JPH0246317A - 高温用ころがり軸受の保持器 - Google Patents

高温用ころがり軸受の保持器

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JPH0246317A
JPH0246317A JP19615988A JP19615988A JPH0246317A JP H0246317 A JPH0246317 A JP H0246317A JP 19615988 A JP19615988 A JP 19615988A JP 19615988 A JP19615988 A JP 19615988A JP H0246317 A JPH0246317 A JP H0246317A
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cage
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Kazutsugu Kashima
鹿島 和嗣
Katsumi Mino
美濃 克己
Wataru Abe
亘 安部
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野J 本発明は、内輪と外輪の軌道面間にころがり案内される
転動体を嵌合抱持する保持器であって、とくに高温用ラ
ジアルあるいはスラストころがり軸受の保持器に間する
ものである。
「従来の技術」 近年、高速化、軽量化、高能率化を追及する結果として
、機械の運転温度が高くなるにしたがって、高温用ころ
がり軸受の要求が高まっている。
高温領域(300℃以上)で使用されるころがり軸受に
おいては、ころがり接触面間に潤滑油やグリースのよう
な流体潤滑剤を使用することができないため、通常、黒
鉛や二硫化モリブデンのような固体潤滑剤が用いられて
いる。
この固体潤滑剤は、流体潤滑剤のような流動性、濡れ性
を有しないので、これを使用する場合には該ころがり接
触面間に塗布、充填などの手段を用いることができない
したがって、固体潤滑剤を使用する場合は、内輪と外輪
の軌道面間にころがり案内される転動体”を嵌合抱持す
る保持器を固体潤滑剤で形成し、転勤中に転動体の表面
に保持器から固体潤滑剤が移着して該転動体表面に固体
潤滑剤被膜が形成され、さらに該転動体とのころがり接
触により内、外輪の軌道面に該固体潤滑剤被膜が形成さ
れ、このようにしてころがり接触面間に形成された固体
潤滑剤被膜により潤滑を行うという方法が採られている
しかるに、従来より、高温用ころがり軸受の保持器には
黒鉛が使用されている。
「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら、黒鉛からなる保持器は、比較的高温(2
00〜300℃)の領域において安定した潤滑性を示す
反面、それ以上の高温領域の使用においては酸化消耗が
激しいこと、また機械的強度に欠点があり、保持器の孔
内に転動体を嵌合するさい、往々にしてヒビ割れ、破損
を惹起するという問題がある。
本発明者らは、高温領域における黒鉛の潤滑性に着目し
、上述した従来の黒鉛からなる保持器を使用したころが
り軸受の摩擦機構についてさらに追求した結果、保持器
の孔と形孔に嵌合抱持される転動体のころがり接触方向
に方向性があることを見出した。
すなわち、保持器の孔と転動体とのころがり接触方向は
ラジアルおよびスラスト軸受のいずれにおいても、転動
体が嵌合抱持される円孔の円周方向の孔周縁部であるこ
とを見出した。
本発明はこの知見に基づき、ころがり接触方向の領域は
摺動特性に優れ、その他の領域は機械的強度に優れ、高
温領域においても酸化消耗の極めて小さい黒鉛を主体と
した高温用ころがり軸受の保持器を得ることを目的とす
