JPH0240117B2 - Kinzokukakoyusoseibutsu - Google Patents

Kinzokukakoyusoseibutsu

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JPH0240117B2
JPH0240117B2 JP10723883A JP10723883A JPH0240117B2 JP H0240117 B2 JPH0240117 B2 JP H0240117B2 JP 10723883 A JP10723883 A JP 10723883A JP 10723883 A JP10723883 A JP 10723883A JP H0240117 B2 JPH0240117 B2 JP H0240117B2
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JP10723883A
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Hiroshi Kuwamoto
Hiroyuki Nagamori
Takashi Mukai
Tomoya Izushi
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Kao Corp
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Kao Corp
Nippon Kokan Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規な金属加工油組成物、更に詳しく
は、特定の水溶性高分子化合物を含有するミルク
リーン圧延油に関する。 冷間圧延において、近年、クリーニング工程を
省略することを目的としたミルクリーン圧延油が
使用される傾向にある。このミルクリーン圧延油
に要求される重要な特性は、(i)焼鈍時に圧延油中
の炭素成分による板表面の汚れがなく、美麗な表
面品質が得られること(耐焼鈍汚れ性又はミルク
リーン性と称する)及び(ii)圧延時に潤滑性が良好
で、ヒートストリークと呼ばれる焼付現象やチヤ
タリングと呼ばれる振動現象が生じないこと(潤
滑性と称する)の2点である。 ここで(i)の耐焼鈍汚れ性(ミルクリーン性)を
良くするため、焼鈍時、残留炭素分の原因となり
やすい脂肪酸、油脂および有機高分子化合物の圧
延油中への添加を可能な限り減少させ、揮発又は
分解し易い構造の化合物、即ち鉱物油および合成
エステル等を主成分にした圧延油を使用している
のが現状である。しかしながら、このような圧延
油は材料への吸着性が劣り、ロール接触弧内にお
ける油膜形成力も弱く、本質的に潤滑性が劣るこ
とになる。(ii)の潤滑性を良くしようとすると、牛
脂系圧延油に代表されるように、油脂、脂肪酸等
を多用することとなり、前述とは逆に耐焼鈍汚れ
性に劣ることになる。 クリーニング工程を省略することを目的とした
ミルクリーン圧延油はこのような相反する2つの
特性を必要とするため、現在実用化されているミ
ルクリーン圧延油は、仕上げ板厚が比較的厚く、
圧延条件が厳しくないシートゲージ材(例えば、
板厚0.8mm程度以上)に適用されているにすぎな
い。 その他、圧延油を長期的に使用する場合、循環
使用中の圧延油エマルジヨンが経時的に劣化して
潤滑特性が悪くなつたり、ロールや圧延材料から
の微細な鉄粉、圧延油の劣化物および圧延機の軸
受油等の混入及び油中の鉄石鹸の増大などによつ
て圧延油のミルクリーン性を悪化させるという問
題もある。 そこで、本発明者は、従来の冷間圧延油の欠点
を克服し、上記(i)及び(ii)の条件を具備した冷間圧
延用潤滑油を提供せんと鋭意研究を行つた結果、
特定の水溶性高分子化合物、不対電子対を有する
硫黄の単体又は化合物、更にまた脂肪酸エステル
及び鉱物油から選ばれる1種又は2種以上の潤滑
油成分を添加配合した金属加工油が優れた効果を
