JP2957119B2 - シボ付きシリコーンゴム製滑り止めシート及びその製造方法 - Google Patents

シボ付きシリコーンゴム製滑り止めシート及びその製造方法

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Fujikura Gomu Kogyo Kk
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明はシボ付きシリコーンゴム
製滑り止めシート及びシボ付きシリコーンゴム製滑り止
めシートの製造方法、さらに詳細には従来に比較して安
価に製造可能なシボ付きシリコーンゴム製滑り止めシー
ト及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術および問題点】シリコーン樹脂の加硫物層あ
るいはシリコーンゴム状の層を利用したシリコーン系滑
り止めシートは、固定しやすく容易に剥離する特性を要
求される電気、電子部品のスリップ防止としてよく利用
されている。
【0003】このようなシリコーン系滑り止めシート
は、従来基材に直接シリコーン樹脂組成物またはゴム状
物をコーティングなどにより積層して加硫して製造して
いた。このため、シリコーン樹脂層あるいはシリコーン
ゴム層は鏡面になり、前記シリコーン樹脂層あるいはシ
リコーンゴム層を滑り止めに使用するときに、相手側に
密着してしまうと言う欠点があった。
【0004】
【発明の目的】本発明は上述の点に鑑みなされたもので
あり、従来に比較して密着防止として表面に凹凸を付
け、またコーティングにより製造可能なシボ付きシリコ
ーンゴム製滑り止めシート及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記問題点を解決する
ため、本発明によるシボ付きシリコーンゴム製滑り止め
シートは、ポリオレフィン系離型剤を設けたシボ付きの
離型シートを剥離して形成したシリコーン樹脂層と、シ
リコーン系粘着剤層を介して設けた基材を有することを
特徴とする。
【0006】また、本発明によるシボ付きシリコーンゴ
ム製滑り止めシートの製造方法は、ポリオレフィン系離
型剤を設けたシボ付きの離型シート上にシリコーンゴム
組成物を塗布し重合する工程、基材にシリコーン系粘着
剤層を塗布するとともに、前記離型シート上にシリコー
ンゴム層を形成したものを前記シリコーンゴム組成物層
とシリコーン系粘着剤層が相互に向かい合うように貼着
する工程、前記離型シートを剥離する工程を含むことを
特徴とする。
【0007】本発明によれば、シボ付きの離型シートを
使用してシリコーンゴム層を形成しているため、鏡面で
はない、凹凸のある表面を有するシボ付きシリコーンゴ
ム製滑り止めシートとすることができ、相手側と密着す
ることがないという利点がある。また、本発明によるシ
ボ付きシリコーンゴム製滑り止めシートの製造方法によ
れば、基材上にシリコーン粘着剤を塗布したものと、あ
らかじめ製造したポリオレフィン系離型剤を設けたシボ
付きの離型シート上にシリコーンゴム層を形成したもの
とを相互に貼着するため、セパレータを必要とすること
なく、シボ付きシリコーンゴム製滑り止めシートを製造
可能であり、安価なシボ付きシリコーンゴム製滑り止め
シートが提供できるという利点がある。
【0008】
【発明の具体的説明】本発明によるシボ付きシリコーン
ゴム製滑り止めシートは、図1に示すようにシボ付きの
離型シート1上にシリコーンゴム層2を設けたものAと
基材3に粘着剤層4を設けたものBをシリコーンゴム層
2と粘着剤層4が相互に向かい合うように貼着してあ
る。そして前記シボ付き離型シート1を剥離してシボ7
を形成する(図2、図3参照)。
【0009】本発明によるシボ付きシリコーンゴム製滑
り止めシートの第二の構成例によれば、図2に示すよう
に前記基材の反対面に粘着剤層5を介して表面平滑なシ
リコーンゴム層6を設けることもできる。
【0010】本発明による第三のシボ付きシリコーンゴ
ム製滑り止めシートによれば、図3に示すように、図2
の実施例における平滑なシリコーンゴム層6の代わり
に、アクリル樹脂層あるいはシリコーン粘着層8を設け
ることもできる。
【0011】上述のような本発明による離型シートは、
ポリオレフィン系の離型剤を使用したシボ付きの離型シ
ートである。一般に離型剤としてはシリコーン系離型剤
が使用されるが、本発明においてはシリコーンゴム層と
の剥離を行うことからポリオレフィン系離型剤を用いて
いる。シリコーン系離型剤であると、シリコーンゴムの
重合時や過酸化物加硫時に反応してしまい剥離が困難に