るものである。
r問題点を解決するための手段」 上述した目的を達成するべく、本発明はつぎの技術手段
(構成)を採る。
すなわち、本発明の第1の構成は、内輪と外輪の軌道面
間にころがり案内される転動体を嵌合抱持する円筒状保
持器であって、該保持器の周面には該転動体を嵌合抱持
する複数個の円孔が形成されており、該保持器はその両
端からそれぞれ幅方向に該円孔の周縁までの領域が黒鉛
を主体とし該黒鉛中に炭化ホウ素を分散含有した高強度
の黒鉛系複合体で形成されており、その他の領域が黒鉛
を主体とし該黒鉛中に金属ホウ化物あるいは金属ホウ化
物および炭化ホウ素を分散含有した摺動特性に優れた黒
鉛系複合体で一体的に形成されていることを特徴とする
高温用ころがり軸受の保持器であり、第2の構成は、内
輪と外輪の軌道面間にころがり案内される転動体を嵌合
抱持する円筒状保持器であって、該保持器の周面には該
転動体を嵌合抱持する複数個の円孔が該保持器の一方の
端面に開口する溝に連通して形成されており、該保持器
は形溝と反対側の端面から幅方向に該円孔の周縁までの
領域が黒鉛を主体とし該黒鉛中に炭化ホウ素を分散含有
した高強度の黒鉛系複合体で形成されており、その他の
領域が黒鉛を主体とし該黒鉛中に金属ホウ化物あるいは
金属ホウ化物および炭化ホウ素を分散含有した摺動特性
に優れた黒鉛系複合体で一体的に形成されていることを
特徴とする高温用ころがり軸受の保持器であり、第3の
構成は、内輪と外輪の軌道面間にころがり案内される転
動体を嵌合抱持する円筒状保持器であって、該保持器の
端面にはその円周方向に該転動体を嵌合抱持する複数個
の円孔が形成されており、該保持器はその内周縁および
外周縁からそれぞれ該円孔の周縁までの領域が黒鉛を主
体とし該黒鉛中に炭化ホウ素を分散含有した高強度の黒
鉛系複合体で形成されており、その他の領域が黒鉛を主
体とし該黒鉛中に金属ホウ化物あるいは金属ホウ化物お
よび炭化ホウ素を分散含有した摺動特性に優れた黒鉛系
複合体で一体的に形成されていることを特徴とする高温
用ころがり軸受の保持器である。
上述した第1、第2、第3の構成において、摺動特性に
優れた黒鉛系複合体を形成する金属ホウ化物としては、
元素周期律表の第rVa族、第Va族および第Via族
の金属のホウ化物で、ホウ化チタン(TiB)、ニホウ
化チタン(TiB2) 、ニホウ化ジルコニウム(Zr
B2) 、ニホウ化ハフニウム(HfBi)、ニホウ化
バナジウム(VB2 ) 、ニホウ化ニオブ(Nb8λ
)、ニホウ化タンタル(TaBz) 、ホウ化クロム(
Cry) 、ニホウ化クロム(Crew) 、ニホウ化
モリブデン(MoB2)、ホウ化タングステン(WB)
、ニホウ化タングステン(WBx)などが挙げられ、こ
れらはそれぞれ単独でもしくは2種以上を組合わせて使
用される。
また、上述した金属ホウ化物の他に、後述する加圧・加
熱焼結工程において、炭化ホウ素の存在下で該炭化ホウ
素の存在下で該炭化ホウ素と反応して金属ホウ化物を形
成する元素周期律表の第■a族、第Va族および第VI
a族の金属の炭化物、例えば炭化チタン(TiC) 、
炭化、ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム()I
fC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC
)、炭化タンタル(TaC)、炭化クロム(Cr3C2
) 、炭化モリブデン(MoC) 、炭化タングステン
<VC>などを使用することができる上述した構成から
なる保持器は、仮焼ピッチコークスを主成分とし、これ
に炭化ホウ素あるいは炭化ホウ索と金属ホウ化物および
あるいは金属炭化物を所定量配合し、これを加圧・加熱
焼結(ホットプレス)して該コークスを該炭化ホウ素お
