
  3. Z軸駆動手段3を、Z軸スライド2をZ軸方向へ移動自在に支承するリニアガイドレール1aと、Z軸モータ4により正逆回転されるボールねじ軸5より構成したなる請求項1または2記載のピストンリング加工機。
  4. C軸駆動手段18のC軸モータ19にフライホィール20gを接続してなる請求項1または2記載のピストンリング加工機。
  5. クランプ手段を、ワーク支持手段10,11の少なくとも一方に設けられた液圧シリンダ12によりスピンドル10aを加圧する液圧クランプ手段としてなる請求項1または2記載のピストンリング加工機。
  6. ワーク支持手段10,11に設けられた液圧シリンダ12に、高圧及び低圧を選択的に供給する液圧回路を接続してなる請求項5記載のピストンリング加工機。
  7. 液圧シリンダ12の設けられたワーク支持手段10に、高圧時のクランプ力を担持するスラスト軸受け14と、低圧時のクランプ力を担持するスラスト軸受け14aをそれぞれ設けてなる請求項6記載のピストンリング加工機。
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