JPH0257339A - 金属缶内装用ポリエステルフィルム及び金属缶 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、耐熱性及び保香性（耐）Ｌノーパー性）に優
れた金属缶内装用ポリエステルフィルムに関し、殊に金
属缶製造過程中に遭遇する種々の環境に対して安定であ
り、製品化の内面において剥離やクラック等の欠陥を生
じることが少ない金属缶内装用ポリエステルフィルム及
び該フィルムを内装してなる金属缶に関するものである
。

［従来の技術］ 製缶技術並びに缶用素材技術の進歩により、食料用殊に
飲料用の金属缶の生産は飛躍的な伸びを示している。こ
うした金属缶の材質としては、Ａ１．Ｆｅ及びこの両者
の複合材料であるバイメタル材等が利用さね°ｒおり、
打ち抜き加］二、絞り加工、しごき加工等を駆使して缶
体の製造が行なわれている。こうして得られた金属缶の
内面には、内容物の風味やフレーバーを損なわない様に
、また缶素材の腐食を防止し得る様に内装材が添設され
ている。

金属缶内装材としては、まず毒性がなく、加熱殺菌処理
に耐えることができ、溶出物質量の少ない素材であるこ
とが要求され、さらに金属缶との接着性や加工性が良好
であり、その上で耐フレーバー性に優れたものが求めら
れており、従来、この様な金属缶内装材としてはポリ塩
化ビニル系樹脂が採用され、これをスプレーコーティン
グによって金属缶内面に塗膜する手法が採られていた。

しかるにポリ塩化ビニル系樹脂は焼却時に塩素ガスが発
生するという問題があると共にバリヤー性能が不十分で
、且つ衛生性にも問題がある。

方スプレーコーティング法自体も、工程的に見てその操
作が煩雑であり、生産コストが高いという欠点がある。

こうした理由からポリ塩化ビニル系樹脂のスプレーコー
ティング技術に対しては必らずしも満足が得られている
訳ではなく、これに替わる技術が要望されているのが現
状である。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明者等は、こうした状況のもとで、スプレーコーテ
ィングに替る技術について種々検討を重ねた結果、金属
缶内面にプラスチックフィルムをラミネートするという
方針を立てて見た。しかして該ラミネート用フィルムに
ついては、金属缶内装材用として必要な前記特性の全て
を満足することが要求されるのでその選択が難しく、選
択の如何によって上記方針の成否が左右されるとも言え
る。本発明者等はこれらの条件を満足し、特に食品の風
味やフレーバーを損わず、且つ安価な金属缶内装用フィ
ルムを提供すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成
するに至った。

［課題を解決するための手段］ 即ち本発明は、酸成分が、テレフタル酸：５０〜９５モ
ル％、イソフタル酸及び／又はオルソフタル酸：５０〜
５モル％からなり、グリコール成分が、炭素数２〜５の
グリコールからなるポリエステル原料によって形成され
、２１０℃、２分の温度条件下で熱処理したときのＭｉ
ｃｒｏＲａｍａｎ法による比重が１３５０以下である点
に要旨を有する金属缶内装用ポリエステルフィルム及び
該フィルムを内装してなる金属缶を提供するものである
。

［作用］ スプレーコーティング法の場合には、製缶後の缶内面に
ポリ塩化ビニル樹脂等のスプレーコーティングを行なっ
ていたので金属缶１個毎にスプレー操作を行なわなけれ
ばならず生産性の向上には限界がある。これに対し金属
缶内面にフィルムをラミネートする場合には缶形状に成
形する前の金属板にフィルムをラミネートした後製缶工
程に入るという手法を採用することができるので、操作
は大幅に簡素化されて生産性を高めることができ、金属
缶内面への内装材の添設を経済的に実施することができ
るとの期待が持たれた。尚金属板へフィルムをラミネー
トする技術そのものについては、金属板製造の過程でラ
ミネートするか、あるいは金属板を製造した後、別工程
でフィルムをラミネートするかは自由である。

ところがこの様にラミネートされたフィルムは、金属板
と一緒になって製缶工程中の過酷な変形加工を受け、更
に金属板の塑性変形に伴なって発生する熱或は金属缶外
面への印刷の際及び食品殺菌処理の際の高熱を受ける。

