JPH0237861Y2

JPH0237861Y2 -

Info

Publication number: JPH0237861Y2
Application number: JP6504384U
Authority: JP
Priority date: 1984-05-01
Filing date: 1984-05-01
Publication date: 1990-10-12
Also published as: JPS60178051U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は海中展望塔に関するものである。

従来例の構成とその問題点従来の海中展望塔は、先ず塔壁となる塔状体を
工場にて製作し、これを海上輸送で施工現場に持
ち込んで、予め海底に設けておいたコンクリート
基礎上に立設固定する施工方法が採られている。
しかしながら、このような従来の施工方法による
と、静穏な海域・天候時には問題はないが荒海や
風雨時にはすこぶる施工上の自由度がないという
問題があつた。また、岩礁などがある場合、大型
の運搬船や作業船は現場に入ることができず、作
業時間が限られてしまうという問題があつた。

考案の目的本考案は上記従来の問題を解消する海中展望塔
を提供することを目的とする。

考案の構成上記目的を達成するため、本考案の海中展望塔
は、海底に設けられたコンクリート基礎と、この
コンクリート基礎の上に、多数のセグメントを互
いに接合して設けられた塔壁とを有する構成とし
たものであり、これにより、施工上の自由度を増
すことができるとともに、小型船でも施工を行う
ことができるものである。

実施例と作用以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図および第２図に、先ず本考案に係る海中
展望塔の完成状態を示す。図において、１は海底
２に設けられたコンクリート基礎、３はコンクリ
ート基礎１の上に設けられた円筒状の塔壁で、多
数の円弧状セグメント４を互いに接合することに
よつて構成されている。円弧状セグメント４のう
ち、適当なものには海中展望窓５が設けられてお
り、接合に際しては、互いの垂直接合面６および
水平接合面７を突き合わせるようにして、かつ下
段セグメント４の垂直接合面６と、上段セグメン
ト４の垂直接合面６の位置が互いに食い違うよう
に配設されている。８は塔壁３の海上部分に設け
られた展望台である。なお、塔壁３の形状は、本
実施例のように円筒状であると水圧に耐えるのに
適しているが、必ずしも円筒状に限られるもので
はない。

第３図〜第６図に前記円弧状セグメント４の構
成と、接合部の構成を示す。すなわち、各円弧状
セグメント４の上端縁外周と下端縁外周にはフラ
ンジ部９が形成され、これらが上段または下段に
隣り合う円弧状セグメント４のフランジ部９に接
合される構成とされている。１０は各フランジ部
９に設けられた多数の接合用貫通孔である。接合
に際しては、第５図に示すように、上下のフラン
ジ部９の接合用貫通孔１０間にボルト１１を通す
とともに、フランジ部９間にシール材１２を挾
み、ボルト１１をナツト１３で締め付けて固定す
る手段が採られる。なお、最下段の円弧状セグメ
ント４の固定は、コンクリート基礎１から突出さ
せたアンカーボルト１４を、比較的大きく形成し
たフランジ部９の接合用貫通孔１０に通し、これ
をナツト１５で締め付けて固定する手段が採られ
る。図中、１６は締め付けた各ボルト・ナツト１
１，１３，１４，１５を覆うコンクリートを示
す。一方、円弧状セグメント４の垂直接合面６ど
うしの接合は、第６図に示すように、円弧状セグ
メント４の両端部にＩ形鋼１７の一側を埋め込ん
で設け、このＩ形鋼１７の他側どうしを突き合わ
せた状態でこの突き合わせ部に連結材１８を差し
込んでなされる。連結材１８の差し込み後は、連
結材１８とＩ形鋼１７他側との隙間にシール材１
９がグラウトガンによつて注入され、その後、円
弧状セグメント４の垂直接合面６間にコンクリー
ト２０が打設される。なお、シール材１９を注入
するのに代えて、予めＩ形鋼１７にシール材１９
を塗布しておいてもよい。また、円弧状セグメン
ト４の両端部から予め差筋を出しておき、これを
連結するようにしてもよい。

次に、本海中展望塔の施行手順について述べ
る。先ず、多数の円弧状セグメント４を工場内で
製作し、仮組立て等を行う。そして、各円弧状セ
グメント４とその他の必要部材を陸上および海上
の交通手段を用いて施工現場に持ち込む。この場
合、本海中展望塔の塔壁３は多数の円弧状セグメ
ント４で構成されることから、小型の運搬船や作
業船で運搬することができる。そして、予め海底
２に設けておいたコンクリート基礎１の上に、多
数の円弧状セグメント４を互いに接合して塔壁３
を設ける。その後、塔壁３内の水を抜き、展望台
８を設けたり、塔内の内装を行う。塔外の塗覆装
は海中作業で行う。そして、全体の仕上げおよび
機器類の試運転を行つて施工が完了する。

考案の効果以上本考案によれば、施工上の自由度を増すこ
とができるとともに、小型船でも施工を行うこと
ができる。したがつて、海域や天候等によつてそ
の施工に大きな影響を受けなくて済む。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考
案に係る海中展望塔の全体側面図、第２図は第１
図のＡ−Ａ断面図、第３図は円弧状セグメント一
つの斜視図、第４図はコンクリート基礎と円弧状
セグメントとの接合状態を示す斜視図、第５図は
第１図のイ部拡大図、第６図は第５図のＢ−Ｂ断
面図である。１……コンクリート基礎、２……海底、３……
塔壁、４……円弧状セグメント。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

海底に設けられたコンクリート基礎と、このコ
ンクリート基礎の上に、多数のセグメントを互い
に接合して設けられた塔壁とを有することを特徴
とする海中展望塔。