よびあるいは金属ホウ化物の黒鉛化促進作用、焼結促進
作用によフて黒鉛化し、該黒鉛化した黒鉛中に炭化ホウ
素およびあるいは金属ホウ化物が分散含有した黒鉛系複
合体から形成される。
以下、各製造方法について説明する。
〈原料粉末の調整〉 l)1粒度150μm以下の仮焼ピッチコークス粉末に
、平均粒度1.5μ曙の炭化ホウ素粉末(B4C)を所
定量配合し、混合して該コークス粉末と炭化ホウ索粉末
の均一な混合粉末を得る(以下「混合粉末■」という)
2)0粒度150μm以下の仮焼ピッチコークス粉末に
、平均粒度7μmの第IVa族、第Va族、第■a族の
金属のホウ化物粉末の1種もしくはそれ以上を所定量配
合し、混合して該コークス粉末と金属ホウ化物粉末の均
一な混合粉末を得る(以下「混合粉末■」という)。
3)1粒度150μI以下の仮焼ピッチコークス粉末に
、平均粒度7μmの第IVa族、第Va族、第■a族の
金属のホウ化物粉末の1種もしくはそれ以上を所定量と
炭化ホウ素粉末の所定量を配合し、混合して該コークス
粉末と金属ホウ化物粉末と炭化ホウ素粉末の均一な混合
粉末を得る(以下「混合粉末■」という)。
4)0粒度150μ糟以下の仮焼ピッチコークス粉末に
、平均粒度7μmの第IVa族、第Va族、第■a族の
金属のホウ化物粉末の1種もしくはそれ以上を所定量と
該金属炭化物粉末と同量もしくはそれ以上の炭化ホウ素
粉末を配合し、混合して該コークス粉末と金属炭化物粉
末と炭化ホウ素粉末の均一な混合粉末を得る(以下「混
合粉末■」という)。
く製造方法〉 (イ)第1の構成からなる保持器の製造方法。
(第1工程) 内面に中空円筒部l、中央にコアーロッド8を備えた黒
鉛型2を用意し、該黒鉛型2の中空円筒部l内に上記混
合粉末■を所定高さまで均一に充填し、圧粉する(第4
図中、符号■)。
(第二工程) 該圧粉された混合粉末■の上に、前記混合粉末■、混合
粉末■、混合粉末■のいずれかを所定高ざまで均一に充
填し、圧粉する(第4図中、符号■もしくは■あるいは
■)。
(第三工程) 該圧粉された混合粉末■もしくは混合粉末■あるいは混
合粉末■の上に、さらに混合粉末■を均一に充填し、圧
粉して(第4図中、符号■)、該中空円筒部内に混合粉
末■−混合粉末■(もしくは混合粉末■あるいは混合粉
末■)−混合粉末■からなる三層の圧粉体を形成する。
(第四工程) 該三層の圧粉体を、圧力100 kg/cイ以上、好ま
しくは150〜300 kg/Cぜの加圧下で、150
0℃以上、好ましくは1800〜2500℃の温度で加
圧・加熱焼結(ホットプレス)し、焼結円筒体を得る。
この加圧・加熱焼結工程において、仮焼ピッチコークス
は該コークスに配合された炭化ホウ素およびあるいは金
属ホウ化物(混合粉末■、混合粉末■、混合粉末■)の
黒鉛化促進作用および焼結促進作用により黒鉛化され、
該焼結円筒体はその両端から幅方向に所定幅の領域が黒
鉛を主体とし該黒鉛中に炭化ホウ素が分散含有された高
強度の黒鉛系複合体で、その他の領域が黒鉛を主体とし
該黒鉛中に金属ホウ化物あるいは黒鉛を主体とし該黒鉛
中に金属ホウ化物および炭化ホウ素が分散含有された摺
動特性に優れた黒鉛系複合体で形成される。
また、混合粉末■は加圧・加熱焼結工程において、混合
粉末中の金属炭化物が炭化ホウ素の存在下で該炭化ホウ
素と反応して金属ホウ化物となり、この金属ホウ化物が
黒鉛中に分散含有されて摺動特性に優れた黒鉛系複合体
を形成する。
(第五工程) このようにして得られた焼結円筒体の外周面中央部、す
なわち黒鉛を主体とし該黒鉛中に金属ホウ化物あるいは
金属ホウ化物および炭化ホウ素が分散含有された摺動特
性に優れた黒鉛系複合体部分に機械加工により、その周
方向に規則正しく複数個の円孔を形成する。
このように第一工程から第五工程を経て、第1図乃至第