その為、これらの工程を通過してもフィルムの特性が劣
化しないことが要求される。換言すれば製缶、印刷、殺
菌処理等の諸工程を通過した後においても十分な耐フレ
ーバー性３缶内面との接着性、防食の為の保護性等を備
えていることが重要となる。

こうした観点から種々のプラスチックフィルムについて
、各特性の安定性について検討したが、ポリオレフィン
やポリアマイドなどの多くの汎用素材は耐熱性や保香性
の点で不十分であり、ポリエステルフィルムが最適であ
ることを確認した。

ところで金属板にポリエステルフィルムをラミネートす
るに当たっては、接着剤を使用したときは接着剤の毒性
や耐熱性等が問題となり、接着力の経時低下によるラミ
ネートフィルムの剥離といった事態も考えられる。又接
着剤を使用すれば当然ラミネートコストが上昇すること
にもなる。

そこで本発明では接着剤を使用することなく、即ち金属
缶内面に融着することができるラミネート用フィルムで
あることを基準としてポリエステルフィルムを選択する
こととした。そして種々のポリエステルフィルムを金属
板に融着してみると、多くのポリエステルフィルムは融
点に近い温度で金属板にラミネート（融りすることので
きることが確認され、中でも非晶質性であることが穆々
の観点から好ましいことが分かった。

即ち結晶性ポリエステルの場合は、ラミネートしたとき
には結晶性が崩れて非晶質状態になっているが、製缶、
印刷、加熱殺菌などの工程で熱を受けると結晶化が進み
、ラミネートしたフィルムがもろくなって剥離したり、
クラックを発生することが分かった。そこで本発明では
製缶工程以降の熱履歴によってフィルム特性が劣化する
ことのない様に結晶化の問題のない非品性ポリエステル
乃至結晶性の低いポリニスデルを求めて更に研究を重ね
た結果、前記構成で示される本発明の金属缶内装用ポリ
エステルフィルムを完成するに至った。

以下実験説明を混じえて本発明をさらに詳細に説明する
。まずフィルムの基本的特性として食品の風味やフレー
バーを保持する性能に優れていることが重要であり、こ
れを備えたポリエステルフィルムを見出すべく、種々の
ポリエステルの保香性を調べたところ第１表に示す結果
が得られこの実験結果より酸成分がＴＰＡあるいはＴＰ
ＡとＩＰＡの混合物であり、グリコール成分がＥＧ、Ｐ
Ｇ、１．４−ＢＧから選ばれる１種以上の成分であるポ
リエステルフィルムの場合は特に耐フレーバー性に優れ
ていることが分かった。

これに対し、酸成分がセバシン酸であるポリエステルや
グリコール成分が１．６−ＨＤであるポリエステルフィ
ルムは耐フレーバー性の観点から排除されるべきである
ことが分かった。

一方上記耐フレーバー性の良好なポリエステルフィルム
の中でも、酸成分がＴＰＡ１００％であり、共重合成分
としてＩＰＡ等を全く含まないポリエステルフィルムは
、結晶性が強く、ラミネート後の熱環境によって結晶化
が進み、７１」離やクラックを発生し易い。従ってラミ
ネート後の熱劣化等を考慮すれば、酸成分がＴＰＡ＄独
であるポリエステルフィルムを採用することはできない
。

又本発明に係るポリエステルフィルムは、金属板に対し
て融着する必要があるので、融着温度（−般に２００〜
２４０℃）で分解せず安定した品質を保つものでなけれ
ばならない。もっともある程度融解しなければ融着その
ものが不可能あるいは不安定になるので融点は２４０℃
以下であることが望ましい。

こうした諸要求を満足するポリエステルフィルムについ
て検討を重ねた結果、前記構成に示される様に酸成分が
、テレフタル酸：５０〜９５モル％、イソフタル酸及び
／又はオルソフタル酸：５０〜５モル％からなり、グリ
コール成分が、炭素数２〜５のグリコールであるポリエ
ステルフィルムが上記要求に適合するうものであること
が分かった。但し上記要求を満足するだけでは酸成分と
グリコール成分の組合せ及び組成によっては製缶工程以
降の熱環境下において結晶化度が高くなりすぎる恐れが
あるので、結晶化度は上記酸成分とグリコール成分の配
合比を上記配合比率の範囲内で適宜調整しなければなら
ない。そしてこう１ノた配合比調整の尺度となるのが下
記熱処理条件でポリエステルフィルムを処理したときの
比重（Ｍｉｃｒｏ　Ｒａｍａｎ法で測定）である。

