JPH027857Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は剥離性シート材の改良に関するもので
ある。

〈先行技術と問題点〉 電子部品に対する接着材として、第３図に示す
ように、剥離性シートａ上に両面粘着シートｂを
ラミネートした基材ｃをトムソン刃ｄに通過さ
せ、両面粘着シートｂのみに被接着部品の形状に
一致せる切り目を入れ、次いで、両面粘着シート
の不要部分b′を除去して剥離性シートａ上に、定
形の両面粘着片Ｂ，…を一定の間隔で存在させ、
これをセパレート用の合紙ｅと共に巻取つたもの
が公知である。

この接着材の使用要領は、第４図に示すように
接着材Ａを連続的に一定速度で引出し、一定の間
隔で送られてくる被接着部品ｆに両面粘着片Ｂを
転写することにある。而して、接着材Ａの両面粘
着片Ｂ，Ｂ相互の間隔と被接着部品ｆ，ｆ相互の
間隔とにずれがあれば、いわゆる、のりずれが生
じ、確実な接着を行い難い。従つて、この接着材
Ａにおいては、第３図のようにして、加工したの
ちの保管中に、接着材の支持体である剥離性シー
トが吸湿によつて寸法変化したりしないこと。ま
た、第４図に示す接着工程中の引張力により同上
剥離性シートが伸びたりしないこと等の要件が要
求される。

而るに、本考案者等はこれらの要件並びに経済
性を考慮し、上記接着材に使用する剥離性シート
として、ポリプロピレンフイルムにシリコン系加
熱硬化型剥離剤層を塗着したものを作成した。

しかしながら、かかる剥離性シートを使用した
接着剤においては、第４図において両面粘着シー
ト片Ｂを被接着部品ｆに転写する際に、剥離剤層
ｇが両面粘着シート片Ｂに転移して、部品ｆに転
写せる両面粘着シート片Ｂの表面が非接着性にな
るおそれがある。かかる状態では部品の接着が至
難となり、問題である。

〈考案の目的〉 本考案の目的は、上記のポリプロピレン製剥離
性シート材を改良し、剥離剤層を安定に保持し得
るようにすることにある。

〈考案の構成〉 本考案は、剥離性シート材の表面にラミネート
された両面粘着シートを定形の両面粘着片に加工
し、これを被接着部品面に転着する接着材におい
て、前記剥離性シート材がポリプロピレンフイル
ムの少なくとも片面に、該ポリプロピレンフイル
ムよりも低融点の有機高分子層及び加熱硬化型剥
離剤層を順次設けた構成とされていることであ
る。

〈実施例の説明〉 以下、図面により本考案を説明する。

第１図並びに第２図はそれぞれ本考案の実施例
を示している。

第１図並びに第２図において、１はポリプロピ
レンフイルムであり、厚みは通常20〜60μmであ
る。２はポリプロピレンフイルム１よりも低融点
のポリオレフイン樹脂またはエラストマーの有機
高分子層であり、厚みは上記ポリプロピレンフイ
ルムよりも薄く、通常10〜30μmである。この有
機高分子層にはポリエチレンを使用することが好
ましい。この有機高分子層２と上記ポリプロピレ
ンフイルム１との積層一体化には、有機高分子と
ポリプロピレンとを別の押出機でフイルム状に押
出し、これらを押出直後においてその押出余熱で
融着する方法を用いることができる。３は有機高
分子層２上に設けたシリコン系加熱硬化型剥離剤
層であり、その厚みは通常0.1〜3μmである。

上記剥離性シート材の使用要領は、第３図並び
に第４図により説明したものに同じである。

〈考案の効果〉 而して、この剥離性シート材においては、ポリ
プロピレンフイルム上に、該フイルムよりも低融
点の有機高分子層を設け、この有機高分子層に加
熱硬化型剥離剤を塗布し、これを加熱キユアして
あるから、ポリエチレン層と剥離剤層とを界面に
おいて、その加熱キユア時によく融合させ得（ポ
リエチレンの融点がキユア温度より低い）、前記
した第４図における剥離剤層の両面粘着シート片
への転移をよく防止できる。また、ポリプロピレ
ンフイルムの秀れた寸法安定性のために、既述し
たのりずれも防止できる。

従つて、本考案によれば、第３図並びに第４図
で示した構成、使用要領の秀れた接着材を提供で
きる。

実施例 １ 厚さ50μmのポリプロピレンフイルムの片面に
厚さ15μmの低密度ポリエチレン層を有する複合
フイルムを共押出により作成し、そのポリエチレ
ン層に分子量10000のビニル変成したポリジメチ
ルシロキサン系加熱硬化型剥離剤を厚さ1μmで塗
布し、これを加熱によりキユアした。この実施例
品につき、剥離層面を指先でこすり、その前面の
剥離力（アクリル系粘着テープに対する剥離力）
を測定したところ11〜13ｇ／50mmであつた。

この実施例に対してポリエチレン層を省略し、
ポリプロピレンフイルムに直接剥離層を設けた比
較例においては、指先こすり後の剥離力が、1500
ｇ／50mm以上にも達した（指先こすり前では８
ｇ／50mmであつた）。

実施例 ２ 加熱硬化型剥離剤として、分子量10000のビニ
ル変成ポリジメチルシロキサンに分子量5000のシ
リコーンレジンを20重量％混合したもの（剥離剤
Ｂ）を使用した以外実施例１に同じとした。この
実施例品について、指先こすり前並びに後の剥離
力を測定したところ40〜42ｇ／50mmであつた。

この実施例に対してポリエチレン層を省略し、
ポリプロピレンフイルムに直接、剥離剤Ｂの層を
設けた比較例においては、剥離力が1500ｇ／50mm
以上にも達した（指先こすり前では42ｇ／50mmで
あつた）。

【図面の簡単な説明】

第１図並びに第２図はそれぞれ本考案に係る剥
離性シート材を示す説明図、第３図は公知の接着
剤の制作方法を示す説明図、第４図は公知の接着
材の使用方法を示す説明図である。 図において、１はポリプロピレンフイルム、２
はポリエチレン層、３は加熱硬化型剥離剤層であ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 剥離性シート材の表面にラミネートされた両
   面粘着シートを定形の両面粘着片に加工しこれ
   を被接着部品面に転着する接着材において、前
   記剥離性シート材がポリプロピレンフイルムの
   少なくとも片面に、該ポリプロピレンフイルム
   よりも低融点の有機高分子層及び加熱硬化型剥
   離剤層を順次設けた構成とされていることを特
   徴とする剥離性シート材。 (2) 有機高分子層がポリエチレン層であることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の剥離性シート材。