JPH0251463B2 - - Google Patents

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JPH0251463B2
JPH0251463B2 JP57051895A JP5189582A JPH0251463B2 JP H0251463 B2 JPH0251463 B2 JP H0251463B2 JP 57051895 A JP57051895 A JP 57051895A JP 5189582 A JP5189582 A JP 5189582A JP H0251463 B2 JPH0251463 B2 JP H0251463B2
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film
polymer
magnetic
magnetic recording
adhesion
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JP57051895A
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Hiroaki Kobayashi
Toshuki Asakura
Nobuaki Ito
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は高分子成形物、特に高分子フイルム上
に強磁性層を蒸着、スパツタリングなどにより形
成した磁気記録媒体に関するものである。 近年磁気記録の高密度化が時代の要請として注
目を浴びているが、従来のγ−Fe2O3などの酸化
物磁性粉やコバルト、ニツケルなどの合金磁性粉
を適当な有機高分子のバインダー中に均一に混入
し塗布する。いわゆる塗布型に対して、真空蒸着
やスパツタリングなどの手法により基板に直接的
にコバルトなどの高分子バインダーを含まない強
磁性体金属薄膜からなる強磁性層を基材の上に形
成させた磁気記録媒体が記録の高密度化に極めて
有利な形態として開発されている。 かかる強磁性層を設けた磁気記録媒体を実用化
する場合の最大の問題点は基材と強磁性層との付
着強さである。かかる強磁性層を一般に1000オン
グストローム前後の厚さを有しており基材の表面
平滑性は従来の塗布形とは比較にならないほど厳
しい条件を要求されているため、いわゆる基材表
面の凹凸によるアンカー効果は全く期待できな
い。また強磁性層は金属または金属化合物の単体
であるため、それ自身は伸度が乏しく、塗布形の
ようにバインダーによる緩衝効果もないため外力
に対する脆さがある。さらに基材は一般に有機高
分子より成るため従来の塗布型が有機のバインダ
ーを使い基材との相性をよくしているのと対照的
に有機と無機の接着という本質的な問題をかかえ
ている。 このような強磁性層の付着力を改良すべく種々
の方法がとられている。例えば蒸着の場合、電子
ビーム蒸着条件を種々変更して付着力に対し最適
な条件を選ぶとか、最も一般的に使用されている
基材であるポリエチレンテレフタレートのフイル
ムを蒸着直前にグロー放電処理やバフ処理などの
いわゆる表面処理を施す工夫も多く行なわれてい
る。しかしこのような手法では付着力の本質的な
改良はむずかしい。それは第一に付着力といつて
も単なるセロテープ剥離テスト的なものだけでは
なく磁気記録媒体、特に磁気テープがヘツドと接
触したり、走行系のロールと接触したりして欠落
したり、きずがついたりしないか、といつた広い
意味の付着力が実用上問題になる背景がある。例
えばビデオテープなどではヘツドとの高相対速度
下での接触、スチル時の同一箇所繰り返し接触、
さらにポストとの接触など非常に厳しい条件にさ
らされる。50回走行、100回走行後にもドロツプ
アウトがほとんどないほど付着力が優れているこ
とが要求される。また第二にはこのような実用的
な意味での付着力は強磁性層自身の剛性、靭性が
重要であり、基材の表面処理が十分に行なえ得た
としても付着物の特性にまで影響を与えることは
小さいであろう。さらに第三に物理的表面処理は