2図に示す黒鉛複合体からなる複数個の円孔Bを備えた
円筒状保持器Aが形成される。
図において、符号C7、C7が両端から幅方向に円孔B
の周縁までの領域に形成された黒鉛を主体とし該黒鉛中
に炭化ホウ素を分散含有した高強度の黒鉛系複合体部分
であり、符号C2が外周中央部に形成された黒鉛を主体
とし該黒鉛中に金属ホウ化物あるいは金属ホウ化物およ
び炭化ホウ素を分散含有した摺動特性に優れた黒鉛系複
合体部分である。
このようにして製造された円筒状保持器Aは第3図に示
すアンギュラ玉軸受の保持器として使用されて好適であ
る。
図において、符号3がアンギュラ玉軸受、4が外輪、5
が内輪、6が該保持器Aの円孔Bに嵌合抱持された転動
体(玉)である。
(ロ)第2の構成からなる保持器の製造方法。
(第一工程) 内面に中空円筒部1、中央にコアーロッド8を備えた黒
鉛型2を用意し、該黒鉛型lの中空円筒部2内に前記混
合粉末■を所定高さまで均一に充填し、圧粉する(第8
図中、符号■)。
(第二工程) 該圧粉された混合粉末■の上に、前記混合粉末■、混合
粉末■、混合粉末■のいずれかを所定高さまで均一に充
填し、圧粉して(第8図中、符号■もしくは■あるいは
■)、該中空円筒部1内に混合粉末■−混合粉末■(も
しくは混合粉末■あるいは混合粉末■)からなる二層の
圧粉体を形成する。
以下、前記と同様の工程を経て、一方の端部から幅方向
に所定幅の領域が黒鉛を主体とし該黒鉛中に炭化ホウ素
が分散含有された高強度の黒鉛系複合体、その他の領域
が黒鉛を主体とし該黒鉛中に金属ホウ化物あるいは黒鉛
を主体とし該黒鉛中に金属ホウ化物および炭化ホウ素が
分散含有された摺動特性に優れた黒鉛系複合体からなる
焼結円筒体を形成する。
このようにして得た焼結円筒体の外周面、すなわち黒鉛
を主体とし該黒鉛中に金属ホウ化物あるいは金属ホウ化
物および炭化ホウ素が分散含有された摺動特性に優れた
黒鉛系複合体部分に機械加工により、その周方向に規則
正しく周縁を接合面に接して複数個の円孔を形成すると
ともに該円孔に連続しかつ他方の端部に開口する溝を形
成し、第5図乃至第6図に示す黒鉛系複合体からなる複
数個の円孔Bと該円孔Bに連通し他端面に開口する溝り
を備えた円筒状保持器A1が形成される。
図において、符号CIが一方の端部から幅方向に円孔B
の周縁までの領域に形成された黒鉛を主体とし該黒鉛中
に炭化ホウ素を分散含有した高強度の黒鉛系複合体部分
であり、符号C2が黒鉛を主体とし該黒鉛中に金属ホウ
化物あるいは金属ホウ化物および炭化ホウ素を分散含有
した摺動特性に優れた黒鉛系複合体部分である。
このようにして製造された円筒状保持器AIは第7図に
示す深みぞ玉軸受の保持器として使用されて好適である
図において、符号7が傑みぞ玉軸受、4が外輪、5が内
輪、6が該保持器Aの円孔Bに溝りから嵌合され抱持さ
れた転動体(玉)である。
(ハ)第3の構成からなる保持器の製造方法。
(第一工程) 前記混合粉末■を使用し、所定の内径を有する円筒状圧
粉体を形成する。
(第二工程) 前記混合粉末■、混合粉末■、混合粉末■のいずれかの
混合粉末を使用し、前記第一工程で得た円筒圧粉体の外
径に等しい内径を有しかつ肉厚の円筒状圧粉体を形成す
る。
(第三工程) 前記混合粉末■を使用し、前記第二工程で得た円筒圧粉
体の外径に等しい内径を有する円筒状圧粉体を形成する
(第四工程) 黒鉛型2の中空円筒g!内のコアーロッド8の外周面に
、順次上記第一、第二および第三工程で得た円筒状圧粉
体を圧入嵌合し、該中空円筒部l内に円筒状圧粉体の重
合体を形成する(第11図中、符号■が第一工程および
第三工程で得た円筒状圧粉体、■が第二工程で得た円筒
状圧粉体である。)。
(第五工程) 該黒鉛型2の中空円筒部1内に形成された円筒状圧粉体
の重合体を、前述した加圧・加熱焼結条件で焼結し、円