奏することを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、(a)40℃における粘度が5
〜300センチストークスの鉱物油及び脂肪酸エス
テルから選ばれる1種又は2種以上の潤滑油成
分、(b)分子量1000〜1000万の分子中に窒素原子を
含有する陽イオン性又は両性イオン性の付加重合
物、開環重合物、重縮合物あるいは天然高分子化
合物類から選ばれる1種又は2種以上の水溶性高
分子化合物、並びに(c)不対電子対を有する硫黄の
単体又は化合物の1種又は2種以上を必須成分と
して含有する金属加工油組成物を提供するもので
ある。 本発明の(a)成分中の鉱物油としては、例えばス
ピンドル油、マシン油、タービン油、シリンダー
油等が挙げられ、それらは40℃における粘度が5
〜300センチストークスのものであることが必要
である。 (b)成分の水溶性高分子化合物としては次の〜
のものが挙げられる。 次の一般式()〜()で表わされる含窒
素単量体又はその塩の単独重合物あるいは2種
以上の共重合物。 〔R1はH又はCH3、R2及びR3はH又は炭素
数1〜3のアルキル基〕 〔m1は1〜3の数、n1は1〜3の数、R1
R2、R3は式()と同じ〕 〔R4はH又は炭素数1〜3のアルキル又は
アルキロール基、R1は式()と同じ〕 〔m2及びn2は0〜3の数、R1、R2、R3は式
()と同じ〕 〔Aは−O−又は−NH−、R1、R2、R3
n1は式()及び()と同じ〕 〔R1、R2、R3、n1は式()及び()と
同じ〕 〔R1は式()と同じ。ピリジンの置換位
は2又は4位〕 〔R1、R2は式()と同じ。ピペリジンの
置換位は2又は4位〕 〔R1、R2、R3は式()と同じ〕 ()式のジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、ジエチルア
ミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミド、ジエチルアミノプロピ
ルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメ
タクリルアミド、ジエチルアミノプロピルメタ
クリルアミド等;()式のジメチルアミノエ
チルエチレン、ジエチルアミノメチルエチレ
ン、ジメチルアミノメチルプロペン、ジエチル
アミノメチルプロペン等;()式のビニルピ
リジン等;()式のビニルピペリジン、ビニ
ル−N−メチルピペリジン等;()式のビニ
ルベンジルアミン、ビニル−N,N−ジメチル
ベンジルアミン等が挙げられる。 前記一般式〜で表わされる含窒素単量体
又はその塩の1種又は2種以上と、α,β−不
飽和カルボン酸又はその塩あるいはそのアマイ
ド化物、エステル化物若しくは酸無水物、スル
ホンサン基含有ビニル化合物又はその塩、アク
リロニトリル、ビニルピロリドン及び炭素数2
〜20の脂肪族オレフインから成る群から選ばれ
るビニル系単量体の1種又は2種以上との共重
合物。 このビニル系単量体としては、例えばビニル
ピロリドン、アクリロニトリル;アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸又はこれらの酸のア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩、アマイド化合
物もしくはエステル化物;ビニルスルホン酸、
メタリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸
又はこれらの酸のアルカリ金属塩もしくはアン
モニウム塩等が挙げられる。 エチレンイミンの開環重合物類の塩又は第4
級アンモニウム塩又はこれらの誘導体。 これは具体的にはその繰返し単位が次の一般
式(XI)で表わされ、平均分子量が1000〜1000
万のものが挙げられる。 〔式中、n3は1〜5の整数、n4は0〜5の整
数を示す。〕 脂肪族ジカルボン酸とポリエチレンポリアミ