前述のように強磁性層を設けた磁気記録媒体に最
も重要な基材の表面平滑性に致命的な悪影響を与
える可能性がある。 またこの付着力以外にも総合的に優れた磁気記
録媒体を得るためには次のような耐久性が要求さ
れる。 (1) 高い機械的特性。すなわち強伸度の他に引張
り弾性率が優れていること。(外力に対する寸
法安定性) (2) 高温での寸法安定性に優れていること。 (3) 温度、湿度など環境変化に対する寸法安定性
に優れていること。 本発明者らはこのような種々の問題点を解決す
べく鋭意検討を進めた結果、本発明に到達したも
のである。すなわち本発明の目的は磁気記録媒体
の強磁性層と基材との実用的付着力と、過酷な使
用に対する総合的な耐久性の高い磁気記録媒体を
提供するものである。 本発明は、上記目的を達成するため次の構成、
すなわち高分子成形物に金属または金属化合物か
らなる強磁性層を少なくとも一層以上設けた磁気
記録媒体において、面内の少なくとも一方向の引
張り弾性率が500Kg/mm2以上であり、該高分子成
形物が一般式 (ここでm、nは0〜3の整数)で示される基本
構成単位を50モル%以上含む構造を有する磁気記
録媒体を特徴とするものである。 本発明における高分子成形物とは、組成が上述
の通りでその結合はパラ−パラ結合である全芳香
族ポリアミドまたはクロル置換全芳香族ポリアミ
ドを50モル%以上含む構造を有するフイルムまた
はシートであり、メタ位で結合するものと比較し
て、機械的特性、耐熱特性等において優れてい
る。 本構造を有する全芳香族ポリアミドまたはクロ
ル置換全芳香族ポリアミドを主成分とする基材を
構成する単量体としては、酸クロリドとジアミン
からのポリマ合成を例にとると、テレフタル酸ク
ロリド、2−クロルテレフタル酸クロリド、2,
5−ジクロルテレフタル酸クロリド、2,6−ジ
クロルテレフタル酸クロリド等とp−フエニレン
ジアミン、2−クロルpフエニレンジアミン、
2,5−ジクロル−p−フエニレンジアミン、
2,6−ジクロル−p−フエニレンジアミンなど
が挙げられる。 上記一般式で示される基本構成単位は本発明で
使用する基材ポリマの50モル%以上であることが
必須である。基本構成が芳香族ポリアミドである
こと、さらに好ましくは塩素置換基を有すること
がより望ましい。基本構成単位が50モル%未満に
なると強磁性層の付着力の低下が見られると同時
に、磁気記録媒体の支持基板としての本来の特
性、磁気記録媒体の支持基板としての本来の特
性、例えば機械的特性や吸湿寸法安定性などが悪
化し本発明を満足しない。なお50モル%未満の構
成については、全芳香族ポリアミド単位であれば
特に限定するものではないが、下記のような構成
単位が代表例として挙げることができる。 すなわち、 ここでXは−CH3、−NO2あるいはCl以外のハ
ロゲンなどであり、p、qは0〜3の整数であ
り、同時に0にはならない。 さらに、 ここでYはなし、−O−、−SO2−、−S−、
【式】−CH2−、
【式】
【式】から選ばれ、 Sは0〜3の整数である。これらの全芳香族ポリ
アミドまたはクロル置換全芳香族ポリアミドは工
業的に利用可能な融点をもたない(ポリマの分解
温度が理論上の溶融温度より低い、あるいは両者
が非常に接近している)ため、溶融成形すること
ができず、溶液製膜によつてフイルム化され、得
られたフイルムは耐熱性に優れており、蒸着等の
後加工の際に発生する熱に対して十分安定であ
る。また、本発明の高分子成形物は、形状が、フ
イルムまたはシート状で厚さは1ミクロン以上1
ミリメートル以下、好ましくは3ミクロン以上、
500ミクロン以下である。この高分子成形物は200
℃、10%の熱収縮率が実質的に無荷重の条件下で
0%以上、10%以下、好ましくは0%以上2%以
下であることが望ましい。さらに磁気記録媒体は
強磁性層が金属層のため実質的にほとんど伸度を
持たないため基材が外力によつて変形することは
不都合である。またこの分野は従来にない高密度
記録を目標にしているため、例えばテープ走行中
のテンシヨンなどによるテープ本体の変形には厳
格である。従つて本発明を構成する高分子成形物
