JPH0237077B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般家庭で使用する電磁調理器用の天
ぷら鍋に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、電磁調理器で天ぷら調理を行うものとし
て、トツププレート下面にサーミスタ等のセンサ
を設けて油温を調節するものがあるが、直接油温
を検知しないために調節の温度精度が悪い欠点が
あつた。又調理器本体からコード式でセンサを容
器内に投込む方法も提案されているがコードの収
納及び容器への装着が不便であつたり、正しく装
着されない場合の油温の異常な上昇があるなどの
欠点を有している。

発明の目的 本発明は以上の欠点を除去し、温度調節精度の
よい、かつ安全性の高い天ぷら鍋を提供するもの
である。

発明の構成 本発明の電磁調理器用天ぷら鍋は、非金属性の
外郭とこの外郭に内装された金属性の容器とで構
成した筐体と、前記外郭の内底部に配され、電磁
調理器の加熱コイルからの高周波磁界により交流
高周波電圧を誘起する第１のコイルと、この第１
のコイルの両端から直流電源を得るようにした電
源装置と、この電源装置により駆動され、前記容
器内の油温を検知する電子式のサーモスタツト
と、前記第１のコイルから交流高周波電圧が供給
され、前記容器を誘導加熱する第２のコイルとを
備え、前記電子式のサーモスタツトは前記第２の
コイルへの電力供給を油温に応じて調節する構成
としたもので、上記構成の天ぷら鍋を電磁調理器
上に載置して調理器の加熱コイルを動作すると、
第１のコイルから電源装置を介して電子式のサー
モスタツトが動作し、容器内の油の温度制御を精
度高く、かつ、熱応答性よく行うものである。

実施例の説明 第１図において、１は非金属性の外郭であり、
２は外郭１に内装された金属性の容器である。外
郭１の内底部には第１のコイル３を設け、電磁調
理器の加熱コイルからの高周波磁界によつて高周
波電圧を誘起する。このコイル３の上部に電気絶
縁性の磁性体（フエライトコア）４が設けられ、
容器２の外底部及び外側部に第２のコイル５が設
けられている。

更に容器２の内側下部にセンサ支持体７が取り
つけられている。６は電子回路からなる電子式サ
ーモスタツトで、８がその温度調節用のツマミを
示している。第２図は電気結線図を示したもの
で、前述の電子式サーモスタツトに相当する部分
は記号で示す１０〜１４である。９は抵抗器、ダ
イオード、コンデンサからなる直流電源装置であ
つて、センサ支持体７に取り付けたサーミスタ１
０と、ツマミ８により操作される温度調節用可変
抵抗器１１を入力とするトランジスタ回路１２
（詳細を図示せず）及びリレー１３を駆動するた
めに用いられている。リレー接点１４は第１のコ
イル３と第２のコイル５と間に接続されている。
１５は温度ヒユーズである。

以上の構成の天ぷら鍋を電磁調理器のトツププ
レートに第１のコイル３が電磁調理器の加熱コイ
ルに対向するように載置して電磁調理器を運転さ
せると第１のコイル３に交流高周波電圧が誘起さ
れる。この電圧により電源装置９は直流電圧を発
生し、油温が温度調節用のツマミ８で設定された
温度より低い場合はリレーコイル１３が励磁され
接点１４を閉成して第２のコイル５を励磁し、容
器２を誘導加熱の原理で加熱し、容器内の油を昇
温させる。油温が前記の設定値より高くなると接
点１４を開成して第２のコイル５を非励磁にして
加熱動作を停止させる。この動作が繰り返し行わ
れて油温を所定の温度に保つ。ここで磁性体４は
第１のコイル３と電磁調理器の加熱コイルとの結
合を良好にするために設けられている。

周知のように電子式のサーモスタツトはセンサ
ーの熱容量が小さく、かつ動作巾（ON−OFF）
を任意に小さく設計できるので液体膨張式などの
機械式のものに比べて温度精度及び温度リツプル
の小さい温度制御を得ることが出来る。しかし機
械式のものはその動作に制御対象の熱エネルギー
を利用するのに比して、電子式のものは、別途に
用意した電源装置が必要であるため、本実施例で
は第１のコイルからのエネルギーの一部を利用し
て電子式のサーモスタツトを駆動する電源装置を
設けており、しかも、この電源装置は天ぷら鍋内
の第１のコイルからエネルギー供給されるため、
あらたに電源コードを取り付けなくともよい。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように本発明によれ
ば、電磁調理器によつて直接に容器を加熱するの
ではなしに、第一のコイルで電磁調理器より電気
エネルギーを受け取り、この電気エネルギーによ
り駆動される電子式サーモスタツトを設け、この
サーモスタツトで容器を加熱するように設けた第
２のコイルの通電を制御するように構成したもの
であるから前述したように温度精度がよく、温度
リツプルが小さく、かつ、多量に調理物を投入し
た時の、油温の低下に急速に応答して調理の仕上
に悪い影響を与えないばかりでなく、センサが固
定されているためにセンサー装着忘れや不安定な
装置による油温の異常な温度上昇を生じることな
く、したがつて安全性に優れた、かつコードレス
のため使用性のよい天ぷら鍋を提供出来るもので
ある。

なお実施例において、電子式サーモスタツト
は、リレーコイル１３と接点１４とで第２のコイ
ル５の通電を制御するようにしているが、これに
換えて半導体素子を用いてもよく、また第１のコ
イル３と第２のコイル５との距離を充分広く取れ
ば磁性体４は不要となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の構造を示す断面図、第２図は
その電気結線図である。 １……非金属性の外郭、２……金属性容器、３
……第１のコイル、５……第２のコイル、９……
電源装置、１０，１１，１２，１３，１４……電
子式サーモスタツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 非金属性の外郭とこの外郭に内装された金属
   性の容器とで構成した筐体と、前記外郭の内底部
   に配され、電磁調理器の加熱コイルからの高周波
   磁界により交流高周波電圧を誘起する第１のコイ
   ルと、この第１のコイルの両端から直流電源を得
   るようにした電源装置と、この電源装置により駆
   動され、前記容器内の油温を検知する電子式のサ
   ーモスタツトと、前記第１のコイルから交流高周
   波電圧が供給され、前記容器を誘導加熱する第２
   のコイルとを備え、前記電子式のサーモスタツト
   は前記第２のコイルへの電力供給を油温に応じて
   調節する構成とした電磁調理器用天ぷら鍋。