ン又はジポリオキシエチレンアルキルアミンと
の縮重合物の塩又は第4級アンモニウム塩。 具体的には、それらの繰返し単位が一般式
(XII)で表わされるポリエチレンポリアミンと
の縮重合物及び一般式(XII)で表わされるジポ
リオキシエチレンアルキルアミンとの縮重合物
で分子量が1000〜1000万のものが挙げられる。 −〔OC−R7−CONH−(R′−NH−)o 5R′−NH−〕
(XII) 〔式中、R7はダイマー酸残基又は炭素数1
〜10のアルキレン基、R′は−CH2CH2−、n5
2〜7の整数を示す〕 〔式中、R9は式(XII)と同じ。R8は炭素数
1〜8のアルキル基、R9はH又はCH3、n6
びn7は1〜10の整数を示す〕 上記脂肪族ジカルボン酸としては、ダイマー
酸、アジピン酸等が挙げられ、ポリエチレンポ
リアミンとしては、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン等が使用できる。 ジハロアルカン−ポリアルキレンポリアミン
縮重合物。 具体的には、1,2−ジクロルエタン、1,
2−ジブロムエタン、1,3−ジクロルプロパ
ン等のジハロアルカンと、分子内に2個もしく
はそれ以上の3級アミン基を有するポリアルキ
レンポリアミンとの第4級アンモニウム塩であ
る縮重合物であり、その平均分子量が1000〜
1000万のものが挙げられる。 上記ポリアルキレンポリアミンとしては、次
のものが挙げられる。 エピハロヒドリン−アミン縮重合物 具体的には繰返し単位が次の一般式()
で表わされ、平均分子量が1000〜1000万のもの
が挙げられる。 〔式中、R10〜R12はCH3又はC2H5、Xは
ハロゲンイオンを示す〕 カチオン化デンプン、カチオン化セルロー
ス、又はキトサンの塩、又はキトサンの4級
塩。 窒素原子6〜200個を有するポリアルキルイ
ミン類にアルキレンオキシドを付加して得られ
る分子量600〜60万のポリエーテルポリオール
又はポリエーテルポリオール類(ポリエーテル
ポリオール末端のOHのエステル化物を含む;
以下同様)。 ポリアルキレンポリアミン類は分子内に下記
()式にて示す骨格を連続して5ケ以上有
し、且つそれらのうち1ケ以上は下記()
式に示す骨格であり、末端がOH及び又はHH2
である窒素原子6〜100個を含むポリエチレン
イミンであるのが好ましい。 また、ポリエーテルポリオール中のアルキレ
ンオキシドがエチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、スチレンオキシド、ブチレンオキシド
から成る群から選ばれる1種又は2種以上のも
のであり、その含有量がポリエーテルポリオー
ルの3〜80重量%であるのが好ましい。 上記〜の重縮合物は、その平均分子量が
1000〜100万のものがより好ましい。 これらの水溶性高分子化合物は塩の形であるの
が好ましく、その塩を形成する対アニオンとして
は硼酸又は次の(i)〜(v)で表わされるリン酸化合物
が挙げられる。 (i) リン酸、亜リン酸又はこれらのチオ又はエス
テル化合物。 (ii) アルキル、アルキルアリル又はアリル基に1
個以上の水酸基を有するモノもしくはジリン酸
エステル又はこれらのチオ化合物。 (iii) 炭素数1〜8のアルキル、アルキルアリル又
はアリル基を有するモノ又はジホスホン酸類又
はこれらのチオ化合物。 (iv) 炭素数1〜8のアルキル、アルキルアリル又
はアリル基を有するモノ又はジホスフイン酸類
又はこれらのチオ化合物。 (v) 窒素原子を含有するモノ又はジ又はトリホス
ホン酸。 このリン酸化合物の具体例としては次のものが
例示される。 (i)のものとしては、正リン酸、亜リン酸、炭素
数1〜8の脂肪族又は脂環族又は芳香族アルコー
ルと正リン酸とのモノ又はジリン酸エステル又は
これらのチオ化合物、又は上記アルコールとの亜
リン酸エステル又はこれらのチオ化合物が例示さ
れる。(ii)のものとしては2−ヒドロキシプロピル
ホスフエートが例示される。(iii)のものとしては、
