JPH0260380B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、粉砕容器の内部に配置された高速度
回転駆動可能な撹拌装置を有する粉砕容器から成
り、該撹拌装置と粉砕容器の壁との間に狭いシリ
ンダーリング状空間が粉砕補助物体を充填された
粉砕空間として形成されており、該空間の一方の
端には粉砕材料供給管路が接続され、そして他の
端には、粉砕された粉砕材料と粉砕補助物体とを
分離するための分離装置が設けられている撹拌粉
砕機に関する。

一方ではシリンダー形状の中空体を有する撹拌
機の軸により形成された撹拌装置と、他方では粉
砕容器の内壁との間に、シリンダーリング状の粉
砕空間を有する上記した如き撹拌粉砕機は、ドイ
ツ連邦共和国特許第1184188号公報により公知に
なつている。約５乃至15mmの隙間の巾を有する非
常に狭いシリンダーリング状の粉砕空間は、浮遊
又は分散状態にある粉砕材料の個々の粒子が、非
常に一様に粉砕および剪断の力を受け、従つて粉
の細かさの分布が非常に狭いという効果を持つて
いる。本来の粉砕空間の半径方向の拡がりが非常
に少ないため、粉砕補助物体が分離装置の前方に
滞留する。何故ならば、粉砕補助物体は、粉砕過
程においてシリンダーリング状粉砕空間内で粉砕
材料と粉砕補助材料との流れの中を自由に移動し
たとしても、戻りの流れが十分に保証されていな
いからである。

粉砕補助物体を粉砕材料取り出し側から、即ち
分離装置の近傍から戻してやるため、ドイツ連邦
共和国特許第1507504号公報により、撹拌装置の
軸上に配置されている若干箇の円板を備えた撹拌
粉砕機において、これらの円板に半径方向の成分
を有する穿孔を設け、かくして一つの円板の穿孔
に上方から侵入した粉砕補助物体がその都度下方
に向つて加速され、そのことにより戻り方向に向
う一種の管路が形成されることがすでに公知にな
つている。

ドイツ連邦共和国特許公開第2811899号公報に
よれば、粉砕補助物体を戻り方向に導く装置を有
する撹拌粉砕機が公知になつており、この装置は
上記と同様な原理によつて作動する。即ち該撹拌
粉砕機には、半径方向の成分を持つ１箇又は若干
箇の戻り方向に向う管路が設けられている。

粉砕補助物体を戻してやるための公知になつて
いる上記した如き原理は、粉砕補助物体を戻して
やるのを制御することが不可能であるということ
が欠点になつている。何故ならば、戻り方向の流
動は高速回転可能であり、閉鎖された撹拌粉砕粉
機においては、手の届かない撹拌装置内で行われ
ているからである。

本発明の目的は、冒頭に述べた種類の撹拌粉砕
機を改造し、粉砕補助物体の戻り方向への流動を
簡単な方法で可能ならしめ、そして特に戻り方向
の流動を制御することを可能ならしめることであ
る。

上記の目的は、特許請求の範囲第１項に記載し
た本発明の特徴ある構成により達成される。粉砕
補助物体を粉砕容器に形成された戻り管路により
戻すことにより戻り方向への流動は非常に簡単な
構造により実現される。戻り管路は粉砕容器に形
成されているから、簡単に観察窓を取り付けるこ
とが可能であり、該窓を通して光学的な制御が可
能である。更に、この管路を通して粉砕材料、特
に未だ十分に粉砕されていない粉砕材料の粒子の
循環も行われる。その理由は、粉砕補助物体およ
び上記の様な破砕されていない粉砕材料部分が、
撹拌装置の遠心力の作用によつて戻り方向に導か
れるからである。戻り管路が粉砕材料供給管路に
接続していることにより吸引作用が発生し、該吸
引作用は遠心力の作用を更に援助する。更に、粉
砕材料と粉砕補助物体とが粉砕材料供給管路内で
前以て良好に混合される。

戻り管路の断面積を変化可能にすることによ
り、撹拌粉砕データを最良のものにすること、例
えばエネルギー利用率を最大にすること、即ち効
率を最大のものにすることが達成出来る。戻り管
路の断面積を変化可能にすることによつて、粉砕
補助物体の戻りを、圧力、粘性、装入速度、温度
および粉砕補助物体の大きさに依存して調節する
ことが可能であり、そのことにより粉砕材料の望
み通りの細かさが調節可能である。

特許請求の範囲第４項乃至第６項は、戻り管路
の形成および該管路の自由断面積を変化可能にす
るための特に有利な構造を示している。自由断面
積の変化可能性は、撹拌粉砕機の運転量によつて
依存して、例えば駆動モーターの消費電力によつ
て調節される。