は、少なくとも一方向にその引張り弾性率は500
Kg/mm2以上である必要があり、好ましくは5000
Kg/mm2以下である。これらの基板の特性は磁気媒
体を構成した状態におけるものであり、強磁性層
を適当な手法で除去することによつて測定するこ
とができるが、磁性層の厚さが薄く、その影響は
無視できるほど小さいので磁気記録媒体全体の特
性と考えて差支えない。 このような基材は次のようにして製造される。
すなわちポリマーはN−メチルピロリドン、ジメ
チルアセトアミド、γ−ブチロラクトンなどの有
機極性溶媒中で低温溶液重合したり、水系媒体を
使用する界面重合などによつて合成される。ポリ
マ溶液は単量体として酸でクロリドとジアミンを
使用すると塩化水素が副生するためこれを中和す
べく水酸化カルシウムなどの無機の中和剤または
エチレンオキサイドなどの有機の中和剤を添加す
る。このポリマ溶液はそのまま基材すなわちフイ
ルムを成形する製膜原液にしてもよく、またポリ
マを一度単離してから上記の溶媒に再溶解して製
膜原液を調製してもよい。製膜原液には溶解助剤
として無機塩例えば塩化カルシウム、塩化マグネ
シウムなどを添加する場合もあるが、添加量、種
類などは基本構成単位の量や共重合単位の種類な
どによつて異なる。 実用的な強度をもつフイルムを得るためにはポ
リマの固有粘度は0.5以上のものが必要であり、
その時の製膜原液中のポリマ濃度は2〜40wt%
程度が好ましい。ここでポリマの固有粘度はポリ
マ0.5gを臭化リチウム2.5wt%を含むN−メチル
ピロリドンで100mlの溶液として30℃で測定して
代表する。 上記のように調製された製膜原液はいわゆる溶
液製膜法によりフイルム化が行なわれる。製膜原
液を口金からドラム、またはエンドレスのベルト
上に流延押出しして薄膜を形成し、溶媒または溶
媒と無機塩を乾式、湿式、乾湿式などのプロセス
で除去した後、熱固化して最終フイルムを得るも
のであるが、このプロセスならびに製造条件はポ
リマの特性ならびに目的とするフイルムの物性な
どから決定されるべきものである。例えばプロセ
スの適当な段階で同時または逐次で面倍率1.0〜
9.0の延伸をするとフイルムの機械特性を向上す
ることができるのみならずフイルムの平面性、厚
みむらを均一なものとすることに大きく寄与す
る。また熱固定または一般的にフイルムの高温で
の寸法安定性に好ましい熱処理温度が高すぎると
ポリマの劣化や配向の緩和を招き逆に最終フイル
ムの機械的、熱的特性を悪化させるので注意が必
要である。 本発明の強磁性層とは、いわゆる薄膜型磁性層
を指し、金属または金属化合物からなる強磁性層
で、具体的には、Ni、Co、Cr、Fe、γ−Fe2O3
などの単体または合金を主成分とし、乾式法で形
成された層である。また、この強磁性層は、厚さ
が0.01〜1μ、好ましくは0.01〜0.5μ、より好まし
くは0.05〜0.20μであるのが望ましい。 強磁性層を形成する方法は、真空中で金属が合
金を加熱蒸発させて基板上に付着させる蒸着法、
さらに高真空中で放電によつて活性化されたイオ
ン化したアルゴンなどによりターゲツトである金
属または金属化合物の分子を叩き出して基板上に
付着させるスパツタリング法、その他イオンプレ
ーテイング法など周知の乾式方法を用いて形成す
ることができる。 なお、強磁性層の形成において、単体元素で最
も磁気特性もよく、かつ付着力も良好な金属はコ
バルトで、これにニツケルを少量加えて耐蝕性を
改善したり、クロームを加えて垂直方向に磁化さ
れやすい膜を作ることができる。蒸着方法は電子
ビーム加熱により強磁性体の蒸気流を発生させ冷
却ドラムなどに接触したフイルム上に厚み0.01〜
0.5μ、好ましくは0.05〜0.20μの制御された薄膜を
形成させるのが望ましい。ここで真空度は10-7
ら10-2mmHgが一般的であり、蒸着雰囲気は磁気
特性との関連で外部より酸素、窒素、アルゴンな
どのガスを積極的に導入してもよい。 本発明において蒸着を行なう前処理としてアル
ゴンや酸素の雰囲気、例えば真空度10-2〜数mm
Hg下でグロー放電処理をすることは好ましいこ