Wi焼結体を得る。
このようにして得た円筒焼結体は内、外周縁からそれぞ
れ径方向に所定幅の領域が黒鉛を主体とし該黒鉛中に炭
化ホウ素を分散含有した高強度の黒鉛系複合体で形成さ
れ、その他の領域が黒鉛を主体とし該黒鉛中に金属ホウ
化物あるいは金属ホウ化物および炭化ホウ素を分散含有
した摺動特性に優れた黒鉛系複合体で形成される。
この円筒焼結体の中央部分、すなわち摺動特性に優れた
黒鉛複合体部分に円周方向に複数個の円孔を規則正しく
形成し、第9図に示す黒鉛複合体からなる複数個の円孔
Bを備えた円筒状保持器A2が形成される。
図において、符号C1、CIが内、外周縁からそれぞれ
径方向に所定幅の領域が黒鉛を主体とし該黒鉛中に炭化
ホウ素を分散含有した高強度の黒鉛系複合体部分であり
、符号C2が黒鉛を主体とし該黒鉛中に金属ホウ化物あ
るいは金属ホウ化物および炭化ホウ素を分散含有した摺
動特性に優れた黒鉛系複合体部分である。
このようにして製造された円筒状保持器A2は第10図
に示すスラスト玉軸受の保持器として使用されて好適で
ある。
図において、符号8がスラスト玉軸受、4が外輪、5が
内輪、6が該保持器A2の円孔B内に嵌合抱持された転
動体(玉)である。
上述した各製造方法における該保持器の高強度部分を形
成する混合粉末■において、主成分をなす仮焼ピッチコ
ークス粉末に配合される炭化ホウ素粉末は、加圧・加熱
焼結過程において、該コークス粉末の黒鉛化促進作用お
よび焼結促進作用としての役割を果たすとともに、得ら
れる焼結体く黒鉛体)中に分散含有されて、とくに該焼
結体の機械的強度の向上、高温領域における耐酸化消耗
性の向上に寄与する。
この炭化ホウ素の黒鉛化促進作用および焼結促進作用と
しての効果は、該コークス粉末に対し3重量%前後の配
合割合で現れるが、この程度の量では加圧・加熱焼結過
程中に炭化ホウ素のホウ素が全てコークスに固溶し、得
られた焼結体中に存在しないため、上述した焼結体の機
械的強度の向上、高温領域における耐酸化消耗性の向上
が不十分である。
したがって、保持器の高強度部分を形成する黒鉛系複合
体として好ましい性質を付与するためには、該コークス
に対し少なくとも5重量%以上の炭化ホウ素を配合する
必要がある。
この炭化ホウ素を該コークスに対し5重量%以上配合す
ることにより、焼結体中に炭化ホウ素が分散含有された
黒鉛複合体が得られ、該保持器の高強度部分に要求され
る機械的強度、耐酸化消耗性の向上が図れる。
しかし、この炭化ホウ素の配合割合が40重量%を超え
ると却って機械的強度を低下させる傾向を示す。
したがって、炭化ホウ素のコークスに対する配合割合は
5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%である。
保持器の摺動特性に優れた部分を形成する混合粉末■に
おいて、主成分をなす仮焼ピッチコークス粉末に配合さ
れる元素周期律表の第IVa族、第Va族および第VI
a族の金属のホウ化物粉末は、上述した炭化ホウ素と同
様、加圧・加熱焼結過程において、該コークス粉末の黒
鉛化促進作用および焼結促進作用としての役割を果たす
とともに、得られた焼結体(黒鉛体)中に分散含有され
て、とくに高温領域における摩擦摩耗特性の向上に寄与
する。
この金属ホウ化物はそれ自体、黒鉛や二硫化モリブデン
のような潤滑性を示さないが、黒鉛焼結体中に分散含有
されることにより、相手材表面への固体潤滑(黒鉛)被
膜の造膜性を助長し、乾燥摩擦における被膜の耐久性を
増大させ、かつ摩擦摩耗特性の向上をもたらすもので、
この傾向は高温領域において著しい。
そして、金属ホウ化物の該コークスに対する配合割合は
、5〜20重量%、好ましくは10〜15重量%が適当
である。
この金属ホウ化物を該コークスに対し20重量%を超え