前記した遠心力の作用を援助する吸引作用は、
特許請求の範囲第６項に記載の構成により更に増
加する。

本発明のその他の特徴は、本発明の実施例を示
す添附図面を用いた次の記述において明らかにさ
れる。

添附図面に示されている撹拌粉砕機は、通常の
如く台１を有し、該台の上端には前方に突出する
担持腕２が取り付けられ、該腕には更にシリンダ
ー状の粉砕容器３が固着されている。台１には電
気駆動モータ４が格納されており、該モーターは
Ｖベルト車５を備え、該Ｖベルト車により、Ｖベ
ルト６を介して撹拌機の軸７に固着されているＶ
ベルト車８が回転駆動可能になつている。

粉砕容器３は冷却外套９を有しており、該冷却
外套はシリンダー状の内壁１０とこの内壁と同様
に粉砕容器３の中心軸線１１に対して同芯位置に
配置され且つ同様にシリンダー状の外壁１２によ
り境界を付されている。内壁１０と外壁１２は、
上部と下部がリング状のフランジ１３，１４で相
互に結合されている。この様にして形成された冷
却外套の中に、下方から冷却水接続管１５を介し
て冷却水が注ぎ込まれ、そして上方の冷却水流出
管１６を介して流出する。冷却外套の内部にはね
じ状に巻き付けられた導管１７が配置され、誘動
管は内壁１０および外壁１２に接触している。冷
却外套９の壁と導管との間に存在する空間部分の
中を、冷却水は下方から上方に向つてねじ状に導
かれ、そのことにより冷却作用が改良されてい
る。他方において導管１７自体は、熱伝達媒質、
例えば加熱媒質を運搬するのに使用される。

粉砕容器３の下端は底板１８により閉鎖されて
おり、該底板は例えばねじ１９を用いて下部フラ
ンジ１３に取り付けられている。底板１８には粉
砕材料供給管路２０が形成されており、該管路
は、粉砕容器３の内部空間２１にほぼ同芯的に結
合しており、そして粉砕材料が下方から該内部空
間に供給されることが可能になつている。

軸線１１に対して同芯的に配置された撹拌装置
の軸７にはシリンダー状で両端面が閉鎖されてい
る中空物体２２が同芯的に取り付けられ、該中空
体は撹拌装置の軸７と共に撹拌装置を形成してい
る。中空体２２と粉砕容器３のシリンダー状の内
壁１０との間には狭いシリンダーリング状空間２
３が形成され、該空間が本来の粉砕空間を形成す
る。このシリンダーリング状空間２３の半径方向
の巾ｂは約５乃至10mmになつている。

粉砕容器３の内部空間２１は、それが中空物体
２２により充填されていない空間の70乃至80％ま
で、粉砕補助物体２４で満たされており、該補助
物体の直径ｄは0.1乃至３mmである。粉砕補助物
体２４の直径に対する隙間２４の比、即ちｂ／ｄ
＝５乃至20になつている。

粉砕容器３の内部空間２１は、上端の所が分離
装置２５により閉鎖されている。この分離装置
は、主として中空物体２２と結合され、従つて撹
拌装置と共に回転するリング２６と、粉砕容器３
に固着している対向リング２７から成り、これら
リングは軸方向において僅かな間隔を隔てて相互
に半径方向で重なり合い、そのことにより分離隙
間２８が形成され、リング２６と対向リング２７
の軸方向の間隔により定められる該隙間の巾は、
挿入された粉砕補助物体２４の最少直径ｄよも小
さい。この分離隙間２８は搬出空間２９に接続
し、該空間は位置固定した対向リング２７と粉砕
容器３の蓋３０との間に形成されている。この搬
出空間２９から粉砕材料流出導管３１が導き出さ
れ、該導管を通して完全粉砕された粉砕材料が搬
出される。分離装置２５は例えばドイツ連邦共和
国特許第1482391号公報により公知である。蓋３
０は対向リング２７と一緒にねじ３２を用いて粉
砕容器３の上部フランジ１４に解除可能に固着さ
れる。蓋３０自体は保持装置３３に取り付けら
れ、該装置が担持腕２の下側に取り付けられ、か
くして粉砕容器３は通常の如く下方からフランジ
を介して取り付け可能になつている。

外壁１２の外側には粉砕材料および粉砕補助物
体２４のための戻り管路３４が取り付けられてお
り、該管路の下側は粉砕材料供給管路２０に結合
している。戻り管路３４の上部は、長手軸線１１
に対しほぼ半径方向に延長している戻り流動管を
介してシリンダーリング状空間２３の上端に接続
している。戻り流動管３５の流入口３６は、丁度
シリンダー状の中空物体２２によつて覆われてい
る。戻り流動管３５又は管路３４の自由断面積は
可変になつている。このことは、第２図に示した
形成においては次の様にして達成される。即ち、
外側から戻り流動管３５の中に、推移可能なピス
トンの型式の調節要素３７が挿入され、該ピスト
ンは種々異なる深さで戻り流動管３５の中に挿入
可能であり、そのことにより、戻り管路への流入
口が完全に開放されるか又は一部が覆われること
になる。この様なピストン型式の調節要素は方向
変換面３８を備え、該面は粉砕材料および特に粉
砕補助物体を、戻り流動管３５から管路３４に向
けて、特にエネルギーの転換を行うことなく方向
変換させる。第２図には破線により調節要素３７
の一つの位置が示されており、その位置では戻り
管路３４の流入口自由断面積が約半分迄閉鎖され
ている。

