JPH0248721B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、排気通路にある絞り弁と揺動レバー
を介して制御可能な排気弁とからなる機関制動装
置用制御装置が、制動運転の際排気弁の完全な閉
鎖を阻止するようにその閉鎖行程を制限する制限
装置と、排気通路の絞り弁を操作する操作装置と
をもち、操作装置および制限装置への圧力媒体の
供給を制御する制御弁が設けられて、機関制動装
置の動作開始の際、操作装置を介して絞り弁を閉
じ、制限装置を介して排気弁の閉鎖行程を制限す
る、内燃機関の機関制動装置用制御装置に関す
る。

従来の技術 ドイツ連邦共和国特許出願公開第2832526号明
細書から機関排気ブレーキをもつ４サイクル内燃
機関が公知であり、制動運転の際排気ガスをせき
止める絞り弁が排気通路に設けられ、吸気弁およ
び排気弁がカム軸により制御される。揺動レバー
の範囲には移動および／または回転可能でストツ
パを備えた軸が設けられている。これらのストツ
パは、制動運転の際排気弁用揺動レバーの揺動範
囲へ入ることができ、その行程を制限して、排気
弁が対応する弁座へ接しないようにする。排気弁
の行程制限は、制動運転の際排気弁が弁座から約
１／１０mm離れているように選ばれる。それにより簡
単な手段で制動効果を減少することなく制動運転
の際排気弁の衝突が防止されるかまたはその荷重
軽減が行なわれるように、機関排気ブレーキを改
善するという課題が解決される。したがつて機関
制動出力はこの排気弁制御により影響を受けな
い。

この機関排気ブレーキとは異なり、ドイツ連邦
共和国特許第1057385号明細書により公知の機関
ブレーキ付き内燃機関は、ガス交換弁の永続的な
開放により制動効果を得て、内燃機関により行な
われている圧縮仕事の大部分を無効にする。しか
しそれにより得られる機関制動出力は比較的わず
かにすぎない。

発明が解決しようとする問題点 本発明の課題は、最初にあげた種類の内燃機関
において機関制動出力を高めることである。

問題点を解決するための手段 この課題を解決するための本発明によれば、シ
リンダヘツドに取付けられる制限装置の制御ケー
ス内に制御ピストンが設けられて、ピストン棒を
もち、機関制動装置の動作開始の際、このピスト
ン棒が揺動レバーに当つて排気弁の閉鎖行程を制
限し、それにより排気弁が絞り間隙を形成して弁
座から離され、制御弁が、シリンダ内に案内され
かつ制動ペダルに連結されて圧力媒体源としての
圧縮空気源へ通ずる導管と操作装置へ通ずる導管
とを互いに接続または遮断するピストンをもち、
このピストンに結合される開閉棒が、制限装置の
制御ピストンへ作用する圧力体としての潤滑油を
機関潤滑油回路から導く導管中に設けられる電磁
切換え弁の制御用電気開閉装置を操作する。

本発明による制御装置によつて、機関制動出力
を増大させて、この制動出力が大形の商用車でも
現在の法規および将来予想される法規にかなうよ
うにすることができる。操作装置および制限装置
を駆動するため、いずれにせよ商用車に存在する
補助力を使用することによつて、構造費が少なく
される。機関制動出力は、個々の排気弁または排
気弁群の開閉により、また機関排気ブレーキとの
組合わせにより、必要に応じて可変である。

実施例 図面には本発明の実施例が示されている。

第１図に１で示す８シリンダ内燃機関は、制限
装置２（第３図）の駆動に関して同数の２つのシ
リンダ群３および４に区分されている。シリンダ
群３および４の共通な排気通路５中には、軸６上
に相対回転しないように支持される絞り弁７が設
けられ、その位置は制御棒８を介して操作装置９
により制御可能である。内燃機関１により駆動さ
れる空気圧縮機１０から圧縮空気が、制動ペダル
１４の位置に関係して可変な制制弁（切換え弁）
１２へ供給され、この切換え弁により操作装置９
が制御導管１３を介して駆動可能である。同様に
切換え弁１２により、電気導線１５を介して戻し
ばね１７をもつ電磁３ポート２位置切換え弁１６
が、また電気導線１８を介して戻しばね２０をも
つ電磁３ポート２位置切換え弁１９が駆動可能で
ある。３ポート２位置切換え弁１６は内燃機関１
の油回路の制御導管２１中に設けられ、戻り導管
２２により内燃機関１の油だめに接続され、３ポ
ート２位置切換え弁１９は内燃機関１の油回路の
制御導管２３中に設けられて、戻り導管２４によ
り内燃機関の油だめに接続されている。３ポート
２位置切換え弁１６の上流で制御導管２１中に逆
止め弁２５が設けられ、３ポート２位置切換え弁
１９の上流で制御導管２３中に逆止め弁２６が設
けられている。３ポート２位置切換え弁１６によ
りシリンダ群３のシリンダ２７ないし３０の制限
装置２が、制御導管２１およびこれから分岐する
制御導管２１ａ，２１ｂおよび２１ｃから駆動可
能であり、３ポート２位置切換え弁１９によりシ
リンダ群４のシリンダ３１ないし３４の制限装置
２が、制御導管２３およびこれから分岐する制御
導管２３ａ，２３ｂ，２３ｃから駆動可能であ
る。

