JPH0235210B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、好ましくは天井の近くに第１のヒー
タすなわちグリルヒータが配置されドアによつて
閉鎖できる加熱室と、加熱室の床近くに配置され
た第２のヒータと、両ヒータの間に配置されエア
ガイドと協働する空気循環フアンとを有するオー
ブンに関するものである。

公知の空気循環型オーブンにおいては、加熱室
はその背後側でいわゆる隔壁によつて画定され、
その隔壁には中央に吸気口が、また両側に２つの
排気スリツトたは２列の排気口が設けられてい
る。隔壁の吸気口の背後には空気循環フアンが設
けられており、空気循環フアンは、吸入されかつ
空気循環フアンを少なくとも部分的に取囲んでい
る特殊なヒータによつて加熱された空気を、排気
口を通してできるだけ激しく加熱室内に吹付ける
ようにし、加熱室内ではできるだけすべての部分
に空気が流れるようにしなければならない。この
ような構成の欠点は、例えば加熱室の床の脂肪受
け皿のある部分にも加熱された循環気流が到達
し、それが著しい煙や蒸気の発生につながるとで
ある。特に被加熱物が高い処理温度にさらにされ
る、いわゆる「高温気流グリル」の場合には、極
めて多量の煙が生じ、グリルの途中でオーブンド
アを迅速に開かなければならなかつたり、極めて
強力な排煙装置を設けなければならなかつたりす
る。いずれの場合もオーブンの実際のすべての使
用態様において料理室の周囲しばしば予期し得な
い程ひどい被害が生じる。

本発明の目的は、初めに述べた型のオーブン
を、広範囲な使用態様において著しい煙ないし蒸
気の生が防止でき、オーブン内温度の調節のため
のコストが高くならず、しかも簡単かつ安価な構
成のもとで広範囲の使用態様に万能的に使用でき
るように構成することにある。

この目的は本発明によれば、天井近くに第１の
ヒータが配置されドアによつて閉鎖できる加熱室
と、加熱室の床近くに配置された第２のヒータ
と、両ヒータの間に配置されエアガイドと協働す
る空気循還フアンとを有するオーブンにおいて、
加熱室内の天井近くに配置された第１のヒータに
近接して温度調節器の温度センサが配置され、こ
の温度センサは前記第１のヒータに熱的に直接ま
たは間接に結合されており、前記温度センサは前
記第１のヒータとほぼ同一の平面内に設けられて
いる保護管内に配置され、温度センサもしくはそ
の保護管がこれと第１のヒータとの間に配置され
たシールドにより第１のヒータから放射される熱
線に対してシールドされていることにより達成さ
れる。

この構成によれば、通常行われるように１つま
たは２つの平面で被加熱物をキヤリア（皿状の板
または網）上に載せる加熱室中央部に強力な循環
気流が発生され、それが被加熱物に直接作用す
る。これに対して加熱された空気は加熱室底部に
は全然もしくは極めて少ししか達しないので、被
加熱物からしたたり落ちる脂肪やソースなどの燃
焼が起こらず、したがつてひどい煙が発生するこ
とはない。したがつて、煙を排気するための機構
に関してオーブン構成に高いコステがかからな
い。本発明によれば加熱室内の反対側の部分も、
すなわち例えば加熱室天井の直ぐ下の部分も主加
熱気流の影響をこうむることがない、それ故に、
この部分にオーブン内の運転温度を調節する調節
器の温度センサを配設することができ、しかもそ
の温度センサは加熱気流の影響を直接受けること
がなく、したがつて循環気流なしのオーブン運転
態様に対しても用いることができるという利点が
生ずる。したがつて本発明のオーブンは万能的な
運転可能性を有する。これに対して加熱室中央部
には強力な加熱気流、すなわち異なる平面でも被
加熱物の一様な熱作用が与えられ、このことは本
発明の好ましい構成に従い、好ましくはアルミニ
ウムから成る被加熱物支持体は加熱室の断面との
関係において、支持体の周縁とこれに隣り合う加
熱室の壁との間に主気流方向に直角な自由気流ま
たは換気を可能にする間隙を確保するような寸法
に選定されることによつて助長される。このよう
にして異なる温度の空気層は形成されることはな
い。そのような温度差はあらゆる側に存在する間
隙を介して直ちに平衡化される。