一般式 (R0、R0′は炭素数1〜8のアルキル基、アル
キルアリル基又はアリル基)で表わされるホスホ
ン酸、例えば炭素数1のメチルホスホン酸、ジメ
チルホスホン酸から炭素数8のn−オクチルホス
ホン酸、ジn−オクチルホスホン酸、2−エチル
ヘキシルホスホン酸、ジ−2−エチルヘキシルホ
スホン酸、ベンジルホスホン酸、ジベンジルホス
ホン酸、フエニルホスホン酸、ジフエニルホスホ
ン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、並びにこ
れらのチオホスホン酸が例示される。ヒドロキシ
エタンジホスホン酸は次の式で表わされる化合物
である。 (iv)のものとしては、一般式 (R0、R0′は前記と同じ)で表わされるホスフ
イン酸、例えば炭素数1のメチルホスフイン酸、
ジメチルホスフイン酸から炭素数8のn−オクチ
ルホスフイン酸、ジn−オクチルホスフイン酸、
2−エチルヘキシルホスフイン酸、ジ−2−エチ
ルヘキシルホスフイン酸、ベンジルホスフイン
酸、ジベンジルホスフイン酸、フエニルホスフイ
ン酸、ジフエニルホスフイン酸、並びにこれらの
チオホスフイン酸が例示される。(v)のものとして
は、テトラメチルホスホリツクジアミド又はジメ
チルホスホリツクモノアミド、ニトリロトリスメ
チレンホスホン酸が例示される。ニトリロトリス
メチレンホスホン酸は次の式で表わされる化合物
である。 また(c)成分としては、硫黄単体、亜硫酸又は脂
肪族、脂環族もしくは芳香族の炭化水素基を有す
るメルカプタン、スルフアイド(チオフエン類を
含む)、ジ−、トリーポリスルフアイド等が挙げ
られる。 更にまた(a)成分中の脂肪酸エステルは、炭素数
8〜22の脂肪酸と1価又は多価アルコールから成
るエステルが好ましい。当該アルコールのアルキ
ル鎖は直鎖でも又分岐鎖を有していてもよく、そ
の代表的なものとしては次のものが挙げられる。
すなわち、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、iso−ブチルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、1−メチルプロピル
アルコール、2−メチルプロピルアルコール、n
−アミルアルコール、sec−アミルアルコール、
iso−アミルアルコール、ter−アミルアルコー
ル、ネオペンチルアルコール、ペンタエリスリト
ール、n−ヘキシルアルコール、メチルイソブチ
ルカルビノール、メチルアミルカルビノール、n
−ヘブチルアルコール、n−オクチルアルコー
ル、カブリルアルコール、n−ノニルアルコー
ル、ジイソブチルカルビノール、n−デシルアル
コール、n−ウンデシルアルコール、ラウリルア
ルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルア
ルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコ
ール、イソステアリルアルコール、オレイルアル
コール、エチレングリコール、1,2−及び1,
3−プロピレングリコール、1,2−、1,3−
及び1,4−ブタンジオール、ベンタンジオー
ル、ネオベンチルグリコール、ヘキサンジオー
ル、トリメチルヘキサンジオール、デカンジオー
ル、ドデカンジオール、2,2−ジメチル−1,
3−プロパンジオール−2,2−ジメチル−3−
ヒドロキシプロピオネート、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、トリプロピ
レングリコール、テトラプロピレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,1−
シクロヘキサン−ジメタノール、パーヒドロビス
フエノール、グリセリン、1,2,4−ブタント
リオール、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリ
トリツト、四炭糖、ビス及びトリスートリメトリ
ルプロパン、五炭糖、2,2,6,6−テトラキ
ス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサノール、
六炭糖、ジペンタエリトリツト、トリペンタエリ
トリツト及び1分子当りの平均炭素数が60より多
くないようなこれらのポリオールの酸化エチレン
又は酸化プロピレン付加物等が挙げられる。 本発明の金属加工油組成物は、上記各成分を配
合することによつて調製されるが、その配合量
は、水溶性高分子化合物は鉱物油の0.1〜20重量
%(以下単に%と表示する)、好ましくは0.1〜10
%、硫黄の単体又は化合物は全組成の1〜5%、
脂肪酸エステルは5〜50%が好ましい。 本発明の金属加工油組成物には、上記成分の
他、必要に応じて公知の各種添加剤、例えば防錆
剤、油性向上剤、極圧剤、酸化防止剤等を添加す
ることもできる。 上記各種添加剤は、必要に応じ金属加工油組成
物全量に対して、それぞれ0〜2%、0〜20%、
0〜3%、0〜5%、の割合で添加することがで
きる。 防錆剤としては、アルケニルコハク酸及びその
誘導体、オレイン酸などの脂肪酸、ソルビタンモ
ノオレエレートなどのエステル又は、その他アミ
ン類等が、油性向上剤としては、オレイン酸、ス
テアリン酸等の高級脂肪酸及びその誘導体である
エステル又はダイマー酸等の二塩基酸が、また、
極圧剤としては、トリクレジルホスフエートなど
のリン系化合物及びジアルキルジチオリン酸亜鉛
などの有機金属化合物が、酸化防止剤としては、
2,4−ジt−ブチルp−クレゾールなどのフエ
ノール系化合物、フエニルα−ナフチルアミンな
どの芳香族アミン等がそれぞれ例示される。 本発明の金属加工油組成物は、上記各成分を単
に用時混合するか、あるいは、水分量が80%位ま
での濃厚溶液として調製しておき、使用時水で希
釈することにより使用される。 斯くして得られる本発明の金属加工油組成物
は、高剪断力を有する撹拌条件下に比較的大きな
粒径で安定した粒度分布を与え、高潤滑圧延性能
を有し、経時変化の少ない金属加工油を提供する
と共に、次のような特長を有する。すなわち、本
発明で用いられる水溶性高分子化合物自身、液体
や固体粒子に速やかに吸着し、それらを親水化す
る能力を持つてはいるが、水と油の界面張力を下
げて乳化する能力は持ち合せていないので、潤滑
油成分の乳化が起らず従来の乳化剤を用いた金属
加工油に比べて、実操業中に混入する汚れ油分
や、ダル粉等の夾雑物のいわゆる抱き込み現象も
少ない。常時クリーンな金属加工油として高潤滑
特性を保持し、且つ加工材表面の清浄化が計れ、
焼鈍等の後工程での表面汚れが少ないという優れ
た点がある。また、上記両成分の機能により、作
業環境の汚れが改善され、廃水処理性にも優れて
いるため、従来の乳化剤を用いた圧延油には見ら
れない、クリーンな作業環境を実現するという優
れた特徴を有する。 本発明の鉱物油又は脂肪酸エステル、水溶性高
分子化合物及び硫黄単体又は化合物の併用による
作用機構は完全には解明されていないが、おおよ
そ次の如くであると考えられる。すなわち、水層
に完全均一に溶解した水溶性高分子化合物が、機
械的な剪断力に応じて微粒子化した潤滑油成分の
粒子を、合一の始まる以前に吸着し、その高分子
化合物が油粒子どうしを一種の凝集作用によつて
大きな粒子とし、更にその高分子化合物の立体的
かつ電気的保護コロイド作用によりその大きな粒
子を水中に安定に分散せしめている。これは、特
開昭55−147593号の水溶性陰イオン高分子化合物
の場合、油粒子に対する凝集作用が弱いため、微
細粒子のまま保護コロイド的に安定化されてしま
い、一旦微細化された油粒子を大きな粒子に回復
できないのと相違する。 更にこれら水溶性高分子化合物は、潤滑油成分
の他に、金属粉や所謂加工時発生するスカム自身
をも親水性化し保護コロイド作用により安定化さ
せるところから、潤滑油成分中へのこれら汚れの
混入がなく、常時クリーンな加工油とする事が出