熱処理条件２１０℃×２分 即ち本発明に係るポリエステルフィルムは、上記熱処理
後の比重が１．’３５０以下であることが不可欠であり
、該比重が１．３５０を超えると、製缶工程以降の熱環
境において結晶化が過度に進行し、材質の劣化を引き起
こす。

本発明の基本構成は以上の通りであるが、フィルム製造
工程及び金属板へのラミネート工程における加工性を上
げることを目的として炭酸カルシウムやサイロイドなど
の滑剤を添加したり、必要に応じて金属板に対する接着
性を改良する目的でフィルムの片面にコロナ放電処理や
化学処理などの表面処理を施してもよい、更にポリエス
テル改良剤などの添加剤を加えることも許される。

尚通常のポリエステルフィルムではレトルト処理（１３
０℃Ｘ３０分）をすると白化するなどの問題が発生する
が、この対策としてコポリエステルを添加すると白化の
問題が解決する。

又本発明に係るポリエステルフィルムは、−軸方向さら
には２軸方向に延伸されたものであることが望ましく、
延伸方向と製缶時のフィルム変形方向を一致させること
によって製缶時のフィルム損傷を減少させることができ
る。さらにフィルムの厚みは９〜５０μｍ最も好ましく
は２０〜２５μｍとすることが望まれ、９μｍ未満では
フィルム厚さが小さすぎる為に製缶加工時に破れ等が生
じ易くなる。一方５０μｍを超えるのは過剰品質であり
不経済である。

又、本発明ポリエステルフィルムの添設対象となる金属
缶の材質としては前述のＡＩ、Ｆｅ及びこれらのバイメ
タル材等が例示され、その内面に前述の工程に従い本発
明フィルムを添設することによって本発明金属缶を得る
ことができる。尚金属缶素材の外面相当側には絞り加工
等の際の加工性を向上させる目的でＳｎめっき等を施し
ておくことが推奨される。

［実施例］ （ｉ）　　ホモポリマー：ＴＰＡ／ＥＧ＝１００　／１
０（１（重量部） （１１）　　コポリマー：ＴＰＡ／Ｉ　ＰＡ／ＥＧ＝　
７８／２２／１０Ｇ（重量部） （ｉｉｉ）　Ｔ　ＰＡ／　Ｉ　Ｐ　Ａ／Ｅ　Ｇ＝　７　
ａ／　２２／１ｏｏ（Ｄｉ重量部のコポリマーからなる
２軸延伸フイルム 上記（ｉ）〜（ｉｉ）のポリマー若しくは（ＩＩＩ）の
フィルムの比！！！（Ｓ、Ｇ）を旧ｃｒｏ　　Ｒａｎｎ
ａｎ法によって測定したところ、第２表に示す結果が得
られた。

次に種々の組成のポリエステルフィルム及び該フィルム
を下記条件で熱処理して得たフィルムの比重を同様に測
定したところ第３表に示す結果が得られた。

熱処理条件２１０℃×２分 （以下余白） ［発明の効果］ 本発明は以上の様に構成されており、金属板に対して融
着することができ、製缶工程における絞り加工に際して
も破損することなく変形に追従することができ、製缶工
程以降の熱環境によって剥離やクラックを起こすことの
ない耐フレーバー性に優れたポリエステルフィルム並び
に該フィルムを内装した金属缶を提供することができる
。かくして従来のスプレーコーティングに代えてフィル
ムラミネートによる金属缶内装技術を実用化することが
可能となり、金属缶の生産コストを低減することができ
た。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）酸成分が、テレフタル酸：５０〜９５モル％、イ
   ソフタル酸及びイ又はオルソフタル酸：５０〜５モル％
   からなり、 グリコール成分が、炭素数２〜５のグリコールからなる
   ポリエステル原料によって形成され、２１０℃、２分の
   温度条件下で熱処理した後のマイクロラマン法による比
   重が１．３５０以下であることを特徴とする金属缶内装
   用ポリエステルフィルム。
2. （２）請求項（１）のポリエステルフィルムを内装して
   なる金属缶。