なるからである。
【0012】ポリオレフィン系離型剤としては、たとえ
ば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを挙げることが
でき、前記のようなポリオレフィン系離型剤を合成樹脂
フィルム、紙などにコーティングした離型シートを使用
することができる。
【0013】このような離型シートに塗布するシリコー
ンゴムとしては、従来この種の滑り止めシートとして使
用されるシリコーン重合体を有効に使用することができ
る。たとえば、過酸化物加硫型のシリコーン重合体及び
付加重合型のシリコーン重合体を使用することができ
る。過酸化物加硫型で使用される過酸化物としては、モ
ノクロルベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイ
ルパーオキサイドがあり、付加重合型シリコーン樹脂は
白金触媒により重合するものを挙げることができる。
【0014】上述のようなシリコーン樹脂層2の厚さは
好ましくは、0.15〜0.35mmであるのがよい。
0.15mm未満であると、シボ7が形成しにくく、一
方、0.35mmを越えると、取り扱いが困難になる。
【0015】さらに、基材3としては、従来この種の滑
り止めの基材として使用されるものを有効に使用でき
る。たとえばPET、PPT、カプトン、ポリフッ化エ
チレン、ポリフッ化ビニル又は織物などのフィルムまた
はシート状物を有効に使用することができる。
【0016】このような基材に粘着剤を塗布するもので
あるが、この粘着剤は前記基材とシリコーン樹脂層2を
転写できるものであれば基本的にいかなるものでもよ
い。このようなシリコーン系粘着剤としては、たとえば
感圧粘着性の粘着剤がある。一般に低分子量の粘着性物
質、高分子量の膜形成物質、充填剤、可塑剤、などより
なっている。
【0017】この粘着剤層の厚さは50〜100μmで
あるのがよい50μm未満であると接着が十分でない恐
れがあり、一方100μmを越えると、加工に時間がか
かり粘着剤のずれなどの不都合が生じる可能性がある。
【0018】上述のように構成されるシボ付きのシリコ
ーンゴム製滑り止めシートのシボは、その用途によって
シボの密度あるいはシボの深さの異なるシボ付き離型シ
ートを選択することによって、滑り止め性を調節するこ
とが可能である。シボの密度および深さは表面粗さを測
定することによって表現でき、滑り止め性については摩
擦力を測定することによって把握することが可能であ
る。
【0019】本発明は上述のようなシボ付きシリコーン
ゴム製滑り止めシートを製造する方法を提供するもので
ある。
【0020】図4に示すように、離型シートロールR1
に捲回されたポリオレフィン系離型剤を設けたシボ付き
の離型シート1上にドクターナイフ9などによりシリコ
ーンゴム組成物10を塗布する。その後、この塗布物は
加熱チャンバ11に入り、重合硬化され、巻取ロールR
2によって巻き取られる。シリコーンゴム組成物の硬化
ないしは加硫速度が十分速いので、セパレータ等の機材
を挿入して巻取る必要がなくなり、製造コストを低減で
きる。
【0021】このように離型シート1上に硬化されたシ
リコーンゴム層2を設けたものAを図5のシリコーンゴ
ムシートロールR3にセットした後、基材ロールR4に
捲回された基材3にドクターナイフ9によりシリコーン
系粘着剤4を塗布するとともに、加熱チャンバ12で加
熱して溶剤を飛散させた後、シリコーンゴムシートロー
ルR3にセットされた離型シート1上にシリコーンゴム
層2を設けたものAを貼着させ、剥離シート巻取ロール
R5によって離型シート1を剥離させ、一方、前記離型
シートが剥離された滑り止めシートを巻取ロールR6に
よって巻き取る。
【0022】このように本発明においては基材にシリコ
ーン系粘着剤を塗布すると同時にあるいはほとんど時間
をおかずに前記シリコーンゴム層をシリコーン系粘着剤
層に貼着する。このため前記粘着剤層にセパレータを設
ける必要がなくなり、製造コストを低減できる。
【0023】このような加熱チャンバ11の加硫温度は
120〜160℃であるのがよい。120℃未満である
と、十分シリコーンゴム層が加硫しない恐れがあり、一
方160℃を越えると、離型シートに使用されている基
材やフィルムの中には劣化を生じるものもある。
【0024】さらに、加硫時間は2分〜10分間である
のがよい。2分未満であると、加硫が十分でない恐れが
あり、一方10分を越えると、離型シートに使用されて
いる基材やフィルムに劣化を生じるものもある。
【0025】このような一連の工程は長尺の離型シー