温度センサはほぼ気流の無いオーブン空間にあ
り、一定の範囲内で、好ましくは同時にいわゆる
「上ヒータ」として用いられる第１のヒータに熱
的に結合されているという事実により、この温度
センサおよびそれに付属するすべてのオーブン運
転態様、すなわち通常のオーブン運転、空気循環
運転およびグリル運転、のための調節器として用
いる可能性が生じる。その場合、すべての運転態
様においてほぼ同一平均温度が整定される。

本発明の他の構成によれば、温度センサ用の２
本の保護管が好ましくは互いに平行に設けられ、
これらの保護管のうち、第１のヒータに近い方に
ある第１の保護管はオーブンの熱分解によるセル
フクリーニング運転を制御する温度調節器用の温
度センサを収納するのに用いられ、第１のヒータ
から遠い方にある第２の保護管はオーブンの加熱
運転を制御する温度調節器用の温度センサを収納
するのに用いられる。その場合、第１のヒータに
隣接する保護管は第２の温度センサ用の熱線保護
用として用いることができる。セルフクリーニン
グ運転においてヒータとして用いられる第１のヒ
ータへの温度センサの相対的に密な結合により、
調整増幅度が小くてすみ、したがつて例えば加熱
室のエナメル層を損傷することがある有害な温度
パルスを避けることができる。

考えられるすべてのオーブン運転態様に対して
温度センサを万能的に使用し得るようにするため
には、加熱室を背後側で画成している隔壁の中央
部に形成された吸気口の背後に空気循環フアンが
配設され、前記隔壁には前記吸気口の両側にエア
ガイドを形成する排気口が非対称に分布して設け
られ、これらの排気口は、温度センサ側の排気口
がその反対側の排気口よりも加熱室天井から、し
たつて温度センサから、遠く離せば良い。このよ
うにすれば、循環気流が温度センサあるいはその
保護管に直接接触するのを阻止することができ
る。

次に図面を参照して本発明をさらに詳細に説明
する。

第１図、第２図、第４図および第５図の実施例
においては、直方体状のオーブン加熱室が１で示
され、その前面側の開口部は例えばヒンジ結合に
より開閉自在のオーブンドア２によつてぴつたり
と閉められるように構成されている。第１図に
は、このドアは示されていない。この加熱室は通
常行われるように断熱層によつて取囲まれてい
る。第１図および第４図から判るように、加熱室
の背後側は隔壁３によつて画成されている。隔壁
３ほぼ中央には吸気口４が、またその両側部はス
リツト状の排気口５がそれぞれ形成されている。
吸気口４の背後には第４図に６で示されている空
気循環フアンが設けられている。フアン６は駆動
モータ７によつて駆動される。第１図に示されて
いるように、フアン６はエアガイド８によつて取
囲まれている。エアガイド８はフアン６からの気
流が隔壁３の背後から排気口５の方向へ確実に向
うように機能するものである。加熱室床９の下に
は外部電気ヒータ１０、いわゆる下ヒータが配置
されている。加熱室天井１１の直下には内部ヒー
タ１２が上ヒータとして配置されている。ヒータ
１２の両端子は例えば差込端子１３または他の適
当な接続端子に接続される。特に第３図に明示さ
れているように、ヒータ１２はえもん掛状の支持
フレーム１４に支持されている。支持フレーム１
４は加熱室側壁の上端部に固定されている。支持
フレーム１４は、第１図の実施例の場合、図示し
ていない温度調節器の温度センサ１６のための保
護管１５をも支持している。温度調節器は周知の
ようにオーブン内が整定された運転温度になるよ
うに調節動作する。第２図では、この装置部分は
ユニツトとして示され、保護管１５はＬ字形のシ
ールド１７に接続されている。このシールド１７
により保護管１５、およびヒータ１２の同一平面
内に延び且つヒータ１２の側方部を前後に走る部
分と平行に配置されている温度センサが運転中の
ヒータ１２の直射熱線からシールドされる。しか
し保護管５はヒータ１２に支持フレーム１４を介
して熱的に結合されている。