て配合すると、焼結体の表面(摺動面)に露出する割合
が多くなり、摩擦摩耗特性の低下を来すようになる。
また、保持器の摺動特性に優れた部分を形成する混合粉
末■は上述した混合粉末■にさらに炭化ホウ素粉末を配
合したもので、上記混合粉末■から形成される黒鉛系複
合体の強度を向上させるものである。
そして、主成分をなす仮焼ピッチコークス粉末に対し、
元素周期律表の第IVa族、第Va族および第VIa族
の金属のホウ化物粉末は5〜20重量%、炭化ホウ素粉
末は5〜20重量%が適当である。
さらに、保持器の摺動特性に優れた部分を形成する混合
粉末■において、主成分をなす仮焼ピッチコークス粉末
に配合される元素周期律表の第■a族、第Va族および
第VIa族の金属の炭化物粉末は加圧・加熱焼結過程に
おいて、該金属炭化物とともに配合される炭化ホウ素粉
末の存在下で該炭化ホウ素と反応して金属ホウ化物を形
成するもので、得られた焼結体中に金属ホウ化物あるい
は金属ホウ化物および炭化ホウ素が分散含有され、上記
混合粉末■から形成される黒鉛系複合体と同様、高温領
域における摩擦摩耗特性の向上に寄与する。
そして、主成分をなす仮焼ピッチコークス粉末に対し、
元素周期律表の第IVa族、第Va族および第VIa族
の金属の炭化物粉末は5〜20重量%、炭化ホウ素粉末
は該金属炭化物粉末と同量もしくはそれ以上で5〜20
重量%の範囲で配合されて適当である。
この金属炭化物粉末と炭化ホウ素粉末との配合割合が同
量の場合は、該金属炭化物粉末は炭化ホウ素と加圧・加
熱焼結下で反応して全て金属ホウ化物に変化して黒鉛中
に分散含有され、また金属炭化物粉末の配合量が炭化ホ
ウ素粉末の配合量より少ない場合は、黒鉛中に炭化ホウ
素と加圧・加熱焼結下で反応して変化した金属ホウ化物
と炭化ホウ素が分散含有されることを確認している。
下表は上述した混合粉末から形成された黒鉛系複合体の
機械的強度(曲げ強度)および高温領域(500℃〉に
おける摩擦摩耗特性を試験した結果を示すものである。
(以下余白) 表中の摩擦摩耗特性は、つぎの試験条件により行った結
果である。
く試験条件〉 黒鉛複合体の寸法:長さ20mm、幅20mm s厚さ
7IIIIlのブロック状 相 手 材:外径18mm、内径14nv+、長さ2(
1wn+のステンレス鋼からなる筒状体 荷    重: 20 kg/Ctn’    速  
 度:5n+/win試 験 機:銘木式スラスト試験
機 摩耗量は試験時間10時間後に測定した値である。
「作用・効果」 上述した構成からなる本発明の高温用ころがり軸受の保
持器は以下の特有の作用効果を奏する。
転動体とのころがり接触部分は摺動特性に優れた黒鉛系
複合体で形成されているので、とくに高温領域での使用
において、該保持器から転動体表面に黒鉛被膜が形成さ
れ、該転動体が案内される内、外輪の軌道面に該転動体
から黒鉛被膜が移着形成されるので、安定したころがり
接触が行われる。
また、円孔周縁部分は高強度の黒鉛複合体で形成されて
いるので、該円孔内に転動体を嵌合するさい、当該部分
にヒビ割れ、破損を生じることがない。
「実施例」 以下、本発明の実施例について説明する。
この実施例は深みぞ玉軸受に使用される保持器について
である。
(原料粉末の調整) 粒度150μm以下の仮焼ピッチコークス粉末に、平均
粒度1.5μmの炭化ホウ素粉束30重量%配合し、混
合して該コークス粉末と炭化ホウ素粉末の均一な混合粉
末を得たく以下「混合粉末■」という)。
次に、粒度150μm以下の仮焼ピッチコークス粉末に
、平均粒度7μmのニホウ化クロム粉末(元素周期律表
の第IVa族)15重量%配合し、混合して該コークス
粉末とニホウ化クロム(CrB2)粉末の均一な混合粉
末を得た(以下「混合粉末■」という)。