２図により切換え弁１２は、シリンダ３５とこ
の中に縦方向移動可能に設けられたピストン３６
を有し、このピストンは制御棒３７を介して制動
ペダル１４に枢着されている。ピストン３６はシ
リンダ３５を制動ペダルに関係して大きさの可変
な２つの制御空間３８および３９に区分してい
る。制御空間３８には供給導管１１により圧縮空
気が供給される。ピストン３６と共同作用してス
トツパ４０に支えられる圧縮ばね４１をもつ制御
空間３９は、通気開口４２により外気に接続さ
れ、制動ペダル１４の不動作位置で制御導管１３
により操作装置９に接続されている。さらに制御
空間３９内には、ピストンの運動方向に前後して
位置して電気開閉器４３および４４により形成さ
れる開閉装置が設けられ、この開閉装置は３ポー
ト２位置切換え弁１６および１９に付属して、ピ
ストン３６にある開閉棒４５により操作可能であ
る。

第３図には排気弁４７と排気通路４８をもつ内
燃機関のシリンダヘツド４６の一部が示されてい
る。排気弁４７は、シリンダヘツド４６と弁棒５
１にある支持部材５０とに支持される弁ばね４９
により閉鎖方向に押される。排気弁４７の開放
は、公知のように揺動レバー５２と押し棒５３と
を介して図示しないカム軸により行なわれる。制
限装置２は弁棒５１と共同作用する揺動レバー５
２のレバー腕５４の上方に設けられて、固定保持
板５５上に支持されている。操作装置２は制御ケ
ース５６を含み、この制御ケース内に縦方向移動
可能に設けられる制御ピストン５７は、ピストン
棒５８により揺動レバーのレバー腕５４に接して
いる。制御ピストン５７の一方の端面５９は制御
空間６０内にある圧油の作用を受け、制御ピスト
ン５７の他方の端面６１は圧縮ばね６２と共同作
用する。図示した実施例の制限装置２が例えばシ
リンダ２７（第１図）に付属していると、制御空
間６０には圧油が制御導管２１ａにより供給され
る。制御導管がシリンダヘツド４６へ入り、弁覆
いケース６３内へ設置されて、密封フランジ６４
により外気に対して密封される。制御ケース５６
は調節ワツシヤ６７と共にねじ結合部６５により
保持板５５に縦方向変位可能に設けられている。
制動運転の際排気弁４７は、鎖線で示す位置まで
だけ弁座６６へ近づき、排気弁４７と弁座６６と
の間の間隙の大きさは約0.8ないし1.5mmである。

制動ペダル１４が操作されないと、切換え弁１
２のピストン３６は図示した位置にあり、制御空
間３８は制御導管１３から遮断され、電気開閉器
４３および４４は開かれている。この開かれた開
閉位置で３ポート２位置切換え弁および１９は図
示した付勢されない位置にある。操作装置９は圧
縮空気を受けず、制限装置２も圧油を受けないの
で、絞り弁７は開かれ、すべての排気弁４７は完
全に閉じることができる。制動ペダル１４が操作
されると、ピストン３６が圧縮ばね４１のばね力
に抗して移動され、それにより図示した実施例で
はまず制御導管１３へ圧縮空気が供給され、それ
から順次電気開閉器４３および４４が閉じられ
る。操作装置９は圧縮空気を受けて、絞り弁７を
閉じ、それから３ポート２位置切換え弁１９が切
換えられ、シリンダ群４の制限装置２が圧油を受
け、それからはじめて３ポート２位置切換え弁１
６が切換えられ、シリンダ群３の制限装置２が圧
油を受ける。制限装置２が圧油を受けることによ
つて、制御ピストン５７は圧縮ばね６２のばね力
に抗して揺動レバー５２のレバー腕５４の方向へ
移動されるので、揺動レバー５２の揺動範囲が制
限され、排気弁４７は鎖線で示す位置までしか閉
じることができない。切換え弁による個々の排気
弁、排気弁群および絞り弁の開閉は、本発明によ
れば任意の順序と組合わせで行なうことができ
る。