とであり、未処理の場合に比較して付着力に明確
な有意差が認められる。 また、本発明の磁気記録媒体は、特定の基本構
成単位を50モル%以上含む高分子成形物を基材と
しているため、高温における熱安定性がよく、蒸
着時に発生する熱に耐えることができ、したがつ
て、蒸着時の数々の制約、例えば基材を80℃以下
に冷却する手段の導入や、また基材の熱変形を軽
減させる条件、すなわち磁気特性や耐久性を犠牲
にする条件をとらなくてもよいだけでなく、さら
に蒸着時や蒸着後の基材に熱処理を付与すること
ができ、その処理により著しく付着力を向上させ
ることもできる。これは金属膜の凝集力が増大
し、基材との界面の分子的ななじみを強化するた
めと考えられる。なお、この処理温度は100℃以
上400℃、好ましくは120℃以上250℃で強磁性層
の特性が劣化しない範囲が望ましい。また熱処理
によつて単に付着力向上だけでなく薄膜の化学特
性や結晶構造、結晶形態が変わり磁気記録特性を
改良する場合など本法の効果はさらに高められ
る。 このように本発明の磁気記録媒体は従来の塗布
型磁気記録媒体がポリエステルフイルムおよび既
存の耐熱フイルム(例えばデユポン社の“カプト
ン”)をベースとする薄膜磁気記録媒体に比べ優
れた性能を有する。すなわち高い付着力、高温に
おける寸法安定性、外力に対する寸法安定性、さ
らには使用される環境下での寸法安定性など総合
的な特性に優れた高性能高記録密度の磁気記録媒
体である。 本発明の具体的な用途としてはビデオテープ、
オーデイオテープ、さらに各種のフロツピーデイ
スクに好適な材料を提供するものである。また電
子カメラやビデオデイスクなどあらゆる種類の磁
気記録材料の分野に本発明を応用することが可能
である。また磁気記録方式は水平磁化、垂直磁化
を問わない。 なお本発明の磁性層の上に保護層を設けたり、
フイルム基板の裏面に走行性や帯電防止性その他
の目的でバツクコート層を設けることは磁気記録
材料全体の性能を向上させるため好ましい場合も
多い。 本発明の磁気記録媒体ならびに基材としてのフ
イルムの評価は次の基準により判定した。 (1) 固有粘度 次の式によつて算出した。 ηinh=ln(ηrel)/C ここでηrelは25℃で測定した相対粘度、Cは
0.5grのポリマを100mlのN−メチルピロリドン
と2.5grの臭化リチウムの溶液に溶かした時の
値を用いた。 (2) 強伸度、引張弾性率 20℃、75%RHの下に“テンシロン”を用い
てJIS L−1073に従つて測定した。 (3) 熱収縮率 約25cmのフイルムを巾5mmで切り出し20cmの
間隔に印をつけ、所定の温度のオーブン中に吊
り下げ下端に5grの荷重を付けた。10分後にこ
のサンプルを取り出し印の間の距離を求め、熱
収縮率を計算した。 (4) 湿度膨脹係数 巾5mm、長さ20cmに切り出したテープ状サン
プルを20℃、70%RHに24時間放置した後、恒
温恒湿槽の条件を90%RHに変え、テープ長さ
を連続的に測定し、平衡に達した後の値から湿
度膨脹係数を計算した。 (5) 付着力 フイルム基板と金属薄膜の付着力のテストは
種々の方法を検討したが、主としてビデオ装置
による実機テストが再現性のよい結果が得られ
た。実機としては市販の“ベータマツクス”を
使用しサンプルを1m〜10mの長さのテープに
切り出し、これを繰り返し送行させてその薄膜
のダメージを受けていく様子を観察した。また
スチルの状態で長時間放置して同様の観察を行
なつた。 次に実施例に基づいて本発明の実施態様を説明
する。 実施例 1 乾燥したNメチルピロリドンを200の撹拌槽
中に100入れ、これに塩化リチウム8Kg、2−
クロルpフエニレンジアミン2.42Kg、4,4′−ジ
アミノジフエニルエーテル0.60Kgを溶解させ0℃
に保ち、全体をゆつくり撹拌した。撹拌を続けな
がら約30分間にわたり粒状化したテレフタル酸ク
ロライド4.07Kgを添加した。1時間そのまま撹拌
を続け粘稠なポリマ溶液を得た。大型ミキサー中
に大量の水を入れ、ポリマ溶液をこれに添加し再
沈させ繊維状の固形ポリマを得た。これを洗浄、