第３図の実施例の場合、第１図の保護管１５の
代りにヒータ１２に近接して互いに平行な２本の
保護管１８および１９が支持フレーム１４に取付
けられている。これらの保護管も隔壁２０ないし
加熱室背面壁を貫通し、細長い温度センサを収納
するために設けられている。これらの温度センサ
は２組の特に多チヤネル式を良とする温度調節器
に接続される。その場合、保護管１９内の温度セ
ンサとその調節器は例えば500℃の高温下でのオ
ーブン内の熱分解によるセルフクリーニング温度
の調節のために用いられ、加熱室の側壁に対向し
ている保護管１８内の温度センサとその調節器は
オーブンにおける通常の加熱室温度を調節するの
に用いられる。この場合、セルフクリーニング調
節器の保護管１９は、第１図のシールド１７に相
当するオーブン調節器の保護管８用のシールドと
して役立つものであり、ここでも保護管１８はヒ
ータ１２の全熱線に直接にはさらされないように
なつている。第３図の実施例においてさらに排気
口２１および２２として加熱室側壁に近接して多
数の孔が設けられている。この孔の分布は、左右
両側の孔が同様に多数の孔として構成された吸気
口２３の両側に非対称に位置するように位置決め
されている。すなわち、保護管１８，１９の下方
にある孔２２は温度センサ無い反対側の加熱室側
壁に近い孔２１よりも加熱室天井１１から大きな
距離をもつて設けられている。加熱室床２４には
油やソースを受けるための皿２５またはそれと同
等のものが載置され、その中に、オーブン運転中
に被加熱物からしたたり落ちる脂肪が集められ
る。この実施例の場合、皿２５は飛散防止板２６
によつてほとんど覆われ、頂部開口２７のみを持
つている。

第３図、第４図、第５図から明らかなように、
加熱室内には上下方向に隔壁をおいた２つの平面
内に２つの被加熱物支持体２８が図示していない
保持部材によつて支持されている。支持体２８は
好ましくはアルミニウムから成るなべ状または焼
き網状のものであつて、加熱室断面（第４図）と
の関連において、支持体２８の周縁と加熱室側壁
との間に間隙２９〜３２が保たれるように構成さ
れている。すなわち、支持体２８の周縁はオーブ
ンドア２の内側を含めて加熱室側壁から離隔され
ている。