上記した撹拌粉砕機の作動態様は、次のとおり
である。即ち粉砕容器３の内部空間は、前記した
如く、70乃至80％まで粉砕補助物体２４で充填さ
れている。撹拌装置の軸７および中空体２２は、
駆動モーター４により高速度で回転するように、
即ち例えば毎分1000回転の回転数で駆動される。
粉砕材料供給管路２０を通りポンプを用いて粉砕
材料が下方から内部空間２１に押し込まれ、該粉
材料は粉砕補助物体２４と一緒にシリンダーリン
グ状空間２３、即ち本来の粉砕空間を通り上方に
向つて上昇し、その際粉砕補助物体２４は中空物
体２２により回転インパルスによる刺激を受け、
粉砕補助物体２４はそれによつて粉砕材料の内部
で烈しい運動を行い、その結果公知の態様で細か
な粉砕が行われ、そして分散効果が達成される。
粉砕補助物体２４が戻り流動管３５の流入口３６
の高さに到達した時、少くとも粉砕補助物体の大
部分は、遠心力の作用によつて戻り流動管の中に
押し込まれ、そして該流動管および戻り管路３４
を貫流し、該戻り管路から粉砕補助物体は再び粉
砕材料供給管路２０に到達する。この粉砕材料供
給管路の中で、粉砕補助物体はすでにポンプで押
し込まれた粉砕材料と強く混合され、従つて粉砕
補助物体は粉砕容器３の内部空間に侵入する際す
でに比較的一様に粉砕材料の中に分布している。
戻り流動管３５および戻り管路３４を通つて粉砕
材料もまた戻されそして粉砕効果と分散効果が更
に加えられる。この際問題になるのは、主として
未だ十分に細かに粉砕されていないため分離装置
２５を通つて引き出されない粉砕材料である。粉
砕材料の粒子にも作用する強い遠心力により、大
きな即ち未だ十分に細かく粉砕されていない粒子
が壁の部分に投げ出され、従つて優先的に戻り流
動管３５の中に到達する。粉砕材料供給管路２０
から吸引する力が戻り管路３４に及ぼされるか
ら、戻り流動管３５の流入口３６の所の遠心力の
作用が更に強められる。上記の吸引力は、更に粉
砕材料供給管路２０がそれと戻り管路３４との結
合点３９の所で、ポンプの押し込み方向４０に見
て拡張されていることにより、強められている。
更に、上記の接続点位置では方向変換面部分４１
が形成されており、粉砕補助物体を運搬する際の
流動損失をできるだけ少くするのに役立つてい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による撹拌粉砕機、第２図は撹
拌粉砕機の粉砕容器の縦断面図である。 ３…粉砕容器、２０…粉砕材料供給管路、２３
…粉砕空間（シリンダーリング状空間）、２５…
分離装置、３４…戻り管路、３５…戻り流動管、
３７…調節要素、３８…方向変換面、３９…結合
点、４０…押し込み方法。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 粉砕容器の内部に配置された高速度回転駆動
   可能な攪拌装置を有する粉砕容器から成り、該攪
   拌装置と粉砕容器の壁との間に狭いシリンダーリ
   ング状空間が一部に粉砕補助物体を充填された粉
   砕空間として形成され、該空間の一方の端には、
   粉砕材料供給管路が接続され、そして他の端に
   は、粉砕された粉砕材料と粉砕補助物体とを分離
   するための分離装置が設けられている攪拌粉砕機
   において、分離装置２５の近傍の粉砕空間２３か
   ら、戻り管路３４が、粉砕容器３に位置固定され
   た粉砕材料供給管路２０の近傍まで導かれている
   ことと、戻り管路３４の自由横断面積を可変にす
   るための調節要素３７が戻り管路３４内に移動可
   能に配置されていることとを特徴とする攪拌粉砕
   機。 ２ 戻り管路３４が粉砕材料供給管路に導入され
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の攪拌粉砕機。 ３ 戻り管路３４がほぼ半径方向の面内で戻り流
   動管３５を介して粉砕空間２３に接続しているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項または第２
   項に記載の攪拌粉砕機。 ４ 調節要素３７が戻り流動管３５の中に配置さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   から第３項までのうちのいずれか一つに記載の攪
   拌粉砕機。 ５ 調節要素３７に方向変換面３８が形成されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項から
   第４項までのうちのいずれか一つに記載の攪拌粉
   砕機。 ６ 粉砕材料供給管路２０が戻り管路３４の結合
   点３９において、粉砕材料が供給される方向４０
   に見て、拡張されていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項から第５項までのうちのいずれか
   一つに記載の攪拌粉砕機。