(製造方法) 内面に中空円筒部1、中央にコアロッド8を備えた黒鉛
型2を用意し、該黒鉛型2の中空円筒部l内に前記混合
粉末■を充填し圧粉して該中空円筒部l内に混合粉末■
の圧粉体を形成したのち、該圧粉体の上に前記混合粉末
■を均一に充填し、圧粉して該中空円筒部1内に混合粉
末■−混合粉末■からなる二層の圧粉体を形成した(第
8図)該中空円筒部1内に形成した二層の圧粉体を圧力
220 kg/cm”の加圧下で、2200℃の温度で
加圧・加熱焼結し、二層の圧粉体が一体化した焼結円筒
体(黒鉛体)を得た。
この加圧・加熱焼結過程で、仮焼ピッチコークスは黒鉛
化され、該円筒体の混合粉末0部分は黒鉛を主体とし、
該黒鉛中に炭化ホウ素が分散含有された黒鉛系複合体に
、また混合粉末0部分は黒鉛を主体とし、該黒鉛中にニ
ホウ化クロムが分散含有された黒鉛系複合体に形成され
る。
このようにして得た焼結円筒体を、外径22 、3mm
、内径17 、5mm、幅7.1mm  (混合粉末0
部分の幅1゜1mm )の寸法に機械加工した。
ついで、上記寸法の焼結円筒体の混合粉末0部分に、周
縁が混合粉末■と混合粉末■の接合面に接するように円
周方向に直径4.86mmの円孔を規則正しく形成する
とともに該円孔に連続し、混合粉末■と反対側の端面に
開口する幅4.65mmの溝を形成し、二層の黒鉛系複
合体からなる保持器を得た(第6図)。
この保持器を、外輪外径28mm、内輪内径121(外
輪、内輪ともステンレスts (SLJS440C製)
)間に配列された窒化ケイ素(513N4)からなる直
径3716”  (4,76mm)の玉(8個)に装着
し、深みぞ玉軸受を形成したく第7図)。
このようにして形成した深みぞ玉軸受について、下記の
条件で摩擦摩耗特性を試験した。
く試験条件〉 軸受温度:300℃     回転数: 1100rp
ラジモ 試験Il:オリエンチック社製ラジアルジャーナル試験
機(^FT−9−1) 上記試験より、ころがり摩擦係数は0.008〜0゜O
l、軸受摩耗量(ラジアル隙間)は最大60t1mであ
った。
試験後の内、外輪の軌道面および玉の表面には黒鉛の薄
い被膜が形成されていることを確認したまた、試験後の
黒鉛系複合体からなる保持器にはなんらの損傷も認めら
れなかった。
一方、黒鉛単体で同様の保持器を形成し、同様の試験を
行ったが、このものは試験後、破損が認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図はアンギュラ玉軸受用保持器を示す斜視図、第2
図はその縦断面図、第3図はアンギュラ玉軸受を示す縦
断面図、第4図は第1図に示す保持器の製造方法を示す
縦断面図、第5図は深みぞ玉軸受用保持器を示す斜視図
、第6図はその縦断面図、第7図は深みぞ玉軸受を示す
縦断面図、第8図は第5図に示す保持器の製造方法を示
す縦断面図、第9図はスラスト玉軸受用保持器を示す平
面図、第10図はスラスト玉軸受を示す縦断面図、第1
1図は第9図に示す保持器の製造方法を示す縦断面図で
ある。 符号の説明 1 :中空円筒部    2:黒鉛型 A、AJ、A2:保持器  B:円孔 C1:高強度黒鉛系複合体部分 C2:摺動特性に優れた黒鉛系複合体部分特許出願人 
      オイレス工業株式会社第2図 第3図 第8図 第4図 第5図 第9図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)内輪と外輪の軌道面間にころがり案内される転動
    体を嵌合抱持する円筒状保持器であって、該保持器の周
    面には該転動体を嵌合抱持する複数個の円孔が形成され
    ており、該保持器はその両端からそれぞれ幅方向に該円
    孔の周縁までの領域が黒鉛を主体とし該黒鉛中に炭化ホ
    ウ素を分散含有した高強度の黒鉛系複合体で形成されて