乾燥した後、ポリマ2Kg、臭化リチウム1Kg、N
メチルピロリドン40を混合し室温にて均一な溶
液を調製した。このポリマの固有粘度では4.57で
あつた。この液を表面研磨されたステンレスのド
ラム上へ均一に口金から流延し120℃の雰囲気で
約20分間加熱した。このフイルムをドラムから剥
離し、連続的に水槽中へ約10分間浸漬した。この
フイルムをテンターで定長下に300℃、約5分間
加熱し厚さ16μの透明な表面平滑なフイルムを得
た。 このフイルムは強度40Kg/mm2、引張り弾性率
1500Kg/mm2を示し、250℃での熱収縮率がわずか
0.3%という極めて高強力、耐熱フイルムである
ことが判明した。また室温付近での温度膨脹係数
が4×10-6mm/mm/℃、湿度膨脹係数が5×10-6
mm/mm/RH%と環境安定性にも優れていること
がわかつた。 このフイルムを真空槽内に装填し、10-2トール
のArガス雰囲気下でイオンボンバード処理を行
なつた。次いで、真空槽を10-6トール台まで真空
排気し、フイルムを走行させながら、電子ビーム
蒸着により、Co−Ni合金(Co75重量%、Ni25重
量%)を、入射角70゜以上となる斜め蒸着法で
0.15μの膜厚になるように蒸着して、強磁性金属
薄層を有する磁気テープを作製した。得られた膜
の磁気特性は、長手方向の保磁力が720Oe、幅方
向の保磁力が480Oe、角型比が0.92であり、長手
方向に配向した磁気テープとしてオーデイオテー
プ、ビデオテープに適した性能を有している。 この磁気テープを市販のホームビデオ「ベータ
マツクス」にかけ、100回走行テストやスチルテ
ストを行なつた結果、磁性層の付着力が極めてす
ぐれており、磁性層の脱落やテープの変形がほと
んどなく目立つたドロツプアウトの増加がないこ
とを確認した。 比較実施例 1 実施例1と同様な方法でポリエチレンテレフタ
レートフイルム(東レ製“ルミラー”16μ)とポ
リイミドフイルム(米国デユポン社製“カプト
ン”25μ)をベースとして磁気テープを作製し
た。 ポリエチレンテレフタレートの場合はイオンボ
ンバード処理や蒸着処理時に頻繁に熱による孔あ
き現象があり、長いテープを作製するのが不可能
であつた。またこれを「ベータマツクス」で走行
させた結果、多数回走行やスチル走行によつて磁
性層の部分的な破壊、脱落などが生じポリエチレ
ンテレフタレートなど磁性層との付着力が不十分
であることが確認された。 また「カプトン」の場合は作製時の熱負けはな
かつたが表面平滑性が貧しいためか安定した磁気
記録特性を有するテープを得ることができなかつ
た。またそのテープの腰の強さや湿度に対する寸
法安定性が悪い(湿度膨脹係数32×10-6mm/mm/
RH%)ことにより良好なテープ特性を得ること
はできなかつた。 実施例 2 実施例1で得られた厚さ16μのフイルム上にマ
グネトロン型RFスパツタ装置を用いて、Co−Cr
合金により成る磁性薄膜を形成した。 まず、真空槽内にフイルムを装填し、10-6トー
ルまで排気したのち、Arガスを導入して2×
10-2トールの圧力に保つ。次いで、直径150mmの
Co−Cr合金ターゲツト(Co81重量%、Cr19重量
%)に13.56MHzの高周波電圧を印加し、200W
の投入電力で30分間スパツタし、厚さ0.5μの強性
薄報を得た。このCo−Cr膜の膜面に垂直および
平行方向の保磁力は、それぞれ1100Oeおよび
600Oeであつた。また、この磁性薄膜は、膜面に
垂直方向の残留磁化が、膜面に平行方向の残留磁
化より大きく、垂直方向に容易磁化軸を有してお
り、垂直記録媒体として適した特性を持つてい
る。 このテープも市販のビデオ装置で耐久性のテス
トをした結果、ベースフイルムと磁性層の付着力
が十分に優れていることがわかつた。 実施例 3 実施例1で得られた16μのフイルム上にFe3O4
焼結体をターゲツトとして、マグネトロン型RF
スパツタ装置を用いて、酸化鉄薄膜を形成した。 まず、真空装置内にフイルムを装填し、10-6
ールまで排気したのち、酸素ガスを6体積%含む
Arガスを導入して、圧力を5×10-3トールに維