来る事や水溶性高分子化合物は、汚れ等の清浄作
用を有する事等に関連し、加工時、加工材表面を
より清浄化できる事から、例えば焼鈍時の加工材
中から表面へのカーボンの析出や所謂エツジカー
ボン等の品質上のトラブルを抑制する効果を有す
る硫黄化合物の作用をより発揮されると考えられ
る。 次に実施施例を挙げて説明する。 水溶性高分子化合物: (A) ジエチルアミノメチルメタクリレートの重合
物をリン酸塩としたもの(MW=30万) (B−1) ジエチルアミノエチルメタクリレー
トの硼酸塩/ビニルピロリドン/アクリル酸ソ
ーダ=5/4/1(モル比で示す。本表におい
て以下同じ)である共重合物(NW=20万) (B−2) ジエチルアミノエチルメタクリレー
トの硼酸塩/ビニルピロリドン/アクリル酸ソ
ーダ=5/4/1(モル比で示す。本表におい
て以下同じ)である共重合物(MW=5万) (B−3) 〃 (MW=1500) (C) ジエチルアミノエチルメタクリレートのリン
酸塩/メタクリル酸ソーダ=4/5の共重合物
(MW=2万) (D−1) エチレンイミンのリン酸塩の開環重
合物(MW=10万) (D−2) エチレンイミンの亜リン酸塩の開環
重合物(MW=700) (D−3) ポリエチレンイミン(MW=1万)
に対し20%となるようにプロピオン酸を反応さ
せたものを、リン酸塩としたもの。 (E) ジメチルアミノエチルメタクリレートのエチ
ルホスホン酸塩/2−アクリルアミノ−2−メ
チルプロパンスルホン酸ソーダ=4/1の共重
合物(MW=10万) (F) ビニルピリジンのリン酸塩/ビニルピロリド
ン/アクリル酸ソーダ=6/3/1の共重合物
(MW=45万) (G) ジエチレントリアミンのチオリン酸塩と
ダイマー酸の重縮合物(MW=80万) (H) ジエチルアミノエチルメタクリルアミド
のリン酸塩/アクリル酸ソーダ/ビニルスルホ
ン酸ソーダ=3/1/1の共重合物(MW=40
万) (I) 水溶性高分子化合物(D)のエチレンイ
ミンのリン酸塩を硼酸塩としたもの。 (J) カチオン化セルロースの第4級アンモニ
ウム塩(MW=100万) (K) 1,2−ジクロルエタンとヘキサメチレ
ンテトラミンのリン酸塩の重縮合物(MW=5
万) (L) エピクロルヒドリンのトリメチルアミン
第4級アンモニウム化合物の亜リン酸塩の開環
重合物(MW=10万) (M) テトラメチルプロピレンジアミンのジエ
チルホスホン酸による第4級アンモニウム塩の
重縮合物(MW=10万) (N) 2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸の単独重合物のNa塩(MW=2
万) (O) 2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸/アクリルアミド=3/1の共重
合物のNa塩(MW=3万) (P) 水溶性高分子化合物(E)のジメチルアミノ
エチルメタクリレートのエチルホスホン酸塩を
塩酸塩としたもの。 (Q) 水溶性高分子化合物(D)のエチレンイミン
のリン酸塩を酢酸塩としたもの。 (R) ビニルピリジンのジメチル硫酸による第
4級アンモニウム塩/ビニルピロリドン/アク
リル酸ソーダ=6/3/1の共重合物(MW=
45万) (S) ポリエチレンイミンにエチレンオキシド
をポリエチレンイミンに対して20%付加し亜リ
ン酸塩としたもの(MW=5万) (T) ポリエチレンイミンにエチレンオキシド
をポリエチレンイミンに対して30%とプロピレ
ンオキシドをポリエチレンイミンに対して30%
付加しリン酸塩としたもの(MW=15万) (U) エチレンイミンのホスホン酸塩/ジメチ
ルアミノエチルメタクリレートのエチルホスフ
イン酸塩=1/1の共重合物(MW=6万) 鉱物油: (1) 20センチストークス/40℃ (2) 100センチストークス/40℃ (3) 250センチストークス/40℃ 脂肪酸エステル: (1) ステアリン酸と2−エチルヘキシルアルコー