    おり、その他の領域が黒鉛を主体とし該黒鉛中に金属ホ
    ウ化物あるいは金属ホウ化物および炭化ホウ素を分散含
    有した摺動特性に優れた黒鉛系複合体で一体的に形成さ
    れていることを特徴とする高温用ころがり軸受の保持器
    。 (2)内輪と外輪の軌道面間にころがり案内される転動
    体を嵌合抱持する円筒状保持器であって、該保持器の周
    面には該転動体を嵌合抱持する複数個の円孔が該保持器
    の一方の端面に開口する溝に連通して形成されており、
    該保持器は該溝と反対側の端面から幅方向に該円孔の周
    縁までの領域が黒鉛を主体とし該黒鉛中に炭化ホウ素を
    分散含有した高強度の黒鉛系複合体で形成されており、
    その他の領域が黒鉛を主体とし該黒鉛中に金属ホウ化物
    あるいは金属ホウ化物および炭化ホウ素を分散含有した
    摺動特性に優れた黒鉛系複合体で一体的に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の高温用ころがり軸受
    の保持器。(3)内輪と外輪の軌道面間にころがり案内
    される転動体を嵌合抱持する円筒状保持器であって、該
    保持器の端面にはその円周方向に該転動体を嵌合抱持す
    る複数個の円孔が形成されており、該保持器はその内周
    縁および外周縁からそれぞれ該円孔の周縁までの領域が
    黒鉛を主体とし該黒鉛中に炭化ホウ素を分散含有した高
    強度の黒鉛系複合体で形成されており、その他の領域が
    黒鉛を主体とし該黒鉛中に金属ホウ化物あるいは金属ホ
    ウ化物および炭化ホウ素を分散含有した摺動特性に優れ
    た黒鉛系複合体で一体的に形成されていることを特徴と
    する請求項1記載の高温用ころがり軸受の保持器。 (4)高強度の黒鉛系複合体は、仮焼ピッチコークス粉
    末を主成分とし、これに5〜40重量%の炭化ホウ素粉
    末を配合した混合粉末を加圧・加熱焼結して形成した焼
    結体からなることを特徴とする請求項1乃至3いずれか
    の記載の高温用ころがり軸受の保持器。 (5)摺動特性に優れた黒鉛系複合体は、仮焼ピッチコ
    ークス粉末を主成分とし、これに元素周期律表の第IVa
    族、第Va族および第VIa族の金属のホウ化物粉末5〜
    20重量%配合した混合粉末を加圧・加熱焼結して形成
    した焼結体からなることを特徴とする請求項1乃至3い
    ずれかの記載の高温用ころがり軸受の保持器。 (6)摺動特性に優れた黒鉛系複合体は、仮焼ピッチコ
    ークス粉末を主成分とし、これに元素周期律表の第IVa
    族、第Va族および第VIa族の金属のホウ化物粉末およ
    びあるいは金属の炭化物粉末5〜20重量%および炭化
    ホウ素粉末5〜20重量%配合した混合粉末を加圧・加
    熱焼結して形成した焼結体からなることを特徴とする請
    求項1乃至3いずれかの記載の高温用ころがり軸受の保
    持器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03272320A (ja) * 1990-03-20 1991-12-04 Toyo Tanso Kk 転がり軸受用保持器部材及びこれを組み込んだ転がり軸受
CN102852977A (zh) * 2012-08-30 2013-01-02 上海斐赛轴承科技有限公司 闭式碳石墨保持器滚动轴承及制作方法
WO2013042579A1 (ja) * 2011-09-22 2013-03-28 Ntn株式会社 固体潤滑転がり軸受

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