持する。次いで、ターゲツトに13.56MHzの高周
波電圧を印加し、200Wの投入電力にて15分間ス
パツタして、厚さ0.2μのFe3O4膜を形成した。続
いて、このフイルムを、大気中で260℃、60分間
加熱酸化し、γ−Fe2O3膜に変換した。得られた
γ−Fe2O3膜は、保磁力が350Oe、残留磁束密度
が1500G、角型比が0.81の磁気特性を示した。 高温処理によつても本テープはほとんど変形が
認められず、また実施例1、2と同様に磁性層の
耐久性も十分実用的であることが確認された。 実施例 4 実施例1と同様に乾燥したN,N′ジメチルア
セトアミド100中に塩化リチウム10Kg、2−ク
ロルp−フエニレンジアミン2.00Kg、4,4びジ
アミノジフエニルメタン1.19Kgを溶解させ0℃に
保つた。次いでテレフタル酸クロライド4.08Kgを
添加し実施例1と同様に固形ポリマを得た。この
ポリマの固有粘度は2.89であつた。ポリマ2Kg、
塩化カルシウム1Kg、N−メチルピロリドン25
を混合し実施例1と同様に厚さ16μの透明で表面
平滑なフイルムを得た。 このフイルムは強度32Kg/mm2、引張り弾性率
950Kg/mm2を示し、250℃での熱収縮率は1.2%で
あり高強力、耐熱フイルムであることがわかつ
た。また温度膨脹係数は6×10-6mm/mm/℃、湿
度膨脹係数は11×10-6mm/mm/RH%であつた。 実施例1から3に示したと同様に本実施例のベ
ースフイルムより磁気テープを作製したが実施例
1のフイルムよりは多少劣るものの、十分に実用
的な性能を示すことを確認した。 比較実施例 2 前例と同様に乾燥したN,N′ジメチルアセト
アミド100中に2−クロル−p−フエニレンジ
アミン1.14Kg、4,4′ジアミノジフエニルメタン
2.38Kgを溶解させ0℃に保つた。次いでテレフタ
ル酸クロライド4.07Kgを添加し実施例1と同様に
固有粘度2.52の固形ポリマを得た。ポリマ2Kg、
N−メチルピロリドン25、塩化カルシウム0.5
Kgを混合し前例と同様のプロセスで厚さ15μの表
面の平滑なフイルムを得た。 このフイルムは吸湿率が6.8%と高く、湿度膨
脹係数20×10-6mm/mm/RH%であり磁気テープ
のベースフイルムとして適していなかつた。また
耐熱性も乏しく200℃で約5.3%の熱収縮を示し蒸
着中に熱負けによるトラブルが多発した。また得
られた磁気テープの耐久性も多数回走行テストの
結果ポリエチレンテレフタレートベースの場合と
同様の磁性層の脱落などが多く発生した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 高分子成形物に金属または金属化合物からな
    る強磁性層を少なくとも一層以上設けた磁気記録
    媒体において、面内の少なくとも一方向の引張り
    弾性率が500Kg/mm2以上であり、該高分子成形物
    が一般式 (ここでm、nは0〜3の整数)で示される基本
    構成単位を50モル%以上含む全芳香族ポリアミド
    からなることを特徴とする磁気記録媒体。
JP5189582A 1982-03-30 1982-03-30 磁気記録媒体 Granted JPS58168655A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5189582A JPS58168655A (ja) 1982-03-30 1982-03-30 磁気記録媒体
DE8383301031T DE3379923D1 (en) 1982-03-30 1983-02-25 Magnetic recording medium
EP83301031A EP0090499B1 (en) 1982-03-30 1983-02-25 Magnetic recording medium
US06/685,965 US4645702A (en) 1982-03-30 1984-12-27 Magnetic recording medium

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