このような好ましい組合わせとして、例えば揺
動ペダル１４の操作の際まず制限装置２が圧油を
受け、それからはじめて、制動ペダル１４がさら
に制動力を高める向きに踏込まれるとき、ピスト
ン３６が制御空間３９の方向へ移動されて、制御
導管１３へ供給導管１１から圧縮空気が供給さ
れ、それにより操作装置９を介して絞り弁７が閉
じられる。まず排気弁４７が制動運転に切換えら
れ、それからはじめて絞り弁７が制動運転に切換
えられる装置のこの運転態様では、絞り弁７の上
流にある排気通路５の部分における高すぎるせき
止め圧力の形成が防止される。せき止め圧力が高
すぎると、他のシリンダの排気弁が弁ばねの力に
抗して開かれるおそれがある。それから絞り弁の
前におけるせき止めがなくなると、排気弁は衝撃
的に閉じられ、弁軸に非常に大きい張力が生じ
て、排気弁を破壊することがある。装置の上述し
た制御によつて、機関のこのような危険な運転状
態が回避される。構造的にこれを解決するため、
制御棒３７がピストン３６に移動可能に案内さ
れ、両方向における移動運動が、ピストン３６の
前後に適当に離れて制御棒へ取付けられるそれぞ
れ１つのストツパにより制限される。

【図面の簡単な説明】

第１図は制動装置をもつ８シリンダ内燃機関の
概略構成図、第２図はその切換え弁の概略構成
図、第３図は制限装置の範囲における内燃機関の
シリンダヘツドの断面図である。 １……内燃機関、２……制限装置、５，４８…
…排気通路、７……絞り弁、１２……切換え弁、
４７……排気弁、５２……揺動レバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 排気通路にある絞り弁と揺動レバーを介して
   制御可能な排気弁とからなる機関制動装置用制御
   装置が、制動運転の際排気弁の完全な閉鎖を阻止
   するようにその閉鎖行程を制限する制限装置と、
   排気通路の絞り弁を操作する操作装置とをもち、
   操作装置および制限装置への圧力媒体の供給を制
   御する制御弁が設けられて、機関制動装置の動作
   開始の際、操作装置を介して絞り弁を閉じ、制限
   装置を介して排気弁の閉鎖行程を制限するものに
   おいて、シリンダヘツド４６に取付けられる制限
   装置２の制御ケース５６内に制御ピストン５７が
   設けられて、ピストン棒５８をもち、機関制動装
   置の動作開始の際、このピストン棒５８が揺動レ
   バー５２に当つて排気弁４７の閉鎖行程を制限
   し、それにより排気弁４７が絞り間隙を形成して
   弁座６６から離され、制御弁１２が、シリンダ３
   ５内に案内されかつ制動ペダル１４に連結されて
   圧力媒体源としての圧縮空気源へ通ずる導管１１
   と操作装置９へ通する導管１３とを互いに接続ま
   たは遮断するピストン３６をもち、このピストン
   ３６に結合される開閉棒４５が、制限装置２の制
   御ピストン５７へ作用する圧力媒体としての潤滑
   油を機関潤滑油回路から導く導管２１，２３中に
   設けられる電磁切換え弁１６，１９の制御用電気
   開閉装置４３，４４を操作することを特徴とす
   る、内燃機関の機関制動装置用制御装置。 ２ 制御弁１２によつて個々の排気弁または排気
   弁群の制限装置２が順次操作可能であることを特
   徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の装置。 ３ 制御弁１２のシリンダ３５内に案内されて制
   動ペダル１４に連結されるピストン３６が、シリ
   ンダ３５を制動ペダル位置に関係して大きさの可
   変な２つの制御空間３８，３９に区分し、一方の
   制御空間３８が導管１１を介して圧縮空気源に接
   続され、ピストン３６と共同作用する圧縮ばね４
   １をもつ他方の制御空間３９が、通気開口４２に
   より外気に接続され、また制動ペダル１４の不動
   作位置で導管１３を介して絞り弁７の操作装置９
   に接続され、個々の排気弁４７または排気弁群の
   制限装置２に付属する開閉装置４３，４４が他方
   の制御空間３９内に設けられ、制動ペダル１４の
   操作に関係して、まず操作装置９へ通ずる導管１
   ３が、移動するピストン３６により圧縮空気を受
   ける制御空間３８に接続され、続いて開閉装置４
   ３，４４が操作されることを特徴とする、特許請
   求の範囲第１項に記載の装置。 ４ 開閉装置４３，４４がピストンの運動方向に
   前後して位置する電気開閉器で、内燃機関１の潤
   滑油回路に設けられて排気弁４７または排気弁群
   の制限装置２に付属する戻しばね１７，２０付き
   電磁３ポート２位置切換え弁１６，１９を操作す
   ることを特徴とする、特許請求の範囲第３項に記
   載の装置。 ５ 内燃機関１の潤滑油回路が各３ポート２位置
   切換え弁１６，１９の上流に逆止め弁２５，２６
   をもつていることを特徴とする、特許請求の範囲
   第４項に記載の装置。 ６ 制限装置２の制御ピストン５７が、制動運転
   の際排気弁４７を弁座６６から約0.8ないし1.5mm
   離すことを特徴とする、特許請求の範囲第１項に
   記載の装置。