ト、基材を使用することによって連続的に行うことが可
能である。
【0026】
【実施例】ポリプロピレンをコーティングした離型シー
ト(AR−7;商標名;旭ロール株式会社)にシリコー
ンゴム組成物(KE−1,935;商標名;信越化学株
式会社)を厚さ150μmにコーティングし、133
℃、4分の条件で重合させた。
【0027】これを図5のシリコーンゴムロールR3に
セットするとともに50μm厚のポリエステルフィルム
(ルミラー;商標名;東レ株式会社)を基材として、溶
剤可溶型のシリコーン系粘着剤(KRー120;商標
名;信越化学株式会社)を55μの厚さに塗布し、溶媒
を飛散させた後、前記シリコーンゴムと圧着転写し、離
型シートを剥離した。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるシボ付
きシリコーンゴム製滑り止めシート及びそのの製造方法
によれば、シボ付きの離型シートを使用してシリコーン
ゴム層を形成しているため、鏡面ではない、凹凸のある
表面を有するシボ付きシリコーンゴム製滑り止めシート
とすることができ、相手側と密着することがないという
利点がある。また、本発明によるシボ付きシリコーンゴ
ム製滑り止めシートの製造方法によれば、基材上にシリ
コーン系粘着剤を塗布したものと、あらかじめ製造した
ポリオレフィン系離型剤を設けたシボ付きの離型シート
上にシリコーンゴム層を形成したものとを相互に貼着す
るため、セパレータを必要とすることなく、シボ付きシ
リコーンゴム製滑り止めシートを製造可能であり、安価
なシボ付きシリコーンゴム製滑り止めシートが提供でき
るという利点がある。また高温熱処理が要求される調理
台の滑り止め、テーブルクロスの滑り止め、ウインドサ
ーフィン、サーフィンなどの滑り止め、コンピュータの
キーボード用の滑り止めシートなどにも利用できる。
【0029】さらに、離型シートのシボの密度やシボの
深さを選択することにより滑り止め性を調節することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシボ付きシリコーンゴム製滑り止
めシートの構成例の断面図。
【図2】本発明によるシボ付きシリコーンゴム製滑り止
めシートの他の構成例の断面図。
【図3】本発明によるシボ付きシリコーンゴム製滑り止
めシートの他の構成例の断面図。
【図4】本発明によるシボ付きシリコーンゴム製滑り止
めシートの製造方法を説明する説明図。
【図5】本発明によるシボ付きシリコーンゴム製滑り止
めシートの製造方法を説明する説明図。
【符号の説明】
1 シボ付き離型シート 2 シリコーンゴム層 3 基材 4 シリコーン系粘着剤層 5 粘着剤層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系離型剤を設けたシボ付き
    の離型シートを剥離して形成したシリコーンゴム層と、
    シリコーン系粘着剤層を介して設けた基材を有すること
    を特徴とするシボ付きシリコーンゴム製滑り止めシー
    ト。
  2. 【請求項2】ポリオレフィン系離型剤を設けたシボ付き
    の離型シート上にシリコーンゴム組成物を塗布し重合す
    る工程、基材にシリコーン系粘着剤層を塗布するととも
    に、前記離型シート上にシリコーンゴム層を形成したも
    のを前記シリコーンゴム組成物層とシリコーン系粘着剤
    層が相互に向かい合うように貼着する工程、前記離型シ
    ートを剥離する工程を含むことを特徴とするシボ付きシ
    リコーンゴム製滑り止めシートの製造方法。
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JP4818597B2 (ja) 2004-09-10 2011-11-16 東レ・ダウコーニング株式会社 シリコーンゴム成形体、その製造方法およびエアバッグ用シリコーンゴムコーティング布の製造方法
JP2019034530A (ja) * 2017-08-16 2019-03-07 裕之 佃 シリコン製サーフボード・ボディーボード・ウインドサーフィン用ボード スタンドアップパドルボード用の滑り止めシート
WO2019118983A1 (en) * 2017-12-15 2019-06-20 West Pharmaceutical Services, Inc. Smooth film laminated elastomer articles

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