ルとのモノエステル。 (2) ペンタエリスリトールの牛脂脂肪酸エステ
ル。 (3) ヤシ油脂肪酸とステアリルアルコールとのモ
ノエステル。 硫黄化合物: (1) ラウリルメルカプタン (2) オクチルジスルフアイド (3) チオフエン (4) ジエチルスルホキシド 酸化防止剤:2,4−ジt−ブチル・p−クレゾ
ール 極圧剤:リン酸エステル系 乳化剤:ポリオキシエチレンノニルフエニルエー
テル(HLB=10.6)
【表】
【表】 比較品No.1 鉱物油(40cs/40℃) 70% 牛脂脂肪酸2−エチルヘキシルエステル 20% 牛脂脂肪酸 5% 極圧剤(リン酸エステル系) 2% 酸化防止剤 1% 乳化剤 2% 比較品No.2 ブチルステアレート 60(%) 牛肪 30 牛脂脂肪酸 2 乳化剤 2 酸化防止剤 1 極圧剤(リン酸エステル系) 1 比較品No.3 パーム油脂肪酸メチルエステル 95(%) 牛脂脂肪酸のダイマー酸 5 乳化剤 2 極圧剤(リン酸エステル系) 1 酸化防止剤 1 比較品No.4 鉱物油(50cst/40℃) 88(%) 牛 脂 3 ダイマー酸 5 酸化防止剤 1 乳化剤 2 極圧剤(リン酸エステル系) 1 比較品No.5 牛 脂 94(%) 牛脂脂肪酸 2 乳化剤 2 極圧剤(リン酸エステル系) 1 酸化防止剤 1 実施例 1 耐焼付荷重試験(フアレツクス試験法) 耐焼付荷重の測定は、ASTM規格D−3233耐
圧荷重試験(フアレツクス試験)に準じておこな
つた。被検試料の調製は、各金属加工油組成物を
水で3%濃度に希釈し、これをホモミキサーによ
り回転数10000rpmで撹拌することによりおこな
つた。被検試料の塗布は、上記撹拌溶液をスプレ
ー量50ml/分(圧力0.5Kg/cm2)、分散液温度50℃
の条件でギヤーポンプを使用し、固定ブロツクの
中心の回転ピンに塗布する方法によつた。 結果は第2表のとおりである。
【表】
【表】 実施例 2 焼付荷重試験(曽田四球式試験法) 焼付荷重の測定は、防衛庁暫定規格NDS
XXK2740油膜強度試験方法(曽田四球式試験法)
に準じて行つた。被検試料の調製は、各金属加工
油組成物を水で3%濃度に希釈し、これをホモミ
キサーにより回転数10000rpmで撹拌することに
より行つた。被検試料の塗布は、上記撹拌溶液を
スプレー量0.5/分(圧力0.5Kg/cm2)、試料溶
液温度50℃の条件でギヤーポンプを使用し、球押
え固定した3個の試験用鋼球の下方から3個の接
触点の中心の空間を通して上方の回転鋼球に塗布
する方法によつた。 結果は第3表のとおりである。
【表】
【表】 実施例 3 廃水処理性試験 実施例2と同様に調整した被検液(1)に硫
酸バン±3g添加後、2分間撹拌し、更にCa
(OH)2を添加しPH7.0に調整してから10分間撹拌
した。次いで30分静置後下澄液を採取し、COD
(KMnO4)を測定した。その結果は第4表のと
おりである。
【表】 実施例 4 粒子径測定 被検試料の調整は、各金属加工油組成物を水で
3%濃度に希釈し、これを温度60℃とし、ホモミ
キサーにより回転数10000rpmで60分間撹拌する
ことによりおこなつた。 被検試料の粒子径測定はコールターカウンター
法により、200μmのアパーチヤーを使用しておこ
なつた。 結果は第5表のとおりである。
【表】
【表】 実施例 5 焼鈍後の板面清浄性試験 被検試料の調整は各金属加工油組成物を溶剤に
溶解し、表面清浄した鋼板(150×150×0.2mm)
に対して0.5g/m2塗布し2枚重ねにし、50Kg/cm2
の圧力で加圧圧下したものを焼鈍に供した。焼鈍
条件は、無酸化マツフル炉(均熱部容量巾130×
高さ110×奥行370mm)を使用して、昇温時間1.5
時間、焼鈍時間2時間、温度700℃、ガス流量
0.035m2/時間(5%水素、窒素ガス)とした。 板面清浄性は、最も汚れの激しいものを5とし
た目視判定による5段階比較法によつておこなつ
た。 結果は第6表のとおりである。