図示されていないが、このオーブンは両ヒータ
１０，１２やフアン６ないし駆動モータ７のため
の切換装置を持つている。この切換装置の第１の
切換位置では、例えばケーキの解凍のためにフア
ン６だけが運転される。第２の切換位置では例え
ば50〜250℃の温度に設定され、例えば被加熱物
にこげ目を付けたりそれを焼いたりするために下
ヒータ１０とこれに直列の上ヒータ１２が投入さ
れる。この場合、フアン６はいつでも投入され
る。第３の切換位置では上記と同様に50〜250℃
の温度設定され、フアン６、下ヒータ１０および
これに直列の上ヒータ１２が投入される。例えば
薄物を焼くために第４の切換位置が設けられ、こ
こでは上ヒータ１２を除いて運転され、一方、第
５の切換位置では予め選定されたオンオフ比に従
つてフアン６と上ヒータ１２が交互に連続的に投
入される。最後に「自動焼き」運転のための第６
の切換位置を設け、そこで下ヒータ１０これに直
列の上ヒータ１２が投入されるようにしてもよ
い。このために特殊な切換機構を設けることがで
きる。すべての運転態様はオーブンドア２を閉め
たままで行われる。実施例に示すエアガイド要素
８，５，２１および２２は、加熱室床９ないし２
４および加熱室天井１１にほぼ平行な気流が加熱
室中央部に加熱室床よび加熱室天井から成る隔壁
をおいて生じるように配置調整されている。図に
は気流は矢印で示されている。特に第３図および
第５図から認め得るように、両支持体２８間には
強い気流が生じ、これに対してその上下には全然
もしくは弱い気流しか生じない。特に第５図から
明らかなように、中央部の気流は２つの平面すな
わち２階式に配置されている被加熱物の一様な加
熱を上部支持体の一様な加熱と下部支持体上の被
加熱物との直接接触とにより達成する。これに対
して被加熱物の各反対側は上ヒータ１２および下
ヒータ１０からの直射（上）熱線および間接
（下）熱線さらされる。特に第３図の実施例よる
排気口分布（非対称分布）により、気流が温度セ
ンサないしその保護管１８，１９から遠ざけられ
ているので、保護管に対する直接の影響は無い。
同様に主気流は加熱室の床部分から遠ざけられて
いるので、そこに集められた脂肪が加熱されるこ
とがなく、したがつて煙が生ずることもない。間
隙２９〜３２の存在により加熱室中央部で空気お
よび熱の交換が何ら妨げられることなく可能であ
り、そのためこの加熱室中央部に一様な運転温度
を整定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるオーブンの内部構成を示
す前面方向から見た透視図、第２図は第１図のオ
ーブンにおけるヒータユニツトの斜視図、第３図
は本発明によるオーブンの異なる実施例における
内部構成を示す透視図、第４図および第５図は第
１図および第３図によるオーブンの内部構成を示
す平面図および側断面図である。 １……加熱室、２……ドア、４；２３……吸気
口、５，２２……排気口、６……空気循環フア
ン、８……エアガイド、１０……下ヒータ、１２
……上ヒータ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 天井近くに第１のヒータが配置されドアによ
   つて閉鎖できる加熱室と、加熱室の床近くに配置
   された第２のヒータと、両ヒータの間に配置され
   エアガイドと協働する空気循還フアンとを有する
   オーブンにおいて、加熱室内の天井１１近くに配
   置された第１のヒータ１２に近接して温度調節器
   の温度センサ１６が配置され、この温度センサは
   前記第１のヒータ１２に熱的に直接または間接に
   結合されており、前記温度センサ１６は前記第１
   のヒータ１２とほぼ同一の平面内に設けられてい
   る保護管１５；１８，１９内に配置され、温度セ
   ンサ１６もしくはその保護管１５；１８，１９が
   これと第１のヒータ１２との間に配置されたシー
   ルド１７；１９により第１のヒータから放射され
   る熱線に対してシールドされていることを特徴と
   するオーブン。 ２ 温度センサ用の２本の保護管１８，１９が設
   けられ、これらの保護管のうち第１のヒータ１２
   に近い方にある第１の保護管１９はオーブンの熱
   分解によるセルフクリーニング運転を制御する温
   度調節器用の温度センサを収納するのに用いら
   れ、前記第１のヒータから遠い方にある第２の保
   護管１８はオーブンの加熱運転を制御する温度調
   節器用の温度センサを収納するのに用いられるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のオー
   ブン。 ３ 前記２本の保護管１８，１９は互いに平行に
   設けられていることを特徴とする特許請求の範囲
   第２項記載のオーブン。 ４ 第１のヒータ１２に近い方にある保護管１９
   は遠い方にある第２の保護管１８用のシールドと
   して役立つていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項ないし第３項のいずれか１つに記載のオ
   ーブン。 ５ 前記保護管１５；１８，１９は前記第１のヒ
   ータ１２および保護管に付属されている支持フレ
   ーム１４を介して前記第１のヒータに直接に結合
   されていることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項ないし第４項のいずれか１つに記載のオーブ
   ン。 ６ 加熱室を背後側で画成している隔壁３；２０
   の中央部に形成された吸気口４；２３の背後に空
   気循環フアン６が配設され、前記隔壁３；２０に
   は前記吸気口の両側にエアガイドを形成する排気
   口５；２１，２２が非対称に分布して設けられ、
   これらの排気口は、前記温度センサ側の排気口２
   ２がその反対側の排気口２１よりも加熱室天井１
   １および温度センサ１６から離れて設けられてい
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし
   第５項のいずれか１つに記載のオーブン。