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a)40℃における粘度が5〜300センチストー
    クスの鉱物油及び脂肪酸エステルから選ばれる1
    種又は2種以上の潤滑油成分、(b)分子量1000〜
    1000万の分子中に窒素原子を含有する陽イオン性
    又は両性イオン性の付加重合物、開環重合物、重
    縮合物あるいは天然高分子化合物類から選ばれる
    1種又は2種以上の水溶性高分子化合物並びに(c)
    不対電子対を有する硫黄の単体又は化合物の1種
    又は2種以上を必須成分として含有することを特
    徴とする金属加工油生物。 2 水溶性高分子化合物の量が、鉱物油の0.1〜
    20重量%である特許請求の範囲第1項記載の金属
    加工油組成物。 3 不対電子対を有する硫黄の単体又は化合物の
    量が、全組成の1〜5重量%である特許請求の範
    囲第1項記載の金属加工油組成物。 4 水溶性高分子化合物が次の〜から成る群
    から選ばれるものである特許請求の範囲第1項記
    載の金属加工油組成物。 次の一般式()〜()で表わされる含窒
    素単量体又はその塩の単独重合物あるいは2種
    以上の共重合物。 〔R1はH又はCH3、R2及びR3はH又は炭素
    数1〜3のアルキル基〕 〔m1は1〜3の数、n1は1〜3の数、R1
    R2、R3は式()と同じ〕 〔R4はH又は炭素数1〜3のアルキル又は
    アルキルロール基、R1は式()と同じ〕 (m2及びn2は0〜3の数、R1、R2、R3は式
    ()と同じ〕 〔Aは−O−又は−NH−、R1、R2、R3
    n1は式()及び()と同じ〕 〔R1、R2、R3、n1は式()及び()と
    同じ〕 〔R1は式()と同じ。ピリジンの置換位
    は2又は4位〕 〔R1、R2は式()と同じ。ピペリジンの
    置換位は2位又は4位〕 〔R1、R2、R3は式()と同じ〕 〔R5、R6は炭素数1〜3のアルキル基、
    m3、n2は式()と同じ〕 前記一般式()〜()で表わされる含窒
    素単量体又はその塩の1種又は2種以上と、
    α,β−不飽和カルボン酸又はその塩あるいは
    そのアマイド化物、エステル化物若しくは酸無
    水物、スルホン酸基含有ビニル化合物又はその
    塩、アクリロニトリル、ビニルピロリドン及び
    炭素数2〜20の脂肪族オレフインから成る群か
    ら選ばれるビニル系単量体の1種又は2種以上
    との共重合物。 エチレンイミンの開環重合体の塩又は第4級
    アンモニウム塩。 脂肪族ジカルボン酸とポリエチレンポリアミ
    ン又はジポリオキシエチレンアルキルアミンと
    の縮重合物の塩又は第4級アンモニウム塩。 ジハロアルカン−ポリアルキレンポリアミン
    縮重合物。 エピハロヒドリン−アミン縮重合物。 カチオン化デンプン、カチオン化セルロー
    ス、又はキトサンの塩、又はキトサンの4級
    塩。 窒素原子6〜20個を有するポリアルキルイミ
    ン類にアルキレンオキサイドを付加して得られ
    る分子量600〜60万のポリエーテルポリオール
    類。 5 含窒素単量体と共重合するα,β−不飽和カ
    ルボン酸類がアクリル酸、メタアクリル酸、マレ
    イン酸又はそれらのアルキルアマイド、アルキル
    エステル又はアクリロニトリルであり、その塩が
    アルカリ金属又はアンモニウムである特許請求の
    範囲第4項記載の金属加工油組成物。 6 含窒素単量体と共重合するスルホン酸基含有
    ビニル化合物がビニルスルホン酸、メタリルスル
    ホン酸、又はp−スチレンスルホン酸であり、そ
    の塩がアルカリ金属又はアンモニウムである特許
    請求の範囲第4項記載の金属加工油組成物。
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